Objective-Cで学ぶ四捨五入の完全ガイド5選

Objective-Cで四捨五入を実現する方法のイメージ画像Objctive-C
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

Objective-Cでの四捨五入処理は、初心者にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、正確に理解することでシンプルかつ効率的に実装することができます。

本記事では、Objective-Cを使用して四捨五入の処理を行う方法を5つの手法で詳しく紹介します。

サンプルコードと詳細な説明を添えて、初心者でも実装できるように解説します。

●Objective-Cと四捨五入の基礎知識

Objective-Cや四捨五入の基礎知識を押さえることで、後の実装や応用がスムーズに進行します。

ここでは、それらの基本情報を順を追って解説します。

○Objective-Cの概要

Objective-Cは、C言語にオブジェクト指向の機能を加えたプログラミング言語です。

AppleがiOSやmacOSのアプリケーションを開発するために使用している主要な言語の一つです。

Objective-Cは、メッセージパッシングという独特の方法でオブジェクト間の通信を行うため、他の言語とは異なる書き方や思考が求められる場合があります。

しかし、この特性が動的なプログラミングを可能にし、多くの開発者に愛されています。

○四捨五入とは?

四捨五入は、数値を整数や指定された小数点以下の桁数に丸める計算方法の一つです。

具体的には、次のようなルールで数値を丸めます。

  1. 丸める桁の次の桁の数値が5以上の場合、丸める桁の数値を1増やします。
  2. 丸める桁の次の桁の数値が4以下の場合、丸める桁の数値は変更しません。

例として、3.56を小数点第1位で四捨五入すると、次の桁の数値が6なので、3.5に1を足した3.6となります。

一方、3.54を小数点第1位で四捨五入すると、次の桁の数値が4なので、3.5はそのままで3.5となります。

●四捨五入の実装方法

四捨五入は、数値を整数または特定の小数点以下の位まで丸める際に使用される手法の一つです。

例として、1.4を四捨五入すると1、1.5を四捨五入すると2となります。

Objective-Cで四捨五入を実装する方法にはいくつかの方法がありますが、ここでは2つの基本的な手法を解説します。

○サンプルコード1:基本的な四捨五入

Objective-Cのround関数を利用することで、四捨五入を簡単に実装することができます。

#include <stdio.h>
#include <math.h>

int main() {
    double number = 1.5;
    double result = round(number);
    printf("%f\n", result);
    return 0;
}

このコードでは、math.hの中に定義されているround関数を使って1.5を四捨五入しています。

この例では、1.5を四捨五入して2.0と出力しています。printf関数を利用して、結果を表示しています。

このコードを実行すると、四捨五入した結果、2.0が表示されます。

○サンプルコード2:小数点以下を指定して四捨五入

小数点以下の位数を指定して四捨五入を行うには、指定の位数で数値を乗算した後にround関数を使用し、再びその位数で除算します。

#include <stdio.h>
#include <math.h>

int main() {
    double number = 1.456;
    double multiplier = 100.0; // 小数点以下2桁を四捨五入する場合
    double result = round(number * multiplier) / multiplier;
    printf("%f\n", result);
    return 0;
}

このコードでは、multiplierを使って小数点以下2桁までの四捨五入を行っています。

この例では、1.456を四捨五入して1.46と出力しています。

このコードを実行すると、四捨五入した結果、1.46が表示されます。

○サンプルコード3:四捨五入の切り上げと切り捨て

Objective-Cを使用して、数値の四捨五入をする際の切り上げと切り捨ての方法について説明します。

四捨五入の基本的な方法から、より高度な使い方を知りたい方は、こちらが参考になるでしょう。

□切り上げ

Objective-Cでは、ceil関数を使って数値を切り上げることができます。

この関数は与えられた浮動小数点数の次の最小の整数値を返します。

double number = 5.3;
double roundedUpNumber = ceil(number);
NSLog(@"切り上げた数値: %f", roundedUpNumber);

このコードではceil関数を使って5.3を切り上げています。

この例では5.3が6に切り上げられます。

実際にこのコードを実行すると、「切り上げた数値: 6.000000」という結果が得られるでしょう。

□切り捨て

floor関数を使用して、数値を切り捨てることができます。

この関数は与えられた浮動小数点数の次の最大の整数値を返します。

double number2 = 5.7;
double roundedDownNumber = floor(number2);
NSLog(@"切り捨てた数値: %f", roundedDownNumber);

このコードではfloor関数を使って5.7を切り捨てています。

この例では5.7が5に切り捨てられます。

このコードを実行すると、「切り捨てた数値: 5.000000」という結果になるでしょう。

○サンプルコード4:数値を指定範囲で四捨五入

Objective-Cで特定の範囲内で数値を四捨五入する方法について紹介します。

例えば、小数点以下2桁で四捨五入する場合などにこの方法を使用することができます。

double number3 = 5.6789;
double multiplier = pow(10.0, 2); // 2桁で四捨五入するための乗数
double roundedToTwoDecimalPlaces = round(number3 * multiplier) / multiplier;
NSLog(@"小数点以下2桁で四捨五入した数値: %f", roundedToTwoDecimalPlaces);

このコードではpow関数を使って10の2乗の値を取得し、それを乗数として使用しています。

この例では5.6789が5.68に四捨五入されます。

このコードを実行すると、「小数点以下2桁で四捨五入した数値: 5.680000」という結果になります。

○サンプルコード5:配列内の数値を一括四捨五入

Objective-Cで配列内の全ての数値を一括で四捨五入する方法について解説します。

特にデータの集計や処理を行う際に、配列内の全ての数値を一括で四捨五入したい場合に便利です。

NSArray *numbersArray = @[@(1.5), @(2.4), @(3.6), @(4.1)];
NSMutableArray *roundedNumbersArray = [NSMutableArray array];

for (NSNumber *num in numbersArray) {
    double roundedNumber = round([num doubleValue]);
    [roundedNumbersArray addObject:@(roundedNumber)];
}

NSLog(@"四捨五入後の配列: %@", roundedNumbersArray);

このコードではround関数を使って配列内の各数値を四捨五入して新しい配列に追加しています。

この例では配列の各数値が四捨五入され、新しい配列にそれぞれ2, 2, 4, 4として格納されます。

このコードを実行すると、「四捨五入後の配列: (2, 2, 4, 4)」という結果になるでしょう。

●四捨五入の応用例

四捨五入の概念を一歩進めて、日常的に使用するさまざまなシーンでの応用例を考えてみましょう。

四捨五入を活用することで、計算結果をより直感的かつ分かりやすく表示することができます。

○サンプルコード6:四捨五入を利用した税込み価格の計算

このコードでは、税率と商品の税抜き価格を元に、税込み価格を計算し、その結果を四捨五入して表示するコードを表しています。

この例では、8%の税率を適用して税込み価格を計算しています。

double taxRate = 0.08;
double priceWithoutTax = 1500.0;
double priceWithTax = priceWithoutTax * (1 + taxRate);
double roundedPrice = round(priceWithTax);
printf("税込み価格は%.0f円です\n", roundedPrice);

上記のコードを実行すると、税込み価格が1620円として出力されます。

この結果、商品の税込み価格をユーザーに分かりやすく表示することができます。

○サンプルコード7:四捨五入を活用したグラフ表示

このコードでは、数値データをグラフで表示する際に、四捨五入を使って適切な単位で数値を丸めるコードを表しています。

この例では、10単位で四捨五入して、整数値としてグラフに表示しています。

double dataValue = 157.3;
double roundedValue = round(dataValue / 10) * 10;
printf("グラフに表示する値は%.0fです\n", roundedValue);

上記のコードを実行すると、数値が160として出力されます。

四捨五入を活用することで、グラフの表示をシンプルにし、ユーザーがデータを理解しやすくします。

○サンプルコード8:四捨五入による平均値の算出

このコードでは、配列内の数値の平均値を計算し、その結果を四捨五入して表示するコードを表しています。

この例では、5つの数値の平均値を求めています。

double values[] = {10.2, 15.5, 20.7, 30.1, 45.6};
double sum = 0.0;
for (int i = 0; i < 5; i++) {
    sum += values[i];
}
double average = sum / 5;
double roundedAverage = round(average);
printf("数値の平均値は%.0fです\n", roundedAverage);

上記のコードを実行すると、平均値が24として出力されます。

四捨五入を使うことで、平均値の計算結果をユーザーに伝える際に、整数値としてシンプルに表示することができます。

●注意点と対処法

四捨五入の際には、さまざまな注意点と対処法が存在します。

Objective-Cを用いて四捨五入を実装する際のポイントと、それぞれの注意点に対する対処法を明確に解説していきます。

○数値が境界の場合の四捨五入

数値が境界に位置する場合の四捨五入は特に注意が必要です。

例えば、2.5や3.5といった数値は、通常の四捨五入ではそれぞれ3、4となるはずです。

しかし、計算上の理由で正確な四捨五入が難しい場合があります。

このコードでは、Objective-Cを用いて、数値が境界の場合の四捨五入を行っています。

この例では、数値2.5を四捨五入して、結果をresult変数に格納しています。

#include <math.h>

double number = 2.5;
double result = round(number);
printf("Rounded value: %f\n", result);

このコードを実行すると、Rounded value: 3.000000という結果が得られることを確認できます。

つまり、2.5は3に四捨五入されます。

○Objective-Cにおける浮動小数点数の扱い

Objective-Cにおいて浮動小数点数は、非常に繊細なデータ型として取り扱われるため、特に注意が必要です。

浮動小数点数の計算には誤差が生じる可能性があり、それが四捨五入の結果に影響することがあります。

このコードでは、Objective-Cを使って、浮動小数点数の誤差を確認する例を表しています。

この例では、0.1と0.2を足した結果と0.3を比較しています。

double sum = 0.1 + 0.2;
if (sum == 0.3) {
    printf("They are equal\n");
} else {
    printf("They are not equal\n");
}

このコードを実行すると、意外なことにThey are not equalという結果が表示されることを確認できます。

このような浮動小数点数の誤差を考慮しないと、四捨五入の結果が予期せぬものになることがあります。

対処法としては、四捨五入を行う前に、適切な精度まで数値を丸めてから計算を行うことが推奨されます。

具体的には、round関数を使用する前に、fmod関数などを使って数値を丸めることで、誤差を最小限に抑えることができます。

●カスタマイズ方法

四捨五入の機能は非常にシンプルで使いやすいですが、ある状況やニーズに応じてカスタマイズを考慮することがあります。

特に、Objective-Cでの実装を考慮する場合、機能を拡張したり、出力結果を調整する方法が考慮されます。

○自分専用の四捨五入関数の作成方法

Objective-Cで四捨五入を行うための基本的な関数は多数提供されています。

しかし、特定の条件や要件を満たすためには、独自の関数を作成することを検討することがあります。

このコードでは、小数点以下の桁数を指定して四捨五入を行う関数を作成しています。

この例では、四捨五入のターゲットとなる数値と小数点以下の桁数を引数として受け取り、結果を返す関数を定義しています。

#import <Foundation/Foundation.h>

double customRounding(double number, int decimalPlaces) {
    double multiplier = pow(10.0, decimalPlaces);
    return round(number * multiplier) / multiplier;
}

int main(int argc, const char * argv[]) {
    @autoreleasepool {
        double result = customRounding(123.4567, 2);
        NSLog(@"結果: %f", result);
    }
    return 0;
}

上記のコードでは、customRounding関数を使用して、数値123.4567を小数点以下2桁で四捨五入します。

その結果、123.46となります。

○四捨五入の結果を美しく表示する方法

四捨五入の結果を表示する際には、フォーマットを工夫することでより視覚的に魅力的にすることができます。

例えば、カンマ区切りや通貨記号を追加して表示する方法などが考えられます。

下記のコードは、四捨五入の結果をカンマ区切りで表示しています。

#import <Foundation/Foundation.h>

NSString* formatNumberWithComma(double number) {
    NSNumberFormatter *formatter = [[NSNumberFormatter alloc] init];
    [formatter setNumberStyle:NSNumberFormatterDecimalStyle];

    return [formatter stringFromNumber:[NSNumber numberWithDouble:number]];
}

int main(int argc, const char * argv[]) {
    @autoreleasepool {
        double roundedNumber = 1234567.89;
        NSString* formattedNumber = formatNumberWithComma(roundedNumber);
        NSLog(@"結果: %@", formattedNumber);
    }
    return 0;
}

上記のコードでは、formatNumberWithComma関数を使用して、数値1234567.89をカンマ区切りでフォーマットします。

その結果、1,234,567.89と表示されます。

まとめ

Objective-Cでの四捨五入の処理は、基本的な操作から高度なカスタマイズまで幅広く対応できます。

この記事では、四捨五入の基礎から応用、注意点、そしてカスタマイズ方法について詳細に解説しました。

Objective-Cを使用する開発者や初心者にとって、四捨五入の実装やそのカスタマイズは日常のプログラミング作業において頻繁に遭遇するシチュエーションとなるでしょう。

このガイドが、効率的かつ正確な四捨五入処理の実装の参考となり、更にはカスタマイズのヒントとして役立つことを願っています。