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Rubyでミリ秒を扱う8つの手法

プログラミング言語Rubyでミリ秒を扱う方法を説明するイメージ Ruby
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

プログラミングで時間を扱う際に、より細かい単位であるミリ秒を操作することが必要になる場面があります。

そんな時、どのようにRubyでミリ秒を取り扱えばよいのでしょうか?

この記事では、初心者の方でも理解できるように、Rubyを使ったミリ秒の取得・操作の方法と、その具体的な利用シナリオを、具体的なコード例と共にご紹介します。

●Rubyとは

Rubyは、まつもとゆきひろ(通称Matz)氏により開発されたプログラミング言語の1つです。

直感的に理解しやすい文法や、高い自由度が特徴で、Webアプリケーションの開発によく用いられます。

Rubyはオブジェクト指向を採用しており、様々なクラスとそのメソッドを使用することで、機能的かつ効率的なコードを書くことができます。

●ミリ秒とは

ミリ秒は、1秒の1000分の1を表す時間の単位です。

1秒以下の時間を扱う場合や、コンピュータの処理速度を計測する際などに用いられます。

Rubyでは、時間を表すTimeクラスを用いてミリ秒を取り扱うことができます。

●Rubyでの時間の取り扱い

○Timeクラスとは

Rubyで時間を扱う際には、Timeクラスを利用します。

このクラスは、1970年1月1日からの経過秒数を表すUnix時間を基にした時間を管理することができます。

そのため、具体的な年月日や時分秒の他、ミリ秒単位での時間も扱うことが可能です。

○Timeクラスのメソッド一覧

Timeクラスには、時間を操作するための様々なメソッドがあります。

現在の時間を取得するためのTime.nowや、時間を加算するための+演算子、時間の比較を行うための==>などの比較演算子などがあります。

また、時間を文字列として扱うためのstrftimeメソッドなども提供されています。

●ミリ秒を取得する方法

○サンプルコード1:現在のミリ秒を取得

Rubyでは、Time.nowメソッドとto_fメソッドを組み合わせることで、現在のミリ秒を取得することができます。

このコードでは、Time.now.to_f * 1000とすることで、現在の時間をUnix時間のミリ秒として取得しています。

now = Time.now.to_f * 1000
puts now

このコードを実行すると、現在のミリ秒単位のUnix時間が出力されます。

なお、to_fメソッドはTimeオブジェクトを浮動小数点数に変換するメソッドで、これにより秒単位の時間を得ます。

その後に1000を掛けることで、ミリ秒単位の時間を取得しています。

○サンプルコード2:特定の時間のミリ秒を取得

特定の日時のミリ秒を取得するには、Time.localメソッドを用いて指定の日時を生成し、その後to_fメソッドを用いてUnix時間の秒単位を得た後に1000を掛けます。

time = Time.local(2023, 6, 13, 12, 0, 0).to_f * 1000
puts time

このコードでは、2023年6月13日12時00分00秒のミリ秒を取得しています。

出力結果はその日時をUnix時間のミリ秒で表したものとなります。

●ミリ秒を操作する方法

Rubyではミリ秒の加算・減算も可能です。

○サンプルコード3:ミリ秒を加算

ミリ秒を加算するには、+演算子を使用します。

ただし、+演算子は秒単位での加算となるため、ミリ秒を加算する際は加える値を0.001倍します。

time = Time.now.to_f
add_ms = 500  # 500ミリ秒を加算する
new_time = time + add_ms * 0.001
puts new_time * 1000

このコードでは、現在のミリ秒に500ミリ秒を加算し、その結果を出力しています。

○サンプルコード4:ミリ秒を減算

ミリ秒を減算する際も、-演算子を使用します。

同様に、-演算子は秒単位での減算となるため、ミリ秒を減算する際は減らす値を0.001倍します。

time = Time.now.to_f
sub_ms = 500  # 500ミリ秒を減算する
new_time = time - sub_ms * 0.001
puts new_time * 1000

このコードでは、現在のミリ秒から500ミリ秒を減算し、その結果を出力しています。

●ミリ秒を利用した具体的なシナリオ

ミリ秒の取得・操作ができるようになったところで、これをどのようなシナリオで利用するのか具体的な例を見てみましょう。

○サンプルコード5:処理時間の計測

プログラムの性能をチェックする際、特定の処理にどのくらいの時間がかかるかを計測することがあります。

下記のコードは、ある処理の実行前後での時間を取得し、その差分をミリ秒で表示することで処理時間を計測する例です。

start_time = Time.now.to_f
# 何らかの処理
sleep 1  # ここでは例として1秒間のsleepを実行
end_time = Time.now.to_f

elapsed_time = (end_time - start_time) * 1000
puts "処理時間: #{elapsed_time}ミリ秒"

このコードを実行すると、「処理時間: 1000.0ミリ秒」(実行環境により多少の誤差がある)と出力されます。

○サンプルコード6:スリープ時間の指定

Rubyでは、プログラムの一時停止を行うためのsleepメソッドが提供されています。

このsleepメソッドに渡す引数は秒単位ですが、ミリ秒単位で指定したい場合は秒に変換して使用します。

具体的なコードは次の通りです。

ms = 500  # 500ミリ秒スリープさせたい
sleep ms * 0.001

このコードでは、500ミリ秒間(つまり0.5秒間)プログラムの実行を停止します。

sleepメソッドは、引数に0より大きい浮動小数点数を指定することも可能なため、ミリ秒単位での精密なスリープ時間の指定が可能です。

●注意点と対処法

Rubyでミリ秒を扱う際、注意するべき点とそれに対する対処法を説明します。

①精度の問題

RubyのTimeクラスは内部的に浮動小数点数で時間を扱っています。

そのため、非常に小さな時間単位(例えばミリ秒)での計算を行うと誤差が発生する可能性があります。

これを防ぐには、可能な限り大きな単位で時間を扱い、必要な時点でミリ秒に変換すると良いでしょう。

②タイムゾーンの問題

Timeクラスのインスタンスを生成する際には、タイムゾーンを明示的に指定しないと、システムのローカルタイムゾーンが使用されます。

これが意図しない結果をもたらす可能性があるため、特定のタイムゾーンで時間を扱う必要がある場合は、明示的にタイムゾーンを指定しましょう。

●カスタマイズの方法

RubyのTimeクラスは柔軟性が高く、多くのカスタマイズが可能です。

例えば、任意のフォーマットで時間を出力することができます。

○サンプルコード7:任意のフォーマットでミリ秒を表示

時間を任意のフォーマットで表示するには、strftimeメソッドを使用します。

しかし、strftimeメソッドではミリ秒を直接扱うことはできないため、秒単位とミリ秒単位を別々に取得し、それらを組み合わせる必要があります。

time = Time.now
seconds_format = time.strftime("%Y-%m-%d %H:%M:%S")
milliseconds = (time.to_f % 1 * 1000).to_i

puts "#{seconds_format}.#{milliseconds}"

このコードでは、現在の時間を取得し、年月日時分秒のフォーマットで出力した後、ミリ秒を取得して秒の後に追加しています。

このコードを実行すると、”2023-06-13 12:34:56.789″のような形式で時間が表示されます。

ただし、ミリ秒の部分は環境や実行タイミングにより異なります。

まとめ

Rubyでミリ秒を扱う方法を8つ紹介しました。各方法を理解し、適切に使い分けることで、より精密な時間操作が可能になります。

注意点やカスタマイズ方法についても触れましたので、それらを参考にしながらRubyでの時間操作をマスターしましょう。