VHDLのto_unsigned関数!初心者も理解できる10の手順 – JPSM

VHDLのto_unsigned関数!初心者も理解できる10の手順

VHDLのto_unsigned関数の使い方を学ぶ図VHDL

 

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はじめに

VHDLは、デジタルシステムの設計や検証のためのプログラミング言語として広く使用されています。

特に、FPGAやASICの設計において欠かせない存在となっています。

VHDLプログラムにおいて、様々な関数が提供されており、それぞれの関数が持つ役割や特性を理解することは、効果的な設計を行うためには不可欠です。

今回は、VHDLにおけるto_unsigned関数に焦点を当て、その基本から応用までを一歩一歩、初心者向けに詳しく解説していきます。

●VHDLのto_unsigned関数とは

VHDLでのデータ変換は、様々なシチュエーションで必要とされる操作です。

to_unsigned関数は、整数値をunsigned型のビットベクトルに変換するための関数として定義されています。

特に、数値計算や信号間のデータ変換など、幅広い場面での使用が想定されています。

○to_unsigned関数の基本

この関数の基本的な形式は次のとおりです。

to_unsigned(整数値, ビット幅)

ここで、整数値は変換したい整数を、ビット幅は変換後のunsigned型のビット数を指定します。

このコードでは、整数値を指定されたビット幅のunsigned型へ変換する基本的な操作を行っています。

この例では、108ビットのunsigned型へ変換する操作を表しています。

●to_unsigned関数の使い方

○サンプルコード1:基本的な数値変換

整数の58ビットのunsigned型に変換するシンプルな例を紹介します。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.NUMERIC_STD.ALL;

signal result : unsigned(7 downto 0);

begin
    result <= to_unsigned(5, 8);
end;

このコードでは、整数58ビットのunsigned型へ変換して、result信号に格納しています。

この例では、result信号には00000101というビットパターンが代入されます。

その結果、result信号は00000101というビット列を持つことになります。

○サンプルコード2:異なるビット幅への変換

VHDLにおいて、to_unsigned関数は整数を符号なしのビットベクトルに変換するのに非常に役立ちます。

特に異なるビット幅への変換が求められる場面ではこの関数の真価が発揮されます。

このコードでは、整数10を符号なしの4ビットベクトルに変換し、次に整数10を符号なしの8ビットベクトルに変換する方法を表しています。

この例では、to_unsigned関数を使用して異なるビット幅に整数値を変換しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity SampleCode2 is
end SampleCode2;

architecture Behavioral of SampleCode2 is
    signal result_4bit : std_logic_vector(3 downto 0);
    signal result_8bit : std_logic_vector(7 downto 0);
begin
    -- 10を4ビットのビットベクトルに変換
    result_4bit <= to_unsigned(10, 4);

    -- 10を8ビットのビットベクトルに変換
    result_8bit <= to_unsigned(10, 8);
end Behavioral;

このサンプルコードをシミュレーションすると、result_4bitには1010という値が、result_8bitには00001010という値が割り当てられます。

異なるビット幅を指定することで、同じ整数値10も異なるビット長のベクトルとして出力されます。

○サンプルコード3:変換のエラーハンドリング

VHDLのto_unsigned関数を使用する際、変換先のビット幅が元の数値を表現するのに十分でない場合、どのような動作が期待されるでしょうか?

このコードでは、整数16を符号なしの4ビットベクトルに変換するシナリオを表しています。

この例では、to_unsigned関数がエラーを出力するかどうかを確認する目的で整数16を4ビットベクトルに変換しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity SampleCode3 is
end SampleCode3;

architecture Behavioral of SampleCode3 is
    signal result_error : std_logic_vector(3 downto 0);
begin
    -- エラーを引き起こす可能性のある変換
    result_error <= to_unsigned(16, 4);
end Behavioral;

このサンプルコードをシミュレーションすると、整数16は4ビットのビットベクトルでは表現できません。そのため、シミュレーション時にエラーが発生します。

このような場合、ビット幅を増やすか、変換する値を適切な範囲内にする必要があります。

●to_unsigned関数の応用例

VHDLのto_unsigned関数は、その名の通り、整数を符号なしの数値に変換するための関数です。

しかし、この関数を使うだけでなく、応用例を知ることで、VHDLプログラミングの幅が大きく広がります。

今回は、to_unsigned関数の魅力的な応用例を幾つか取り上げて、どのように活用できるのかを紹介します。

○サンプルコード4:算術演算との組み合わせ

このコードでは、to_unsigned関数を使って算術演算を行う例を表しています。

この例では、符号なし整数を加算して、その結果を再度to_unsigned関数で変換しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity ArithmeticOperation is
    Port ( A : in integer := 5;
           B : in integer := 3;
           Result : out STD_LOGIC_VECTOR(4 downto 0));
end ArithmeticOperation;

architecture Behavioral of ArithmeticOperation is
begin
    Result <= to_unsigned(A + B, Result'length);
end Behavioral;

このコードを実行すると、AとBの値が加算され、結果がResultに格納されます。

この場合、5と3が加算され、8という結果が得られるため、Resultの値は01000となります。

○サンプルコード5:信号間での変換の利用

このコードでは、異なるビット幅を持つ2つの信号間でデータを移動する方法を表しています。

この例では、8ビットの信号を4ビットの信号に変換しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity SignalConversion is
    Port ( InputSignal : in STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0);
           OutputSignal : out STD_LOGIC_VECTOR(3 downto 0));
end SignalConversion;

architecture Behavioral of SignalConversion is
begin
    OutputSignal <= to_unsigned(to_integer(InputSignal), OutputSignal'length);
end Behavioral;

このコードを実行すると、InputSignalの値が4ビットのOutputSignalに変換されて出力されます。

たとえば、InputSignal00101010の場合、OutputSignal1010となります。

○サンプルコード6:条件付きの変換

このコードでは、ある条件下でのみto_unsigned関数を使用して変換を行う方法を表しています。

この例では、入力信号が特定の値よりも大きい場合にのみ変換を行っています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity ConditionalConversion is
    Port ( InputValue : in integer := 7;
           Threshold  : in integer := 5;
           Result : out STD_LOGIC_VECTOR(4 downto 0));
end ConditionalConversion;

architecture Behavioral of ConditionalConversion is
begin
    process (InputValue, Threshold)
    begin
        if InputValue > Threshold then
            Result <= to_unsigned(InputValue, Result'length);
        else
            Result <= "00000";
        end if;
    end process;
end Behavioral;

このコードを実行すると、InputValueThresholdより大きい場合、InputValueResultに変換されて出力されます。

それ以外の場合は、Result00000となります。

今回の場合、7は5より大きいため、Result00111となります。

●注意点と対処法

VHDLプログラムを使用する際、to_unsigned関数の利用は非常に一般的です。

しかし、この関数を使用するには、いくつかの注意点や潜在的な問題が存在します。

それでは、これらの問題点やそれらの解決策について詳しく説明します。

○ビット幅オーバー時の対応

このコードでは、to_unsigned関数を使用して数値を変換する際のビット幅オーバーの問題とその解決策を表しています。

この例では、指定したビット幅よりも大きな数値を変換しようとすると発生する問題を解説しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.NUMERIC_STD.ALL;

entity sample_entity is
    Port ( clk : in STD_LOGIC;
           data : in INTEGER;
           result : out STD_LOGIC_VECTOR(3 downto 0));
end sample_entity;

architecture Behavioral of sample_entity is
begin
    process(clk)
    begin
        if rising_edge(clk) then
            result <= to_unsigned(data, result'length); -- 4ビット幅で変換
        end if;
    end process;
end Behavioral;

上記のコードでは、resultのビット幅が4ビットであるため、0から15までの値しか受け付けられません。

それを超える値をdataに入力すると、変換結果が不正確になる可能性があります。

この問題を解決するためには、入力データの範囲を事前にチェックし、変換可能な範囲内に収めることが重要です。

また、ビット幅が不足している場合には、エラーフラグを設けて、異常を検出することも考えられます。

○変換結果の確認

このコードでは、to_unsigned関数の変換結果を確認する方法を表しています。

この例では、変換後の値が期待通りであるかを検証するための手段を取り上げています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.NUMERIC_STD.ALL;

entity check_entity is
    Port ( clk : in STD_LOGIC;
           data : in INTEGER;
           result : out STD_LOGIC_VECTOR(3 downto 0);
           error_flag : out STD_LOGIC); -- エラーフラグを追加
end check_entity;

architecture Behavioral of check_entity is
begin
    process(clk)
    begin
        if rising_edge(clk) then
            if data < 0 or data > 15 then
                error_flag <= '1'; -- エラー時はフラグを立てる
            else
                error_flag <= '0';
                result <= to_unsigned(data, result'length);
            end if;
        end if;
    end process;
end Behavioral;

このコードでは、入力データが0から15の範囲外である場合、error_flagを立てることで変換エラーをy表しています。

このように、変換結果を確認することで、エラーや予期しない動作を事前に検出し、適切な対応を取ることができます。

●カスタマイズ方法

VHDLのto_unsigned関数は非常に便利で、多様な応用例が考えられます。

しかし、その多様性ゆえに、特定の目的や条件下での使用を最適化するためのカスタマイズも不可欠となります。

それでは、より具体的なカスタマイズ方法とサンプルコードを交えて詳しく説明します。

○ビット幅の調整

to_unsigned関数を使用する際、変換するビット幅を適切に設定することが必要です。

ビット幅を変更することで、変換の結果として得られるビット列の長さを調整することができます。

このコードでは、整数10をビット幅5と7でto_unsigned関数を使用して変換する例を表しています。

この例では整数10を5ビットと7ビットで表現しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.NUMERIC_STD.ALL;

entity bit_width_example is
end bit_width_example;

architecture sim of bit_width_example is
    signal result_5bit : std_logic_vector(4 downto 0);
    signal result_7bit : std_logic_vector(6 downto 0);
begin
    -- 10を5ビットで変換
    result_5bit <= std_logic_vector(to_unsigned(10, 5));

    -- 10を7ビットで変換
    result_7bit <= std_logic_vector(to_unsigned(10, 7));
end sim;

このコードを実行すると、result_5bit01010として、result_7bit0001010として出力されます。

5ビット変換では先頭に0がないのに対し、7ビット変換では先頭に2つの0が追加されています。

○特定の条件下での変換

場合によっては、特定の条件を満たす場合のみto_unsigned関数を使用して変換を行いたいことがあります。

例えば、入力値が特定の範囲内にある場合のみ変換を行うといったシチュエーションです。

このコードでは、入力値が10以上20未満の場合に限りto_unsigned関数で変換する例を表しています。

この例では、指定された範囲外の値は"XXXXX"として出力されます。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.NUMERIC_STD.ALL;

entity conditional_conversion is
    Port ( input : in  integer;
           output : out std_logic_vector(4 downto 0));
end conditional_conversion;

architecture sim of conditional_conversion is
begin
    process(input)
    begin
        if (input >= 10) and (input < 20) then
            output <= std_logic_vector(to_unsigned(input, 5));
        else
            output <= "XXXXX";
        end if;
    end process;
end sim;

このコードを実行して、入力として12を与えた場合、出力は01100となります。

一方で、入力が9や20の場合、出力は"XXXXX"となります。

このように特定の条件下での変換を実装することで、信号の範囲や特定の条件を満たす入力値に応じて動作を変更することができます。

まとめ

VHDLのto_unsigned関数は、数値をビット列に変換する際の強力なツールとして利用できます。

この記事を通じて、その基本的な使い方からカスタマイズ方法まで、一歩一歩初心者向けに詳しく解説しました。

実際の設計やシミュレーションでの応用を考える際には、ここで学んだ知識をベースに、さらなる応用や最適化を追求してください。