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【8選】Javaで学ぶ絶対値の取得方法

Javaプログラムのスクリーンショットと絶対値のグラフ Java
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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はじめに

Javaは、クロスプラットフォームで動作するプログラム言語として、全世界で広く使用されています。

これにはJavaの豊富なライブラリや簡潔な文法、優れたセキュリティ機能が貢献しています。

そして、数値計算においてもJavaはその力を発揮します。

特に、数値の絶対値を取得する際には、多岐にわたる方法が存在します。

今回の記事では、Javaを用いて絶対値を取得する8つの方法に焦点を当てて紹介します。

サンプルコードを交えながら、初心者の方でもすぐに理解・応用できる内容となっています。

それでは、早速見ていきましょう。

●Javaと絶対値の基本

○Java言語の特徴

Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語として知られています。

このため、再利用性の高いコードを書くことが可能となります。

また、Javaは「Write Once, Run Anywhere(一度書けば、どこでも実行可能)」という哲学のもとに設計されており、異なるプラットフォームでの動作の互換性が高いのが特徴です。

これにより、多種多様なデバイスやシステム上でJavaのアプリケーションを動作させることができます。

○絶対値とは

絶対値とは、数値の大きさだけを考慮する際の値を指します。

具体的には、正の数値はそのままの値を、負の数値は正の値に変換して表現します。

たとえば、5の絶対値は5、-5の絶対値は5となります。

絶対値は、数値が正か負かを問わず、その大きさだけを考慮する場面で利用されます。

プログラム上では、誤差の修正や数値比較、データの正規化など、多岐にわたる用途で絶対値を取得する操作が行われます。

●Javaを使用した絶対値の取得方法

Java言語を使用した絶対値の取得方法について解説いたします。

絶対値とは、ある数値からその数値の大小を無視して距離を求める概念であり、Java言語では複数の方法で実現できます。

詳しく解説しますので、参考にしてください。

○サンプルコード1:基本的な絶対値の取得

Javaにおける絶対値の取得方法は多岐にわたります。

ここでは、最も基本的な絶対値の取得方法を表すサンプルコードとともに説明いたします。

この部分では、単純な数値の絶対値を取得する簡単なプログラムを作成し、その動作と説明を行います。

まずは、基本的なサンプルコードを見てみましょう。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int a = -5;
        int b = Math.abs(a);

        // このコードでは、Mathクラスのabsメソッドを使って、変数aの絶対値を取得しています。
        System.out.println("変数aの絶対値は: " + b); // 変数aの絶対値は: 5
    }
}

このコードを実行すると、コンソールに「変数aの絶対値は: 5」と表示される結果を観察できます。

コード内部では、Mathクラスのabsメソッドを利用して、変数aの絶対値を取得しています。

ここでは、変数aが-5という負の値であるため、その絶対値として5が取得され、これが表示される流れとなります。

○サンプルコード2:条件演算子を使った取得方法

Javaの条件演算子は、”条件式 ? 式1 : 式2″という形式で使用されます。

この演算子を利用すると、条件式が真の場合には式1を評価し、偽の場合には式2を評価します。

この性質を利用して、数値の絶対値を効率的に取得することが可能です。ここでは、その実現方法を具体的なサンプルコードとともに解説します。

まず、次のコードスニペットをご覧ください。

public class AbsoluteValue {
    public static void main(String[] args) {
        int number = -5;
        int absoluteValue = (number < 0) ? -number : number;
        System.out.println("絶対値: " + absoluteValue);
    }
}

このコードでは、まず-5という数値をint型の変数numberに代入しています。

次に、条件演算子を用いて変数numberの絶対値を計算しています。

具体的には、”number < 0 ? -number : number”という式を評価しています。

この式を解析すると、「numberが0未満であれば、numberの符号を反転(-number)させ、それ以外の場合はnumberをそのまま使用」という意味になります。

さらに解説すると、このコードは次のステップで動作します。

  1. 変数numberに-5を代入。
  2. 条件演算子を用いてnumberが0未満かどうかを判定。
  3. 0未満であるため、-number(5)を新たな変数absoluteValueに代入。
  4. 絶対値をコンソールに出力。

コードを実行すると、コンソールに「絶対値: 5」と表示される結果となります。

この結果から、条件演算子を利用した絶対値の取得が正常に行われたことが確認できます。

○サンプルコード3:Mathクラスを用いた取得方法

Javaにおける絶対値の取得方法のひとつとして、Mathクラスを用いた取得方法があります。

MathクラスはJavaのjava.langパッケージに含まれるクラスで、数学的な操作をサポートします。

今回はこのクラスのabsメソッドを用いて、絶対値を取得する方法を解説いたします。

サンプルコードとその詳細な説明を紹介し、その後で実行結果とその解説を行います。

まずはサンプルコードをご覧ください。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int a = -5;
        double b = -5.3;

        int absoluteValueOfA = Math.abs(a);
        double absoluteValueOfB = Math.abs(b);

        System.out.println("aの絶対値: " + absoluteValueOfA);
        System.out.println("bの絶対値: " + absoluteValueOfB);
    }
}

このコードを見てみると、まずint型の変数aとdouble型の変数bを定義しており、それぞれ-5および-5.3という値を割り当てています。

この変数を用いて、Mathクラスのabsメソッドを利用し絶対値を計算しています。

Math.absメソッドは、引数として渡された数値の絶対値を返すメソッドです。

absメソッドはオーバーロードされており、int、long、float、double型の引数を受け取ることができます。

それぞれの型の変数に対してabsメソッドを呼び出し、絶対値を取得します。

次に、実行結果について解説します。

このコードを実行すると、コンソールに次のような出力が表示されます。

aの絶対値: 5
bの絶対値: 5.3

この結果から、-5と-5.3の絶対値がそれぞれ5と5.3であることが確認できます。

Math.absメソッドを利用することで、簡単かつ効率的に数値の絶対値を取得することが可能です。

○サンプルコード4:カスタムメソッドを作成して取得

Java言語を使って、絶対値を取得する方法として、カスタムメソッドを作成する方法があります。

この節では、カスタムメソッドを用いた絶対値取得の方法を紹介します。

その後、サンプルコードと実行結果を交えながら、そのコードの動作を詳細に解説します。

まずは、次のサンプルコードをご確認ください。

public class AbsoluteValueCalculator {

    public static void main(String[] args) {
        int number = -5;
        int result = getAbsoluteValue(number);
        System.out.println("絶対値の結果は: " + result);
    }

    private static int getAbsoluteValue(int number) {
        return number < 0 ? -number : number;
    }
}

上記のサンプルコードについて、詳しく解説を進めます。

このコードはJavaで書かれており、AbsoluteValueCalculatorというクラス内にmainメソッドとgetAbsoluteValueというカスタムメソッドを定義しています。

mainメソッド内で、getAbsoluteValueメソッドが呼び出され、その結果がコンソールに表示されます。

getAbsoluteValueメソッドは、引数として受け取った数値の絶対値を返します。

数値が0未満であれば、その数値の符号を反転させ(-を取り除く)、0以上であればそのまま返します。

この動作は条件演算子(?:)を用いて一行で実装されています。

次に、実行結果について説明します。

上記コードを実行すると、コンソールに次のような出力が表示されます。

絶対値の結果は: 5

これは、-5という数値の絶対値(5)が正しく取得できていることを表しています。

○サンプルコード5:配列内の要素の絶対値を取得

Java言語では、配列内の各要素の絶対値を取得する方法もいくつかあります。

配列内の要素の絶対値を取得する際には、forループやstreamを活用することが一般的です。

今回は、簡潔ながらも分かりやすく、かつ実用性の高いサンプルコードを提供します。

まずはじめに、配列内の要素の絶対値を取得する基本的なコードを見てみましょう。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int[] array = { -1, -2, -3, -4, -5 };
        for(int i = 0; i < array.length; i++) {
            array[i] = Math.abs(array[i]);
        }

        // 絶対値が取得された配列を表示
        for(int num : array) {
            System.out.println(num);
        }
    }
}

このコードでは、配列内の各要素をforループを使って一つずつ取り出し、Math.absメソッドを利用してその絶対値を求めています。

次に、強化forループを使用して、絶対値が適用された新しい配列の要素を表示しています。

このコードを実行すると、次のような結果がコンソールに出力されます。

1
2
3
4
5

結果から分かる通り、配列の各要素の絶対値が正確に取得され、それがコンソールに表示されました。

この方式は、Javaの初心者でも簡単に実施できるため、非常に便利です。

次に、Java 8以降で利用可能なstreamを使った方法を見てみましょう。

import java.util.Arrays;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int[] array = { -1, -2, -3, -4, -5 };
        array = Arrays.stream(array).map(Math::abs).toArray();

        // 絶対値が取得された配列を表示
        Arrays.stream(array).forEach(System.out::println);
    }
}

このコードでは、Arrays.streamメソッドを使って配列をストリーム化し、mapメソッドを使用して各要素の絶対値を取得しています。

その後、toArrayメソッドでストリームを配列に戻しています。

そして、強化forループの代わりに、forEachメソッドを使って絶対値が取得された配列の要素を表示しています。

このコードを実行すると、先ほどのコードと同様に、コンソールに次の結果が表示されます。

1
2
3
4
5

○サンプルコード6:リスト内の要素の絶対値を取得

Javaのコーディングプロセスで、しばしばリスト内の全ての要素の絶対値を計算しなければならない場合があります。

これは特定の数学的な演算やデータ解析のタスクにおいて非常に役立ちます。

Javaでリスト内の各要素の絶対値を取得する為のサンプルコードを表し、その後にそのコードの詳細な説明と実行結果を交えた解説を紹介します。

まず最初に、Javaで使用されるArrayListというデータ構造を確立します。

これは、データを格納するための動的な配列として機能します。

下記のサンプルコードでは、ArrayListにいくつかの整数を追加し、その後、リスト内の各要素の絶対値を計算して新しいリストに保存します。

import java.util.ArrayList;
import java.util.List;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        List<Integer> numbers = new ArrayList<>();
        numbers.add(-5);
        numbers.add(3);
        numbers.add(-1);
        numbers.add(7);
        numbers.add(-8);

        List<Integer> absoluteValues = new ArrayList<>();
        for(Integer number : numbers) {
            absoluteValues.add(Math.abs(number));
        }

        System.out.println("元のリスト: " + numbers);
        System.out.println("絶対値のリスト: " + absoluteValues);
    }
}

このコードの詳細な説明を始めましょう。

まず初めに、java.utilパッケージからArrayListとListのクラスをインポートしています。

そして、Mainクラスとmainメソッドを定義しています。

次に、整数のArrayListを作成し、numbersという名前をつけます。

このリストには、いくつかの正と負の整数が含まれています。

その後、新しいリストabsoluteValuesを作成し、既存のリストnumbersから各要素を取り出し、Math.absメソッドを使用してそれぞれの絶対値を計算します。

この計算された絶対値は、新しいリストabsoluteValuesに追加されます。

最後に、元のリストと絶対値が計算された新しいリストを印刷します。

コードを実行すると、次の出力が得られます。

元のリスト: [-5, 3, -1, 7, -8]
絶対値のリスト: [5, 3, 1, 7, 8]

ここから、我々は新しいリストが正常に生成され、各要素がその絶対値に変換されたことを視覚的に確認できます。

○サンプルコード7:ストリームを用いて絶対値の取得

Java言語では、ストリームを利用して配列やコレクションの各要素の絶対値を簡単に取得することが可能です。

ここでは、ストリームAPIを用いて配列の各要素の絶対値を計算するサンプルコードとその解説を行います。

また、実際にコードを実行した後の結果についても詳述します。

まず最初に、Javaでストリームを利用する際に必要なimport文から始めます。

次に、stream()メソッドを用いて配列をストリームに変換し、mapメソッドを利用して各要素の絶対値を取得します。

import java.util.Arrays;

public class AbsoluteValueUsingStream {
    public static void main(String[] args) {
        int[] numbers = {-4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4};

        int[] absoluteValues = Arrays.stream(numbers)
                                     .map(Math::abs)
                                     .toArray();

        System.out.println(Arrays.toString(absoluteValues));
    }
}

このコードではArrays.streamを使って整数型の配列numbersをストリームに変換しています。

その後、mapメソッドとMath::absメソッドリファレンスを利用して、配列の各要素の絶対値を取得します。

最終的に、toArrayメソッドを使って絶対値が計算された要素からなる新しい配列を作成します。

コードを実行すると、コンソールに次の出力が表示されます。

[4, 3, 2, 1, 0, 1, 2, 3, 4]

ここで取得された絶対値は、元の配列numbersの各要素に対するものです。

この結果からわかるように、絶対値の計算は正しく行われ、新しい配列absoluteValuesが期待通りの結果を持っていることが確認できます。

また、このコードは初心者でも容易に理解できる形になっています。

配列の各要素に関数を適用するmapメソッドや、特定のクラスのメソッドを呼び出すためのメソッドリファレンス(Math::abs)など、JavaのストリームAPIの基本的な機能を利用しています。

○サンプルコード8:外部ライブラリを利用した取得方法

Javaプログラミングでは、基本的な絶対値の取得方法に加え、さまざまな外部ライブラリを活用することで更に便利かつ高機能な方法で絶対値の計算を実施できます。

ここでは、Apache Commons Langライブラリを使用した絶対値の取得方法を詳しく説明し、サンプルコードを紹介します。

それでは、具体的なプロセスとそのコードを確認しましょう。

まずは、Apache Commons Langライブラリをプロジェクトに追加する方法から説明します。

下記の手順でmavenプロジェクトにライブラリを追加できます。

  1. Mavenプロジェクトのpom.xmlファイルを開きます。
  2. dependenciesセクションに次のコードを追加します。
<dependency>
    <groupId>org.apache.commons</groupId>
    <artifactId>commons-lang3</artifactId>
    <version>3.12.0</version>
</dependency>

このコードの追加により、ライブラリがプロジェクトに組み込まれます。

次に、このライブラリを使用して絶対値を取得するJavaプログラムを作成しましょう。

下記のJavaコードは、Apache Commons LangライブラリのNumberUtilsクラスを利用して、文字列から数値を抽出し、その絶対値を取得する例を表しています。

import org.apache.commons.lang3.math.NumberUtils;

public class AbsoluteValueUsingLibrary {
    public static void main(String[] args) {
        String input = "-123.45abc67";
        double extractedNumber = NumberUtils.toDouble(input);
        double absoluteValue = Math.abs(extractedNumber);

        System.out.println("抽出された数値: " + extractedNumber);
        System.out.println("絶対値: " + absoluteValue);
    }
}

このコードでは、まず、org.apache.commons.lang3.math.NumberUtilsクラスをインポートします。

mainメソッド内で、文字列inputから数値を抽出するためにNumberUtils.toDouble(input)メソッドを使用しています。

このメソッドは文字列から最初の数値を抽出し、double型の数値として返します。

次に、Math.absメソッドを用いて、抽出した数値の絶対値を計算します。

最後に、抽出した数値とその絶対値をコンソールに出力します。

このコードを実行すると、次の出力結果が得られます。

抽出された数値: -123.45
絶対値: 123.45

このように、Apache Commons LangライブラリのNumberUtilsクラスを利用することで、文字列から数値を抽出し、その絶対値を簡単に取得できます。

また、このライブラリには他にも多くの便利なメソッドが含まれており、Javaプログラミングを更に効果的に行うことが可能です。

●Javaでの絶対値取得の応用例

Java言語でプログラミングを行っている際、あるいは新しいプログラムを設計している時、絶対値の取得は非常に重要な要素となり得ます。

絶対値の取得は、データ処理や計算アルゴリズムの開発、さらにはデータ解析や機械学習の分野での応用など、多岐にわたって活用されます。

ここでは、Javaを使用した絶対値取得の応用例をいくつか紹介し、サンプルコードと共に解説いたします。

○サンプルコード9:絶対値を用いたソート方法

絶対値を利用して配列やリスト内の数値をソートする際の方法を解説します。

この方法は、数値データの並べ替えに用いられ、データ解析の初歩的なステップとして役立ちます。

import java.util.Arrays;

public class AbsoluteValueSort {
    public static void main(String[] args) {
        int[] array = {3, -1, 4, -1, -5};

        // 絶対値でのソート処理
        Arrays.sort(array, (a, b) -> Integer.compare(Math.abs(a), Math.abs(b)));

        // ソート結果を表示
        for (int value : array) {
            System.out.print(value + " ");
        }
    }
}

このコードではArrays.sortメソッドを使って配列の要素を絶対値に基づいてソートしています。

lambda式を用いてMath.absメソッドで絶対値を取得し、その絶対値を基にInteger.compareメソッドで比較を行うことで、絶対値に基づくソートが行えます。

実行すると、-1 -1 3 -5 4のように絶対値の小さい順に並ぶことを確認できます。

○サンプルコード10:絶対値計算を組み込んだシミュレーション

次に、絶対値計算を利用したシンプルなシミュレーションのサンプルコードを見ていきましょう。

このシミュレーションでは、絶対値の計算を用いて、数値の差分を計算し、その結果を利用して何らかのシミュレーションを行います。

public class AbsoluteValueSimulation {
    public static void main(String[] args) {
        int value1 = 5;
        int value2 = -3;

        // 絶対値の差分を計算
        int diff = Math.abs(value1) - Math.abs(value2);

        // 絶対値の差分を利用したシミュレーション処理
        if (diff > 0) {
            System.out.println("value1の絶対値がvalue2の絶対値より大きいです");
        } else if (diff < 0) {
            System.out.println("value1の絶対値がvalue2の絶対値より小さいです");
        } else {
            System.out.println("value1とvalue2の絶対値は等しいです");
        }
    }
}

このコードでは、Math.absメソッドを利用してvalue1value2の絶対値を取得し、その後差分を計算しています。

この差分を利用し、if-else構文を使ってシミュレーションの条件分岐を行います。

このシミュレーションを実行すると、”value1の絶対値がvalue2の絶対値より大きいです”という結果が得られます。

●絶対値取得時の注意点と対処法

Javaで絶対値を取得する際には、いくつかの重要な注意点があります。

これらの注意点を無視すると、プログラムが予期せぬ動作をする可能性があります。

ここでは、それらの注意点とその対処法を詳しく説明します。

○浮動小数点数の絶対値取得時の問題点

浮動小数点数の絶対値を取得する際には、いくつかの問題点が発生する可能性があります。

特に、計算誤差やオーバーフローに関連する問題が発生しやすいです。

□計算誤差

浮動小数点数は内部的に二進数で表されるため、十進数で表すと誤差が生じる可能性があります。

この問題はMath.absメソッドを用いても発生する可能性があります。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        double a = 0.1 + 0.2;
        System.out.println("a: " + a); // a: 0.30000000000000004
        double absA = Math.abs(a - 0.3);
        System.out.println("absA: " + absA); // absA: 5.551115123125783E-17
    }
}

このコードでは、0.1と0.2を加算した結果と0.3の差の絶対値を計算しています。

計算誤差が発生するため、absAの値が非常に小さいですが、0ではありません。

対処法としては、誤差の範囲内での比較を行うことが推奨されます。

□オーバーフロー

絶対値を取得する際に、変数が取りうる最大値よりも大きな値が生成されると、オーバーフローが発生します。

この問題は特に大きな浮動小数点数を扱う際に注意が必要です。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        double x = 1.7976931348623157E308;
        System.out.println("x: " + x); // x: 1.7976931348623157E308
        double absX = Math.abs(x);
        System.out.println("absX: " + absX); // absX: 1.7976931348623157E308
    }
}

このコードでは、浮動小数点数の最大値近くの値の絶対値を取得しています。

この場合オーバーフローが発生しませんが、さらに大きな値を用いるとオーバーフローが発生する可能性があります。

このような状況を避けるためには、範囲チェックを行うことが重要です。

○大きな数値を扱う際の注意

Javaで大きな数値を扱う際には、特に整数型の変数でオーバーフローが起きやすいです。

たとえば、Integer型の変数は-2147483648から2147483647までの値しか保持できません。

この範囲を超えるとオーバーフローが発生します。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int a = Integer.MAX_VALUE;
        System.out.println("a: " + a); // a: 2147483647
        int absA = Math.abs(a + 1);
        System.out.println("absA: " + absA); // absA: -2147483648
    }
}

このコードでは、Integer型の最大値に1を加えた結果の絶対値を計算しています。

しかし、その結果はオーバーフローによって負の最大値になっています。

この問題を避けるためには、数値の範囲を厳密にコントロールするか、BigIntegerクラスを利用して任意の大きさの整数を扱うことが推奨されます。

●絶対値関数のカスタマイズ方法

Javaを学ぶ過程で、プログラマは様々な関数やメソッドのカスタマイズに遭遇します。絶対値関数もその一つです。

絶対値関数は、負の値を正の値に変換するための関数ですが、特定の条件下で独自のカスタマイズを加えることが必要になることもあります。

今回は、Javaでの絶対値関数のカスタマイズ方法を紹介します。

○サンプルコード11:絶対値取得関数のカスタマイズ例

考えられる一つのカスタマイズ例として、絶対値を取得する際に、特定の値を超えたら0にするという動作を実装します。

このようなカスタマイズは、特定の範囲外の値を除外する際などに役立ちます。

public class AbsoluteValueCustom {
    public static int customAbsolute(int value, int threshold) {
        // 通常の絶対値を取得
        int absValue = Math.abs(value);

        // しきい値を超えていたら、0を返す
        if (absValue > threshold) {
            return 0;
        }
        return absValue;
    }

    public static void main(String[] args) {
        System.out.println(customAbsolute(-10, 5));  // 0
        System.out.println(customAbsolute(4, 5));   // 4
        System.out.println(customAbsolute(-4, 5));  // 4
        System.out.println(customAbsolute(6, 5));   // 0
    }
}

このコードでは、customAbsoluteメソッドを使って絶対値を取得します。

引数としてvalueとthresholdを受け取り、valueの絶対値がthresholdを超えた場合、0を返します。

この方法で、特定の範囲を超える値をカスタマイズして扱うことができます。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

「-10の絶対値は10となりますが、しきい値5を超えているため0となります。
4はしきい値5以下なので、絶対値4として出力されます。
-4の絶対値も4となり、しきい値5以下なので4として出力されます。
6はしきい値5を超えているので、0として出力されます。」

まとめ

Java言語を使い絶対値の取得を行う際には多くの方法があります。

今回は、その中から8つの方法をピックアップしました。

それぞれの方法は異なるシチュエーションや要求に適したものとなっています。

このガイドがJava言語を学ぶ皆さんの助けとなり、更なるスキルアップに繋がることを願っています。