C++におけるgmtime関数の使い方完全ガイド5選 – Japanシーモア

C++におけるgmtime関数の使い方完全ガイド5選

C++のgmtime関数を使用したコード例、プログラミングの応用のイメージC++
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はじめに

この記事では、C++におけるgmtime関数の使い方を徹底的に解説します。

C++で日付や時間を扱う際に非常に便利なこの関数の基本から応用まで、初心者でも理解しやすいように段階的に説明していきます。

プログラミングの基本的な流れと共に、具体的なサンプルコードも紹介するので、実際のコードを書きながら学べる内容となっています。

●gmtime関数とは

gmtime関数は、C++の標準ライブラリに含まれる関数で、システムの現在時刻を協定世界時(UTC)として取得し、それをtm構造体に変換する役割を持っています。

この関数は、世界中の時間を統一的に扱う際に不可欠で、多くのプログラミング環境で利用されています。

○gmtime関数の基本

gmtime関数を使用するには、またはヘッダーをインクルードする必要があります。

関数のプロトタイプは下記のようになります。

struct tm *gmtime(const time_t *timer);

ここで、time_t 型のポインタ timer を引数として受け取り、結果として tm 構造体のポインタを返します。

この tm 構造体には、年、月、日、時間、分、秒などの時刻情報が格納されており、それぞれのフィールドにアクセスすることで、具体的な時刻を取り出すことができます。

○gmtime関数の概要と仕様

gmtime 関数が返す tm 構造体の内容をさらっと下に載せておきます。

  • tm_sec : 秒(0から59)
  • tm_min : 分(0から59)
  • tm_hour : 時間(0から23)
  • tm_mday : 月の日付(1から31)
  • tm_mon : 月(0から11)
  • tm_year : 年(1900からの年数)
  • tm_wday : 週の日(日曜日が0)
  • tm_yday : 年の日(1月1日が0)
  • tm_isdst : 夏時間の有無(夏時間が有効なら1、それ以外は0)

この構造体を利用することで、プログラム中で時刻に基づいた処理を行うことが可能になります。例えば、ログファイルに日時を記録する場合や、特定の時間に処理を実行するためのスケジュール設定に使用されます。

gmtime関数の特徴として、システムのローカルタイムゾーンに依存しない結果を提供することが挙げられます。

これにより、国際的に使用されるアプリケーションでの時刻処理において、一貫した結果を得ることが可能です。

ただし、この関数を使用する際には、返される構造体が静的であるため、マルチスレッド環境では注意が必要です。

各スレッドで独立した結果を保持するためには、gmtime_r などのスレッドセーフなバージョンの使用を検討することが推奨されます。

●gmtime関数の使い方

gmtime関数を活用するには、まず正しい使い方を理解することが重要です。

この関数は時間データをUTC(協定世界時)に変換し、日付や時間に関連するプログラムで広く利用されます。

具体的な使用法に入る前に、gmtime関数が返すtm構造体が持つ各フィールドについての理解が必要です。

これにより、関数の出力を適切に扱うことができます。

○サンプルコード1:現在のUTC時間を取得

最も基本的な使い方の一つとして、現在のUTC時間を取得する方法があります。

下記のサンプルコードは、システムの現在時刻を取得し、それをUTC時間として出力しています。

この例では、time関数を使用して現在の時刻を取得し、gmtime関数によってUTCへと変換しています。

#include <iostream>
#include <ctime>

int main() {
    time_t current_time = time(NULL); // 現在の時刻を取得
    struct tm *timeinfo = gmtime(&current_time); // UTC時間に変換

    std::cout << "現在のUTC時間: ";
    std::cout << timeinfo->tm_hour << "時";
    std::cout << timeinfo->tm_min << "分";
    std::cout << timeinfo->tm_sec << "秒" << std::endl;

    return 0;
}

このコードを実行すると、現在のUTCに基づいた時間が出力されます。

ここで重要なのは、gmtime関数が返すポインタが静的なメモリ領域を指しているため、マルチスレッドプログラムでは注意が必要だという点です。

○サンプルコード2:tm構造体の解説

gmtime関数を使う上で、tm構造体の理解が不可欠です。

tm構造体は、時間に関する情報を格納するための標準的なC構造体で、下記のフィールドを含んでいます。

struct tm {
    int tm_sec;   // 秒(0-59)
    int tm_min;   // 分(0-59)
    int tm_hour;  // 時(0-23)
    int tm_mday;  // 月内の日にち(1-31)
    int tm_mon;   // 月(0-11)
    int tm_year;  // 年(1900年からの経過年数)
    int tm_wday;  // 曜日(0-6、日曜日=0)
    int tm_yday;  // 年始からの経過日数(0-365)
    int tm_isdst; // 夏時間の適用有無(正数=適用、0=非適用、負数=未知)
};

この構造体を使用して、時間データを様々な形式で扱うことができます。

例えば、特定の日付に対して何曜日であったかを計算するなどの処理が可能です。

○サンプルコード3:時間変換の例

次に、gmtime関数を使用して特定の時刻を別の形式に変換する具体例を見てみましょう。

下記のコードでは、特定のUNIXタイムスタンプをUTCのtm構造体に変換し、さらにわかりやすい形式で出力しています。

#include <iostream>
#include <ctime>

int main() {
    time_t example_time = 1609459200; // 特定のUNIXタイムスタンプ(2021年1月1日0時0分0秒UTC)
    struct tm *timeinfo = gmtime(&example_time);

    std::cout << "変換されたUTC時間: ";
    std::cout << 1900 + timeinfo->tm_year << "年";
    std::cout << 1 + timeinfo->tm_mon << "月";
    std::cout << timeinfo->tm_mday << "日 ";
    std::cout << timeinfo->tm_hour << "時";
    std::cout << timeinfo->tm_min << "分";
    std::cout << timeinfo->tm_sec << "秒" << std::endl;

    return 0;
}

このコードを実行すると、指定したUNIXタイムスタンプに対応するUTCの日付と時刻が出力されます。

こうした変換を行うことで、プログラム内での時間操作の自由度が格段に向上します。

●よくあるエラーとその対処法

プログラミングにおいて、特に日付や時間を扱う場合、様々なエラーが発生する可能性があります。

C++でgmtime関数を使用する際に遭遇することがある一般的なエラーとその対処方法について解説します。

○不正なポインタが渡された時の対処法

gmtime関数は、有効なtime_t型のポインタを引数として受け取ります。

もしNULLポインタが渡された場合、関数は失敗し、結果は未定義です。

この問題を避けるために、ポインタが関数に渡される前に、それがNULLではないことを確認することが重要です。

#include <iostream>
#include <ctime>

int main() {
    time_t rawtime;
    time(&rawtime);

    if (&rawtime != NULL) {
        struct tm *timeinfo = gmtime(&rawtime);
        std::cout << "Year: " << 1900 + timeinfo->tm_year << std::endl;
    } else {
        std::cout << "Invalid time pointer provided." << std::endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、ポインタがNULLかどうかをチェックし、NULLでない場合のみgmtime関数を呼び出しています。

これにより、プログラムの安全性を高めることができます。

○tm構造体のフィールドが予期せぬ値を持つ場合の修正方法

gmtime関数によって返されたtm構造体は、通常、適切に設定されているべきですが、時には予期せぬ値がフィールドに設定されることがあります。

これは、システムの時計設定が不正であるか、または時刻の取得に失敗した場合に発生する可能性があります。

このような場合、エラーを検出し処理するために追加の検証が必要です。

下記のコードは、各フィールドの値が有効な範囲にあるかどうかをチェックしています。

#include <iostream>
#include <ctime>

bool validate_tm(struct tm *timeinfo) {
    if (timeinfo->tm_year < 70 || timeinfo->tm_mon < 0 || timeinfo->tm_mon > 11 ||
        timeinfo->tm_mday < 1 || timeinfo->tm_mday > 31 || timeinfo->tm_hour < 0 ||
        timeinfo->tm_hour > 23 || timeinfo->tm_min < 0 || timeinfo->tm_min > 59 ||
        timeinfo->tm_sec < 0 || timeinfo->tm_sec > 59) {
        return false;
    }
    return true;
}

int main() {
    time_t rawtime;
    time(&rawtime);
    struct tm *timeinfo = gmtime(&rawtime);

    if (validate_tm(timeinfo)) {
        std::cout << "Time is valid." << std::endl;
    } else {
        std::cout << "Invalid time detected." << std::endl;
    }

    return 0;
}

この関数は、tm構造体が正常な値を含んでいるかを検証し、問題がある場合はエラーメッセージを出力します。

これにより、データの整合性を保つことができ、プログラムの信頼性が向上します。

●gmtime関数の応用例

gmtime関数は、その基本的な機能を超えて、さまざまな応用が可能です。

特にグローバルなアプリケーションにおいて、世界中の様々なタイムゾーンでの時刻表示が求められる際には、この関数が非常に役立ちます。

ここでは、gmtime関数を用いて複数のタイムゾーンの時刻を取り扱う応用例をいくつか紹介します。

○サンプルコード4:日付と時刻の書式を設定

日付と時刻を異なるフォーマットで表示するには、gmtime関数で取得したUTC時刻を基にして、必要に応じてフォーマットを変更します。

下記のサンプルコードでは、ISO 8601形式(YYYY-MM-DDThh:mm:ssZ)で日時を出力しています。

#include <iostream>
#include <ctime>
#include <iomanip>

int main() {
    time_t rawtime;
    time(&rawtime);
    struct tm *utc_time = gmtime(&rawtime);

    std::cout << "Current UTC time in ISO 8601 format: ";
    std::cout << 1900 + utc_time->tm_year << "-";
    std::cout << std::setw(2) << std::setfill('0') << 1 + utc_time->tm_mon << "-";
    std::cout << std::setw(2) << std::setfill('0') << utc_time->tm_mday << "T";
    std::cout << std::setw(2) << std::setfill('0') << utc_time->tm_hour << ":";
    std::cout << std::setw(2) << std::setfill('0') << utc_time->tm_min << ":";
    std::cout << std::setw(2) << std::setfill('0') << utc_time->tm_sec << "Z" << std::endl;

    return 0;
}

このコードは、現在のUTC時刻をISO 8601フォーマットで出力し、国際的な標準に適合する日時表示を実装しています。

○サンプルコード5:世界時計機能の実装

世界各地の時間を一度に表示する世界時計機能は、多くのデバイスやアプリケーションで必要とされます。

下記のコードは、gmtime関数とタイムゾーンのオフセットを使用して、複数の主要都市の現地時刻を計算し、表示する方法を表しています。

#include <iostream>
#include <ctime>

void print_local_time(time_t utc_time, int offset, const std::string& city) {
    time_t local_time = utc_time + offset * 3600;
    struct tm *timeinfo = gmtime(&local_time);
    std::cout << "Local time in " << city << ": ";
    std::cout << timeinfo->tm_hour << ":" << timeinfo->tm_min << std::endl;
}

int main() {
    time_t rawtime;
    time(&rawtime);

    print_local_time(rawtime, 0, "London (UTC)");
    print_local_time(rawtime, 9, "Tokyo (UTC+9)");
    print_local_time(rawtime, -5, "New York (UTC-5)");

    return 0;
}

このプログラムでは、ロンドン、東京、ニューヨークの各都市ごとに、UTC時間に対するオフセットを加えることで現地時間を計算しています。

各都市の時間を簡単に表示することができ、グローバルな視点でのアプリケーション開発に利用可能です。

●プログラミングのコツとベストプラクティス

プログラミングにおいて効率的かつ効果的に作業を進めるためには、いくつかのコツがあります。

特に時間に関連する関数を使用する際は、その挙動を正確に理解し、適切に扱うことが重要です。

ここでは、C++での時間取得関数の使い方に焦点を当て、そのベストプラクティスを紹介します。

○コツ1:tm構造体の正しい使い方

gmtime関数を使用する際、tm構造体の理解は必須です。

この構造体を適切に扱うことで、多くの時間関連の問題を効率的に解決できます。

tm構造体の各フィールド(年、月、日、時間など)は特定の範囲内の値を持つため、これらの値を操作する際には注意が必要です。

例えば、月のフィールドは0から11までの値を取ることを忘れてはいけません。

下記のサンプルコードでは、現在のUTC時間を取得し、それを加工して特定の日付を表示する方法を表しています。

#include <iostream>
#include <ctime>

int main() {
    time_t rawtime;
    time(&rawtime);
    struct tm *timeinfo = gmtime(&rawtime);

    // 年、月、日を出力(月は0から始まるため+1をする)
    std::cout << "Year: " << 1900 + timeinfo->tm_year << std::endl;
    std::cout << "Month: " << 1 + timeinfo->tm_mon << std::endl;
    std::cout << "Day: " << timeinfo->tm_mday << std::endl;

    return 0;
}

このコードは、年月日を適切に表示するための基本的な方法を表しており、日付の扱いにおける一般的なエラーを避けるための良い例です。

○コツ2:時刻取得関数の効率的な利用

C++で時刻を扱う際、効率的に関数を利用することがプログラムのパフォーマンス向上につながります。

時刻取得関数はシステムコールを伴うため、不必要に頻繁に呼び出すとパフォーマンスに悪影響を与えることがあります。

また、時刻取得の際には、取得した時刻データのキャッシングを行い、同じ時刻を複数の場所で再利用することが推奨されます。

下記のサンプルコードは、シンプルなキャッシング戦略を用いて時刻を効率良く取得し、使用する方法を表しています。

#include <iostream>
#include <ctime>
#include <unordered_map>
#include <string>

std::unordered_map<std::string, std::string> time_cache;

std::string get_time_str() {
    time_t rawtime;
    time(&rawtime);
    struct tm *timeinfo = gmtime(&rawtime);

    char buffer[80];
    strftime(buffer, 80, "%Y-%m-%d %H:%M:%S", timeinfo);
    return std::string(buffer);
}

std::string fetch_cached_time() {
    std::string current_date = get_time_str().substr(0, 10); // YYYY-MM-DD
    if (time_cache.find(current_date) == time_cache.end()) {
        std::string time_str = get_time_str();
        time_cache[current_date] = time_str;
        return time_str;
    } else {
        return time_cache[current_date];
    }
}

int main() {
    std::cout << "Current time: " << fetch_cached_time() << std::endl;
    // 一定時間後に再び呼び出し、キャッシュされた値を使用
    std::cout << "Current time: " << fetch_cached_time() << std::endl;

    return 0;
}

このコードでは、日付ごとに最初に取得した時刻をキャッシュし、同じ日に再度時刻を取得する必要がある場合にはキャッシュから値を取り出しています。

これにより、無駄なシステムコールを削減し、全体的なパフォーマンスを向上させることができます。

まとめ

この記事では、C++のgmtime関数の使い方、基本的な概要から応用例に至るまでを綿密に解説しました。

プログラミングにおける時間処理は、多くのアプリケーションで不可欠な部分であり、gmtime関数を正しく理解し適用することが重要です。

特に、グローバルな環境で動作するアプリケーションを開発する際には、世界各地の時間を扱う能力が求められます。

このガイドが、時間に関連するプログラミングタスクに対する理解を深め、より効率的なコーディングを実現する手助けとなることを願っています。