COBOLのCONTINUE文を使った6つの効果的なサンプルコード

COBOLのCONTINUE文を用いたサンプルコードのイメージCOBOL
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説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

この記事では、COBOL言語におけるCONTINUE文の使い方とその可能性について、初心者でも理解しやすいように詳しく解説します。

COBOLは長年にわたりビジネスアプリケーション開発で重要な役割を果たしてきました。

この記事を読むことで、CONTINUE文の基本的な概念から応用技術までを学ぶことができます。

●COBOLとは

COBOL(Common Business-Oriented Language)は、1960年に開発されたプログラミング言語です。

主にビジネス、財務、および行政システムで使用されており、その読みやすい構文が特徴です。

COBOLは、長い間業務アプリケーションの開発に使用されてきたため、多くの既存システムで今も活躍しています。

○COBOLの歴史と特徴

COBOLの開発は、プログラミング言語が非常に初期の段階にあった1960年代に始まりました。

COBOLは、英語に似た構文を持つことで知られており、これによりプログラミング初心者でもコードの理解が容易になっています。

また、その強力なファイル処理能力や、大規模なデータ処理に適した構造もCOBOLの大きな特徴です。

○COBOLでできること

COBOLは主に、銀行業務、保険業務、政府関連のデータ処理などの分野で使用されています。

これらの業務は大量のデータと複雑なトランザクションを扱うことが多く、COBOLのような堅牢で信頼性の高い言語が求められます。

また、COBOLはレポート生成やバッチ処理、ファイル管理などにも優れており、これらの機能を用いてビジネスアプリケーションを効率よく開発することができます。

●CONTINUE文の基本

COBOLプログラミング言語におけるCONTINUE文は、特に処理を行わない文です。

これは、プログラム内の特定のポイントで何も実行せずに次の文へ移行するために使用されます。

CONTINUE文は、特にループや条件分岐内で、コードの読みやすさを高めるために利用されることが多いです。

○CONTINUE文の役割と概要

CONTINUE文は、COBOLにおいて「何もしない」ことを明示的に表すために使用されます。

例えば、特定の条件が満たされた時に特定の処理をスキップしたい場合に便利です。

この文は、プログラムの流れをコントロールする上で重要な役割を果たします。

また、COBOLプログラムの可読性を向上させるためにも使われます。

○CONTINUE文の文法

COBOLにおけるCONTINUE文の基本的な文法は非常にシンプルです。

単純に「CONTINUE」というキーワードを使用し、それに続く文がありません。

例えば、ある条件下で特定の処理を行わないようにする場合、次のように記述することができます。

IF SOME-CONDITION
   CONTINUE
ELSE
   PERFORM SOME-PROCESS
END-IF

この例では、SOME-CONDITIONが真の場合、CONTINUE文により何も処理されず、ELSE節のSOME-PROCESSが実行されます。

CONTINUE文はこのようにして、プログラムのロジックを明確にし、他のプログラマがコードを理解しやすくするために使われます。

CONTINUE文は、COBOLプログラムの中で「何もしない」という意図を明確にするために使われる非常に単純ながらも重要な文です。

●CONTINUE文の使い方

COBOLプログラミングにおいて、CONTINUE文は多様な状況で役立ちます。

特にループ処理や条件分岐の中で、特定の条件下で何も行わないことを明示的に表すために用います。

ここでは、CONTINUE文の具体的な使い方をいくつかのサンプルコードを通じて紹介します。

○サンプルコード1:単純なループ制御

COBOLにおけるループ処理では、特定の条件でループを継続しつつ、特定の処理をスキップすることがあります。

下記のサンプルコードでは、ある条件が真のときに特定の処理を行わずにループを続ける例を表しています。

PERFORM VARYING I FROM 1 BY 1 UNTIL I > 10
    IF I = 5
        CONTINUE
    END-IF
    DISPLAY "Processing item ", I
END-PERFORM

このコードでは、Iが5のときにCONTINUE文が実行され、DISPLAY文はスキップされます。

その結果、Iが5の場合には”Processing item 5″というメッセージは表示されません。

○サンプルコード2:条件付き処理のスキップ

下記のサンプルコードでは、複数の条件のうち一つが満たされた場合に特定の処理をスキップする使い方を紹介します。

IF CONDITION1
    CONTINUE
ELSE IF CONDITION2
    PERFORM PROCESS1
ELSE
    PERFORM PROCESS2
END-IF

この例では、CONDITION1が真の場合、CONTINUE文によってPROCESS1PROCESS2のどちらの処理も行われません。

○サンプルコード3:ネストされたループ内での使用

CONTINUE文はネストされたループ構造の中でも有効です。

下記のコードは、ネストされたループ内で特定の条件下で内側のループの一部処理をスキップする例を示しています。

PERFORM VARYING A FROM 1 BY 1 UNTIL A > 5
    PERFORM VARYING B FROM 1 BY 1 UNTIL B > 5
        IF A = 3 AND B = 3
            CONTINUE
        END-IF
        DISPLAY "Processing item A=", A, " B=", B
    END-PERFORM
END-PERFORM

この例では、ABが共に3のとき、DISPLAY文がスキップされます。

これにより、特定の条件下でのみ処理を行わない複雑なロジックを実現できます。

●CONTINUE文の応用例

COBOLのCONTINUE文は、そのシンプルさから多様な応用が可能です。

ここでは、CONTINUE文を使った応用例をいくつかのサンプルコードを通じて紹介します。

これらの例は、COBOLを使った実際のプログラミングシナリオにおいて、いかにCONTINUE文が有効であるかを表しています。

○サンプルコード4:複数の条件を持つループ

複数の条件を持つループの中で、特定の条件下でのみ処理をスキップする場合にCONTINUE文を使用することができます。

PERFORM VARYING A FROM 1 BY 1 UNTIL A > 10
    IF A = 5 OR A = 7
        CONTINUE
    END-IF
    DISPLAY "Processing A = ", A
END-PERFORM

このコードでは、変数Aが5または7の場合、DISPLAY文がスキップされ、それ以外の場合にのみ”Processing A = [値]”と表示されます。

○サンプルコード5:ファイル処理の制御

ファイル処理の際、特定の条件でファイルの読み書きをスキップしたい場合にもCONTINUE文が有効です。

下記のコードでは、特定のファイルのレコードを処理する際に、条件に応じて処理をスキップします。

READ FILE1 INTO RECORD1
    AT END
        GO TO END-OF-FILE
    END-READ
IF RECORD1 IS INVALID
    CONTINUE
END-IF
PROCESS RECORD1

この例では、RECORD1が無効な場合、PROCESS文をスキップして次のレコードに移ります。

○サンプルコード6:データベース操作の制御

データベース操作においても、CONTINUE文は特定の条件下での処理をスキップするために有用です。

下記のコードは、データベースの特定のレコードを処理する際に、条件によって処理をスキップする例を表しています。

PERFORM UNTIL END-OF-DATA
    FETCH NEXT FROM CURSOR INTO DATA-RECORD
    IF DATA-RECORD IS NOT VALID
        CONTINUE
    END-IF
    PROCESS DATA-RECORD
END-PERFORM

このコードでは、DATA-RECORDが有効でない場合にPROCESS文をスキップし、次のレコードの処理に移ります。

●注意点と対処法

COBOLプログラミングにおけるCONTINUE文の使用には、いくつかの重要な注意点があります。

これらの注意点を理解し、適切に対処することで、プログラムの効率と可読性を高めることができます。

○CONTINUE文の適切な使用

CONTINUE文は、「何もしない」ことを明示的に表すために使用されますが、これを適切に用いないと、プログラムの意図が不明確になる可能性があります。

特に、複雑な条件分岐やループ内での使用では、プログラムの流れを混乱させないように注意が必要です。

また、CONTINUE文の多用は、プログラムの可読性を低下させることもあるため、必要な場合にのみ使用することが望ましいです。

○一般的な誤解とその回避

CONTINUE文に関しては、いくつかの一般的な誤解が存在します。

例えば、CONTINUE文がプログラムの実行を中断すると誤解されることがありますが、実際には単に現在のループの反復や条件分岐をスキップするだけであり、プログラムの実行を中断するわけではありません。

このような誤解を避けるためには、CONTINUE文の意図と機能を正しく理解し、適切に文脈に沿って使用することが重要です。

●カスタマイズ方法

COBOLプログラミングにおけるCONTINUE文は、そのシンプルさから様々な方法でカスタマイズ可能です。

ここでは、CONTINUE文を異なるシナリオで効果的に使用するためのカスタマイズ方法をいくつか紹介します。

○CONTINUE文の応用カスタマイズ

CONTINUE文は基本的に「何もしない」ための文ですが、これを応用してプログラムの流れをコントロールすることができます。

例えば、エラー処理の際に、特定のエラーが発生した場合にのみ、エラーメッセージを表示させるようにカスタマイズすることができます。

また、デバッグの際に特定の条件でのみ追加情報を出力するようにすることも可能です。

このように、CONTINUE文を用いて条件に応じた処理の有無を切り替えることにより、より柔軟なプログラミングが可能になります。

○異なるシナリオでの使用例

CONTINUE文は、さまざまなシナリオで応用することができます。

たとえば、大量のデータを処理する際に特定のデータのみをスキップしたい場合や、特定の条件下でのみログを記録するなど、条件に応じた処理を行いたい場合に非常に有用です。

また、ユーザーからの入力を検証する際にも、特定の条件が満たされない場合に処理をスキップし、エラーメッセージを表示するといった使い方も考えられます。

まとめ

この記事を通じて、COBOLのCONTINUE文の基本から応用までを幅広く解説しました。

CONTINUE文は、COBOLプログラミングにおいて重要な役割を果たし、コードの可読性と効率性を高めるための重要なツールです。

基本的な使い方から応用例、さらには誤解の回避方法やカスタマイズの技術に至るまで、CONTINUE文の多様な側面を探求しました。

COBOLを学ぶ上でのCONTINUE文の理解は、効率的で効果的なプログラミングに繋がります。

この記事が、COBOL初心者から経験豊富なプログラマーまで、すべての読者にとって有用なガイドとなることを願っています。