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秒数カウントの完全マニュアル!10のC言語実例で学ぶ

C言語を使用した秒数カウントのイラスト C言語
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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はじめに

C言語を使用した秒数カウントの作り方を詳細に解説します。

ここでは、具体的な秒数カウントのコード例を10例紹介し、それぞれのコードの目的、使い方、注意点、そしてカスタマイズ方法を一つ一つ丁寧に説明します。

●C言語とは

C言語は、1972年にアメリカのAT&Tベル研究所で開発された汎用プログラミング言語です。

主にシステムやアプリケーションの開発に用いられています。

○C言語の特徴

C言語の特徴は、その高度な移植性と表現力にあります。

また、メモリを直接操作できるという特性から、OSやハードウェアに密接なプログラミングを行う際には欠かせない言語となっています。

●秒数カウントとは

秒数カウントとは、一定の時間が経過したことを確認するためのプログラムの一部です。

タイマーやウェイト機能、パフォーマンスの計測など、様々な場面で利用されます。

●C言語における秒数カウントの基本

C言語では、time.hというライブラリを使用して秒数をカウントすることが可能です。

このライブラリには、現在の時刻を取得したり、特定の時間を待つなどの関数が用意されています。

○秒数カウントの必要性

秒数カウントは、例えばタスクの処理時間を計測したり、プログラムの一部を一定時間停止させたりする際に必要になります。

また、リアルタイム処理を行うソフトウェアでは、一定の間隔で特定の処理を行うためにも必要となります。

○秒数カウントの基本的な考え方

秒数カウントの基本的な考え方は、ある時点での時刻を記録し、その後の時刻と比較することで経過時間を計算するというものです。

具体的には、時刻を取得する関数と、その取得した時刻を比較するための関数を使用します。

●C言語で秒数カウントをするための準備

C言語で秒数カウントを行うためには、まず開発環境を準備する必要があります。

また、基本的なC言語の知識と、秒数カウントのための特定の関数の使い方を理解しておくことも重要です。

○開発環境の準備

C言語の開発環境としては、コンパイラやエディタが必要となります。

また、WindowsではVisual Studio、macOSではXcodeが便利です。

○必要な知識と技術

秒数カウントを行うためには、C言語の基本的な文法を理解しておくことが必要です。

また、time.hライブラリの使用方法や、時間計算の基本を理解しておくことも重要です。

●C言語による秒数カウントの具体的な方法

これから、具体的なC言語による秒数カウントの方法を詳細に解説します。

初めに基本的な秒数カウントの作り方から始めて、徐々に複雑な条件付きのカウントやループ処理、マルチスレッドでの秒数カウントに進んでいきます。

それぞれのサンプルコードについて、その目的と動作、そして実行結果について詳しく解説します。

○サンプルコード1:基本的な秒数カウント

まずは、C言語で最も単純な秒数カウントのコードを見ていきましょう。

C言語で1秒ごとにカウントアップするコードの一例を紹介します。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main() {
    for(int i = 1; i <= 10; i++) {
        printf("%d秒経過\n", i);
        sleep(1);
    }
    return 0;
}

このコードでは、forループとsleep関数を使って秒数カウントを行っています。

この例では、1から10まで1秒ごとに数字を表示しています。また、sleep(1)の部分で1秒間の待機時間を設けています。

このコードを実行すると、”1秒経過”から”10秒経過”までと、1秒ごとに文字列が出力されます。

○サンプルコード2:条件付きの秒数カウント

次に、ある条件を満たしたときに秒数カウントを停止するコードを見ていきましょう。

カウントが5に達したときにカウントを停止するコードの一例を紹介します。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main() {
    for(int i = 1; i <= 10; i++) {
        printf("%d秒経過\n", i);
        if(i == 5) {
            printf("5秒経過したため停止\n");
            break;
        }
        sleep(1);
    }
    return 0;
}

このコードでは、if文を使ってカウントが5になった時にループを抜ける(break)ようにしています。

このコードを実行すると、”1秒経過”から”5秒経過”までと、1秒ごとに文字列が出力され、5秒経過したところで”5秒経過したため停止”と出力されてプログラムが終了します。

○サンプルコード3:ループ処理での秒数カウント

次に、ループ処理の中で秒数カウントをするコードを見ていきましょう。

ループの各ステップで1秒ずつ待機するコードの一例を紹介します。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main() {
    for(int i = 0; i < 5; i++) {
        for(int j = 0; j < 10; j++) {
            printf("経過時間: %d秒\n", i * 10 + j);
            sleep(1);
        }
    }
    return 0;
}

このコードでは、二重のforループを使って、内側のループが10回繰り返されるごとに外側のループが1回進むようになっています。

このコードを実行すると、”経過時間: 0秒”から”経過時間: 49秒”までと、1秒ごとに文字列が出力されます。

○サンプルコード4:マルチスレッドでの秒数カウント

マルチスレッドとは、1つのプロセス内で複数の実行パスを持つことを指します。

C言語では、POSIXスレッドライブラリやWindowsスレッドライブラリなどを使ってマルチスレッドを実現することができます。

それでは、具体的にC言語でマルチスレッドを使った秒数カウントを行う方法を見てみましょう。

この例では、2つのスレッドを生成し、それぞれで1秒ごとにカウントを行うコードを紹介します。

まず、pthreadライブラリをインクルードします。

このライブラリは、POSIXスレッドを扱うためのライブラリであり、Unix系のOSで広く使用されています。

#include <stdio.h>
#include <pthread.h>
#include <unistd.h>

void* countSeconds(void* arg) {
    int* count = (int*)arg;
    while(1) {
        sleep(1);
        (*count)++;
        printf("Thread %u: count = %d\n", (unsigned int)pthread_self(), *count);
    }
    return NULL;
}

int main() {
    pthread_t thread1, thread2;
    int count1 = 0, count2 = 0;

    pthread_create(&thread1, NULL, countSeconds, &count1);
    pthread_create(&thread2, NULL, countSeconds, &count2);

    pthread_join(thread1, NULL);
    pthread_join(thread2, NULL);

    return 0;
}

このコードでは、countSecondsという関数がスレッドで実行される関数です。

スレッド関数は常にvoidを引数に取り、voidを返す形式である必要があります。

この関数は1秒ごとに引数で渡されたカウンターを増加させ、その値を表示します。

その後、main関数内で2つのスレッドを生成し、それぞれでcountSeconds関数を実行します。

これにより、2つのスレッドがそれぞれ独立に秒数をカウントすることが可能になります。

ただし、各スレッドのカウントは独立しているため、それぞれのカウント値は互いに影響を及ぼしません。

それぞれのスレッドがどのように進行しているかを確認するために、スレッドIDとカウント値を表示しています。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

Thread 123456789: count = 1
Thread 987654321: count = 1
Thread 123456789: count = 2
Thread 987654321: count = 2
...

各行の数値はスレッドIDとカウント値を示しており、2つのスレッドがそれぞれ独立にカウントを進行していることがわかります。

このようにマルチスレッドを使うことで、複数のタスクを並行して処理することが可能になります。

しかしながら、マルチスレッドにはスレッド間でデータを共有する際の競合(競争状態)など、注意すべきポイントもあります。

それについては後ほど解説します。

○サンプルコード5:秒数カウントを用いたタイマー機能

次に、秒数カウントを活用したタイマー機能の実装について見ていきましょう。

タイマー機能は、一定の時間が経過した後に特定の処理を行うための機能であり、秒数カウントと組み合わせることで実現可能です。

この例では、5秒後に”Time’s up!”というメッセージを表示するシンプルなタイマーを作成します。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main() {
    int count = 0;
    while(count < 5) {
        sleep(1);
        count++;
    }
    printf("Time's up!\n");
    return 0;
}

このコードでは、sleep関数を用いてプログラムの実行を1秒間停止しています。

それと同時に、count変数をインクリメントして5に達するまでループを続けます。

カウントが5になると、”Time’s up!”と表示してプログラムを終了します。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

Time

's up!

この出力は、コードを実行してから約5秒後に表示されます。

このように、秒数カウントを使用して特定の時間経過後に操作を行うタイマー機能を実装することが可能です。

しかし、この例ではシンプルなタイマーを作成しましたが、より高度なタイマー機能を実現するためには、マルチスレッドや割り込み、タイマー関連のライブラリを利用するといった知識が必要となります。

○サンプルコード6:秒数カウントを用いた待機処理

C言語では、秒数カウントを使用して一定時間だけプログラムの処理を停止させる、いわゆる「待機処理」を行うことが可能です。

待機処理は、例えばユーザーからの入力待ちや、特定の処理が終了するのを待つなど、多くのプログラムで用いられます。

ここでは、C言語を使って5秒間の待機処理を行うコードを紹介します。

この例では、sleep関数を使って待機処理を行います。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main() {
    printf("Waiting for 5 seconds...\n");
    sleep(5);
    printf("Wait is over!\n");
    return 0;
}

このコードでは、まず「Waiting for 5 seconds…」と表示した後、sleep関数により5秒間プログラムを停止します。

そして、待機時間が経過した後に「Wait is over!」と表示します。

ここで、sleep関数は引数として与えられた秒数だけプログラムの実行を停止させる関数で、秒数カウントを用いた待機処理に適しています。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

Waiting for 5 seconds...
Wait is over!

これにより、プログラムは「Waiting for 5 seconds…」と表示した後、5秒間待機し、その後に「Wait is over!」と表示します。

待機処理は、秒数カウントと組み合わせることで非常に簡単に実現することができます。

しかし、この方法ではプログラム全体が待機状態になるため、他の処理を並行して行いたい場合にはマルチスレッドを利用する等の工夫が必要となります。

さらに、待機処理の時間をユーザーからの入力で動的に変更するようなプログラムを作成することも可能です。

これにより、ユーザーの操作に応じた待機時間を実現することができます。

ただし、ユーザーからの入力を処理するためには、scanf関数等の入力関数の利用が必要となる点に注意が必要です。

○サンプルコード7:秒数カウントと日付・時刻の扱い

さて、ここからは少し違った角度から、秒数カウントの応用例をご紹介したいと思います。

それは、C言語で日付・時刻を扱いつつ、それらを秒数カウントと連動させる方法です。

一般的に、プログラムが現実世界の時間を扱う場合、それはシステム時刻を参照することになります。

しかし、システム時刻は秒単位でしか取得できず、それを更なる細かな単位で扱うためには秒数カウントが不可欠となります。

それでは、具体的なサンプルコードを見ていきましょう。

このコードでは、time関数を用いてシステム時刻を取得し、さらにこれをlocaltime関数で構造体に変換しています。

その後、取得した時間と分を表示し、秒数カウントで1秒待機した後に再度時刻を取得、表示します。

#include <stdio.h>
#include <time.h>

void main() {
    while (1) {
        time_t t = time(NULL); // 現在の時刻を取得
        struct tm *tm = localtime(&t); // 時刻を構造体に変換

        // 時間と分を表示
        printf("現在時刻: %02d:%02d\n", tm->tm_hour, tm->tm_min);

        sleep(1); // 1秒待機
    }
}

このサンプルコードを実行すると、現在のシステム時刻(時間と分)が1秒ごとに更新されて表示されるようになります。

これは、たとえばデジタル時計のようなプログラムを作成する際に役立つテクニックと言えるでしょう。

次に、日付と時刻の取得だけでなく、その差分を求める例も見てみましょう。これは、特定のイベントが発生してからの経過時間を計測するために利用できます。

下記のサンプルコードでは、最初に現在の時間を取得し、それから10秒間のカウントダウンを行います。

その後再び時間を取得し、最初に取得した時間との差分を計算して表示します。

#include <stdio.h>
#include <time.h>

void main() {
    time_t start = time(NULL); // 開始時間を取得
    struct tm *tm_start = localtime(&start); 

    printf("開始時間: %02d:%02d:%02d\n", tm_start->tm_hour, tm_start->tm_min, tm_start->tm_sec);

    for (int i = 10; i >= 0; i--) {
        printf("%d\n", i);
        sleep(1);
    }

    time_t end = time(NULL); // 終了時間を取得
    struct tm *tm_end = localtime(&end);

    printf("終了時間: %02d:%02d:%02d\n", tm_end->tm_hour, tm_end->tm_min, tm_end->tm_sec);

    // 開始時間と終了時間の差分を表示
    printf("経過時間: %d秒\n", (int)difftime(end, start));
}

これらのサンプルコードはあくまで一例であり、日付・時刻の取得と秒数カウントを組み合わせることで、さまざまなプログラムを作成することが可能です。

たとえば、特定の時間帯にのみ動作するプログラムを作成したり、プログラムの実行時間を計測したりすることなどが考えられます。

○サンプルコード8:秒数カウントの精度と誤差の対処法

秒数カウントのプログラミングには、精度と誤差の問題が常に付きまといます。

C言語で秒数カウントを行う際、時間の精度やその誤差が影響を及ぼす可能性があります。

それでは、どのようにして精度を保ちつつ、誤差を最小限に抑えることができるのでしょうか。

今回はそのための具体的な方法を示すサンプルコードとともに紹介します。

下記のサンプルコードでは、C言語のtime.hライブラリのclock関数を用いて秒数カウントを行い、その精度と誤差をチェックする方法を表しています。

この例では、指定した秒数が経過するまでループを回し続ける一方で、経過時間を微秒単位で計測しています。

#include <stdio.h>
#include <time.h>

int main() {
    // clock関数で現在のプロセッサ時間を取得
    clock_t start = clock();

    // 5秒間、ループを続ける
    while ((clock() - start) < (5 * CLOCKS_PER_SEC)) {
        // 何もしない
    }

    // 経過時間を計測
    clock_t end = clock();

    // 経過時間(秒)を計算し表示
    double duration = (double)(end - start) / CLOCKS_PER_SEC;
    printf("Duration: %.6f seconds\n", duration);

    return 0;
}

上記のコードは、5秒間無限ループを続け、その後実際にかかった時間を計測します。

CLOCKS_PER_SECというマクロは、秒あたりのクロックの数を表しており、これを用いることで秒単位で時間を計測することができます。

このコードを実行すると、次のような結果が得られます。

Duration: 5.000000 seconds

この結果から、コードは正確に5秒後に終了し、精度も微秒単位まで確保されていることがわかります。

しかしながら、必ずしも全てのシステムでこれほどの精度が得られるわけではありません。

環境やハードウェアによっては、計測結果に誤差が生じることがあります。

そのため、実際の開発時には、所定の操作や処理にかかる時間がどれほどであるかを詳細に確認し、必要に応じて誤差の補正や精度の調整を行うことが重要となります。

なお、誤差の補正や精度の調整には、特定のアルゴリズムを用いることもあります。

具体的な方法はアプリケーションや目的により異なるため、ここでは詳細な説明は省略しますが、キャリブレーション(校正)やデータスムージング(ノイズ除去)など、数学的な手法を駆使して誤差の影響を最小限に抑えることが一般的です。

○サンプルコード9:秒数カウントを用いたパフォーマンス計測

パフォーマンス計測は、プログラムの実行時間を計測して最適化を行うための重要な手段です。

特に、処理の遅い部分を特定するボトルネック解析などに利用されます。

下記のサンプルコードは、時間の計測に利用できるC言語の機能を表しています。

このコードでは、clock()関数を使ってプログラムの実行時間を計測しています。

clock()関数は、プログラムが開始してからの経過CPU時間を返す関数で、その戻り値をCLOCKS_PER_SECで割ることで経過時間を秒単位で取得することができます。

#include <stdio.h>
#include <time.h>

int main(void) {
    clock_t start, end;
    double cpu_time_used;

    start = clock();

    /* ここに時間を計測したい処理を書く */

    end = clock();

    cpu_time_used = ((double) (end - start)) / CLOCKS_PER_SEC;

    printf("実行時間は%lf秒です。\n", cpu_time_used);

    return 0;
}

これで、指定した処理の実行時間を秒単位で出力することができます。

もし、時間を計測したい処理が複数ある場合は、それぞれにclock()関数を使って時間を取得し、それぞれの処理の実行時間を計測することが可能です。

次に、このサンプルコードを実行すると、次のような結果が出力されます。

実行時間は0.001230秒です。

ここで出力される時間はあくまでCPU時間であり、実際の経過時間とは異なることに注意してください。

プログラムが待機状態になったり、他のプロセスにCPUを譲った場合、その時間はカウントされません。

しかし、アルゴリズムの最適化や処理速度の比較など、プログラムの内部的なパフォーマンスを測定するのに適しています。

○サンプルコード10:秒数カウントの応用例

次に、秒数カウントの応用例として、シンプルな秒タイマーの作り方をご紹介します。

このタイマーでは、指定した秒数だけ待つという処理を行います。

ここではsleep()関数を使って、指定した秒数だけプログラムを停止するようにしています。

下記のコードは、5秒間の待機時間を設定したシンプルなタイマーの例です。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main(void) {
    printf("5秒間待ちます。\n");

    sleep(5);

    printf("待ち時間終了です。\n");

    return 0;
}

このサンプルコードを実行すると、まずはじめに”5秒間待ちます。”というメッセージが表示され、その後に実際に5秒間プログラムが待機します。

その後、”待ち時間終了です。”というメッセージが表示され、プログラムが終了します。

これを使うことで、指定した秒数だけプログラムを一時停止させることが可能です。

このような秒数カウントの応用例は、プログラムの動作を調整したり、ユーザーへのアラートを行ったりするのに役立ちます。

ただし、sleep()関数を使うと全ての処理が停止しますので、他の処理を同時に行いたい場合は、マルチスレッド処理や非同期処理を検討する必要があります。

●C言語による秒数カウントの注意点と対処法

C言語で秒数カウントを行う際には、何点か注意すべき事項があります。

特に計算上の問題と環境依存性について説明し、それぞれについて具体的な対処法を表します。

○計算上の問題とその解決策

まず、秒数カウントにおける計算上の問題について考えてみましょう。

具体的には、秒数カウントに用いる変数のオーバーフローが起こり得ます。

これは、変数が取り得る最大値を超えてしまった場合に発生する問題で、予期せぬ結果をもたらす可能性があります。

このコードではint型を使って秒数を数えていますが、この例では一定時間以上の計測を行った場合にオーバーフローが発生する可能性があります。

#include <stdio.h>
#include <unistd.h>

int main() {
    int count = 0;

    while (1) {
        count++;
        sleep(1);
        printf("経過時間:%d秒\n", count);
    }

    return 0;
}

このコードを実行すると、カウントが始まり、1秒ごとにカウントが増加します。

しかし、int型の最大値を超えるとオーバーフローが発生し、正常なカウントができなくなります。

これを解決するには、カウントに使用する変数の型をlong long intなど、より大きな範囲の値を扱える型に変更することで対応できます。

また、プログラムの設計段階でカウントの上限を設けるなど、あらかじめオーバーフローが起こり得る状況を回避するように注意が必要です。

○環境依存性とその対策

秒数カウントの処理は、実行する環境によって結果が異なることがあります。

例えば、sleep関数はOSに制御を返し、指定した時間だけプロセスを停止させますが、この「指定した時間」がOSやハードウェアの状態によって多少前後することがあります。

このような環境依存性を最小限に抑えるためには、時間計測に高精度なタイマーを利用することが有効です。

C言語では、ライブラリのclock関数を使用することで、プログラムの実行時間を高精度で計測することが可能です。

下記のコードでは、clock関数を用いて秒数カウントを行います。

#include <stdio.h>
#include <time.h>

int main() {
    clock_t start, end;

    start = clock();

    // 何かの処理

    end = clock();

    double elapsed = (double)(end - start) / CLOCKS_PER_SEC;

    printf("経過時間:%.6f秒\n", elapsed);

    return 0;
}

このコードでは、clock関数を用いて計測を開始する時刻と終了する時刻を取得します。

その差分をCLOCKS_PER_SECで割ることで経過時間を秒単位で算出できます。

これにより、環境に依存することなく精確な秒数カウントが可能となります。

●C言語による秒数カウントのカスタマイズ方法

さて、次に進みましょう。

プログラミングの美しさの一つは、既存のコードをカスタマイズして、自分だけの独自の機能を作り出すことができる点です。

C言語による秒数カウントも例外ではありません。

あなたが目指す機能や、より高度な操作が求められる状況に対応するために、既存の秒数カウントコードをどのようにカスタマイズできるかを見ていきましょう。

○機能追加の方法

秒数カウントの基本的な仕組みを理解したら、それを基にさまざまな機能を追加することが可能です。

例えば、特定の秒数が経過したらアラームを鳴らす機能、または特定の時間帯になったら特定の処理を開始する機能など、多様な追加機能を考えることができます。

このコードでは、10秒毎に”10秒経過しました”と表示する機能を追加してみます。

具体的なコードは次の通りです。

#include <stdio.h>
#include <time.h>

void main() {
    time_t start, current;

    // 開始時間の取得
    time(&start);

    while(1) {
        // 現在時間の取得
        time(&current);

        // 開始からの経過秒数の計算
        double elapsed = difftime(current, start);

        // 10秒毎にメッセージを表示
        if ((int)elapsed % 10 == 0) {
            printf("10秒経過しました。\n");
        }
    }
}

この例では、difftime()関数を使って開始時間からの経過秒数を計算し、その結果が10の倍数になったらメッセージを表示しています。

これにより、10秒ごとにメッセージが表示されるようになります。

○コードの改良と効率化

プログラミングにおいては、単にコードが期待通りの動作をするだけでなく、その動作をどれだけ効率よく、すなわち高速に行えるかも重要な問題となります。

秒数カウントのコードも、さまざまな工夫により改良し効率化することが可能です。

たとえば、下記のコードは秒数カウントを行う際にCPUの消費を抑えるために、sleep()関数を用いて1秒ごとに処理を一時停止するように改良したものです。

#include <stdio.h>
#include <time.h>
#include <unistd.h>

void main() {
    time_t start, current;
    int count = 0;

    // 開始時間の取得
    time(&start);

    while(1) {
        // 1秒間のスリープ
        sleep(1);

        // 現在時間の取得
        time(&current);

        // 開始からの経過秒数の計算
        double elapsed = difftime(current, start);

        // 経過秒数の表示
        printf("経過時間:%lf秒\n", elapsed);

        count++;

        // 10秒経過で終了
        if (count == 10) {
            break;
        }
    }
}

このコードでは、sleep()関数を使ってループの各回転後に1秒間プログラムの実行を停止させています。

これにより、プログラムは必要最低限のCPUリソースしか消費せず、他のプログラムがCPUリソースをより多く利用できるようになります。

これらのコード改良や効率化の方法は一例に過ぎませんが、C言語による秒数カウントのカスタマイズとして参考にしてみてください。

まとめ

本記事では、C言語による秒数カウントの完全マニュアルとして、その基本から具体的な方法、注意点や対策、そしてカスタマイズ方法まで、幅広く深く掘り下げて解説してきました。

プログラミングはコードを書く技術だけでなく、それを使ってどのように問題を解決するか、そしてその解決策をどのように改良し進化させるかという思考力も必要とされます。

C言語の秒数カウントはその一例であり、基本的な使い方から応用、そしてカスタマイズまでを理解し実践することで、あなたのプログラミングスキルは更に向上するでしょう。

それでは、皆さんのプログラミングが楽しく、そして有意義であることを願っています。