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初心者必見！Objective-Cでバックグラウンド処理の方法10選

初心者向けObjective-Cでのバックグラウンド処理のイメージ Objctive-C
2023.11.21
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

スマートフォンのアプリケーションが日常生活で欠かせないツールとなる中、アプリのパフォーマンス向上は開発者にとって永遠のテーマです。

その中でも、バックグラウンド処理はアプリの使い勝手を大きく左右する重要な機能の一つです。

本記事では、Objective-Cでのバックグラウンド処理の方法を10例を通じて解説し、初心者でも実装できるようになることを目指します。

●Objective-Cとは

Objective-Cは、AppleのOSであるiOSやMacOSのアプリ開発に使用されるプログラミング言語です。

C言語をベースに、Smalltalkのオブジェクト指向の概念を取り入れて拡張された言語で、iOSアプリの開発には長らくこの言語が標準的に使用されてきました。

Objective-Cは、C言語の直感的で汎用性の高い構文に加え、オブジェクト指向プログラミングの利点を生かし、柔軟かつ強力なアプリケーションを作成することが可能です。

○Objective-Cの基礎知識

Objective-Cを学ぶにあたって知っておくべきは、まず基本的な文法や構文、そしてC言語の知識がある程度必要になります。

しかし、完全な初心者でも基本からコードを書き始めることは可能です。

Objective-Cはオブジェクト指向言語であるため、クラス、メソッド、プロパティなどの概念に慣れることが肝心です。

また、Appleが提供する豊富なフレームワークとライブラリを使用することで、高度な機能を持つアプリを比較的容易に開発することができます。

開発環境としてはXcodeがあり、グラフィカルなインターフェースやコードの自動補完機能などを通じて、開発の効率化を図ることができます。

●バックグラウンド処理の基本

バックグラウンド処理は、アプリがユーザーの直接的な操作を受けていない時でも、特定のタスクを実行できるようにする技術です。

これにより、ユーザーが他のアプリを使用している間やデバイスのスリープ中でも、アプリは更新を続けたり、新しい情報を取得したりすることができます。

たとえば、メールアプリが新しいメッセージを取得する、音楽アプリが曲をダウンロードするなどの処理が、バックグラウンドで行われます。

Objective-Cでのバックグラウンド処理は、主にUIBackgroundTaskIdentifierを使用して管理されます。この識別子を使って、アプリはタスクが完了するか、OSによって強制終了されるまでの時間を確保できます。

しかし、バックグラウンドでの処理はバッテリー寿命に影響を与えるため、iOSは厳格な制限を設けており、開発者はこれらの制限を理解し、適切にコードを設計する必要があります。

○バックグラウンド処理とは

バックグラウンド処理の目的は、アプリがフォアグラウンドにないときにもユーザーに便利なサービスを提供することです。

ユーザーに透明な形でデータを更新したり、通知を送信したりできるので、アプリの価値を高めることができます。

Objective-Cでバックグラウンド処理を設定するためには、beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:メソッドを呼び出して、バックグラウンドタスクを開始し、タスクがシステムによって終了される前に、必ずendBackgroundTask:を呼び出してタスクを終了させる必要があります。

○Objective-Cでのバックグラウンド処理の仕組み

Objective-Cにおけるバックグラウンド処理は、アプリケーションのライフサイクル管理と密接に関連しています。

iOSでは、アプリがバックグラウンド状態に移行すると、通常のCPUリソースの供給が制限され、一部のタスクは停止されます。

この制約の中で効率的に作業を続けるために、開発者はバックグラウンド処理を適切に実装する必要があります。

具体的には、UIApplicationDelegateプロトコルのメソッドを実装することで、バックグラウンド移行時の処理をカスタマイズできます。

また、NSOperationやdispatch_asyncなどの非同期実行メカニズムを用いて、バックグラウンドでのタスクを効率的に管理することが推奨されます。

●Objective-Cでのバックグラウンド処理の実装方法

Objective-Cでバックグラウンド処理を実装するには、まずアプリケーションがバックグラウンドに移行する際の挙動を理解し、適切なメソッドをオーバーライドすることが不可欠です。

iOSアプリケーションでは、特定の条件下でのみバックグラウンド実行が許可されており、長時間実行する必要があるタスクはシステムによって制限されることがあります。

ここでは、Objective-Cを使用したバックグラウンド処理の簡単な実装方法を紹介します。

○サンプルコード1：簡単なバックグラウンドタスク

Objective-Cでバックグラウンド処理を行う最も基本的な方法は、UIApplicationクラスのbeginBackgroundTaskWithExpirationHandler:メソッドを使用することです。

このメソッドは、アプリがバックグラウンドに移行した後も、一定時間、タスクを続行することを可能にします。

ここでは、バックグラウンドでデータをフェッチするサンプルコードを紹介します。

// AppDelegate.m
- (void)applicationDidEnterBackground:(UIApplication *)application {
   UIBackgroundTaskIdentifier bgTask = [application beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:^{
       // タスクが終了する前にこのブロックが呼ばれる
       // 必要なクリーンアップコードをここに記述
       [application endBackgroundTask:bgTask];
       bgTask = UIBackgroundTaskInvalid;
   }];

   // 非同期でバックグラウンド処理を開始
   dispatch_async(dispatch_get_global_queue(DISPATCH_QUEUE_PRIORITY_DEFAULT, 0), ^{
       // ここでバックグラウンドタスクを実行
       // 例: データのフェッチやデータベースへの保存処理など

       // バックグラウンド処理が終了したら、必ずendBackgroundTaskを呼び出す
       [application endBackgroundTask:bgTask];
       bgTask = UIBackgroundTaskInvalid;
   });
}

このコードでは、applicationDidEnterBackground:メソッド内でバックグラウンドタスクを開始しています。

この中で、beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:を呼び出し、タスクの識別子を取得した後、dispatch_asyncを用いて非同期処理を行っています。

非同期ブロック内でタスクを完了した後は、endBackgroundTask:を呼び出してタスクを明示的に終了させています。

これにより、システムがアプリを終了させる前にタスクが完了するようになります。

○サンプルコード2：バックグラウンドでのデータフェッチ

データフェッチは、アプリがバックグラウンドにあるときでも、ユーザーに最新の情報を提供するために不可欠です。

下記のサンプルコードは、簡単なHTTPリクエストをバックグラウンドで実行する方法を表しています。

// ViewController.m
- (void)performBackgroundDataFetch {
   UIBackgroundTaskIdentifier fetchDataTask = [[UIApplication sharedApplication] beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:^{
       // タイムアウト時の処理をここに記述
       [[UIApplication sharedApplication] endBackgroundTask:fetchDataTask];
       fetchDataTask = UIBackgroundTaskInvalid;
   }];

   // 非同期でHTTPリクエストを行う
   dispatch_async(dispatch_get_global_queue(DISPATCH_QUEUE_PRIORITY_DEFAULT, 0), ^{
       // データフェッチ処理
       // 例: Web APIへのリクエスト
       NSURL *url = [NSURL URLWithString:@"https://example.com/api/data"];
       NSData *data = [NSData dataWithContentsOfURL:url];

       // フェッチしたデータを処理するコードをここに記述

       // バックグラウンド処理の完了をシステムに通知
       [[UIApplication sharedApplication] endBackgroundTask:fetchDataTask];
       fetchDataTask = UIBackgroundTaskInvalid;
   });
}

このサンプルでは、performBackgroundDataFetchメソッドを新たに定義して、HTTPリクエストを行う処理を非同期で実行しています。

重要なのは、非同期処理の開始と終了をシステムに正しく通知することで、リソースを適切に管理するという点です。

○サンプルコード3：バックグラウンドでの位置情報更新

位置情報の更新は、ナビゲーションアプリや天気予報アプリなど、ユーザーの現在地に基づいた情報を提供するアプリにとって重要です。

iOSでは、特定の条件の下でバックグラウンドでの位置情報更新が可能です。

下記のコードは、バックグラウンドでの位置情報更新を行う方法を表しています。

// LocationManager.m
#import <CoreLocation/CoreLocation.h>

@interface LocationManager () <CLLocationManagerDelegate>
@property (strong, nonatomic) CLLocationManager *locationManager;
@end

@implementation LocationManager

- (void)startLocationUpdates {
    self.locationManager = [[CLLocationManager alloc] init];
    self.locationManager.delegate = self;
    [self.locationManager startUpdatingLocation];
}

// CLLocationManagerDelegateのデリゲートメソッド
- (void)locationManager:(CLLocationManager *)manager didUpdateLocations:(NSArray<CLLocation *> *)locations {
    CLLocation *location = [locations lastObject];
    // 最新の位置情報を使用した処理をここに記述
    NSLog(@"新しい位置情報: %@", location);

    // バックグラウンドでの更新が完了したら、位置情報の更新を停止
    [self.locationManager stopUpdatingLocation];
}

@end

このコードはCLLocationManagerを使用して位置情報を取得し、位置情報が更新されるたびにlocationManager:didUpdateLocations:が呼び出されます。

新しい位置情報が取得できた際には、ログに出力され、その後位置情報の更新を停止しています。

このサンプルでは、位置情報の取得に成功すると、即座に更新を停止していますが、実際のアプリケーションでは必要に応じて更新を続けるか、または適切なタイミングで更新を停止するロジックが必要です。

○サンプルコード4：ローカル通知のスケジューリング

アプリがバックグラウンドにある間も、特定の時点でユーザーに通知を送ることは多くのアプリケーションで利用されます。

下記のサンプルコードは、ローカル通知をスケジュールする方法を表しています。

// AppDelegate.m
#import <UserNotifications/UserNotifications.h>

- (void)scheduleLocalNotification {
    // ローカル通知の内容を設定
    UNMutableNotificationContent *content = [[UNMutableNotificationContent alloc] init];
    content.title = @"タイトル";
    content.body = @"通知の本文";
    content.sound = [UNNotificationSound defaultSound];

    // 通知をトリガーする条件を設定
    UNTimeIntervalNotificationTrigger *trigger = [UNTimeIntervalNotificationTrigger triggerWithTimeInterval:10 repeats:NO];

    // 通知リクエストの作成
    NSString *identifier = @"UniqueIdentifier";
    UNNotificationRequest *request = [UNNotificationRequest requestWithIdentifier:identifier content:content trigger:trigger];

    // 通知をスケジュール
    UNUserNotificationCenter *center = [UNUserNotificationCenter currentNotificationCenter];
    [center addNotificationRequest:request withCompletionHandler:^(NSError * _Nullable error) {
        if (error != nil) {
            NSLog(@"ローカル通知のスケジューリングでエラー: %@", error);
        }
    }];
}

このサンプルコードでは、UNUserNotificationCenterを使用して10秒後にトリガーされる単発のローカル通知をスケジュールしています。

タイトルや本文、サウンドは通知の内容に応じてカスタマイズできます。

addNotificationRequest:withCompletionHandler:メソッドを使用して通知リクエストを送信し、エラーがないことを確認しています。

●バックグラウンド処理の応用例

バックグラウンド処理は多くの応用が可能で、これによりユーザーエクスペリエンスを向上させるアプリの機能を実現できます。

例えば、音楽アプリでのバックグラウンド音楽再生、ファイルアップロード、アプリの状態復元など、アプリの使用感を大幅に改善することができます。

ここでは、それぞれのケースに対する具体的なサンプルコードとその解説を行います。

○サンプルコード5：音楽再生アプリのバックグラウンド処理

音楽再生アプリでは、ユーザーが他の作業をしている間も音楽を再生する必要があります。

下記のコードは、バックグラウンドで音楽を再生する際の処理方法を表しています。

// MusicPlayer.m
#import <AVFoundation/AVFoundation.h>

@implementation MusicPlayer

- (void)setupBackgroundAudio {
    AVAudioSession *session = [AVAudioSession sharedInstance];
    [session setCategory:AVAudioSessionCategoryPlayback error:nil];
    [session setActive:YES error:nil];
}

- (void)playMusic {
    // 音楽ファイルの設定と再生コードを記述
    // このコードでは、AVAudioPlayerを使用して音楽を再生します
}

@end

このコードでは、AVAudioSessionを使用してオーディオセッションのカテゴリをAVAudioSessionCategoryPlaybackに設定することで、アプリがフォアグラウンドにない時でもオーディオの再生を続けることができます。

アクティブなオーディオセッションが確保された後、playMusicメソッドを使用して実際の再生処理を行います。

○サンプルコード6：バックグラウンドでのファイルアップロード

ユーザーが写真やドキュメントをクラウドにアップロードする際、アプリはバックグラウンドでこれらのファイルをアップロードすることが求められます。

下記のコードスニペットは、ファイルアップロードをバックグラウンドで行う一例です。

// FileUploader.m
- (void)beginUploadTaskForFile:(NSString *)filePath {
    UIBackgroundTaskIdentifier uploadTaskId = [[UIApplication sharedApplication] beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:^{
        // バックグラウンドタスクがシステムによって終了される前に呼ばれる処理
    }];

    // ファイルアップロード処理を実行するコード
    // このコードでは、アップロード完了後にバックグラウンドタスクを終了させる必要があります
    // [application endBackgroundTask:uploadTaskId]; を呼び出す
}

@end

アップロードを開始する前にbeginBackgroundTaskWithExpirationHandler:メソッドを呼び出し、アップロードが完了するか、またはシステムがタスクを終了する前に必要な終了処理を記述します。

バックグラウンドでのアップロードは、特に大きなファイルを扱う場合に重要です。

○サンプルコード7：アプリの状態復元

アプリがバックグラウンドから再びフォアグラウンドに戻った時に、以前の作業を継続できるように状態を復元する機能も重要です。

下記のコードは、アプリ状態の保存と復元を行う方法を表しています。

// StateRestoration.m
- (void)saveAppState {
    // アプリ状態を保存するコード
}

- (void)restoreAppState {
    // アプリ状態を復元するコード
}

このシンプルな構造では、saveAppStateメソッドでアプリの現在の状態を保存し、restoreAppStateメソッドで保存された状態を復元します。

具体的な実装には、ユーザーのセッション情報、ナビゲーションの状態、入力されたデータなどが含まれる場合があります。

●バックグラウンド処理時の注意点

バックグラウンド処理を実装する際には、いくつかの注意点があります。これらを遵守することで、アプリのパフォーマンスを維持し、ユーザーエクスペリエンスを損なわないようにすることができます。

○メモリ管理の重要性

バックグラウンド処理ではメモリ使用量に特に注意を払う必要があります。

iOSでは、バックグラウンドアプリのメモリ使用量が多すぎると、アプリが強制終了される可能性があります。

バックグラウンドで行う処理は、可能な限りリソースを少なくして、効率的に行うよう心がけましょう。

バックグラウンドタスクを開始する前に現在のメモリ使用状況をチェックし、不要なオブジェクトは解放するなど、メモリ管理を徹底することが必須です。

○タスク完了の確認

バックグラウンドタスクは、システムによっていつ終了されるかが不確実なため、タスクが完了したことを確認してから次のステップに進むようにする必要があります。

例えば、ファイルのダウンロードやデータベースへの書き込みなど、中断されると問題を引き起こす可能性のある処理を行う際には、状態を適切に管理し、タスクが完了していることを保証することが大切です。

○エネルギー効率の最適化

バックグラウンド処理を行うアプリは、デバイスのバッテリー寿命に大きな影響を与えます。

したがって、エネルギー効率を考慮して、タスクを最適化することが重要です。

例えば、位置情報サービスを利用する際には、必要な時だけ位置情報を更新するようにし、バックグラウンドでのネットワーク使用は最小限に留めるなど、エネルギーを消費する要因を抑える工夫が求められます。

●バックグラウンド処理のデバッグとトラブルシューティング

バックグラウンド処理のデバッグは、アプリ開発において非常に重要ですが、時として難しい作業となり得ます。

これは、バックグラウンド処理がフォアグラウンド時とは異なる環境で実行されるため、問題の再現と特定が困難であることが多いからです。

しかし、適切なログ出力とエラー処理を備えることで、これらの挑戦を乗り越えることができます。

○サンプルコード8：デバッグ用ログの出力

バックグラウンド処理中に問題が発生した場合、何が起こっているのかを知るための第一歩は、適切なログ情報を出力することです。

ここでは、バックグラウンドタスク中にログを出力する方法のサンプルを紹介します。

// DebugHelper.m
- (void)logBackgroundTaskStatus {
    UIBackgroundTaskIdentifier taskId = [[UIApplication sharedApplication] beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:^{
        NSLog(@"バックグラウンドタスクが終了しました。");
    }];

    // バックグラウンド処理の開始をログに記録
    NSLog(@"バックグラウンドタスクを開始: %lu", (unsigned long)taskId);

    // 実際のバックグラウンド処理をここに記述

    // バックグラウンド処理の終了をログに記録
    NSLog(@"バックグラウンドタスクを終了: %lu", (unsigned long)taskId);
    [[UIApplication sharedApplication] endBackgroundTask:taskId];
}

このコードでは、バックグラウンドタスクの開始と終了時にログを出力しています。

これにより、バックグラウンド処理の挙動をトラッキングしやすくなります。

○サンプルコード9：エラー処理の実装

バックグラウンド処理中に発生する可能性のあるエラーに対処するには、下記のようなエラー処理ロジックを実装します。

// ErrorHandler.m
- (void)performTaskWithCompletion:(void (^)(BOOL success, NSError *error))completionHandler {
    // 何らかのタスクを実行
    NSError *error = nil;
    BOOL success = [self doSomeTask:&error];

    if (!success) {
        NSLog(@"タスク中にエラーが発生しました: %@", error);
    }

    // コールバックを通じて成功またはエラーを通知
    completionHandler(success, error);
}

- (BOOL)doSomeTask:(NSError **)error {
    // タスクを実行し、成功すればYES、失敗すればNOを返す
    // エラーが発生した場合は、errorを設定
    return YES;
}

このサンプルでは、performTaskWithCompletion:メソッドを使用してタスクを実行し、エラーがある場合はそれをログに出力し、コールバックを通じて結果を返しています。

○サンプルコード10：パフォーマンスの監視

バックグラウンド処理のパフォーマンスを監視するには、タスクの実行時間を計測し、予期せぬ遅延を検出するために時間計測のコードを追加します。

// PerformanceMonitor.m
- (void)startPerformanceMonitoring {
    CFAbsoluteTime startTime = CFAbsoluteTimeGetCurrent();

    // バックグラウンド処理を実行
    [self performBackgroundTask];

    CFAbsoluteTime timeTaken = CFAbsoluteTimeGetCurrent() - startTime;
    NSLog(@"バックグラウンドタスクの実行時間: %f 秒", timeTaken);
}

- (void)performBackgroundTask {
    // 長い実行時間を要するバックグラウンドタスクを実行する想定
}

このコード例では、startPerformanceMonitoringメソッドを使用して、バックグラウンド処理の開始前と終了後の時間を取得し、その差から処理にかかった総時間を計算しています。

●カスタマイズのポイント

バックグラウンド処理をカスタマイズすることで、アプリケーションの多様なニーズに応え、ユーザーにとってより魅力的なサービスを提供できます。

カスタマイズの際には、アプリケーションの目的に合わせて最適な処理方法を選択し、柔軟性と効率性を考慮する必要があります。

○サンプルコード11：バックグラウンド処理のカスタマイズ

Objective-Cでバックグラウンド処理をカスタマイズする際、アプリケーションの特定の機能に合わせた処理を実装することが可能です。

例えば、ユーザーが特定のアクションを行ったときのみバックグラウンド更新をトリガーするといった状況です。

// CustomBackgroundManager.m

- (void)triggerBackgroundUpdateWithCondition:(BOOL)condition {
    if (condition) {
        // 条件が真の場合にのみバックグラウンド更新を開始
        [self startBackgroundTask];
    }
}

- (void)startBackgroundTask {
    UIBackgroundTaskIdentifier taskId = [[UIApplication sharedApplication] beginBackgroundTaskWithExpirationHandler:^{
        // タスクがシステムによって終了される前に実行されるクリーンアップ処理
    }];

    // ここでカスタマイズされたバックグラウンド処理を実行
    [self performCustomTask];

    // カスタマイズされた処理が完了したらバックグラウンドタスクを終了
    [[UIApplication sharedApplication] endBackgroundTask:taskId];
}

- (void)performCustomTask {
    // ここにカスタマイズされたタスクの具体的な処理を記述
    NSLog(@"カスタマイズされたバックグラウンドタスクを実行中...");
    // 処理完了後のコードなど
}

このコード例では、triggerBackgroundUpdateWithCondition:メソッドを使用して、特定の条件下でのみバックグラウンド処理を開始するようにしています。

カスタマイズされたバックグラウンドタスクはperformCustomTaskメソッド内で定義され、必要な操作を行った後にタスクを終了しています。

まとめ

この記事では、Objective-Cを用いたバックグラウンド処理の実装方法について詳しく解説しました。基本的なバックグラウンドタスクの作成から始め、データフェッチ、位置情報の更新、ローカル通知のスケジューリングなど、様々なバックグラウンド処理の例を通じて、プログラミングのスキルを高めることができます。

Objective-Cでのプログラミングは、iOSアプリ開発の根幹をなすものであり、この言語をマスターすることは、効率的かつパワフルなアプリケーションを作成するための第一歩です。

バックグラウンド処理の理解と適用は、その旅の重要な部分であり、この記事がその目的を達成するための実践的なガイドになることを期待しています。