C++ waitKey関数を活用する方法7選!

C++ waitKey関数の解説イメージ C++
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

C++プログラミングでは、waitKey関数が重要な役割を担っています。

この記事では、waitKey関数を理解し、活用する方法を、初心者から中級者、そして独学で学ぶ人々にもわかりやすく解説していきます。

waitKey関数を学ぶことで、プログラムの対話性や操作性を向上させることができます。

本記事を通じて、実際のサンプルコードを用いてwaitKey関数の使い方を学び、C++プログラミングにおける知識を深めていきましょう。

●waitKey関数の基本

C++で広く使用されるOpenCVライブラリに含まれるwaitKey関数は、プログラムがユーザーからのキーボード入力を待つために使用されます。

この関数の主な目的は、ウィンドウ上で特定のキー入力を検出し、それに基づいて適切な処理を行うことにあります。

例えば、画像表示プログラムで「q」キーが押されたらプログラムを終了させるような制御が可能です。

waitKey関数はint waitKey(int delay = 0);という形で使用され、ここでdelayパラメータはミリ秒単位でキー入力を待つ時間を定義します。

delayが0の場合は無限にキー入力を待ち続け、非ゼロの場合は指定された時間だけ待ちます。

○waitKey関数とは?

waitKey関数はC++においてユーザーインターフェイスやイベント駆動プログラミングに欠かせない機能です。

画像や動画を表示する際に、ユーザーがキーを押すまで画面に表示し続けるような動作を実現するために使われます。

プログラムがユーザーの入力に応じて異なる動作をすることを可能にし、よりインタラクティブなアプリケーションを作成する際に重要です。

○waitKey関数の基本的な構造と役割

waitKey関数はシンプルな構造でありながら、プログラミングにおける多岐にわたる役割を果たします。

プログラムがユーザーからのキーボード入力を待つ機能、関数に渡されたdelayパラメータによるキー入力を待つ時間の制御機能、そしてwaitKey関数からの戻り値を用いて、どのキーが押されたかを判別し、それに基づいて異なるアクションを実行する機能が含まれます。

これにより、一定時間後に自動的に次の処理に進むプログラムや、特定のキーで特定の処理を実行するプログラムを作成することが可能になります。

これらの機能によって、waitKey関数はC++プログラミングにおけるユーザーとのインタラクションを管理する上で非常に重要な役割を果たします。

●waitKey関数の使い方

waitKey関数の使い方は多岐にわたりますが、最も基本的な使い方はプログラム中でユーザーからのキー入力を待つことです。

この関数は、特に画像処理やウィンドウ表示に関連するプログラミングで頻繁に使用されます。

例えば、OpenCVを用いた画像の表示中に、ユーザーがキーを押すまで画像を画面上に保持するような場面で活用されます。

○サンプルコード1:waitKeyを使った基本的な入力待ち

基本的な使い方としては、下記のコードのように、画像を表示し、ユーザーが何らかのキーを押すまで待機することが挙げられます。

このサンプルコードでは、cv::Matオブジェクトに画像が格納されていることを前提とし、cv::imshowを使って画像を表示した後、cv::waitKey(0)でキー入力を無限に待ちます。

#include <opencv2/opencv.hpp>

int main() {
    cv::Mat image = cv::imread("image.jpg"); // 画像の読み込み
    cv::imshow("Image", image); // 画像の表示
    cv::waitKey(0); // キー入力を無限に待つ
    return 0;
}

このコードは、特定のキーを押すまで画像を画面上に表示し続けます。

プログラムを終了するには、キーボードの何らかのキーを押します。

○サンプルコード2:waitKeyでキーイベントを管理する

次に、特定のキーイベントに反応して特定の操作を実行する方法を見てみましょう。

下記のコードは、ユーザーが「q」キーを押すとプログラムを終了する例です。

cv::waitKey関数は押されたキーのASCIIコードを返すため、これを利用して特定のキーが押されたかを判断します。

#include <opencv2/opencv.hpp>

int main() {
    cv::Mat image = cv::imread("image.jpg");
    while (true) {
        cv::imshow("Image", image);
        int key = cv::waitKey(1); // 1ミリ秒ごとにキー入力をチェック
        if (key == 'q') { // 'q'キーが押されたらループを抜ける
            break;
        }
    }
    return 0;
}

このコードでは、whileループを用いて画像を表示し続け、cv::waitKey(1)で毎回キー入力をチェックします。

‘q’キーが押されたらbreak文でループから脱出し、プログラムが終了します。

○サンプルコード3:waitKeyのタイムアウト機能の利用

waitKey関数のもう一つの重要な特徴は、指定された時間だけ入力を待つタイムアウト機能です。

この機能を用いると、一定時間ごとに画像を更新するようなプログラムを作成することができます。

下記のサンプルコードは、1秒ごとに画像を更新する例です。

#include <opencv2/opencv.hpp>

int main() {
    while (true) {
        cv::Mat image = cv::imread("image.jpg");
        cv::imshow("Image", image);
        if (cv::waitKey(1000) >= 0) { // 1000ミリ秒(1秒)待つ
            break;
        }
    }
    return 0;
}

この例では、cv::waitKey(1000)を使用して1秒間キー入力を待ちます。

この間にキーが押された場合はプログラムが終了します。

○サンプルコード4:waitKeyを用いたイベント駆動プログラミング

waitKey関数はイベント駆動型のプログラミングにも使用されます。

下記のコードは、ユーザーのキー入力に応じて異なる画像を表示する例です。

#include <opencv2/opencv.hpp>

int main() {
    cv::Mat image1 = cv::imread("image1.jpg");
    cv::Mat image2 = cv::imread("image2.jpg");
    cv::Mat currentImage = image1;

    while (true) {
        cv::imshow("Image", currentImage);
        int key = cv::waitKey(1);
        if (key == 'q') {
            break;
        } else if (key == 's') {
            currentImage = image2;
        } else if (key == 'r') {
            currentImage = image1;
        }
    }
    return 0;
}

このプログラムでは、’s’キーを押すとimage2が、’r’キーを押すとimage1が表示されます。

‘q’キーでプログラムが終了します。

●waitKey関数でよくあるエラーと対処法

waitKey関数を使用する際にはいくつかの一般的なエラーが発生することがあります。

これらのエラーを理解し、適切な対処法を知ることは、効率的で安定したプログラミングには不可欠です。

○エラー1:waitKeyが反応しない

この問題は、waitKey関数が適切にキー入力を検出しない場合に発生します。

これは通常、プログラムの他の部分がCPUリソースを過度に消費している場合、またはイベント処理ループが正しく設計されていない場合に起こります。

この問題を解決するには、プログラムのパフォーマンスを最適化するか、waitKey関数を呼び出すタイミングを見直す必要があります。

また、waitKey関数をwhileループの中で適切に呼び出しているかも確認しましょう。

○エラー2:waitKeyのタイムアウトが正しく機能しない

waitKey関数に指定したタイムアウト値が期待通りに機能しない場合があります。

これは、関数に渡されるタイムアウト値が間違っている、または無視されている場合に発生します。

この問題の一般的な解決策は、waitKey関数の呼び出しを見直し、タイムアウト値を正しく設定することです。

タイムアウト値はミリ秒単位で指定するため、秒単位で指定していないか確認してください。

○エラー3:特定のキーイベントの検出問題

特定のキーイベントが正しく検出されない場合があります。

これは、プログラムが異なるキーコードを予期しているか、またはキーボード設定の違いによるものである可能性があります。

この問題を解決するためには、まずwaitKey関数が返すキーコードを確認し、期待されるキーコードと比較してください。

また、異なるキーボードレイアウトや言語設定でプログラムが実行されていないかも確認することが重要です。

●waitKey関数の応用例

waitKey関数は、単に画像表示や動画再生の制御だけでなく、さまざまな応用例においても重要な役割を果たします。

ここでは、waitKey関数を利用した具体的な応用例とサンプルコードを紹介します。

○サンプルコード5:waitKeyを使った画像表示の制御

画像の表示をユーザーのキー入力によって制御することが可能です。

下記のサンプルコードでは、ユーザーがキーを押すまで画像を表示し、任意のキーが押されると次の画像に移動しています。

#include <opencv2/opencv.hpp>
#include <vector>

int main() {
    std::vector<std::string> imagePaths = {"image1.jpg", "image2.jpg", "image3.jpg"};
    for (const auto& path : imagePaths) {
        cv::Mat image = cv::imread(path);
        cv::imshow("Image", image);
        cv::waitKey(0); // キー入力を待つ
    }
    return 0;
}

このコードでは、複数の画像を順番に表示し、各画像に対してユーザーのキー入力を待ちます。

○サンプルコード6:waitKeyを活用した動画の再生制御

waitKey関数は、動画再生の制御にも応用できます。

下記のコードでは、動画ファイルをフレームごとに読み込み、各フレームを一定時間ごとに表示しています。

ユーザーが特定のキーを押すと再生が停止します。

#include <opencv2/opencv.hpp>

int main() {
    cv::VideoCapture capture("video.mp4");
    cv::Mat frame;
    while (true) {
        capture >> frame;
        if (frame.empty()) break; // フレームがなくなったら終了
        cv::imshow("Video", frame);
        if (cv::waitKey(30) >= 0) break; // 30ミリ秒ごとにキー入力をチェック
    }
    return 0;
}

このコードは、動画ファイルを読み込み、各フレームを30ミリ秒ごとに表示します。

任意のキーが押されるとループから脱出し、動画の再生が停止します。

○サンプルコード7:waitKeyを組み込んだインタラクティブなGUI開発

waitKey関数はインタラクティブなGUIの開発にも利用できます。

例えば、下記のコードでは、異なるキー入力に応じて異なる色の図形を表示する簡単なGUIを作成しています。

#include <opencv2/opencv.hpp>

int main() {
    cv::Mat canvas = cv::Mat::zeros(400, 400, CV_8UC3);
    while (true) {
        int key = cv::waitKey(1);
        if (key == 'q') break; // 'q'で終了
        if (key == 'r') canvas.setTo(cv::Scalar(0, 0, 255)); // 'r'で赤色
        if (key == 'g') canvas.setTo(cv::Scalar(0, 255, 0)); // 'g'で緑色
        if (key == 'b') canvas.setTo(cv::Scalar(255, 0, 0)); // 'b'で青色
        cv::imshow("Canvas", canvas);
    }
    return 0;
}

このプログラムでは、’r’, ‘g’, ‘b’キーを押すことで、キャンバスの色を赤、緑、青に変更できます。

‘q’キーでプログラムが終了します。

●C++とwaitKey関数の豆知識

waitKey関数は、C++でのプログラミングにおいて多用される関数ですが、その背後にはいくつかの知られざる事実や便利なテクニックがあります。

これらを理解することで、waitKey関数をさらに効果的に活用することができます。

○豆知識1:waitKey関数とC++の最適な利用法

waitKey関数は、主にOpenCVライブラリで使用されますが、この関数の挙動はOSや実行環境に依存することがあります。

例えば、異なるOSで異なるキーコードを返すことがあります。

これを踏まえると、プラットフォームに依存しないようなコードの書き方を考慮することが重要です。

また、waitKey関数は無限ループ内で使用するときには特に注意が必要で、プログラムが期待する挙動をするように適切な条件でbreakするなどの対処が求められます。

○豆知識2:waitKeyを使った高度なプログラミングテクニック

waitKey関数を使った高度なテクニックとして、マルチスレッド環境での利用が挙げられます。

マルチスレッドプログラムでは、メインスレッドでUIイベントを処理し、他のスレッドで画像処理やデータ処理を行うことが一般的です。

waitKey関数は、メインスレッドでキーイベントを検出し、他のスレッドに信号を送るために使用することができます。

この方法を用いることで、UIの応答性を保ちつつ、リソース集中的な処理を効率的に実行することが可能になります。

まとめ

この記事では、C++におけるwaitKey関数の基本から応用、よくあるエラーと対処法、さらには豆知識までを幅広く解説しました。

初心者から中級者、そして独学で学ぶ方々にも理解しやすいように具体的なサンプルコードを交えてご紹介しました。

waitKey関数の効果的な使用方法を身に付けることで、プログラミングスキルを高め、より多様で高度なプロジェクトに取り組むことができるようになります。

この知識を活用し、C++プログラミングの世界でのさらなる飛躍を目指しましょう。