【Verilogとトライステート】完全マスターのための6つの詳細ガイド – Japanシーモア

【Verilogとトライステート】完全マスターのための6つの詳細ガイド

初心者向けVerilogとトライステートの詳細ガイドVerilog
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説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

Verilogとトライステートについて理解したい初心者の皆さんへ、この記事を捧げます。

トライステートの基本的な使い方、注意点、そしてカスタマイズ方法まで、詳しく分かりやすく解説していきます。

6つのステップに分けて進めていきますので、一緒にVerilogとトライステートの全てをマスターしましょう。

●Verilogとは

Verilogは、デジタルシステムをハードウェア記述言語(HDL)としてモデル化するための言語です。

回路の設計やテストを行うための標準的な手段として広く採用されています。

また、その強力なシミュレーションと検証機能により、VerilogはFPGAやASICの設計に不可欠なツールとなっています。

○Verilogの基本概念

Verilogは、基本的にはハードウェアの動作をシミュレートするための言語です。

そのため、ハードウェアの動作と並行して動作することが多く、それぞれの動作は相互に影響を及ぼし合います。

Verilogではモジュールと呼ばれる単位で設計を行い、各モジュールは他のモジュールと連携して動作します。

●トライステートとは

トライステートとは、デジタルロジック回路における特殊な状態を指します。

一般的に、デジタルシステムでは0と1の二つの状態が存在しますが、トライステートはそれに加えて「高インピーダンス状態」と呼ばれる第三の状態を導入します。

○トライステートの基本概念

高インピーダンス状態とは、電流をほとんど通さない状態を指します。トライステートは、回路の一部を電気的に切り離す能力があります。

これにより、1つの信号線に複数の出力を接続することが可能になります。

●Verilogでのトライステートの使い方

Verilogでは、’z’を使用してトライステート、すなわち高インピーダンス状態を表現します。

‘z’は信号が「未接続」であることを意味します。

○サンプルコード1: トライステートバッファの基本的な使い方

このコードではVerilogを使ってトライステートバッファを作成する例を紹介します。

この例では制御信号によってバッファの出力が切り替えられることを示しています。

module tristate_buffer(input wire control, input wire data_in, output wire data_out);
assign data_out = control ? data_in : 1'bz;
endmodule

このコードでは、制御信号(control)によって、出力(data_out)が入力(data_in)と同じになるか、高インピーダンス状態(1’bz)になるかを決定しています。

制御信号が1のとき、出力は入力と同じになります。制御信号が0のとき、出力は高インピーダンス状態になります。

コードを実行すると、制御信号が1のときには、出力が入力と一致し、制御信号が0のときには、出力が高インピーダンス状態になることが確認できます。

○サンプルコード2:トライステートバッファを使ったデータ転送

次に、トライステートバッファを使ってデータ転送を行う例を見てみましょう。

module data_transfer(input wire [7:0] data_in, input wire control, output wire [7:0] data_out);
assign data_out = control ? data_in : 8'bz;
endmodule

このコードでは8ビット幅のデータ(data_in)を制御信号(control)に基づいて出力(data_out)に転送しています。

制御信号が1のとき、出力は入力と同じになります。

制御信号が0のとき、出力は高インピーダンス状態になります。

このコードを実行すると、制御信号が1のときには、8ビットのデータが出力に転送され、制御信号が0のときには、出力が高インピーダンス状態になることが確認できます。

●Verilogでのトライステートの応用例

トライステートは、バスシステムやメモリアレイのような複数のデバイスが1つの信号線を共有するシステムで使用されます。

○サンプルコード3:トライステートを用いたバスシステム

次に、トライステートを用いてバスシステムを実装する例を見てみましょう。

module bus_system(input wire [1:0] control, input wire [7:0] data_in, output wire [7:0] bus);
assign bus = (control == 2'b00) ? data_in : 8'bz;
endmodule

このコードでは、制御信号(control)が00の場合にのみデータ(data_in)をバス(bus)に出力します。

それ以外の場合、バスは高インピーダンス状態になります。

このコードを実行すると、制御信号が00のときには、データがバスに出力され、それ以外の場合には、バスが高インピーダンス状態になることが確認できます。

○サンプルコード4:トライステートを使ったメモリアレイ

最後に、トライステートを使用してメモリアレイを実装する例を見てみましょう。

module memory_array(input wire [1:0] address, input wire write, input wire [7:0] data_in, output wire [7:0] data_out);
reg [7:0] memory [3:0];
always @(address, write, data_in) begin
    if (write)
        memory[address] <= data_in;
    else
        data_out <= (write == 0) ? memory[address] : 8'bz;
end
endmodule

このコードでは、書き込み信号(write)がアクティブな場合には入力データ(data_in)をメモリアレイ(memory)の指定されたアドレス(address)に書き込みます。

書き込み信号が非アクティブな場合には、指定されたアドレスのデータを出力(data_out)します。

ただし、出力は書き込み信号が非アクティブであるときに限ります。

このコードを実行すると、書き込み信号がアクティブな場合には入力データが指定されたアドレスに書き込まれ、書き込み信号が非アクティブな場合には指定されたアドレスのデータが出力されることが確認できます。

●Verilogでのトライステートの注意点と対処法

トライステートの利用は非常に便利ですが、注意すべき点があります。

それは、同時に2つ以上の出力がアクティブになり、バス上で競合が発生する可能性があることです。

これを防ぐためには、正確な制御信号を設定することが重要です。

●Verilogでのトライステートのカスタマイズ方法

トライステートの利用は非常に柔軟性があり、システムの要件に応じて適切にカスタマイズすることが可能です。

例えば、制御信号の数を増やすことで、より多くのデバイスを1つのバスに接続することが可能です。

また、バスの幅を調整することで、転送するデータの量を調節することもできます。

まとめ

この記事では、Verilogとトライステートについての基本的な知識から、その使用方法、応用例、注意点、カスタマイズ方法までを詳しく解説しました。

これらの知識を活用して、Verilogとトライステートを使ったデザインを作成してみてください。

これからも、あなたのVerilogとトライステートに対する理解が深まることを願っています。