初心者も安心!Pythonの内包表記をマスターする5つのステップ

初心者がPythonの内包表記を学ぶためのイラスト。Pythonのロゴと初心者が一緒に学んでいる様子が描かれています。Python
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基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

Pythonを学び始めた初心者の皆様、こんにちは。

この記事では、Pythonの内包表記をゼロから学び、自信を持って使用できるようになるためのステップをご紹介します。

Pythonの内包表記は、リスト、辞書、集合などを簡潔に生成するための強力な機能であり、より洗練されたコードを書く上で非常に便利なツールです。

○Pythonの内包表記の特徴

Pythonの内包表記は、一般的にはリスト、集合、辞書の生成に使用されます。

これらのデータ構造を簡潔かつ効率的に生成することが可能で、これによりコードはシンプルで読みやすくなります。

また、内包表記を利用することで、一部の状況での処理速度が向上することもあります。

○Pythonの内包表記の利点

内包表記の最大の利点はそのコンパクトさです。

複数行にわたるコードを1行で表現することが可能となります。

これにより、コードが読みやすくなり、また、実行速度が向上することもあります。

●Pythonの内包表記の基本

○リスト内包表記

リスト内包表記は、リストを生成するための表記法です。

□サンプルコード1:リスト内包表記の基本形

ここでは0から9までの数値を持つリストを生成するコードを紹介しています。

この例ではrange関数を使って0から9までの数値を生成し、それらをリストの要素としています。

list_comp = [i for i in range(10)]
print(list_comp) # [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

上記のコードを実行すると、0から9までの整数を要素とするリストが出力されます。

□サンプルコード2:条件付きリスト内包表記

ここでは、0から9までの偶数を持つリストを生成するコードを紹介しています。

この例では、条件式を使って偶数のみをリストの要素としています。

list_comp_even = [i for i in range(10) if i % 2 == 0]
print(list_comp_even) # [0, 2, 4, 6, 8]

上記のコードを実行すると、0から9までの整数のうち、偶数だけを要素とするリストが出力されます。

○集合内包表記

集合内包表記は、集合を生成するための表記法です。

□サンプルコード3:集合内包表記の基本形

ここでは、0から9までの数値を持つ集合を生成するコードを紹介しています。

この例ではrange関数を使って0から9までの数値を生成し、それらを集合の要素としています。

set_comp = {i for i in range(10)}
print(set_comp) # {0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9}

上記のコードを実行すると、0から9までの整数を要素とする集合が出力されます。

□サンプルコード4:条件付き集合内包表記

ここでは、0から9までの奇数を持つ集合を生成するコードを紹介しています。

この例では、条件式を使って奇数のみを集合の要素としています。

set_comp_odd = {i for i in range(10) if i % 2 != 0}
print(set_comp_odd) # {1, 3, 5, 7, 9}

上記のコードを実行すると、0から9までの整数のうち、奇数だけを要素とする集合が出力されます。

○辞書内包表記

辞書内包表記は、辞書を生成するための表記法です。

□サンプルコード5:辞書内包表記の基本形

ここでは、0から9までの数値をキーに、その二乗を値に持つ辞書を生成するコードを紹介しています。

この例では、range関数を使って0から9までの数値を生成し、それらをキーとし、各キーの二乗を値として辞書を生成しています。

dict_comp = {i: i**2 for i in range(10)}
print(dict_comp) # {0: 0, 1: 1, 2: 4, 3: 9, 4: 16, 5: 25, 6: 36, 7: 49, 8: 64, 9: 81}

上記のコードを実行すると、0から9までの整数をキーとし、それぞれの二乗を値とする辞書が出力されます。

□サンプルコード6:条件付き辞書内包表記

ここでは、0から9までの偶数をキーに、その二乗を値に持つ辞書を生成するコードを紹介しています。

この例では、条件式を使って偶数のみをキーとして辞書を生成しています。

dict_comp_even = {i: i**2 for i in range(10) if i % 2 == 0}
print(dict_comp_even) # {0: 0, 2: 4, 4: 16, 6: 36, 8: 64}

上記のコードを実行すると、0から9までの整数のうち、偶数をキーとし、それぞれの二乗を値とする辞書が出力されます。

●Pythonの内包表記の応用例

○サンプルコード7:リスト内包表記を用いた2次元配列の生成

このコードでは、リスト内包表記を使って5×5の2次元配列を生成する例を紹介します。

この例では、ネストしたリスト内包表記を使用しています。

two_dim_array = [[i+j for i in range(5)] for j in range(5)]
print(two_dim_array)

上記のコードを実行すると、次のような2次元配列が生成されます。

[[0, 1, 2, 3, 4], 
 [1, 2, 3, 4, 5], 
 [2, 3, 4, 5, 6], 
 [3, 4, 5, 6, 7], 
 [4, 5, 6, 7, 8]]

○サンプルコード8:辞書内包表記を用いた文字列の頻度集計

このコードでは、辞書内包表記を用いて文字列の中の各文字の出現頻度を数える例を紹介します。

この例では、文字列を一文字ずつ取り出し、それを辞書のキーとし、その出現回数を辞書の値としています。

text = "Pythonの内包表記"
freq_dict = {char: text.count(char) for char in text}
print(freq_dict)

上記のコードを実行すると、文字列内の各文字とその出現回数を対応させた辞書が生成されます。

○サンプルコード9:集合内包表記を用いた集合操作

このコードでは、集合内包表記を用いて集合の操作を行う例を紹介します。

この例では、2つの集合から共通する要素を取り出して新たな集合を作り出しています。

set1 = {1, 2, 3, 4, 5}
set2 = {4, 5, 6, 7, 8}
common = {i for i in set1 if i in set2}
print(common) # {4, 5}

上記のコードを実行すると、set1とset2の共通要素からなる集合が出力されます。

●内包表記の注意点と対処法

○読みにくさへの対策

内包表記は一行で多くの操作を行うため、一見すると理解が難しい場合があります。

そのため、複雑な内包表記を使用する際は、コメントを多めに記述したり、適宜改行を入れるなどして可読性を確保しましょう。

○計算速度とメモリ使用量への影響

内包表記はリストや辞書などのデータ構造を一度に全て生成します。

そのため、大量のデータを扱う場合には、メモリ使用量が増大し、パフォーマンスが低下する可能性があります。

そのような場合には、ジェネレータ表記を使用することを検討しましょう。

○条件式の使い方について

内包表記で条件式を使う場合、if文だけでなく、if-else文も使用できます。

ただし、if-else文を使用する場合はその配置に注意が必要です。

具体的な位置と動作の違いは次の通りです。

  • 内包表記の後ろにif文を配置すると、条件に一致する要素だけが新しいデータ構造に含まれます。
  • 内包表記の前にif-else文を配置すると、全ての要素が新しいデータ構造に含まれ、条件に一致するか否かで異なる操作が適用されます。

●Pythonの内包表記のカスタマイズ方法

Pythonの内包表記の特性を最大限に活用するためには、そのカスタマイズ方法を理解することが重要です。

ここでは、ネストした内包表記や関数との組み合わせ方など、内包表記のカスタマイズ方法について詳しく解説します。

○ネストした内包表記

ネストとは、あるものが他のものの中に入ることを表します。

内包表記でもネストが可能で、複数のループや条件を組み合わせることで、さまざまな操作を一行のコードで表現することができます。

□サンプルコード10:リスト内包表記による多重ループ

このコードでは、リスト内包表記をネストして、多重ループを行うコードを紹介しています。

この例では、二重のループを一行で記述して、九九の表を作成しています。

kuku = [[i * j for j in range(1, 10)] for i in range(1, 10)]
print(kuku)

上記のコードを実行すると、九九の表が2次元リストとして出力されます。

□サンプルコード11:辞書内包表記による多重ループ

このコードでは、辞書内包表記をネストして、多重ループを行うコードを紹介しています。

この例では、二重のループを一行で記述し、アルファベットの組み合わせをキー、その組み合わせの長さを値とする辞書を作成しています。

import string
comb_dict = {i+j: len(i+j) for i in string.ascii_lowercase for j in string.ascii_lowercase}
print(comb_dict)

上記のコードを実行すると、アルファベットの組み合わせとその長さを対応させた辞書が生成されます。

○関数との組み合わせ

Pythonの内包表記は、そのままではなく、関数と組み合わせることで、さらに便利に使用することができます。

ここでは、内包表記と組み合わせることができるmap関数とfilter関数について説明します。

□サンプルコード12:内包表記とmap関数の比較

このコードでは、内包表記とmap関数を用いて同じ操作を行うコードを紹介しています。

この例では、リストの全ての要素を二乗する操作を行っています。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]

# リスト内包表記を使用した場合
squares_comp = [n ** 2 for n in numbers]
print(squares_comp)

# map関数を使用した場合
squares_map = list(map(lambda n: n ** 2, numbers))
print(squares_map)

上記のコードを実行すると、どちらの場合も同じ結果である[1, 4, 9, 16, 25]が出力されます。

しかし、内包表記を用いた方がコードが簡潔になり、可読性が高まります。

□サンプルコード13:内包表記とfilter関数の比較

このコードでは、内包表記とfilter関数を用いて同じ操作を行うコードを紹介しています。

この例では、リストから偶数だけを抽出する操作を行っています。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]

# リスト内包表記を使用した場合
evens_comp = [n for n in numbers if n % 2 == 0]
print(evens_comp)

# filter関数を使用した場合
evens_filter = list(filter(lambda n: n % 2 == 0, numbers))
print(evens_filter)

上記のコードを実行すると、どちらの場合も同じ結果である[2, 4]が出力されます。

しかし、内包表記を用いた方がコードが簡潔になり、可読性が高まります。

Pythonの内包表記は、リストや辞書、集合の生成を一行で行うことができる非常に便利なツールです。

しかし、その機能を十分に活用するためには、その使用方法を理解し、適切にカスタマイズすることが必要です。

今回は、そのカスタマイズ方法について、具体的なサンプルコードを交えて説明しました。

これでPythonの内包表記の基本的な使い方から応用例、さらにはカスタマイズ方法までを学ぶことができました。

これらの知識を活用して、Pythonプログラミングをより効率的で、生産的なものにしてください。

まとめ

この記事では、Pythonの内包表記について詳しく解説しました。

Pythonの内包表記を使うと、コードを簡潔に書くことができます。

また、内包表記は、リストだけでなく、辞書や集合にも使用

することができ、さらにネストや関数と組み合わせることで、複雑な操作も一行で表現することが可能です。

しかし、内包表記の全ての機能を活用するためには、その使用法とカスタマイズ方法を理解することが重要です。

特に、ネストした内包表記による多重ループや、関数との組み合わせによる効率的な操作について理解すると、さらにPythonプログラミングが楽しくなるでしょう。

また、内包表記の使い方をマスターすることで、より簡潔かつ効率的なコードを書くことが可能になります。

Pythonの内包表記は、プログラミング初心者にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、一度慣れてしまえば、その力強さと便利さに驚くことでしょう。

この記事が、Pythonの内包表記を理解し、実際のコーディングに活用するための一助になれば幸いです。

これからもPythonの内包表記を使って、楽しく、効率的なプログラミングを進めていきましょう。