初心者でも安心!Verilogで補数を扱う7つのステップ

Verilogで補数を扱う初心者向けの詳細な解説Verilog
この記事は約5分で読めます。

 

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラム(回路記述)の基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

サイト内のコードを共有する場合は、参照元として引用して下さいますと幸いです

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

初心者でも安心して、Verilogで補数を扱う方法を学ぶことができるようになります。

補数を理解し、Verilogでの補数表現の方法、応用例、注意点と対処法、カスタマイズ方法を順を追って学んでいきましょう。

サンプルコードを交えて説明しますので、実際のコードを書く際の参考にしてください。

●Verilogとは

Verilogはハードウェア記述言語の一つで、デジタルシステムの設計と検証のために使用されます。

シンプルで理解しやすい文法を持ち、また拡張性が高いため、広範なデジタルデザインに使用されています。

●補数とは

補数とは、数値の「補完」を表す概念で、通常、負の数を表現するために使用されます。

たとえば、二進数で考えると、一つの数値の補数はその数値が表現できる最大値からその数値を引いたものになります。

●Verilogで補数を扱う方法

補数を扱うための基本的な概念と、Verilogでの補数表現の方法を見ていきましょう。

○補数を扱う基本的な概念

補数を理解するためには、まず数値が二進数でどのように表現されるかを理解する必要があります。

一般的に、数値は「正の数値」または「補数」の形で表現されます。補数は主に負の数値を表現するために使用されます。

○Verilogでの補数表現の方法

Verilogでは、補数表現は数値のビットを反転し、その後に1を加えることで得られます。これを2の補数と呼びます。

この方法により、Verilogでは正の数値と負の数値を同様に扱うことができます。

□サンプルコード1:補数表現の作成

module comp(input [3:0] num, output reg [3:0] num_comp);
  always @(num) begin
    num_comp = ~num + 1'b1;
  end
endmodule

このコードでは、4ビットの数値numの補数を計算しています。

~numで数値numのビットを反転し、その後に1を加えることで2の補数を得ています。

このコードを実行した場合、例えばnumが4ビットの数値0001(十進数で1)とすると、num_comp1111(十進数で-1)となります。

これは0001のビットを反転すると1110となり、その後に1を加えると1111となるためです。

□サンプルコード2:補数を利用した加減算

module add_sub(input [3:0] a, b, input sub, output reg [3:0] out);
  always @(a, b, sub) begin
    if(sub)
      out = a + (~b + 1'b1);  // subtraction
    else
      out = a + b;  // addition
  end
endmodule

このコードでは、加算と減算を行っています。

引数subが真の場合、aからbの補数を加えることでaからbを引いた結果を得ます。そうでない場合、abを加えた結果を得ます。

このコードを実行した場合、例えばa0010(十進数で2)、b0001(十進数で1)、そしてsubが真とすると、out0001(十進数で1)となります。

これはaからbの補数、すなわち2から-1を加えた結果となります。

●補数を利用したプログラムの応用例

補数は、データのエンコードやデコードといった様々な場面で利用されます。具体的な応用例を見ていきましょう。

□サンプルコード3:データのエンコード

module encode(input [3:0] data, output reg [3:0] encoded_data);
  always @(data) begin
    encoded_data = data + 4'b1001;
  end
endmodule

このコードでは、4ビットのデータdataに固定値1001(十進数で9)を加えてエンコードしています。

補数表現を理解していると、このようなシンプルなエンコード処理も理解できます。

□サンプルコード4:データのデコード

module decode(input [3:0] encoded_data, output reg [3:0] decoded_data);
  always @(encoded_data) begin
    decoded_data = encoded_data + (~4'b1001 + 1'b1);
  end
endmodule

このコードでは、エンコードされたデータencoded_dataから元のデータを取り出すために、固定値1001の補数を加えてデコードしています。

エンコード処理とデコード処理は互いに補完的な関係にあるため、補数を利用することで実装できます。

●Verilogで補数を扱うときの注意点と対処法

Verilogで補数を扱う際には、ビット幅を超える演算を行わないように注意する必要があります。

例えば、4ビットの数値に対して5ビット分の計算を行うと、結果が正しく表現できないことがあります。

また、Verilogでは符号なし整数をデフォルトとして扱うため、負の数値を扱う場合には注意が必要です。

このような問題に対処するためには、適切なビット幅を設定することや、数値の符号を明示的に指定することが重要となります。

●補数の扱いをカスタマイズする方法

Verilogでは、補数の扱いをカスタマイズすることも可能です。

例えば、特定のビット幅で補数を計算する場合や、特定のパターンで補数を計算する場合など、プログラムの要件に合わせて補数の計算方法を変更することができます。

具体的には、~演算子でビット反転を行った後、特定の値を加えることでカスタマイズされた補数を計算することができます。

このように、Verilogを使えば柔軟に補数の扱いをカスタマイズすることが可能となります。

まとめ

以上、Verilogで補数を扱うための基本的な概念と方法、注意点と対処法、カスタマイズ方法について解説しました。

この知識をもとに、Verilogで補数を上手に扱えるようになりましょう。

また、サンプルコードを参考に自身でプログラムを作成する際には、上述の注意点やカスタマイズ方法を念頭に置いてプログラミングを行ってください。