【COBOL】NULL値判定を5つの実例を交えて解説 – Japanシーモア

【COBOL】NULL値判定を5つの実例を交えて解説

COBOLプログラミングにおけるNULL値判定のイメージCOBOL
この記事は約9分で読めます。

 

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

このサービスは複数のSSPによる協力の下、運営されています。

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

サイト内のコードを共有する場合は、参照元として引用して下さいますと幸いです

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

COBOLプログラミングにおいて、NULL値の判定は重要な技術の一つです。

この記事では、COBOLでのNULL値の判定方法を初心者でも理解しやすいように詳しく解説します。

COBOLの基本概念から始め、NULL値の判定の基本について説明し、実際のサンプルコードを通じて具体的な方法を解説します。

●COBOLとは

COBOL(Common Business Oriented Language)は、ビジネスデータ処理に特化したプログラミング言語です。

1959年に開発され、長年にわたり金融機関や政府機関などで広く使われてきました。COBOLの特徴は、その読みやすい構文にあります。

英語に近い構文で書かれているため、プログラミング初心者にも理解しやすいのが魅力です。

○COBOLの基本概念

COBOLは、データの構造を定義する「DATA DIVISION」と、実際の処理を記述する「PROCEDURE DIVISION」の二つの主要な部分で構成されています。

データの構造を定義する際には、変数のタイプやサイズを指定します。

一方、処理を記述する際には、条件分岐やループなどの制御構造を用いて、データの操作を行います。

●NULL値の判定とは

プログラミングにおいて、NULL値は「何もない」または「未定義」を表す特別な値です。

COBOLでは、他の多くの言語と同様にNULL値を扱うことができます。

NULL値の判定は、プログラムが正確に動作するために重要な役割を果たします。

例えば、データベースから読み込んだデータにNULL値が含まれている場合、それを適切に処理する必要があります。

○NULL値の基本

COBOLにおけるNULL値の判定は、通常、特定の値や状態をチェックすることで行われます。

例えば、数値型の変数が0や特定の範囲外の値を持っている場合、それをNULL値として扱うことができます。

また、文字列型の変数については、空文字列や特定のパターンをNULL値と見なすこともあります。

●COBOLでのNULL値の判定方法

COBOLでNULL値を判定する際には、変数が特定の値を持たないことを確認する必要があります。

COBOLでは、他のプログラミング言語と異なり、NULLキーワードが存在しません。

そのため、判定方法は少し異なるアプローチを要求します。

ここでは、具体的なサンプルコードを交えながら、基本的なNULL値の判定方法から、より複雑な条件でのNULL値判定の方法までを詳しく解説します。

○サンプルコード1:基本的なNULL値の判定

COBOLにおける基本的なNULL値の判定方法は、変数に初期値を設定し、その値が変わっていないことを確認することです。

例えば、数値型の変数に対しては、初期値として0を設定し、その値が変更されていないかをチェックします。

01  NUMERIC-VARIABLE        PIC 9(4) VALUE 0.
    IF NUMERIC-VARIABLE = 0
       DISPLAY '変数はNULLです。'
    ELSE
       DISPLAY '変数には値が設定されています。'

このサンプルコードでは、NUMERIC-VARIABLEという数値型の変数を宣言し、初期値として0を設定しています。

その後、IF文を使ってこの変数が0のままかどうかを確認し、結果に応じてメッセージを表示しています。

○サンプルコード2:複雑な条件でのNULL値判定

より複雑な条件でNULL値を判定する場合、複数の変数の値をチェックする必要があることがあります。

このような場合には、ANDORなどの論理演算子を用いることで、複数の条件を組み合わせて判定を行うことができます。

01  NUMERIC-VARIABLE-1      PIC 9(4) VALUE 0.
01  NUMERIC-VARIABLE-2      PIC 9(4) VALUE 0.
    IF NUMERIC-VARIABLE-1 = 0 AND NUMERIC-VARIABLE-2 = 0
       DISPLAY '両方の変数はNULLです。'
    ELSE
       DISPLAY '一方または両方の変数に値が設定されています。'

このサンプルコードでは、2つの数値型変数NUMERIC-VARIABLE-1NUMERIC-VARIABLE-2を宣言し、それぞれに0を初期値として設定しています。

IF文では、両方の変数が0かどうかを論理演算子ANDを使用して確認しています。

○サンプルコード3:NULL値を含むデータ処理

データベースやファイルからデータを読み込む際には、NULL値が含まれている可能性があります。

このような場合には、読み込んだデータがNULL値を含むかどうかを判定し、適切に処理を行う必要があります。

01  FILE-RECORD.
    05  FIELD-1              PIC X(10).
    05  FIELD-2              PIC X(10).
    READ FILE INTO FILE-RECORD
       AT END DISPLAY 'ファイルの終わりです。'
    IF FIELD-1 = SPACE AND FIELD-2 = SPACE
       DISPLAY 'レコードはNULL値を含んでいます。'
    ELSE
       DISPLAY 'レコードにはデータが存在します。'

このサンプルコードでは、ファイルから読み込んだレコードがNULL値を含んでいるかを判定しています。

FIELD-1FIELD-2がともに空白である場合、そのレコードはNULL値を含んでいると判断しています。

●COBOLでのNULL値の応用例

COBOLプログラミングにおけるNULL値の応用は、実際のビジネスシーンで非常に重要です。

特にデータベースの操作や大規模データの扱いにおいて、NULL値の適切な管理は不可欠です。

ここでは、データベースとの連携や大規模データの処理におけるNULL値の扱い方について、実践的なサンプルコードを用いて解説します。

○サンプルコード4:データベースとの連携

データベースからデータを取得する際、NULL値をどのように扱うかは重要な問題です。

COBOLプログラムでデータベースと連携する際には、NULL値を適切に判定し、必要に応じてデフォルト値を設定することが求められます。

01  DB-RECORD.
    05  DB-FIELD-1         PIC X(10).
    05  DB-FIELD-2         PIC X(10).

EXEC SQL SELECT FIELD1, FIELD2 INTO :DB-FIELD-1, :DB-FIELD-2 FROM TABLE WHERE CONDITION END-EXEC

IF DB-FIELD-1 = SPACES
   MOVE 'DEFAULT VALUE' TO DB-FIELD-1
END-IF

このサンプルコードでは、SQL文を使用してデータベースからデータを取得し、取得したデータの一部がNULL(ここでは空白として表現)の場合にデフォルト値を設定しています。

○サンプルコード5:大規模データの扱い

大規模なデータセットを扱う場合、NULL値の存在はデータの品質や処理の効率に大きな影響を与えることがあります。

COBOLで大規模データを処理する際には、NULL値を効率的に検出し、適切に処理することが重要です。

01  LARGE-DATA-RECORD.
    05  FIELD-A          PIC X(10).
    05  FIELD-B          PIC X(10).
    05  FIELD-C          PIC X(10).

PERFORM VARYING IDX FROM 1 BY 1 UNTIL IDX > MAX-RECORDS
   IF FIELD-A(IDX) = SPACES OR
      FIELD-B(IDX) = SPACES OR
      FIELD-C(IDX) = SPACES
      DISPLAY 'NULL値が含まれています:' IDX
   END-IF
END-PERFORM

このサンプルコードでは、大規模なデータセット内でNULL値(ここでは空白)を検出し、その位置を表示しています。

このような処理は、データの品質チェックやクレンジングにおいて非常に有用です。

●注意点と対処法

COBOLプログラミングにおけるNULL値の判定は、精密さと効率性が要求される作業です。

ここでは、NULL値判定時の一般的な誤りとその対処法に加えて、効率的なコーディングのコツについて詳しく解説します。

正確な判定と効率的な処理方法を理解することは、COBOLプログラミングにおいて重要なスキルです。

○NULL値判定時の一般的な誤り

一般的な誤りの一つに、NULL値と空文字列や初期値を混同することがあります。

COBOLではNULL値を表す特別なキーワードや構文が用意されていないため、プログラマは自身でNULL値を適切に判定するための条件を設定する必要があります。

不適切な判定は誤ったデータ処理につながる可能性があります。

対処法としては、変数宣言時に明確な初期値を設定し、プログラム中でその値が変更されていないかを常にチェックすることが重要です。

データベースやファイルからのデータ読み込み時には、各フィールドが空白であるかを確認し、必要に応じて適切なデフォルト値を設定します。

○効率的なコーディングのコツ

効率的なコーディングには、明確な変数名の使用、コードのモジュール化、コメントの充実などがあります。

変数名はその目的や内容を反映させることでコードの可読性を高めます。

また、頻繁に使用される処理はサブルーチンや関数としてモジュール化することで再利用性を高めます。

コードの各部分に目的や動作を説明するコメントを付けることは、他の開発者や将来の自分自身がコードを理解するのに役立ちます。

これらの基本的なコーディングのコツを守ることで、効率的かつ保守しやすいプログラムを作成することができます。

特にビジネスアプリケーションにおいては、データの正確性と効率的な処理が求められるため、これらのコツを活用することが不可欠です。

まとめ

この記事を通じて、COBOLにおけるNULL値の判定方法とその応用例について深く理解することができました。

COBOLは古い言語ですが、金融機関や政府機関などで今でも広く使用されており、NULL値の扱いは重要なトピックです。

特に、NULL値の判定方法を理解し、適切にコーディングすることは、データの正確性とプログラムの効率性を保つ上で不可欠です。

これらの知識を活用して、COBOLプログラミングのスキルをさらに高めることができます。

これからも、COBOLにおけるデータ処理の技術を磨き続けていきましょう!