Swiftでスクレイピングを始めるための10選手法

Swiftを使ったスクレイピングのサンプルコードの画像Swift
この記事は約25分で読めます。

 

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

サイト内のコードを共有する場合は、参照元として引用して下さいますと幸いです

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

Swiftでのスクレイピング、ちょっと難しそうに思えるかもしれませんね。

しかし、この記事を読めばSwiftでスクレイピングを始めるための手法を学ぶことができるようになります。

初心者の方でも、安心して取り組める内容を心がけて解説しています。

SwiftはAppleが開発したプログラミング言語で、iOSやmacOSなどのアプリを作成するために用いられます。

そのSwiftを使って、ウェブページから情報を取得するスクレイピングの方法を紹介します。

●Swiftとは

Swiftは、Appleが2014年に発表した新しいプログラミング言語です。

Objective-Cの後継として、よりシンプルで効率的にアプリケーションを開発できるよう設計されています。

特に、iOSやmacOSのアプリ開発での使用が想定されており、その性能と使いやすさから多くの開発者に支持されています。

○Swiftの基本的な特徴

  • 型安全:Swiftは型安全な言語として設計されています。これにより、開発中の多くのエラーを早期にキャッチすることができ、バグの少ないコードを書くことができます。
  • 高性能:Swiftは高速な実行性能を持っており、Objective-Cと比較してもその差は歴然。アプリケーションのパフォーマンスを向上させるためには、Swiftがおすすめです。
  • モダンな文法:Swiftの文法は直感的でわかりやすいものとなっています。これにより、初心者でもすぐにプログラミングを始めることができます。
  • 安全性:Swiftは安全性を重視して設計されています。例えば、nullの扱いやメモリ管理に関する問題を軽減する機能が数多く備わっています。
  • オープンソース:Swiftはオープンソースとして公開されており、誰でも自由に使用・改変・配布することができます。これにより、Swiftのコミュニティは非常に活発で、日々新しいライブラリやツールが開発されています。

これらの特徴を持つSwiftは、ウェブスクレイピングを行う際のツールとしても非常に有力です。

次に、具体的なスクレイピングの方法を見ていきましょう。

●スクレイピングとは

スクレイピングは、ウェブページから情報を自動的に取得する手法のことを指します。

これにより、大量のデータや必要な情報を効率よく収集することが可能になります。

特に、データ分析や市場調査、自動ニュース取得など、様々な用途で利用されています。

Swift言語を使用して、このスクレイピングを行う場面も増えてきました。

Swiftの高性能と、iOSやmacOSといった環境での利用が前提となるため、特定のアプリケーションやツールを作成する際にスクレイピングが必要となることも少なくありません。

○スクレイピングの目的と用途

スクレイピングは、情報を効率的に収集するための手段として利用されますが、その目的や用途は多岐にわたります。

  1. データ分析:大量のデータを自動的に収集し、それを基に分析を行うことで、市場の動向や顧客の嗜好などの洞察を得ることができます。
  2. 競合調査:競合他社のウェブサイトから価格や商品情報などを自動的に取得することで、市場の動向を把握し、自社の戦略を練るための情報を収集します。
  3. 自動コンテンツ取得:ニュースサイトやブログから最新の記事や情報を自動的に取得し、自社のサイトやアプリに組み込むことで、常に新しいコンテンツを提供することができます。
  4. データベース作成:さまざまな情報源からデータを収集し、自社のデータベースに組み込むことで、オリジナルの情報サービスやアプリを提供することができます。

これらの用途は一例に過ぎませんが、Swiftを用いてスクレイピングを行う場合、特にアプリ内での情報更新や、特定のプラットフォーム向けのツール作成などでの利用が考えられます。

●Swiftでのスクレイピングの準備

スクレイピングをSwiftで行うには、いくつかの準備が必要です。まず、適切なライブラリやツールの選定が求められます。

また、Swiftの環境設定もスクレイピングの質や速度に影響を与えるため、しっかりと設定を行うことが大切です。

○必要なツールとライブラリ

Swiftでのスクレイピングを始める前に、次のツールやライブラリを準備しておくと良いでしょう。

  1. Xcode:Swiftの開発環境として、Xcodeは欠かせません。Apple公式の開発ツールであり、最新のSwift言語や関連ライブラリに対応しています。
  2. SwiftSoup:HTMLやXMLのパースを容易にするためのライブラリです。スクレイピングにおいて、ページからの情報取得を簡単に行うことができます。
  3. Alamofire:SwiftでのHTTP通信を簡単に行うためのライブラリです。スクレイピング時のウェブページへのアクセスや情報の取得に利用します。
  4. SwiftyJSON:JSON形式のデータを簡単に扱うためのライブラリです。特定のAPIを利用してデータを取得する際などに使用することが考えられます。

これらのライブラリやツールを利用することで、Swiftでのスクレイピングが非常に簡単に行えるようになります。

特に、SwiftSoupやAlamofireは、ウェブページからの情報取得やデータの解析を効率的に行うための強力なヘルパーとなります。

●Swiftによるスクレイピングの手法10選

Swiftを使用したスクレイピング技術は、ウェブ上の情報を効果的に取得するための強力なツールとして活用されています。

ここでは、初心者から上級者まで実践的に利用できる10の手法を、詳細なサンプルコードと共に紹介します。

○サンプルコード1:基本的なHTML取得

Swiftを用いてウェブページのHTMLを取得する基本的な方法を見てみましょう。

ここでは、Alamofireライブラリを使用してHTTPリクエストを行います。

import Alamofire

let url = "https://example.com"
Alamofire.request(url).responseString { response in
    switch response.result {
    case .success(let html):
        print(html)
    case .failure(let error):
        print(error)
    }
}

このコードはAlamofireを使って指定したURLのHTMLを取得しています。

正常に取得できた場合、HTMLの内容が出力されます。エラーが発生した場合、エラー内容が出力されます。

○サンプルコード2:特定のタグの情報を抽出

次に、特定のHTMLタグの情報を抽出する方法を紹介します。

SwiftSoupライブラリを利用することで、HTMLの解析や特定のタグのデータの取得が容易になります。

import Alamofire
import SwiftSoup

let url = "https://example.com"
Alamofire.request(url).responseString { response in
    if let html = response.value, let doc = try? SwiftSoup.parse(html) {
        if let titleElement = try? doc.select("title").first(), let title = try? titleElement.text() {
            print(title)
        }
    }
}

上記のコードでは、指定したウェブページの<title>タグのテキストを取得しています。

正常に取得できた場合、タイトルが出力されます。

○サンプルコード3:テキストデータの取得

ウェブページ上のテキストデータは、スクレイピングの中で最もよく取得される情報の1つです。

SwiftSoupライブラリを使用することで、特定のHTMLタグ内のテキストを効率的に抽出できます。

ここでは、SwiftSoupを使って<p>タグ(段落)のテキストデータを取得するサンプルコードを紹介します。

import Alamofire
import SwiftSoup

let url = "https://example.com"
Alamofire.request(url).responseString { response in
    if let html = response.value, let doc = try? SwiftSoup.parse(html) {
        let paragraphs = try? doc.select("p").array()
        for paragraph in paragraphs ?? [] {
            if let text = try? paragraph.text() {
                print(text)
            }
        }
    }
}

このコードでは、ウェブページ内のすべての<p>タグのテキストを取得して出力します。

正確に言えば、SwiftSoupのselectメソッドを用いて<p>タグを選択し、それらを配列として処理しています。

○サンプルコード4:画像URLの取得

ウェブページ上の画像のURLを取得することも、スクレイピングの一般的なタスクの1つです。

下記のサンプルコードは、SwiftSoupを使用して<img>タグのsrc属性から画像のURLを取得する方法を表しています。

import Alamofire
import SwiftSoup

let url = "https://example.com"
Alamofire.request(url).responseString { response in
    if let html = response.value, let doc = try? SwiftSoup.parse(html) {
        let imgElements = try? doc.select("img").array()
        for imgElement in imgElements ?? [] {
            if let imgUrl = try? imgElement.attr("src") {
                print(imgUrl)
            }
        }
    }
}

このコードはウェブページ内のすべての<img>タグのsrc属性を取得して出力します。

このsrc属性は、画像のURLを表しています。

この方法で、ウェブページ上のすべての画像のURLを一覧化できます。

○サンプルコード5:テーブルデータの取得

ウェブページには情報を整理して表示するためのテーブルが多く存在します。

Swiftを使ってこれらのテーブルデータを取得する場合、SwiftSoupがとても役立ちます。

ここでは、SwiftSoupを用いてテーブルデータを抽出するサンプルコードを紹介します。

import Alamofire
import SwiftSoup

let url = "https://example.com/tablepage"
Alamofire.request(url).responseString { response in
    if let html = response.value, let doc = try? SwiftSoup.parse(html) {
        if let table = try? doc.select("table").first() {
            let rows = try? table.select("tr").array()
            for row in rows ?? [] {
                let cols = try? row.select("td").array()
                for col in cols ?? [] {
                    if let text = try? col.text() {
                        print(text)
                    }
                }
            }
        }
    }
}

上記のコードでは、<table>タグの中にある各行を示す<tr>タグと、その中のセルを示す<td>タグを対象にしています。

このコードを実行すると、テーブルの各セルのテキストデータがコンソールに出力されます。

○サンプルコード6:ページネーション対応のスクレイピング

多くのウェブサイトは情報の多さからページネーションを採用しています。この部分もスクレイピングの際には注意が必要です。

下記のコードは、ページネーションに対応して情報を取得する方法を表します。

import Alamofire
import SwiftSoup

let baseUrl = "https://example.com/list?page="

for i in 1...10 {  // 10ページまでのサンプル
    let url = baseUrl + String(i)
    Alamofire.request(url).responseString { response in
        if let html = response.value, let doc = try? SwiftSoup.parse(html) {
            let items = try? doc.select(".item").array()  // .itemは取得したい要素のクラス名
            for item in items ?? [] {
                if let text = try? item.text() {
                    print(text)
                }
            }
        }
    }
}

このコードでは、ページネーションの各ページにアクセスし、.itemというクラス名を持つ要素のテキストを取得しています。

この手法を使用することで、ページネーションされたコンテンツ全体を効率的に取得できます。

ページネーションの対応について、Webサイトのページ構造やページネーションの実装方法によっては、上記の方法がそのままでは適用できない場合も考えられます。

そのため、具体的なウェブサイトの構造をしっかりと分析した上で、最適なコードを実装することが重要です。

○サンプルコード7:非同期コンテンツの取得

近年のウェブページは動的にコンテンツがロードされる非同期処理を多用しています。

例えば、JavaScriptを利用して後からデータを取得してページに表示する場合などです。

Swiftで非同期のコンテンツを取得する際は、特定のツールやライブラリの利用が必要です。

WKWebViewを利用すると、非同期にロードされるコンテンツも取得可能になります。

ここでは、WKWebViewを用いて非同期コンテンツをスクレイピングする基本的なサンプルコードを紹介します。

import WebKit

class AsyncContentGetter: UIViewController, WKNavigationDelegate {
    var webView: WKWebView!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        webView = WKWebView(frame: self.view.frame)
        webView.navigationDelegate = self
        self.view.addSubview(webView)

        if let url = URL(string: "https://example.com/async-content") {
            let request = URLRequest(url: url)
            webView.load(request)
        }
    }

    func webView(_ webView: WKWebView, didFinish navigation: WKNavigation!) {
        webView.evaluateJavaScript("document.documentElement.outerHTML") { (result, error) in
            if let html = result as? String {
                // ここでHTMLを解析して所望のデータを取得
                print(html)
            }
        }
    }
}

このコードでは、WKWebViewを初期化し、非同期コンテンツを含むページをロードしています。

ページのロードが完了した後、webView(_:didFinish:)メソッド内でページのHTMLを取得し、所望のデータの解析や取得を行うことができます。

○サンプルコード8:スクレイピング結果の保存

スクレイピングで取得したデータは、後で分析や再利用のために保存することが多いです。

Swiftでは、取得したデータをローカルに保存するためのいくつかの方法があります。

ここでは、UserDefaultsを使って取得したデータを保存するサンプルコードを紹介します。

let scrapedData = ["title": "サンプルタイトル", "description": "これはサンプルの説明文です"]

let userDefaults = UserDefaults.standard
userDefaults.set(scrapedData, forKey: "scrapedData")
userDefaults.synchronize()

// データの取り出し
if let savedData = userDefaults.dictionary(forKey: "scrapedData") as? [String: String] {
    print(savedData["title"] ?? "")
    print(savedData["description"] ?? "")
}

このコードでは、スクレイピングで取得したデータを辞書形式で保存しています。

UserDefaultsは、小さなデータを簡単に保存するのに適しています。

しかし、大量のデータや複雑なデータ構造を持つデータを保存する場合は、CoreDataやRealmなどのデータベースを利用する方が適しています。

上記のサンプルコードで保存したデータは、アプリが再起動された後でも取り出すことができます。

この機能を利用して、スクレイピングで取得したデータを効果的に管理し、さまざまな用途で活用することができます。

○サンプルコード9:ユーザーエージェントの変更

ユーザーエージェント(User-Agent)は、ブラウザやアプリケーションがウェブサーバーに送信する情報の一つで、ブラウザの種類やバージョンなどを紹介します。

スクレイピング時に特定のブラウザやデバイスとして認識されたい場合や、アクセス制限を回避するためにユーザーエージェントを変更することがあります。

Swiftを使用してユーザーエージェントをカスタマイズする際の基本的な方法を紹介します。

import Foundation

let customUserAgent = "Mozilla/5.0 (compatible; CustomScraper/1.0)"
var request = URLRequest(url: URL(string: "https://example.com")!)
request.setValue(customUserAgent, forHTTPHeaderField: "User-Agent")

let task = URLSession.shared.dataTask(with: request) { data, response, error in
    guard let data = data, error == nil else {
        print("Error:", error ?? "Unknown error")
        return
    }

    let htmlContent = String(data: data, encoding: .utf8)
    print(htmlContent ?? "")
}

task.resume()

このコードで行っていることは、カスタムユーザーエージェントを作成し、それをURLRequestのヘッダーに設定しています。

このようにして、特定のユーザーエージェントを模倣することで、サイトのアクセス制限を回避したり、特定のデバイスやブラウザに特化したコンテンツを取得することができます。

○サンプルコード10:エラーハンドリングと再試行

スクレイピングを行う際、ネットワークのエラーやサーバーの一時的なダウンなど、さまざまな理由でエラーが発生する可能性があります。

このような場合、エラーハンドリングを適切に行い、必要に応じて再試行することが重要です。

下記のサンプルコードでは、エラーハンドリングと再試行の方法を表しています。

import Foundation

let url = URL(string: "https://example.com")!
let maxRetryCount = 3

func fetchData(retryCount: Int = 0) {
    var request = URLRequest(url: url)
    let task = URLSession.shared.dataTask(with: request) { data, response, error in
        if let error = error {
            print("エラーが発生しました: \(error.localizedDescription)")
            if retryCount < maxRetryCount {
                print("再試行します。試行回数: \(retryCount + 1)")
                fetchData(retryCount: retryCount + 1)
            } else {
                print("再試行回数が上限に達しました。")
            }
            return
        }

        let htmlContent = String(data: data, encoding: .utf8)
        print(htmlContent ?? "")
    }

    task.resume()
}

fetchData()

エラーが発生した際には、指定された最大試行回数まで再試行する仕組みを組み込んでいます。

このような実装を行うことで、一時的なエラーが発生した場合でも、スクレイピングの成功率を向上させることができます。

●Swiftでのスクレイピングの注意点と対処法

スクレイピングは非常に強力な手法ですが、その使用には注意が必要です。

特にSwiftを使用してのスクレイピングは、高速で効率的な処理が可能なため、誤った使用方法により予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。

ここでは、Swiftでのスクレイピング時に注意すべきポイントと、それに対する対処法を詳細に説明します。

○Webサイトの利用規約の確認

ウェブサイトには利用規約やロボット排除規約(robots.txt)が設定されている場合が多く、この中でスクレイピングの行為を禁止しているサイトも少なくありません。

利用規約やrobots.txtを確認し、スクレイピングが許可されているかを前もって確認することが重要です。

対処法として、特定のサイトのrobots.txtをプログラムで取得し、内容を確認する方法が考えられます。

例えば、次のコードでは「https://example.com/robots.txt」の内容を取得し表示しています。

import Foundation

let url = URL(string: "https://example.com/robots.txt")!
let task = URLSession.shared.dataTask(with: url) { data, response, error in
    guard let data = data, error == nil else {
        print("エラーが発生: \(error?.localizedDescription ?? "不明なエラー")")
        return
    }
    let robotsTxt = String(data: data, encoding: .utf8)
    print(robotsTxt ?? "内容が取得できませんでした。")
}
task.resume()

○適切な間隔をあけてアクセス

頻繁に同じサイトにアクセスすると、サーバーへの過度な負荷となり、アクセス制限やIPアドレスのブロックなどの対策を受ける可能性があります。

そのため、連続してのリクエストは避け、一定の間隔をあけることが推奨されます。

例として、次のコードは2秒の間隔をあけてリクエストを送信する方法を表しています。

import Foundation

let url = URL(string: "https://example.com")!
let interval = 2.0 // 2秒の間隔

func requestWithInterval() {
    let task = URLSession.shared.dataTask(with: url) { data, response, error in
        guard error == nil else { return }
        // レスポンスの処理
    }
    task.resume()

    DispatchQueue.global().asyncAfter(deadline: .now() + interval) {
        requestWithInterval()
    }
}
requestWithInterval()

○IP制限への対処法

スクレイピングを頻繁に行ったり、大量のデータを短時間で取得しようとすると、対象のサイトからIP制限を受ける可能性があります。

このような場合、プロキシを利用してIPアドレスを変更することで制限を回避する方法があります。

Swiftでプロキシを利用してリクエストを送信する場合、URLSessionConfigurationをカスタマイズする必要があります。

具体的な方法は利用するプロキシサービスに依存しますが、基本的な設定方法は次の通りです。

import Foundation

let url = URL(string: "https://example.com")!
var config = URLSessionConfiguration.default
config.connectionProxyDictionary = [
    kCFNetworkProxiesHTTPEnable: true,
    kCFNetworkProxiesHTTPProxy: "プロキシのホスト名",
    kCFNetworkProxiesHTTPPort: プロキシのポート番号,
]

let session = URLSession(configuration: config)
let task = session.dataTask(with: url) { data, response, error in
    guard error == nil else { return }
    // レスポンスの処理
}
task.resume()

●Swiftスクレイピングのカスタマイズ方法

Swiftを使用したスクレイピングの手法は多岐にわたりますが、それだけでは十分ではないこともあります。取得したデータをより役立つ形にするため、また効率的にスクレイピングを行うためのカスタマイズ方法について解説します。

○データの後処理と整形

スクレイピングで取得したデータは、そのままでは利用しにくい場合が多いです。例えば、不要な空白やタグ、特殊文字が含まれている場合などです。Swiftでの文字列操作を用いて、これらのデータをクリーンアップする方法を紹介します。

まずは、取得したHTMLテキストから不要な空白やタブを削除する方法を示します。

var scrapedData = "  これはサンプルの \tテキストデータです。  "
scrapedData = scrapedData.trimmingCharacters(in: .whitespacesAndNewlines)
print(scrapedData) // 出力結果: これはサンプルのテキストデータです。

次に、特定の文字列を置換する方法を示します。以下のコードでは、「サンプル」を「実際の」に置き換えています。

scrapedData = scrapedData.replacingOccurrences(of: "サンプル", with: "実際の")
print(scrapedData) // 出力結果: これは実際のテキストデータです。

○さらに効率的なスクレイピングのためのヒント

スクレイピングは時間がかかる作業であることが多いですが、Swiftの特性を生かして効率化を図る方法も存在します。

□非同期処理

Swiftの非同期処理を利用することで、複数のページを同時にスクレイピングすることが可能です。

ただし、過度な同時接続はサイトからの制限を受ける可能性があるため、注意が必要です。

ここでは、非同期処理を利用したスクレイピングの簡易的な例を紹介します。

import Foundation

let urls = ["https://example1.com", "https://example2.com", "https://example3.com"]
let group = DispatchGroup()

for urlStr in urls {
    guard let url = URL(string: urlStr) else { continue }

    group.enter()
    let task = URLSession.shared.dataTask(with: url) { data, response, error in
        // データ処理
        group.leave()
    }
    task.resume()
}

group.wait()
print("すべてのスクレイピングが完了しました。")

□キャッシュの活用

頻繁に同じページをスクレイピングする場合、結果をキャッシュしておくことで無駄なリクエストを減らすことができます。

Swiftでキャッシュを実装する際には、UserDefaultsやファイルシステム、外部のデータベースなどを利用することが考えられます。

□セッションの管理

複数のページをまたいでのスクレイピングの際、ログイン状態を維持する必要がある場合もあります。

この場合、URLSessionのセッション管理機能を利用することで、クッキーの取り扱いなどを効率的に行うことができます。

まとめ

Swiftを用いたスクレイピングは、その高速性や柔軟性から多くの開発者に注目されています。

本記事では、Swiftでのスクレイピングを始めるための基本的な手法から、さまざまなカスタマイズ方法までを解説しました。

初心者の方にも理解しやすいよう、詳細なサンプルコードとその実行結果を交えて説明してきました。

これにより、実際のプロジェクトでのスクレイピング作業がよりスムーズに行えることを期待しています。

スクレイピングを行う際には、Webサイトの利用規約や間隔をあけてのアクセスなど、注意点も多いため、それらを念頭に置きながら実装することが大切です。

また、取得したデータの後処理や整形、さらに効率的なスクレイピングのためのヒントなど、実際の応用例を考慮することで、より高度なスクレイピングが可能となります。

Swiftの持つ強力な機能を駆使しながら、効率的で高品質なスクレイピングを実現しましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。