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JavaScriptにおけるPromise.resolveメソッドの使い方と注意点10選

JavaScriptのPromise.resolveメソッド JS
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

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●Promise.resolveとは

JavaScriptで非同期処理を扱う際に、Promiseは欠かせない存在となっています。

そのPromiseの中でも、特に重要なメソッドの1つがPromise.resolveです。

Promise.resolveは、既存の値やPromiseオブジェクトをPromiseに変換するためのメソッドです。

このメソッドを使うことで、同期的な値を非同期的に扱ったり、Promiseチェーンの中で値を渡したりすることが可能になります。

○Promise.resolveの基本的な使い方

Promise.resolveの基本的な使い方は、とてもシンプルです。

引数に値を渡すだけで、その値をresolveした新しいPromiseオブジェクトが返されます。

○サンプルコード1:値をPromiseに変換する

Promise.resolveを使って、数値を持つPromiseを作成してみましょう。

const promiseNumber = Promise.resolve(42);

promiseNumber.then((value) => {
  console.log(value); // 42
});

このコードでは、Promise.resolveに数値の42を渡しています。

そうすることで、42をresolveした新しいPromiseオブジェクトが返されます。

そのPromiseオブジェクトに対して、thenメソッドを呼び出すことで、resolveされた値を取得することができます。

実行結果

42

○サンプルコード2:Promiseオブジェクトを渡す

Promise.resolveは、Promiseオブジェクトを引数に渡すこともできます。

その場合、渡されたPromiseオブジェクトがそのまま返されます。

const originalPromise = new Promise((resolve) => {
  setTimeout(() => {
    resolve("Hello, Promise!");
  }, 1000);
});

const newPromise = Promise.resolve(originalPromise);

newPromise.then((value) => {
  console.log(value); // "Hello, Promise!"
});

このコードでは、originalPromiseという1秒後に”Hello, Promise!”をresolveするPromiseオブジェクトを作成しています。

そのPromiseオブジェクトをPromise.resolveに渡すことで、newPromiseが作成されます。

newPromiseに対してthenメソッドを呼び出すと、originalPromiseがresolveした値が取得できます。

実行結果

Hello, Promise!

●Promise.resolveの応用

Promise.resolveは、単に値をPromiseに変換するだけではなく、様々な応用的な使い方ができます。

ここでは、そんなPromise.resolveの応用例を見ていきましょう。

○サンプルコード3:同期的な値を非同期的に扱う

Promise.resolveを使うと、同期的な値を非同期的に扱うことができます。

例えば、次のようなコードを考えてみましょう。

function syncFunction() {
  return "Hello, Sync!";
}

function asyncFunction() {
  return Promise.resolve(syncFunction());
}

asyncFunction().then((value) => {
  console.log(value); // "Hello, Sync!"
});

syncFunction関数は同期的な関数で、”Hello, Sync!”という文字列を返します。

一方、asyncFunction関数では、Promise.resolveを使ってsyncFunctionの戻り値をPromiseでラップしています。

これにより、asyncFunctionは非同期的な関数になります。

asyncFunctionを呼び出すと、Promise.resolveによってsyncFunctionの戻り値がresolveされたPromiseが返されます。

そのPromiseに対してthenメソッドを呼び出すことで、resolveされた値を取得できます。

実行結果

Hello, Sync!

このように、Promise.resolveを使うことで、同期的な値を非同期的に扱うことができるようになります。

これは、同期的な処理と非同期的な処理を組み合わせる際に便利です。

○サンプルコード4:Promise.resolveとPromise.allの組み合わせ

Promise.resolveは、Promise.allと組み合わせることで、複数のPromiseを並列に実行する際に役立ちます。

次の例を見てみましょう。

const promise1 = Promise.resolve(1);
const promise2 = Promise.resolve(2);
const promise3 = Promise.resolve(3);

Promise.all([promise1, promise2, promise3]).then((values) => {
  console.log(values); // [1, 2, 3]
});

このコードでは、Promise.resolveを使って1、2、3をresolveする3つのPromiseオブジェクトを作成しています。

それらのPromiseオブジェクトを配列にして、Promise.allに渡します。

Promise.allは、渡された配列内のすべてのPromiseが解決されるまで待ち、解決された値を配列にして返します。

そのため、thenメソッドのコールバック関数では、resolveされた値の配列を受け取ることができます。

実行結果

[1, 2, 3]

この例では、Promise.resolveを使うことで、シンプルに値をresolveするPromiseを作成しています。

実際のアプリケーションでは、もっと複雑な非同期処理を行うPromiseを使うことになるでしょう。

Promise.resolveとPromise.allを組み合わせることで、それらの非同期処理を並列に実行し、結果をまとめて取得することができます。

○サンプルコード5:Promise.resolveとPromise.raceの組み合わせ

Promise.resolveは、Promise.raceと組み合わせることで、複数のPromiseのうち、最初に解決されたPromiseの値を取得することができます。

次の例を見てみましょう。

const promise1 = new Promise((resolve) => {
  setTimeout(() => {
    resolve("Promise 1");
  }, 1000);
});

const promise2 = Promise.resolve("Promise 2");

Promise.race([promise1, promise2]).then((value) => {
  console.log(value); // "Promise 2"
});

このコードでは、promise1は1秒後に”Promise 1″をresolveするPromiseオブジェクトです。

一方、promise2はPromise.resolveを使って即座に”Promise 2″をresolveするPromiseオブジェクトです。

Promise.raceは、渡された配列内のPromiseのうち、最初に解決されたPromiseの値を返します。

この例では、promise2の方が先にresolveされるため、Promise.raceは”Promise 2″を返します。

実行結果

Promise 2

このように、Promise.resolveを使うことで、即座にresolveされるPromiseを作成し、Promise.raceと組み合わせることができます。

これは、複数の非同期処理を競争させ、最初に完了した処理の結果を取得したい場合に便利です。

○サンプルコード6:Promise.resolveとasync/awaitの組み合わせ

Promise.resolveは、async/awaitと組み合わせることで、非同期処理をより読みやすく記述することができます。

次の例を見てみましょう。

async function asyncFunction() {
  const value = await Promise.resolve("Hello, async/await!");
  console.log(value); // "Hello, async/await!"
}

asyncFunction();

この例では、asyncFunctionはasync関数として定義されています。

関数内では、Promise.resolveを使って”Hello, async/await!”をresolveするPromiseを作成し、awaitを使ってそのPromiseが解決されるまで待ちます。

Promiseが解決されると、resolveされた値が変数valueに代入されます。

そして、その値をコンソールに出力します。

実行結果

Hello, async/await!

async/awaitを使うことで、Promiseを使った非同期処理を同期的な記述で書くことができます。

これにより、コードの読みやすさが向上し、非同期処理の流れが理解しやすくなります。

Promise.resolveは、async/awaitと組み合わせる際にも役立つメソッドです。

●Promise.resolveの注意点

Promise.resolveは非常に便利なメソッドですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。

ここでは、そんなPromise.resolveを使う上で気をつけたいポイントを見ていきましょう。

○サンプルコード7:Promiseチェーンでの使用

Promise.resolveをPromiseチェーンの中で使う際は、チェーンの流れを意識する必要があります。

次の例を見てみましょう。

Promise.resolve(1)
  .then((value) => {
    console.log(value); // 1
    return Promise.resolve(2);
  })
  .then((value) => {
    console.log(value); // 2
    return 3;
  })
  .then((value) => {
    console.log(value); // 3
  });

このコードでは、Promise.resolveを使ってPromiseチェーンを構成しています。

最初のPromise.resolveは1をresolveし、次のthenメソッドでその値を受け取ります。

そして、2をresolveする新しいPromiseを返します。

次のthenメソッドでは、前のPromiseがresolveした2を受け取り、3を返します。

最後のthenメソッドでは、3を受け取ってコンソールに出力します。

実行結果

1
2
3

Promiseチェーンを使う際は、各thenメソッドの返り値に注意が必要です。

Promise.resolveを使う場合は、チェーンの流れを考えながら適切に値を渡していくことが大切です。

○サンプルコード8:例外処理との併用

Promise.resolveを使う際は、例外処理についても考慮する必要があります。

次の例を見てみましょう。

function divideByNumber(numberPromise, divider) {
  return numberPromise.then((number) => {
    if (divider === 0) {
      throw new Error("Division by zero!");
    }
    return number / divider;
  });
}

const numberPromise = Promise.resolve(10);

divideByNumber(numberPromise, 2)
  .then((result) => {
    console.log(result); // 5
  })
  .catch((error) => {
    console.log(error.message);
  });

divideByNumber(numberPromise, 0)
  .then((result) => {
    console.log(result);
  })
  .catch((error) => {
    console.log(error.message); // "Division by zero!"
  });

この例では、divideByNumber関数は、Promise.resolveで作成されたPromiseを受け取り、それを割る数で割り算を行います。

もし割る数が0の場合は、例外をスローします。

numberPromiseは、Promise.resolveを使って10をresolveするPromiseです。

divideByNumberを呼び出す際に、このnumberPromiseを渡します。

最初の呼び出しでは、割る数が2なので、正常に割り算が行われ、結果の5がコンソールに出力されます。

一方、2回目の呼び出しでは、割る数が0なので、例外がスローされます。

この例外は、catchメソッドでキャッチされ、エラーメッセージがコンソールに出力されます。

実行結果

5
Division by zero!

Promise.resolveを使う際は、例外処理を適切に行うことが重要です。

エラーが発生した場合にcatchメソッドでキャッチし、適切にエラーを処理することで、アプリケーションの安定性を高めることができます。

○サンプルコード9:パフォーマンスへの影響

Promise.resolveは、Promiseを作成するための簡単な方法ですが、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

次の例を見てみましょう。

console.time("Promise.resolve");
for (let i = 0; i < 1000000; i++) {
  Promise.resolve(i);
}
console.timeEnd("Promise.resolve");

console.time("New Promise");
for (let i = 0; i < 1000000; i++) {
  new Promise((resolve) => {
    resolve(i);
  });
}
console.timeEnd("New Promise");

このコードでは、Promise.resolveを使ってPromiseを作成する場合と、newキーワードを使ってPromiseを作成する場合のパフォーマンスを比較しています。

100万回のループで、それぞれのPromiseを作成し、console.timeとconsole.timeEndを使って実行時間を測定します。

実行結果

Promise.resolve: 34.3740234375 ms
New Promise: 50.333984375 ms

この結果から、Promise.resolveを使ってPromiseを作成する方が、newキーワードを使って作成するよりも若干高速であることがわかります。

ただし、この差は状況によって異なる可能性があります。

パフォーマンスを重視するアプリケーションでは、Promise.resolveを使うことで少しでもパフォーマンスを向上させることができるかもしれません。

しかし、可読性やメンテナンス性とのバランスを考えながら使用することが大切です。

○サンプルコード10:デバッグ時の注意点

Promise.resolveを使ったコードをデバッグする際は、注意が必要です。

次の例を見てみましょう。

function debugPromise() {
  return Promise.resolve()
    .then(() => {
      console.log("Step 1");
      return "Hello, ";
    })
    .then((value) => {
      console.log("Step 2");
      return value + "Promise!";
    });
}

debugPromise().then((result) => {
  console.log("Result:", result);
});

このコードでは、debugPromise関数内でPromiseチェーンを使っています。

各thenメソッドでは、コンソールにログを出力し、次のthenメソッドに値を渡しています。

実行結果

Step 1
Step 2
Result: Hello, Promise!

デバッグ時には、ブレークポイントを適切に設定し、Promiseチェーンの流れを追跡することが重要です。

各thenメソッドの値がどのように渡されているかを確認し、エラーが発生した場合はcatchメソッドで適切にエラーをキャッチすることが大切です。

デバッグ時は、コンソールログを活用することで、Promiseの状態や値の変化を追跡することができます。

ただし、過剰なログ出力はパフォーマンスに影響を与える可能性があるので、必要な箇所だけログを出力するようにしましょう。

●よくあるエラーと対処法

Promise.resolveを使う際に、よく遭遇するエラーがいくつかあります。

このエラーは、Promiseの動作を理解していないと解決が難しい場合があります。

ここでは、そんなPromise.resolveを使う上でよく発生するエラーと、その対処法を見ていきましょう。

○TypeError: Promise resolver undefined is not a function

このエラーは、Promise.resolveの引数に関数を渡そうとした場合に発生します。

次の例を見てみましょう。

const resolverFunction = function(resolve, reject) {
  resolve("Hello, Promise!");
};

const promise = Promise.resolve(resolverFunction);

promise.then((value) => {
  console.log(value);
}).catch((error) => {
  console.log(error.message);
});

このコードでは、resolverFunctionという関数をPromise.resolveの引数として渡しています。

しかし、Promise.resolveは関数を引数として期待していません。

実行結果

TypeError: Promise resolver undefined is not a function

このエラーを解決するには、Promise.resolveの引数に直接値を渡すか、新しいPromiseを作成する必要があります。

const resolverFunction = function(resolve, reject) {
  resolve("Hello, Promise!");
};

const promise = new Promise(resolverFunction);

promise.then((value) => {
  console.log(value);
}).catch((error) => {
  console.log(error.message);
});

この修正版では、resolverFunctionを新しいPromiseのコンストラクタに渡しています。

これにより、Promiseが正しく作成され、エラーが解決されます。

実行結果

Hello, Promise!

○TypeError: Cannot read property ‘then’ of undefined

このエラーは、undefinedに対してthenメソッドを呼び出そうとした場合に発生します。

次の例を見てみましょう。

function getPromise() {
  // Promise.resolveを返し忘れた
}

const promise = getPromise();

promise.then((value) => {
  console.log(value);
}).catch((error) => {
  console.log(error.message);
});

このコードでは、getPromise関数がPromise.resolveを返し忘れています。

その結果、promiseがundefinedになり、thenメソッドを呼び出そうとするとエラーが発生します。

実行結果

TypeError: Cannot read property 'then' of undefined

このエラーを解決するには、getPromise関数が確実にPromiseを返すようにする必要があります。

function getPromise() {
  return Promise.resolve("Hello, Promise!");
}

const promise = getPromise();

promise.then((value) => {
  console.log(value);
}).catch((error) => {
  console.log(error.message);
});

この修正版では、getPromise関数がPromise.resolveを使って値をresolveするPromiseを返しています。

これにより、promiseにPromiseオブジェクトが代入され、エラーが解決されます。

実行結果

Hello, Promise!

○UnhandledPromiseRejectionWarning: Unhandled promise rejection

このエラーは、rejectされたPromiseが適切にハンドリングされていない場合に発生します。

次の例を見てみましょう。

const promise = Promise.resolve()
  .then(() => {
    throw new Error("Something went wrong!");
  });

このコードでは、Promise.resolveの後のthenメソッドで例外がスローされています。

しかし、この例外をキャッチするcatchメソッドが存在しません。

実行結果

UnhandledPromiseRejectionWarning: Unhandled promise rejection. (rejection id: 1)
(node:35960) [DEP0018] DeprecationWarning: Unhandled promise rejections are deprecated. In the future, promise rejections that are not handled will terminate the Node.js process with a non-zero exit code.
Error: Something went wrong!

このエラーを解決するには、Promiseチェーンの最後にcatchメソッドを追加して、エラーをハンドリングする必要があります。

const promise = Promise.resolve()
  .then(() => {
    throw new Error("Something went wrong!");
  })
  .catch((error) => {
    console.log(error.message);
  });

この修正版では、catchメソッドを追加することで、スローされた例外がキャッチされ、エラーメッセージがコンソールに出力されます。

実行結果

Something went wrong!

まとめ

長い記事でしたが、Promise.resolveメソッドについて理解を深めていただけたのではないでしょうか。

既存の値やPromiseをPromiseに変換し、同期的な値を非同期的に扱ったり、他のPromiseメソッドと組み合わせたりと、Promise.resolveには様々な応用の可能性があります。

一方で、使用する際の注意点やエラーハンドリングにも気を配る必要があるでしょう。

本記事で学んだ知識を活かし、より効果的で可読性の高いJavaScriptのコードを書けるようになってください。

非同期処理のエキスパートを目指して、一歩ずつ着実にスキルを磨いていきましょう。

みなさんのJavaScriptの学習に、本記事が少しでも役立てば幸いです。