【Groovy】filterメソッド完全ガイド!初心者向け7つのサンプルコードで徹底解説 – Japanシーモア

【Groovy】filterメソッド完全ガイド!初心者向け7つのサンプルコードで徹底解説

Groovyのfilterメソッドを使ったプログラミングのイメージGroovy
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

Groovyのfilterメソッドについて学ぶことは、プログラミングの世界で非常に価値のあるスキルです。

この記事を読むことで、初心者であってもGroovyの基本からfilterメソッドの使い方まで、スムーズに理解できるようになります。

私たちは、初心者の方々がGroovyを使って、データを効果的に扱う方法を学べるように、この記事を丁寧に構成しています。

●Groovyとfilterメソッドの基本

GroovyはJavaプラットフォームに対応したダイナミックなプログラミング言語です。

Javaとの互換性が高く、Javaライブラリをそのまま利用できるため、Javaを知っている方にとっては学びやすい言語と言えるでしょう。

Groovyは、簡潔で読みやすい構文を持ち、Javaよりも少ないコード量で同様の機能を実装できます。

filterメソッドは、Groovyにおいて非常に強力なツールです。

このメソッドを使用すると、コレクション(リストやマップなど)から特定の条件に合致する要素だけを選択して取り出すことができます。

たとえば、あるリストから偶数だけを取り出す、特定の文字列を含む要素だけを選ぶなど、様々なフィルタリングが可能になります。

○Groovyとは?

Groovyは、オブジェクト指向プログラミングが可能な言語で、Javaのコードと非常に似ています。

しかし、Groovyは動的型付けを採用しており、コードがより簡潔に、より柔軟に書けるという特徴があります。

また、クロージャという概念を取り入れているため、関数型プログラミングのようなスタイルも実現できます。

○filterメソッドの基本概念

filterメソッドは、特定の条件を満たす要素をコレクションから選び出すために使用されます。

このメソッドは、引数として「クロージャ」と呼ばれる匿名関数を取ります。

このクロージャ内で、各要素が特定の条件を満たすかどうかを評価し、条件を満たす要素だけが新しいコレクションとして返されます。

これにより、特定の条件に基づいてデータを処理する際に、コードの可読性と効率を大幅に向上させることができます。

●filterメソッドの基本的な使い方

Groovyにおけるfilterメソッドの基本的な使い方を理解することは、データ処理の効率化に非常に役立ちます。

このメソッドは、特定の条件に基づいてコレクションの要素をフィルタリングするのに適しています。

例えば、ある条件を満たす要素のみをリストから取り出したい場合や、特定の属性を持つオブジェクトを選択したい場合など、さまざまなシチュエーションで利用できます。

○サンプルコード1:リストから特定の要素を抽出

Groovyのfilterメソッドを使って、リストから特定の要素を抽出する基本的な例を見てみましょう。

下記のサンプルコードでは、数値のリストから偶数のみを選択しています。

def numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
def evenNumbers = numbers.findAll { it % 2 == 0 }
println(evenNumbers)

このコードでは、findAll メソッド(filterメソッドの一種)を使用しています。

it はGroovyにおける現在の要素を指す変数で、ここでは各要素が2で割り切れる(偶数である)かどうかをチェックしています。

この条件に合致する要素のみが新しいリスト evenNumbers に格納され、最終的には [2, 4, 6, 8, 10] という偶数のみのリストが出力されます。

○サンプルコード2:条件に合う要素のみを取得

次に、もう少し複雑な条件でフィルタリングを行う例を見てみましょう。

下記のサンプルコードでは、オブジェクトのリストから特定の属性を持つ要素のみを取り出しています。

class Person {
    String name
    int age
}

def people = [
    new Person(name: 'Alice', age: 25),
    new Person(name: 'Bob', age: 30),
    new Person(name: 'Charlie', age: 35)
]

def adults = people.findAll { it.age >= 30 }
adults.each { println "${it.name} (${it.age})" }

この例では、Person クラスのインスタンスのリストから、年齢が30歳以上の人物のみを選択しています。

findAll メソッドを使ってフィルタリングし、条件に合致する要素のみが新しいリスト adults に格納されます。

最後に、このリストに含まれる各要素の名前と年齢が出力され、「Bob (30)」と「Charlie (35)」が表示されます。

●filterメソッドの応用例

Groovyのfilterメソッドは基本的な使い方に留まらず、さまざまな応用が可能です。

複数の条件を組み合わせたフィルタリングや、特定のオブジェクト属性に基づくフィルタリングなど、複雑なデータ処理においてもその力を発揮します。

ここでは、いくつかの応用例とそのサンプルコードを紹介します。

○サンプルコード3:複数の条件を組み合わせたフィルタリング

複数の条件を組み合わせてフィルタリングする場合、Groovyの強力な機能を活用することができます。

下記のサンプルコードでは、名前が特定の文字で始まるかつ特定の年齢以上の人物をリストから選択しています。

def people = [
    new Person(name: 'Alice', age: 25),
    new Person(name: 'Bob', age: 30),
    new Person(name: 'Charlie', age: 35),
    new Person(name: 'David', age: 40)
]

def selectedPeople = people.findAll { it.name.startsWith('B') && it.age > 30 }
selectedPeople.each { println "${it.name} (${it.age})" }

このコードでは、startsWith メソッドと論理演算子 && を使用して、名前が ‘B’ で始まり、年齢が30歳を超える人物を選択しています。

この例では、”Bob (30)” は条件に合致しないため、結果としてリストには含まれません。

○サンプルコード4:オブジェクトリストのフィルタリング

オブジェクトのリストをフィルタリングする際にも、Groovyのfilterメソッドが非常に役立ちます。

例えば、特定のプロパティを持つオブジェクトを選ぶ場合などです。

def products = [
    new Product(name: 'Laptop', price: 1000),
    new Product(name: 'Smartphone', price: 500),
    new Product(name: 'Tablet', price: 750)
]

def expensiveProducts = products.findAll { it.price >= 750 }
expensiveProducts.each { println "${it.name} (${it.price})" }

このコードでは、価格が750以上の製品を選択しています。

フィルタリングされた結果、”Laptop (1000)” と “Tablet (750)” がリストに含まれます。

○サンプルコード5:フィルタリング後のデータ処理

filterメソッドを使用した後のデータ処理も重要です。

フィルタリングで得られたデータをさらに加工したり、特定の方法で表示したりすることができます。

def numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
def filteredNumbers = numbers.findAll { it % 2 == 0 }

// フィルタリング後のデータを合計
def sum = filteredNumbers.sum()
println "合計: ${sum}"

// フィルタリング後のデータを昇順に並べ替え
def sortedNumbers = filteredNumbers.sort()
println "昇順: ${sortedNumbers}"

このコードでは、まず偶数をフィルタリングし、その後で合計値を計算し、さらに昇順に並べ替えています。

●filterメソッドの詳細なカスタマイズ方法

Groovyのfilterメソッドを使いこなすためには、そのカスタマイズ方法を理解することが重要です。

特定のニーズや要件に合わせてfilterメソッドを調整することで、さらに効率的なデータ処理が可能になります。

ここでは、filterメソッドをカスタマイズする方法とそのサンプルコードを紹介します。

○サンプルコード6:カスタムフィルタの作成

カスタムフィルタを作成することで、特定の複雑な条件に基づいてデータをフィルタリングできます。

例えば、特定の複数の条件を組み合わせてフィルタリングする場合、カスタムフィルタを定義すると便利です。

def numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
def customFilter = { it > 5 && it < 8 }
def filteredNumbers = numbers.findAll(customFilter)

println filteredNumbers  // 出力: [6, 7]

このコードでは、6より大きく8未満の数字をフィルタリングするカスタムフィルタを作成しています。

findAll メソッドにこのカスタムフィルタを渡すことで、指定された条件に合致する要素だけが選択されます。

○サンプルコード7:パフォーマンスを考慮したフィルタリング

大量のデータを扱う際には、パフォーマンスを考慮したフィルタリングが必要になることがあります。

Groovyでは、ストリームを利用することで、メモリの使用量を減らし、処理速度を向上させることができます。

def largeList = (1..1000000).toList()
def filteredList = largeList.stream().filter { it % 2 == 0 }.collect()

println filteredList.size()  // 出力: 500000

このコードでは、1から1000000までの数値のリストから偶数だけを選択しています。

stream メソッドを使用することで、リスト全体を一度にメモリに読み込むのではなく、ストリームとして処理し、パフォーマンスを向上させています。

●注意点と対処法

Groovyのfilterメソッドを使用する際にはいくつかの重要な注意点があります。

これらを理解し、適切に対処することで、プログラミングの効率と品質を向上させることができます。

ここでは、filterメソッドの使用における主要な注意点とその対処法について説明します。

○パフォーマンスの考慮

大規模なデータセットを扱う際や、複雑な条件を使用する場合、filterメソッドのパフォーマンスは重要な要素となります。

不適切なフィルタリング処理は、プログラムの実行速度を著しく低下させる可能性があります。

対処法としては、データセットのサイズが大きい場合や、複雑なフィルタリングを行う際には、ストリーム処理や遅延評価を利用することを検討してください。

Groovyのstream() メソッドを使用することで、大量のデータを効率的に処理することができます。

○コードの可読性と保守性

filterメソッドを使用する際、複雑な条件や長いラムダ式はコードの可読性を損なう原因になります。

また、後からコードを見返したときに理解しにくくなる可能性もあります。

対処法としては、条件式が複雑になりすぎないように心がけることが重要です。

また、可能であれば複雑なロジックは別のメソッドに分割し、それぞれに適切な名前を付けることで、コードの可読性と保守性を高めることができます。

コメントを適切に使用し、何をしているのかを明確に示すことも効果的です。

まとめ

Groovyのfilterメソッドは、データの選択と処理において非常に強力なツールです。

基本的な使い方から応用例、さらにカスタマイズ方法に至るまで、この記事を通じて様々な側面を詳細に解説しました。

パフォーマンスの考慮やコードの可読性と保守性を意識しつつ、これらの知識を活用すれば、Groovyを使ったプログラミングの効率と品質を大幅に向上させることが可能です。

このガイドが、Groovyを使ったデータ処理の理解を深め、より良いコーディングを行うための一助となることを願っています。