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【COBOL】外部宣言を初心者向け9ステップで徹底解説

COBOLプログラミングの基礎を学ぶ初心者 COBOL
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

この記事では、プログラミング初心者にも分かりやすいように、COBOL言語とその重要な概念であるEXTERNAL句について詳しく解説します。

ここで学ぶことで、COBOLの基礎知識から実際のプログラミング技術まで、段階的に理解を深めることができます。

●COBOLとは

COBOL(Common Business-Oriented Language)は、ビジネス向けアプリケーション開発に特化したプログラミング言語です。

1959年に開発されて以来、その読みやすさと信頼性の高さから、金融機関や保険会社などで広く使われ続けています。

○COBOLの歴史と特徴

COBOLは、ビジネスデータ処理に特化した言語として開発されました。

英語に近い構文を採用しているため、非技術者でも理解しやすいのが特徴です。

また、長期にわたる安定稼働が求められる分野での使用に適しており、現在でも多くのシステムで活躍しています。

○プログラミング言語としてのCOBOLの位置付け

プログラミング言語としてのCOBOLは、ビジネスデータ処理においては非常に強力なツールです。

その一方で、近年のプログラミング言語と比較すると、いくつかの制約があります。

例えば、オブジェクト指向プログラミングやモダンなフレームワークとの互換性が低い点などが挙げられます。

しかし、既存の大規模システムにおいては、その信頼性と安定性から今も重宝されています。

●EXTERNAL句とは

COBOLプログラミングにおけるEXTERNAL句は、データを複数のプログラム間で共有するための重要な概念です。

EXTERNAL句を使用することで、異なるプログラム間でも同じデータ領域を参照し、利用することが可能になります。

これにより、大規模なアプリケーション開発において、効率的なデータ管理とプログラム間の連携が実現されます。

○EXTERNAL句の基本概念

EXTERNAL句は、データ項目がプログラム外で宣言され、複数のプログラムからアクセスされることを可能にします。

例えば、あるプログラムで計算された結果を別のプログラムで利用したい場合、EXTERNAL句を使用して共有されるデータ領域を設定します。

これにより、プログラム間でのデータのやり取りがスムーズになり、再利用性と効率性が向上します。

ここでは、EXTERNAL句を使用して変数を宣言する基本的なCOBOLプログラムのサンプルコードを紹介します。

01  SHARED-DATA  EXTERNAL.
    05  SHARED-NUMBER  PIC 9(4).

このコードでは、「SHARED-DATA」という名前のデータ領域がEXTERNAL句を使用して定義されています。

この中の「SHARED-NUMBER」という数値型のデータは、他のプログラムからも参照可能です。

○EXTERNAL句の使用目的とメリット

EXTERNAL句を使用する主な目的は、データの共有とプログラム間の結合度の低減です。

これにより、プログラムの修正があった場合でも、共有データ領域に影響を与えずに済みます。

また、複数のプログラムが同じデータにアクセスできるため、データの一貫性を保ちやすくなります。

●COBOLの基本構造

COBOLのプログラムは、特定の構造に従って書かれます。

この構造は、プログラムの読みやすさと保守性を高めることを目的としています。

COBOLプログラムはIDENTIFICATION DIVISION、ENVIRONMENT DIVISION、DATA DIVISION、およびPROCEDURE DIVISIONの主に四つの部分で構成されています。

各部分は特定の役割を果たし、プログラム全体の機能を支えています。

○COBOLプログラムの基本的な構成

  1. IDENTIFICATION DIVISION:プログラムの名前や作者など、プログラムの基本情報を宣言します。
  2. ENVIRONMENT DIVISION:プログラムが動作する環境に関する設定を行います。
  3. DATA DIVISION:プログラムで使用される変数やデータ構造を定義します。
  4. PROCEDURE DIVISION:プログラムの実行手順や処理の流れを記述します。

これらの部分は、COBOLプログラムの基礎を形成し、様々なタスクの実行に不可欠です。

○変数宣言とデータ型

COBOLでの変数宣言は、DATA DIVISION内で行われます。

COBOLには様々なデータ型があり、それぞれ特定の用途に合わせて設計されています。

例えば、数値型(NUMERIC)、文字型(ALPHABETIC)、および複合型(ALPHANUMERIC)があります。

これらの型は、プログラムの要件に応じて適切に選択されます。

ここでは、COBOLでの基本的な変数宣言のサンプルコードを紹介します。

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  EMPLOYEE-NAME  PIC A(30).
01  EMPLOYEE-AGE   PIC 9(3).

このコードでは、「EMPLOYEE-NAME」という30文字のアルファベット型変数と、「EMPLOYEE-AGE」という3桁の数値型変数が宣言されています。

これにより、プログラム内でこれらの変数を使用してデータを操作することができます。

●EXTERNAL句の使い方

COBOLにおけるEXTERNAL句の使用は、プログラム間でのデータ共有を実現するための重要な手段です。

この句を利用することで、異なるプログラムが同じデータ領域を共有し、効率的に情報をやり取りすることができます。

EXTERNAL句の適切な使用は、大規模なシステム開発において特に有効であり、データ整合性の維持とプログラムの可読性の向上に寄与します。

○サンプルコード1:変数のEXTERNAL宣言

EXTERNAL句を用いて変数を宣言する基本的な方法を紹介します。

この例では、複数のプログラムで共有される数値型の変数を宣言しています。

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  SHARED-COUNTER  EXTERNAL PIC 9(4).

このコードでは、SHARED-COUNTERという名前の変数がEXTERNAL句を使用して宣言されています。

これにより、この変数は他のプログラムからもアクセス可能となり、共有データとして機能します。

○サンプルコード2:外部プログラムとの連携

次に、EXTERNAL句を用いた変数が異なるプログラム間でどのように共有されるかを表すサンプルコードを紹介します。

この例では、二つの異なるプログラムが同じ変数を共有している様子を表しています。

PROGRAM-A.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  SHARED-COUNTER  EXTERNAL PIC 9(4).

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE 100 TO SHARED-COUNTER.
    CALL 'PROGRAM-B'.
    DISPLAY 'SHARED-COUNTER IN PROGRAM-A: ' SHARED-COUNTER.
    STOP RUN.

PROGRAM-B.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  SHARED-COUNTER  EXTERNAL PIC 9(4).

PROCEDURE DIVISION.
    ADD 50 TO SHARED-COUNTER.

この例では、PROGRAM-ASHARED-COUNTERに100を設定し、その後PROGRAM-Bを呼び出します。

PROGRAM-Bでは、同じSHARED-COUNTERに50を加え、最終的な値がPROGRAM-Aで表示されます。

このようにEXTERNAL句を使用することで、異なるプログラム間でデータを効果的に共有することができます。

●EXTERNAL句の応用例

COBOLのEXTERNAL句は、その柔軟性から多様な応用例を持っています。

大規模なプロジェクトや外部ライブラリとの連携において、この句はデータの共有やモジュール間の通信を容易にし、効率的なシステム開発を支援します。

○サンプルコード3:大規模プロジェクトでの利用

大規模なプロジェクトでは、複数のプログラムやモジュールが協力して動作する必要があります。

EXTERNAL句を使用することで、これらの異なる部分間でデータを共有し、一貫性を保つことができます。

下記のサンプルコードは、EXTERNAL句を用いて、異なるプログラム間で変数を共有する方法を表しています。

PROGRAM-X.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  GLOBAL-DATA  EXTERNAL PIC X(10).

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE 'HELLO' TO GLOBAL-DATA.
    CALL 'PROGRAM-Y'.
    DISPLAY 'DATA IN PROGRAM-X: ' GLOBAL-DATA.
    STOP RUN.

PROGRAM-Y.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  GLOBAL-DATA  EXTERNAL PIC X(10).

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE 'WORLD' TO GLOBAL-DATA.

この例では、PROGRAM-XPROGRAM-YGLOBAL-DATAという共有変数を使用しています。

このようにEXTERNAL句を使用することで、大規模なプロジェクトにおけるデータの一貫性とプログラムの独立性を保ちながら、効果的なデータ共有が可能になります。

○サンプルコード4:外部ライブラリとの連携

COBOLプログラムは、外部ライブラリやモジュールとも連携できます。

EXTERNAL句を使用することで、プログラム内で定義されたデータを外部ライブラリに渡したり、その逆も可能になります。

ここでは、COBOLプログラムが外部ライブラリと連携する一例を表すサンプルコードを紹介します。

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01  EXTERNAL-LIB-DATA  EXTERNAL PIC X(20).

PROCEDURE DIVISION.
    CALL 'EXTERNAL-LIBRARY' USING EXTERNAL-LIB-DATA.
    DISPLAY 'DATA FROM EXTERNAL LIB: ' EXTERNAL-LIB-DATA.
    STOP RUN.

このコードでは、EXTERNAL-LIB-DATA変数がEXTERNAL句を用いて宣言され、外部ライブラリに渡されています。

外部ライブラリはこの変数を使用し、その結果を同じ変数に格納することで、プログラムとライブラリ間のデータの双方向のやり取りが可能になります。

●注意点と対処法

COBOLプログラミングにおけるEXTERNAL句の利用は多くのメリットを提供しますが、注意すべき点も存在します。

これらを理解し、適切に対処することで、エラーの発生を防ぎ、より効果的で安定したプログラム開発を実現することが可能です。

EXTERNAL句を使用する際、特に注意すべき点は、異なるプログラム間で共有される変数のデータ型の一貫性を保つこと、変数が適切に初期化されていること、複数のプログラムが同時に同じ変数を使用する際のデータ競合や不整合の回避です。

これらの点に気を付けることで、プログラムの信頼性や安定性を高めることができます。

○EXTERNAL句使用時の一般的なエラー

EXTERNAL句を使用する際に発生しやすい一般的なエラーには、データ型の不一致や初期化の欠如、同期の問題などがあります。

これらのエラーはプログラムの動作に影響を与え、時には予期せぬ結果を招くことがあります。

○エラー対処のヒントと解決策

これらのエラーに対処するためには、共有される変数のデータ型が全てのプログラムで一致していることを確認する、変数を使用する前に適切な初期化を行う、複数のプログラムが同じ変数を使用する際には適切な同期メカニズムを利用するなどの方法が有効です。

これにより、プログラム間でのデータの整合性を保ち、安定した動作を実現することができます。

●カスタマイズ方法

COBOLにおけるEXTERNAL句は、カスタマイズ可能な機能を多く持っており、これを利用することでプログラムの柔軟性を高めることができます。

カスタマイズ方法としては、プログラムの特定の要件に応じてEXTERNAL変数の使用方法を調整することが一般的です。

このカスタマイズにより、プログラムの効率を向上させると同時に、特定のニーズに合わせた動作を実現することが可能になります。

EXTERNAL句のカスタマイズには、変数のデータ型やサイズの調整、特定の処理を行うための追加的なロジックの組み込みなどが含まれます。

これらの調整により、特定の状況や要件に適したプログラムを開発することが可能になります。

○EXTERNAL句の応用テクニック

EXTERNAL句を応用するテクニックとしては、変数のスコープを適切に管理することや、複数のプログラム間でのデータ共有を効率化するための戦略を立てることがあります。

また、EXTERNAL句を使用することで、特定のデータ構造をプログラム全体で一貫して利用することができるため、コードの再利用性を高めることも可能です。

このような応用テクニックを利用することで、プログラムの柔軟性と再利用性を高めることができます。

これにより、開発プロセスの効率化とメンテナンスの容易さが実現されます。

○パフォーマンスの最適化

EXTERNAL句を利用する際のもう一つの重要な側面は、パフォーマンスの最適化です。

EXTERNAL句を用いた変数の管理方法やデータのアクセス方法を工夫することで、プログラムの実行速度や効率を向上させることができます。

特に、大規模なデータを扱う場合や、高頻度でデータアクセスを行う場合には、このような最適化が特に重要になります。

パフォーマンスの最適化には、データアクセスの回数を減らす、必要な時だけデータを読み込む、データ構造を効率的に設計するなどの方法があります。

これらの方法を適切に適用することで、プログラムの実行速度を向上させることが可能になります。

まとめ

本記事では、COBOLプログラミングにおけるEXTERNAL句の基本概念、使用方法、応用例、注意点、カスタマイズ方法、パフォーマンスの最適化について詳細に解説しました。

EXTERNAL句は、プログラム間で変数を共有するための強力なツールであり、その効果的な使用はプログラムの効率と柔軟性を高めることができます。

EXTERNAL句の使用には、データ型の一致、適切な初期化、同期の確保など、いくつかの注意点があります。

これらの点に留意し、本記事で紹介した対処法を適用することで、エラーを防ぎ、より安定したプログラムを開発することができます。

EXTERNAL句をカスタマイズし、パフォーマンスを最適化する方法を探求することは、効率的で高品質なプログラム開発において非常に重要です。

この記事がCOBOLプログラミングにおけるEXTERNAL句の理解と適用の手助けになれば幸いです。