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Verilogでunsigned型を使った基本的な演算方法と活用10選

unsigned型 徹底解説 Verilog
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この記事では、プログラム(回路記述)の基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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●Verilogのunsigned型とは?

デジタル回路設計の分野で重要な役割を果たすVerilog言語。

その中でも、unsigned型は非常に有用な機能です。

unsigned型は、正の整数値のみを扱うデータ型であり、負の数を表現しません。

このため、特定の状況下で効率的なコーディングが可能になります。

unsigned型の特徴は、その名前が示す通り、符号なし整数を表現することです。

通常の整数型(signed型)と異なり、最上位ビットが符号ビットとして扱われません。

そのため、unsigned型では、すべてのビットを数値の表現に使用できます。

○unsigned型の定義と特徴を徹底解説

unsigned型は、0以上の整数値を表現するためのデータ型です。

主な特徴として、次の点が挙げられます。

  1. 正の整数のみを扱う
  2. すべてのビットが数値表現に使用される
  3. オーバーフロー時の動作が予測しやすい
  4. 2の補数表現を使用しない

unsigned型を使用すると、特定の演算において効率的なコードを書くことが可能です。

例えば、カウンタやアドレス計算など、負の値を扱う必要がない場合に適しています。

○signed型との違いは?

signed型とunsigned型の主な違いは、負の数の扱い方にあります。

signed型は正の数と負の数の両方を表現できますが、unsigned型は正の数のみを扱います。

signed型では、最上位ビットが符号ビットとして使用されます。

最上位ビットが0の場合は正の数、1の場合は負の数を表します。

一方、unsigned型では、すべてのビットが数値の表現に使用されます。

例えば、4ビットの場合を考えてみましょう。

signed型(4ビット)の表現範囲 -> -8 から 7
unsigned型(4ビット)の表現範囲 -> 0 から 15

この違いにより、同じビット幅でもunsigned型の方が大きな正の数を表現できます。

ただし、負の数を扱えないというトレードオフがあります。

○サンプルコード1:unsigned型の宣言と初期化

それでは、具体的なコードを見てみましょう。

Verilogでunsigned型を宣言し、初期化する方法を紹介します。

module unsigned_example;
  // 8ビットのunsigned型変数を宣言
  reg [7:0] unsigned_var;

  // 32ビットのunsigned型ワイヤを宣言
  wire [31:0] unsigned_wire;

  initial begin
    // unsigned変数の初期化
    unsigned_var = 8'b11111111;  // 255(10進数)

    // 値の表示
    $display("unsigned_var = %d", unsigned_var);
  end

  // unsigned型ワイヤに値を割り当て
  assign unsigned_wire = 32'd4294967295;  // 2^32 - 1(最大値)

  // シミュレーション終了
  initial #10 $finish;
endmodule

このコードでは、8ビットのunsigned型変数 unsigned_var と32ビットのunsigned型ワイヤ unsigned_wire を宣言しています。

unsigned_var には2進数表記で最大値(255)を、unsigned_wire には32ビットの最大値(4294967295)を割り当てています。

実行結果

unsigned_var = 255

上記のコードを実行すると、unsigned_var の値が255と表示されます。

unsigned型を使用することで、8ビット全てを正の数の表現に使用できているため、0から255までの範囲を表現できています。

signed型で同じビット幅を使用した場合、-128から127までの範囲しか表現できないことと比較すると、unsigned型の特徴がよく分かります。

●unsigned型を使いこなす!

unsigned型の基本を理解したところで、実際の使い方に焦点を当てましょう。

ここでは、unsigned型を使った5つの基本的な演算テクニックを紹介します。

適切に利用することで、効率的で読みやすいコードを書くことができます。

○サンプルコード2:加算と減算の実装方法

unsigned型の加算と減算は、signed型と同様に行えますが、オーバーフローの扱いが異なります。

次のサンプルコードで、その違いを見てみましょう。

module unsigned_arithmetic;
  reg [3:0] a, b, sum, diff;

  initial begin
    // 加算
    a = 4'd7;  // 7
    b = 4'd5;  // 5
    sum = a + b;
    $display("7 + 5 = %d", sum);  // 12

    // オーバーフローを伴う加算
    a = 4'd14;  // 14
    b = 4'd3;   // 3
    sum = a + b;
    $display("14 + 3 = %d", sum);  // 1 (17 % 16)

    // 減算
    a = 4'd12;  // 12
    b = 4'd5;   // 5
    diff = a - b;
    $display("12 - 5 = %d", diff);  // 7

    // アンダーフローを伴う減算
    a = 4'd3;  // 3
    b = 4'd5;  // 5
    diff = a - b;
    $display("3 - 5 = %d", diff);  // 14 (3 - 5 + 16)
  end
endmodule

このコードでは、4ビットのunsigned型変数を使用して加算と減算を行っています。

注目すべき点は、オーバーフローとアンダーフローの扱いです。

実行結果

7 + 5 = 12
14 + 3 = 1
12 - 5 = 7
3 - 5 = 14

加算でオーバーフローが発生した場合、結果は2のn乗(ここでは16)で割った余りになります。

減算でアンダーフローが発生した場合、結果は2のn乗を加えた値になります。

unsigned型の場合、このようなラップアラウンド動作が自動的に行われるため、特定の用途(例:カウンタ)で有用です。

○サンプルコード3:乗算と除算のテクニック

unsigned型の乗算と除算も、基本的な演算子を使って行えます。

ただし、結果のビット幅に注意が必要です。

module unsigned_mult_div;
  reg [7:0] a, b;
  reg [15:0] prod;
  reg [7:0] quotient, remainder;

  initial begin
    // 乗算
    a = 8'd25;  // 25
    b = 8'd10;  // 10
    prod = a * b;
    $display("25 * 10 = %d", prod);  // 250

    // オーバーフローを伴う乗算
    a = 8'd200;  // 200
    b = 8'd2;    // 2
    prod = a * b;
    $display("200 * 2 = %d", prod);  // 400

    // 除算
    a = 8'd100;  // 100
    b = 8'd3;    // 3
    quotient = a / b;
    remainder = a % b;
    $display("100 / 3 = %d 余り %d", quotient, remainder);  // 33 余り 1
  end
endmodule

このコードでは、8ビットのunsigned型変数を使用して乗算と除算を行っています。

乗算の結果は16ビットの変数に格納しています。

実行結果

25 * 10 = 250
200 * 2 = 400
100 / 3 = 33 余り 1

乗算では、結果が元の変数のビット幅を超える可能性があるため、十分な幅を持つ変数で受け取る必要があります。

除算では、商と余りの両方を取得できます。

unsigned型の乗算と除算は、特にデジタル信号処理やスケーリング操作で頻繁に使用されます。

適切にビット幅を管理することで、精度の高い計算が可能になります。

○サンプルコード4:ビットシフト操作の活用法

ビットシフト操作は、unsigned型の値を効率的に2のべき乗で乗除算するのに適しています。

左シフトは乗算、右シフトは除算に対応します。

module unsigned_shift;
  reg [7:0] a;
  reg [7:0] left_shift, right_shift;

  initial begin
    a = 8'd64;  // 64

    // 左シフト(乗算)
    left_shift = a << 1;  // 64 * 2
    $display("64 << 1 = %d", left_shift);  // 128

    left_shift = a << 2;  // 64 * 4
    $display("64 << 2 = %d", left_shift);  // 0 (256 % 256)

    // 右シフト(除算)
    right_shift = a >> 1;  // 64 / 2
    $display("64 >> 1 = %d", right_shift);  // 32

    right_shift = a >> 3;  // 64 / 8
    $display("64 >> 3 = %d", right_shift);  // 8
  end
endmodule

このコードでは、8ビットのunsigned型変数を使用してビットシフト操作を行っています。

実行結果

64 << 1 = 128
64 << 2 = 0
64 >> 1 = 32
64 >> 3 = 8

左シフト(<<)は値を2のn乗倍し、右シフト(>>)は値を2のn乗で割ります。

unsigned型の場合、左シフトでオーバーフローが発生すると、結果は2のビット数乗で割った余りになります。

ビットシフト操作は、乗除算よりも高速に実行できるため、2のべき乗での演算が必要な場合に特に有用です。

例えば、パワーオブツーのスケーリングやビットマスク操作などで活用できます。

○サンプルコード5:論理演算子の使い方

unsigned型の値に対して、ビット単位の論理演算を適用できます。

よく使われる演算子には、AND(&)、OR(|)、XOR(^)、NOT(~)があります。

module unsigned_logical;
  reg [7:0] a, b, result;

  initial begin
    a = 8'b10101010;  // 170
    b = 8'b11001100;  // 204

    // AND演算
    result = a & b;
    $display("a & b = %b (%d)", result, result);  // 10001000 (136)

    // OR演算
    result = a | b;
    $display("a | b = %b (%d)", result, result);  // 11101110 (238)

    // XOR演算
    result = a ^ b;
    $display("a ^ b = %b (%d)", result, result);  // 01100110 (102)

    // NOT演算
    result = ~a;
    $display("~a = %b (%d)", result, result);  // 01010101 (85)
  end
endmodule

このコードでは、8ビットのunsigned型変数を使用して各種論理演算を行っています。

実行結果

a & b = 10001000 (136)
a | b = 11101110 (238)
a ^ b = 01100110 (102)
~a = 01010101 (85)

AND演算は両方のビットが1の場合に1を、OR演算はどちらかのビットが1の場合に1を、XOR演算は2つのビットが異なる場合に1を、NOT演算は各ビットを反転させます。

●FPGAエンジニア必見!

FPGAの設計において、unsigned型の活用は非常に重要です。

効率的なデータ処理と回路設計を実現するため、unsigned型の特性を最大限に活かす方法を探っていきましょう。

FPGAエンジニアの皆さん、お待たせしました!unsigned型の真価を発揮させる秘訣をお教えします。

○unsigned型の利点を最大限に

unsigned型を使うと、データ処理の効率が格段に上がります。

どうしてでしょうか?

まず、unsigned型は符号ビットを持たないため、すべてのビットを数値表現に使えます。

つまり、同じビット幅でより大きな数値を扱えるのです。

例えば、8ビットのunsigned型なら0から255まで表現できますが、signed型だと-128から127までしか表現できません。

カウンタやアドレス計算など、負の値を扱う必要がない場合、unsigned型を使うことで表現範囲を2倍に拡大できるのです。

さらに、unsigned型はオーバーフロー時の挙動が予測しやすいという利点があります。

最大値を超えると自動的に0に戻るため、周期的な処理やラップアラウンドが必要な場合に便利です。

○サンプルコード7:効率的な信号接続の実装

FPGAで複数の信号を効率的に接続する方法を見てみましょう。

unsigned型を使って、複数のビット信号を1つの変数にパックする技術です。

module signal_packing(
  input wire [3:0] a, b, c, d,
  output wire [15:0] packed_signal
);

  assign packed_signal = {d, c, b, a};

  // 使用例
  wire [3:0] unpacked_a, unpacked_b, unpacked_c, unpacked_d;
  assign unpacked_a = packed_signal[3:0];
  assign unpacked_b = packed_signal[7:4];
  assign unpacked_c = packed_signal[11:8];
  assign unpacked_d = packed_signal[15:12];

endmodule

このコードでは、4つの4ビット信号をunsigned型の16ビット信号にパックしています。

大切なのは、ビットの並びと順序をしっかり把握することです。

パックした信号から元の信号を取り出す際も、適切なビット範囲を指定することを忘れずに。

実行結果を予想すると、例えばa = 4'b1010, b = 4'b0011, c = 4'b1100, d = 4'b0101の場合、packed_signal16'b0101110000111010となります。

この手法は、多数の小さな信号を扱う際に配線を減らし、設計をシンプルにできます。

ただし、信号の順序を間違えないよう注意が必要です。

○サンプルコード8:generate文を使ったダイナミックな回路生成

FPGAの真骨頂は、柔軟な回路設計にあります。

generate文とunsigned型を組み合わせることで、動的に回路を生成できます。

ここでは、可変幅のシフトレジスタを作成してみましょう。

module dynamic_shift_register
#(parameter WIDTH = 8, STAGES = 4)
(
  input wire clk,
  input wire [WIDTH-1:0] data_in,
  output wire [WIDTH-1:0] data_out
);

  reg [WIDTH-1:0] shift_reg [STAGES-1:0];

  genvar i;
  generate
    for (i = 0; i < STAGES; i = i + 1) begin : shift_stage
      if (i == 0) begin
        always @(posedge clk) begin
          shift_reg[0] <= data_in;
        end
      end else begin
        always @(posedge clk) begin
          shift_reg[i] <= shift_reg[i-1];
        end
      end
    end
  endgenerate

  assign data_out = shift_reg[STAGES-1];

endmodule

このコードでは、WIDTHパラメータでデータ幅を、STAGESパラメータでシフトレジスタの段数を指定できます。

generate文を使うことで、指定された段数分のレジスタを自動生成しています。

例えば、WIDTH = 4, STAGES = 3で、data_in4'b1010を入力すると、クロックの立ち上がりごとに次のように値が遷移します。

  1. shift_reg[0] = 4'b1010, shift_reg[1] = 4'b0000, shift_reg[2] = 4'b0000
  2. shift_reg[0] = 4'b1010, shift_reg[1] = 4'b1010, shift_reg[2] = 4'b0000
  3. shift_reg[0] = 4'b1010, shift_reg[1] = 4'b1010, shift_reg[2] = 4'b1010

3クロック後にdata_out4'b1010となります。

この手法を使えば、設計の柔軟性が大幅に向上します。パラメータを変更するだけで、異なる幅や段数のシフトレジスタを簡単に生成できるのです。

●よくあるエラーと対処法

unsigned型を使う際、いくつかの落とし穴があります。

でも心配いりません。

主な問題とその対処法をお教えしますよ。

○オーバーフロー問題の解決策

unsigned型の最大の特徴は、オーバーフローしても自動的に0に戻ることです。

素晴らしい特性ですが、時として予期せぬバグの原因にもなります。

例えば、8ビットのunsigned型で255に1を足すと0になります。

意図的な動作なら問題ありませんが、うっかり見逃すと大変です。

対策として、加算前に最大値をチェックする方法があります。

wire [7:0] a, b, sum;
wire overflow;

assign {overflow, sum} = a + b;

この方法では、9ビットの結果を生成し、最上位ビットをオーバーフロー信号として使用します。

overflow信号が1になったら、何らかの対処が必要だとわかりますね。

○型変換時の注意点とベストプラクティス

signed型とunsigned型を混在させると、思わぬ結果を招くことがあります。

Verilogは自動的に型変換を行いますが、時として直感に反する動作をします。

例えば、signed型の負の数とunsigned型の数を比較すると、signed型の数が暗黙のうちにunsigned型に変換されます。

結果、負の数が非常に大きな正の数として扱われてしまいます。

reg signed [7:0] a = -1;
reg unsigned [7:0] b = 1;

initial begin
  if (a < b)
    $display("a is less than b");
  else
    $display("a is greater than or equal to b");
end

この場合、「a is greater than or equal to b」と表示されます。

なぜなら、-1が255として扱われるからです。

対策として、明示的に型キャストを行うことをおすすめします。

if ($signed(a) < $signed(b))

このように、比較の際に明示的に型を指定することで、意図しない動作を防げます。

○サンプルコード9:デバッグ用のアサーション記述

最後に、デバッグの強い味方、アサーションの使い方を紹介します。

unsigned型の値が想定範囲内にあることを確認するアサーションを作ってみましょう。

module debug_assertion(
  input wire clk,
  input wire [7:0] data
);

  // データが100未満であることを確認するアサーション
  always @(posedge clk) begin
    assert (data < 100) else
      $error("Data value %d is out of range (should be less than 100)", data);
  end

  // データが偶数であることを確認するアサーション
  always @(posedge clk) begin
    assert (data[0] == 0) else
      $warning("Data value %d is odd (expected even number)", data);
  end

endmodule

このコードでは、2つのアサーションを使用しています。

1つ目は、dataの値が100未満であることを確認し、違反した場合にエラーを出力します。

2つ目は、dataが偶数であることを確認し、奇数の場合に警告を出します。

例えば、dataに105が入力された場合、次のようなエラーメッセージが表示されます。

Error: Data value 105 is out of range (should be less than 100)
Warning: Data value 105 is odd (expected even number)

アサーションを使うことで、デバッグが格段に楽になります。

想定外の値を早期に発見でき、問題の原因特定が容易になるのです。

●SystemVerilogとの相互運用性を高めるテクニック

VerilogからSystemVerilogへの移行を考えている方々、お待たせしました。

unsigned型の知識を活かしつつ、SystemVerilogの新機能を取り入れる方法をご紹介します。

互換性を保ちながら、コードの品質を向上させる秘訣をお教えしましょう。

○バージョン間の互換性を保つコーディング手法

VerilogとSystemVerilogの間には微妙な違いがあります。

両者の長所を活かしつつ、スムーズな移行を実現するには、いくつかのポイントがあります。

まず、データ型の扱いに注意しましょう。

SystemVerilogでは、より厳密な型チェックが行われます。

例えば、Verilogではregとwireの区別があいまいでしたが、SystemVerilogではlogicという新しい型が導入されました。

unsigned型を使う際も、明示的に型を指定することをおすすめします。

logic unsigned [7:0] counter;  // SystemVerilogでの明示的な型指定

また、SystemVerilogでは配列の扱いが大幅に改善されました。

動的配列や連想配列が使えるようになり、より柔軟なデータ構造を実現できます。

ただし、従来のVerilogコードと混在させる場合は注意が必要です。

logic unsigned [7:0] dynamic_array[];  // 動的配列の宣言
dynamic_array = new[10];  // 10要素の配列を動的に確保

さらに、SystemVerilogではクラスやインターフェースなどのオブジェクト指向的な機能が導入されました。

既存のVerilogコードを段階的に移行する際は、モジュールベースの設計からクラスベースの設計への移行を慎重に行いましょう。

○サンプルコード10:SystemVerilogへの移行を見据えたunsigned型の使用

それでは、具体的なコード例を見てみましょう。

VerilogのコードをSystemVerilogに移行する際、unsigned型をどのように扱うべきかを表します。

module advanced_counter
#(parameter WIDTH = 8)
(
  input logic clk,
  input logic reset,
  input logic enable,
  output logic [WIDTH-1:0] count
);

  always_ff @(posedge clk or posedge reset) begin
    if (reset)
      count <= '0;  // SystemVerilogの簡潔な記法
    else if (enable)
      count <= count + 1'b1;
  end

  // カウンタの値が最大値に達したことを検出
  logic overflow;
  assign overflow = &count;  // すべてのビットが1の場合にTrue

  // アサーション
  always_comb begin
    assert (!overflow || enable) else
      $error("Counter overflow detected without enable signal");
  end

  // 型付けされたパラメータの使用例
  localparam logic [WIDTH-1:0] HALF_MAX = '1 >> 1;

  always_comb begin
    if (count > HALF_MAX)
      $display("Counter is in upper half of its range");
  end

endmodule

このコードでは、SystemVerilogの新機能をいくつか取り入れています。

  1. always_ffalways_combブロックを使用し、順序回路と組み合わせ回路を明確に区別しています。
  2. 論理型のlogicを使用し、より厳密な型チェックを実現しています。
  3. SystemVerilogの簡潔な記法(例:'0'1)を使用しています。
  4. アサーションを用いて、設計意図を明確に表現しています。
  5. 型付けされたパラメータを使用し、コードの安全性を高めています。

実行結果を予想すると、カウンタが正常に動作し、値が増加していく様子が観察できるでしょう。

カウンタが最大値(全ビットが1)に達すると、オーバーフローが検出されます。

また、カウンタの値が範囲の後半に入ると、メッセージが表示されます。

このようなコードスタイルを採用することで、VerilogからSystemVerilogへの移行をスムーズに行えます。

既存のunsigned型の使用法を活かしつつ、新しい機能を段階的に導入していくことがポイントです。

まとめ

Verilogにおけるunsigned型の使用法について、基礎から応用まで幅広く解説してきました。

本記事で紹介した技術を活用することで、より洗練されたVerilogコードを書くことができるでしょう。

日々の実践を通じて、unsigned型をマスターし、FPGAエンジニアとしてのスキルアップを図ってみましょう。