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PHP静的解析の効率的な5つの手法!初心者でも分かる完全ガイド

PHPの静的解析の効率的な5つの手法を紹介するイラスト PHP
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

この記事を読めば、PHPの静的解析の効率的な手法を5つ身につけることができます。

初心者の方でも、プログラミングの世界は難しくないと感じていただけるよう、分かりやすく解説します。

●PHPの静的解析とは

○静的解析の基本

静的解析とは、実行せずにプログラムのコードを解析することを指します。

PHPの静的解析は、コードの品質をチェックしたり、バグを早期に発見したりするための重要なツールです。

●PHPの静的解析の使い方

静的解析ツールは多数存在しますが、ここではPHPStanというツールを使用します。

○サンプルコード1:基本的な静的解析の実行

ここではPHPStanというツールを使い、最も基本的な静的解析を実行する方法を学びます。まずはPHPStanをインストールしましょう。

下記のコードは、Composerを使ってPHPStanをインストールする一例です。

// ターミナルで次のコマンドを実行
composer require --dev phpstan/phpstan

次に、静的解析を実行します。

下記のコードは静的解析を実行し、その結果を表示する一例です。

// ターミナルで次のコマンドを実行
vendor/bin/phpstan analyse src

このコードでは、「src」ディレクトリ内のPHPファイルに対して静的解析を行っています。

○サンプルコード2:特定の問題を検出する静的解析

PHPStanを使えば、特定の問題を検出することも可能です。

下記のコードは、未定義の変数を検出する静的解析を実行する一例です。

// phpstan.neonファイルを作成し、次の内容を記述
parameters:
    level: 0
    paths:
        - src
    rules:
        - PhpStan\Rules\Variables\UndefinedVariableRule

このコードでは、「phpstan.neon」ファイルを作成し、その中に検出したい問題を定義しています。

○サンプルコード3:カスタムルールを適用した静的解析

PHPStanでは、自分自身で定義したルールを適用することも可能です。

下記のコードは、カスタムルールを適用する静的解析を実行する一例です。

// phpstan.neonファイルを作成し、次の内容を記述
parameters:
    level: 0
    paths:
        - src
    rules:
        - App\Rules\CustomRule

このコードでは、「phpstan.neon」ファイルを作成し、その中にカスタムルール「CustomRule」を定義しています。

●PHPの静的解析の応用例

静的解析は、単にコードの品質を向上させるだけでなく、リファクタリングの際の助けとなる場面もあります。

コードの改善が必要な箇所を検出するだけでなく、潜在的な問題を予測するのにも役立つのです。

○サンプルコード4:リファクタリングを助ける静的解析

静的解析を用いてリファクタリングを支援する例を見ていきましょう。

ここでは、コードの複雑性を示す指標である「循環的複雑度」を計算し、その値が高い関数を特定するコードを紹介します。

下記のコードは、PHPMDというツールを使って循環的複雑度を計算する一例です。

// ターミナルで次のコマンドを実行
composer require --dev phpmd/phpmd
vendor/bin/phpmd src text codesize

このコードでは、PHPMDをインストールし、その後で「codesize」ルールを適用して「src」ディレクトリ内のPHPファイルに対して静的解析を行います。

このルールを適用することで、循環的複雑度が高い関数を特定し、リファクタリングが必要な箇所を見つけることができます。

○サンプルコード5:コード品質の維持を目指す静的解析

次に、静的解析を用いてコード品質の維持を目指す例を見ていきましょう。

下記のコードは、PHP_CodeSnifferというツールを使ってコードのスタイルをチェックする一例です。

// ターミナルで次のコマンドを実行
composer require --dev squizlabs/php_codesniffer
vendor/bin/phpcs --standard=PSR12 src

このコードでは、PHP_CodeSnifferをインストールし、その後で「PSR12」規約に基づいて「src」ディレクトリ内のPHPファイルのコードスタイルをチェックしています。

この規約を適用することで、コードの統一性を保ち、その結果、コード品質の維持を目指すことができます。

●静的解析の注意点と対処法

静的解析は強力なツールですが、それだけでコードの全ての問題を解決できるわけではありません。

また、誤った使用方法や理解不足からくる問題も生じる可能性があります。

そのため、次の点に注意して使用することが重要です。

まず、静的解析ツールは可能な問題を指摘しますが、必ずしもそれが実際の問題であるとは限らないということです。

一部の警告は、コードの特定の部分や特定の設計上の決定に関連しているため、すべての警告が必ずしも修正を必要とするものではありません。

また、静的解析ツールは、コードの読みやすさやメンテナンス性といった品質を必ずしも向上させるものではありません。

それらは開発者のスキルや経験に大きく依存します。したがって、静的解析ツールはあくまで補助的なツールとして使い、開発者自身のスキルや知識を向上させることが重要です。

●静的解析のカスタマイズ方法

静的解析ツールは、多くの場合、カスタマイズが可能です。

つまり、あなたのプロジェクトやチームのニーズに合わせて、どのルールを適用するか、どのレベルの警告を出すかを設定することができます。

たとえば、PHPMDの場合、独自のルールセットファイルを作成することができます。

下記のサンプルコードは、独自のルールセットを適用するための基本的な設定です。

<?xml version="1.0"?>
<ruleset name="MyRuleSet">
    <description>自分のプロジェクト用のルールセット</description>
    <rule ref="rulesets/codesize.xml"/>
    <rule ref="rulesets/naming.xml">
        <exclude name="ShortVariable"/>
    </rule>
</ruleset>

このコードでは、自分で定義したルールセット”MyRuleSet”を作成しています。

このルールセットでは、「codesize」のルール全てと、「naming」のルールのうち、「ShortVariable」を除く全てのルールを適用します。

まとめ

静的解析は、コードの品質を保つための強力なツールです。

しかし、その有効性を最大限に引き出すためには、適切な理解と適切な使用が必要です。

静的解析ツールは、コード中の潜在的な問題を指摘し、コードの安全性やパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。

しかし、それだけでなく、コードのリファクタリングや品質維持にも寄与します。

しかし、静的解析ツールが出力するすべての警告が必ずしも修正を必要とするものではないことを理解することも重要です。

また、コードの品質は開発者のスキルや経験に大きく依存するため、静的解析ツールはあくまで補助的なツールとして使用することが重要です。

さらに、静的解析ツールはカスタマイズ可能で、プロジェクトやチームのニーズに合わせて設定を調整できます。

これにより、より具体的な問題を特定したり、不要な警告を減らしたりすることが可能です。

このように、静的解析は開発プロセスの重要な一部であり、適切に使用することで大きな利益を得ることができます。

静的解析ツールを理解し、効果的に使用することで、より高品質で安全なコードを作成し、維持することができます。