COBOLの組み込み関数を完全マスターする8つのステップ

初心者が学ぶCOBOL組み込み関数のイメージCOBOL
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

この記事を読むことで、あなたはCOBOLの組み込み関数についての知識を深め、それを実際のプログラミングに応用するスキルを身につけることができるでしょう。

COBOLは現代のプログラミング言語とは異なる特有の特徴を持っており、特に組み込み関数の使い方を理解することは、この言語を効率的に使用する上で非常に重要です。

初心者でも理解しやすいよう、COBOLの基本から組み込み関数の詳細な使い方までを丁寧に解説していきます。

●COBOLとは

COBOL(Common Business Oriented Language)は、ビジネス環境に特化したプログラミング言語で、1959年に開発されました。

その設計は、ビジネスデータ処理に特化し、読みやすく理解しやすいコードを目指しています。

その結果、COBOLは金融機関や政府機関などで広く使用されてきました。

今日でも多くの既存システムがCOBOLで書かれているため、この言語を理解し、効率的に使用する能力は重要です。

○COBOLの歴史と特徴

COBOLの開発は、プログラミング言語がまだ初期段階にあった1950年代後半に始まりました。

この言語は、特にビジネスデータの処理とレポート作成のために設計されており、その文法は英語に近い構造を持っています。

この読みやすさが、COBOLをビジネス分野で広く受け入れられる理由の一つとなっています。

○なぜ今もCOBOLが重要なのか

多くの現代技術者にとって、COBOLは時代遅れの言語のように思えるかもしれませんが、実際には多くの企業や政府機関で今でも広く使用されています。

特に銀行業界や保険業界、政府のシステムでは、COBOLで書かれたプログラムが重要な役割を担っています。

これらのシステムは長年にわたって稼働しており、置き換えるには膨大な時間とコストがかかるため、COBOLの知識を持つプログラマーは今でも非常に需要があります。

また、COBOLは大量のトランザクションを処理する能力に優れており、この点でも現代のビジネス環境において重要な役割を果たしています。

これらの理由から、COBOLの基本を学ぶことは、特にビジネスアプリケーションの開発に関心のあるプログラマーにとって価値があります。

●COBOLの組み込み関数の基本

COBOLにおける組み込み関数は、プログラマーが日常的なプログラミングタスクを簡単に処理できるように設計されています。

これらの関数は、文字列操作、数値計算、日付処理など、多岐にわたる操作をサポートしており、COBOLの効率的な使用に不可欠です。

組み込み関数を適切に使用することで、コードの可読性が向上し、メンテナンスが容易になります。

○組み込み関数の種類と役割

COBOLの組み込み関数には、様々な種類があり、それぞれ特定の目的に合わせて使用されます。

例えば、STRING関数は複数の文字列を結合するために使用され、NUMVAL関数は文字列を数値に変換するために使用されます。

これらの関数は、COBOLプログラム内で一般的なデータ操作を簡単に行うために欠かせないツールです。

○基本的な構文

COBOLの組み込み関数は、特定の構文に従って使用されます。

たとえば、文字列を数値に変換するNUMVAL関数の使用例を見てみましょう。

下記のサンプルコードは、文字列"123"を数値123に変換する方法を表しています。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. SampleProgram.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 NUMERIC-VALUE PIC 9(3).
01 STRING-VALUE PIC A(3) VALUE "123".

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE FUNCTION NUMVAL(STRING-VALUE) TO NUMERIC-VALUE.
    DISPLAY "数値: " NUMERIC-VALUE.
    STOP RUN.

この例では、NUMVAL関数はSTRING-VALUE"123")を受け取り、その数値表現をNUMERIC-VALUEに代入しています。

結果として、NUMERIC-VALUEは数値123を保持し、これが画面に表示されます。

●組み込み関数の使い方

COBOLの組み込み関数を理解し、効果的に利用することは、プログラミングの効率を大幅に向上させることができます。

特に文字列操作、数値計算、日付と時刻の処理は、ビジネスアプリケーションの開発において頻繁に使用されるタスクです。

ここでは、これらの関数の使用方法について具体的なサンプルコードを交えて説明します。

○サンプルコード1:文字列操作関数の使用

文字列操作は、COBOLプログラミングにおける基本的な要素の一つです。

たとえば、下記のサンプルコードでは、STRING関数を使用して複数の文字列を結合しています。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. StringSample.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 FIRST-NAME PIC A(10) VALUE "Taro".
01 LAST-NAME PIC A(10) VALUE "Yamada".
01 FULL-NAME PIC A(21).

PROCEDURE DIVISION.
    STRING FIRST-NAME DELIMITED BY SPACE
           LAST-NAME DELIMITED BY SPACE
           INTO FULL-NAME.
    DISPLAY "結合された名前: " FULL-NAME.
    STOP RUN.

このコードでは、FIRST-NAMELAST-NAMEを空白で区切り、FULL-NAMEに結合しています。

結果としてFULL-NAMEには"Taro Yamada"という文字列が格納されます。

○サンプルコード2:数値計算関数の使用

数値計算もCOBOLでよく使用される機能です。

下記のサンプルコードでは、COMPUTE文を使用して基本的な算術演算を行っています。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. ComputeSample.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 NUMBER-A PIC 9(3) VALUE 100.
01 NUMBER-B PIC 9(3) VALUE 200.
01 RESULT PIC 9(4).

PROCEDURE DIVISION.
    COMPUTE RESULT = NUMBER-A + NUMBER-B.
    DISPLAY "計算結果: " RESULT.
    STOP RUN.

この例では、NUMBER-ANUMBER-Bの和を計算し、RESULTに結果を格納しています。

表示される結果は300になります。

○サンプルコード3:日付と時刻関数の使用

日付と時刻の処理は、特にビジネスアプリケーションにおいて重要です。

下記のコードは、現在の日付を取得し表示しています。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. DateSample.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 CURRENT-DATE PIC 9(8).

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE FUNCTION CURRENT-DATE TO CURRENT-DATE.
    DISPLAY "現在の日付: " CURRENT-DATE.
    STOP RUN.

このコードでは、FUNCTION CURRENT-DATEを使用してシステムの現在日付を取得し、CURRENT-DATEに格納しています。

表示される日付は、実行された日によって異なります。

●COBOL組み込み関数の応用例

COBOLの組み込み関数は、基本的な使い方を超えて、さまざまな応用が可能です。

これらの関数を使って複雑なデータ処理、ファイル操作の自動化、業務プロセスの最適化などを行うことができます。

ここでは、これらの応用例を具体的なサンプルコードを用いて解説します。

○サンプルコード4:複雑なデータ処理

複雑なデータ処理を効率的に行うためには、COBOLの組み込み関数を組み合わせて使用することが重要です。

下記のコードは、複数のデータを組み合わせて新しいフォーマットを作成する一例です。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. DataProcessing.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 ORIGINAL-DATA PIC A(10) VALUE "2023/12/15".
01 FORMATTED-DATA PIC A(10).

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE FUNCTION REPLACE(ORIGINAL-DATA, "/", "-") TO FORMATTED-DATA.
    DISPLAY "新しいフォーマット: " FORMATTED-DATA.
    STOP RUN.

このコードでは、REPLACE関数を使用して日付のフォーマットを変更しています。

スラッシュ(/)をハイフン(-)に置換し、新しいフォーマットの日付を生成しています。

○サンプルコード5:ファイル操作の自動化

ファイル操作の自動化は、業務プロセスを効率化する上で非常に有用です。

下記のコードは、ファイルからデータを読み込み、処理を行う一例を表しています。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. FileAutomation.
DATA DIVISION.
FILE SECTION.
FD  INPUT-FILE.
01  INPUT-RECORD PIC A(80).

WORKING-STORAGE SECTION.
01  EOF-FLAG PIC X VALUE 'N'.

PROCEDURE DIVISION.
    OPEN INPUT INPUT-FILE.
    PERFORM UNTIL EOF-FLAG = 'Y'
        READ INPUT-FILE INTO INPUT-RECORD
            AT END MOVE 'Y' TO EOF-FLAG
        END-READ
        IF EOF-FLAG = 'N'
            DISPLAY "読み込んだデータ: " INPUT-RECORD
        END-IF
    END-PERFORM.
    CLOSE INPUT-FILE.
    STOP RUN.

このサンプルでは、ファイルから一行ずつデータを読み込み、画面に表示しています。

ファイルの終わりに達すると、処理を終了します。

○サンプルコード6:業務プロセスの最適化

業務プロセスの最適化には、さまざまな組み込み関数を組み合わせて使用することが効果的です。

下記のコードは、複数の操作を組み合わせて業務プロセスを最適化する方法の一例です。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. ProcessOptimization.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 NUM-A PIC 9(3) VALUE 100.
01 NUM-B PIC 9(3) VALUE 200.
01 RESULT PIC 9(4).
01 FORMATTED-RESULT PIC A(10).

PROCEDURE DIVISION.
    COMPUTE RESULT = NUM-A * NUM-B.
    MOVE FUNCTION NUMVAL-C(RESULT) TO FORMATTED-RESULT.
    DISPLAY "計算結果: " FORMATTED-RESULT.
    STOP RUN.

この例では、数値計算を行い、その結果をフォーマットして表示しています。

NUMVAL-C関数を使用して数値を通貨形式に変換し、より読みやすい形で結果を提供しています。

●注意点と対処法

COBOLプログラミングにおける注意点を理解し、適切な対処法を身につけることは、エラーの回避と効率的なプログラム開発に不可欠です。

特に、エラーハンドリングの重要性を理解し、一般的なトラブルシューティングの技術をマスターすることが求められます。

○エラーハンドリングの重要性

COBOLプログラムでは、様々なエラーが発生する可能性があります。

例えば、データ型の不一致、範囲外の値、ファイルの読み書きエラーなどが挙げられます。

これらのエラーに適切に対応するためには、エラーハンドリングを行う必要があります。

エラーハンドリングを行うことで、プログラムの安定性を高め、ユーザーに親切なフィードバックを提供することができます。

たとえば、ファイル読み込み時のエラーを捉え、適切に処理する例を紹介します。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. ErrorHandler.
DATA DIVISION.
FILE SECTION.
FD  INPUT-FILE.
01  INPUT-RECORD PIC A(80).

WORKING-STORAGE SECTION.
01  FILE-STATUS PIC 9(2).

PROCEDURE DIVISION.
    OPEN INPUT INPUT-FILE
    AT END MOVE 1 TO FILE-STATUS.
    IF FILE-STATUS = 1
        DISPLAY "ファイル読み込みエラー発生"
    ELSE
        PERFORM UNTIL FILE-STATUS = 1
            READ INPUT-FILE INTO INPUT-RECORD
                AT END MOVE 1 TO FILE-STATUS
            END-READ
            IF FILE-STATUS = 0
                DISPLAY "読み込んだデータ: " INPUT-RECORD
            END-IF
        END-PERFORM
    END-IF.
    CLOSE INPUT-FILE.
    STOP RUN.

このサンプルコードでは、ファイル読み込み時のエラーを検出し、適切にメッセージを表示しています。

○一般的なトラブルシューティング

COBOLプログラミングにおける一般的なトラブルシューティングには、次のような方法があります。

  1. プログラムの各セクションで変数の内容を表示し、処理の流れを追跡する。
  2. 条件分岐やループ処理のロジックを確認し、意図した通りに動作しているか検証する。
  3. エラーメッセージやコードを詳細に分析し、問題の原因を特定する。
  4. データ構造やファイルフォーマットの誤りを確認し、修正する。

これらの方法を実践することで、一般的なエラーや問題に対処し、プログラムの品質と安定性を高めることができます。

●COBOLプログラミングのカスタマイズ方法

COBOLプログラミングをカスタマイズすることで、特定の業務ニーズに合わせた効率的なソリューションを提供できます。

カスタマイズの基本から効率的なコーディングテクニックまで、COBOLプログラムをより効果的に使いこなす方法を探求します。

○カスタマイズの基本

COBOLプログラムをカスタマイズする基本は、業務要件を正確に理解し、それに適したプログラム構造を設計することです。

プログラムをモジュール化し、再利用可能なコードを作成することが重要です。

たとえば、特定の機能をサブルーチンとして分離し、異なるプログラムから呼び出すことができます。

これにより、コードの再利用性が高まり、保守が容易になります。

ここでは、サブルーチンを使用したカスタマイズの例を紹介します。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. MainProgram.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 RESULT PIC 9(4).

PROCEDURE DIVISION.
    CALL 'Subroutine' USING RESULT.
    DISPLAY "サブルーチンの結果: " RESULT.
    STOP RUN.

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. Subroutine.

DATA DIVISION.
LINKAGE SECTION.
01 RESULT PIC 9(4).

PROCEDURE DIVISION USING RESULT.
    COMPUTE RESULT = 100 * 2.
    EXIT PROGRAM.

この例では、Subroutineプログラムがメインプログラムから呼び出され、計算結果をメインプログラムに返しています。

○効率的なコーディングテクニック

効率的なコーディングには、簡潔で読みやすいコードを書くことが含まれます。

COBOLでは、命名規則を明確にし、変数やプログラムの機能を一目で理解できるようにすることが重要です。

また、適切なコメントを付けることで、他の開発者がコードを理解しやすくなります。

例えば、下記のコードでは変数名とコメントを使って、コードの目的を明確にしています。

IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. EfficientCoding.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 EMPLOYEE-NAME PIC A(20) VALUE "山田太郎".
01 EMPLOYEE-ID PIC 9(5) VALUE 12345.

PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "従業員名: " EMPLOYEE-NAME.
    DISPLAY "従業員ID: " EMPLOYEE-ID.
    STOP RUN.

このコードでは、EMPLOYEE-NAMEEMPLOYEE-IDという変数名が、それぞれ従業員の名前とIDを表していることが明確です。

これにより、コードの可読性が向上しています。

まとめ

本記事では、COBOLの組み込み関数の基本から応用、カスタマイズ方法に至るまでを詳細に解説しました。

COBOLは古い言語であるにも関わらず、現代でも多くの企業や政府機関で重要な役割を担っています。

この言語の特徴を理解し、効果的に利用することは、ビジネスアプリケーションの開発において非常に重要です。

COBOLは時代を超えて使用され続ける言語であり、その組み込み関数の理解と適用は、今日のプログラマーにとって貴重なスキルです。

この記事がCOBOLの組み込み関数の基本から応用に至るまでの理解の助けとなれば幸いです。