Pythonと辞書(dict)を使ったデータ操作のマスター10ステップ – Japanシーモア

Pythonと辞書(dict)を使ったデータ操作のマスター10ステップ

Pythonと辞書を使用したデータ操作のステップバイステップガイドPython
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はじめに

Pythonと辞書(dict)を使ったデータ操作をマスターするための10ステップについて詳しく解説します。

初心者から中級者までの全てのPythonユーザーにとって有用な情報を提供します。

辞書の基本構造から作り方、使い方、活用例、注意点、そしてカスタマイズ方法までを、コード例と共に詳細に解説します。

●Pythonと辞書(dict)について

Pythonは、その高い可読性とコードの再利用性から、世界中の開発者に愛されているプログラミング言語です。

Pythonでは、データ構造としてリストやタプル、セットなどが利用できますが、その中でも辞書(dict)は特に強力で便利なデータ構造です。

辞書は、キーと値のペアでデータを管理します。

キーを指定することで、対応する値を迅速に取得できるのが特徴です。

これは、リストやタプルでは項目の位置によってデータを操作するのに対し、辞書ではキーによってデータを操作する点で異なります。

●辞書(dict)の基本構造

辞書は、'{‘と’}’の間にキーと値のペアをコロン’:’で連結して記述します。

各ペアはカンマ’,’で区切ります。

下記のコードは、”apple”というキーに”りんご”という値を、”banana”というキーに”ばなな”という値を持つ辞書を作成しています。

fruit_dict = {"apple": "りんご", "banana": "ばなな"}

ここで、キーは辞書内で一意でなければならない点に注意が必要です。

つまり、同じキーを持つ二つのペアが辞書内に存在することはできません。

●辞書(dict)の作り方

辞書の作成方法は主に2つあります。

一つ目は上述の直接的な方法、二つ目はdict関数を用いる方法です。

○基本的な辞書(dict)の作成

直接的な方法では、次のように'{‘と’}’の間にキーと値のペアを記述します。各ペアはカンマ’,’で区切ります。

person = {"name": "山田", "age": 30, "city": "東京"}

上記のコードでは、”name”、”age”、”city”というキーにそれぞれ”山田”、30、”東京”という値を設定して、辞書を作成しています。

○キーと値のペアの追加

すでに作成された辞書に新たなキーと値のペアを追加するには、新しいキーを指定し、その値を設定します。

person["job"] = "エンジニア"

このコードを実行すると、既存のperson辞書に”job”という新たなキーとその値”エンジニア”が追加されます。

●辞書(dict)の使い方

辞書を使うことで、データの取得、更新、削除などの操作が容易になります。

○キーを使った値の取得

キーを指定して値を取得するには、次のように辞書の名前の後に'[]’内にキーを記述します。

print(person["name"])

このコードを実行すると、person辞書の”name”というキーの値、つまり”山田”が出力されます。

○辞書の更新

辞書の値を更新するには、更新したいキーを指定して新しい値を設定します。

person["age"] = 31

このコードを実行すると、”age”の値が30から31に更新されます。

○辞書からキーと値の削除

辞書から特定のキーとその値を削除するには、delキーワードを使います。

del person["city"]

このコードを実行すると、”city”というキーとその値がperson辞書から削除されます。

●辞書(dict)の活用例

辞書は様々な場面で活用できます。

情報の格納と取得やデータの集計などに使用します。

○情報の格納と取得

辞書はキーと値のペアの集合であるため、情報の格納と取得に適しています。

例えば、各人の身長を管理する場合、名前をキーとして、身長を値とする辞書を作成します。

heights = {"太郎": 170, "花子": 160, "次郎": 175}

この辞書を使って、太郎の身長を取得するには次のようにします。

print(heights["太郎"])

このコードを実行すると、”太郎”の身長である170が出力されます。

○データの集計

辞書はデータの集計にも使えます。

例えば、あるリスト内の各要素の出現回数を数えることができます。

words = ["apple", "banana", "apple", "orange", "banana", "banana"]
word_count = {}

for word in words:
    if word in word_count:
        word_count[word] += 1
    else:
        word_count[word] = 1

print(word_count)

このコードでは、まず空の辞書word_countを作成し、リストwordsの各要素を順に調べています。

その要素が辞書に既に存在する場合、その値(出現回数)を1増やし、存在しない場合は新たにキーと値のペアを辞書に追加します。

コードを実行すると、各単語の出現回数が辞書として出力されます。

{"apple": 2, "banana": 3, "orange": 1}

この結果から、「apple」は2回、「banana」は3回、「orange」は1回出現していることが分かります。

●for文を使った辞書(dict)操作

for文を使うと、辞書の全てのキーと値に対して操作を行うことができます。

○辞書のキーと値をfor文でループ処理

辞書の全てのキーと値に対して何らかの操作を行うには、itemsメソッドを使います。

itemsメソッドはキーと値のペアをタプルとして返します。

for key, value in word_count.items():
    print(f"{key}: {value}")

このコードを実行すると、word_count辞書の全てのキーと値が出力されます。

ここで、f文字列を使用して、キーと値を組み合わせた文字列を作成しています。

●注意点と対処法

辞書を使用する際には、いくつか注意すべき点があります。

○キーの一意性

辞書では、全てのキーが一意である必要があります。

もし同じキーで新たな値を設定した場合、元の値は新たな値に上書きされます。

test_dict = {"key1": "value1", "key2": "value2"}
test_dict["key1"] = "new_value"
print(test_dict)

このコードを実行すると、”key1″の値が新たな値”new_value”に上書きされて出力されます。

{"key1": "new_value", "key2": "value2"}

これは期待した挙動でない場合もあるので、同じキーを持つデータを辞書に追加する際には注意が必要です。

○辞書の順序

Python 3.6以前のバージョンでは、辞書は順序を保持しません。

つまり、追加した順序と辞書から取得する順序が異なることがあります。

しかし、Python 3.7以降では、辞書は順序を保持します。

これは、辞書が要素を追加した順序を記憶するようになったためです。

したがって、Pythonのバージョンによっては順序が重要な場合、順序を保持するデータ構造(例えばリストやOrderedDictなど)を使用することを検討する必要があります。

●カスタマイズ方法

辞書をより便利に使うためのカスタマイズ方法もあります。

○辞書の内包表記

辞書の内包表記を使用すると、簡潔なコードで新たな辞書を作成することができます。

squares = {x: x*x for x in range(6)}

このコードでは、0から5までの整数xをキーとし、その二乗を値とする辞書を作成しています。

○辞書のソート

辞書のソートを行うには、辞書のitemsメソッドと組み込み関数のsortedを使用します。

sorted_dict = dict(sorted(word_count.items()))

このコードを実行すると、word_count辞書のキーに基づいてソートされた新たな辞書が作成されます。

まとめ

この記事では、Pythonと辞書(dict)を使用してデータ操作を行うための10のステップについて解説しました。

辞書は、そのキーと値のペアでデータを管理する特性により、様々な場面で活用できます。

しかし、キーの一意性や辞書の順序に注意しながら使用する必要があります。

また、辞書の内包表記やソートなどのカスタマイズ方法を活用することで、より効率的にデータ操作を行うことができます。

Pythonと辞書を使用したデータ操作に慣れることで、Pythonプログラミングの幅が広がるでしょう

この記事がその一助となれば幸いです。