Pythonでの難読化術!初心者向けの7つの手順と10のコード例

Pythonでの難読化術を学ぶ初心者のためのイラストPython
この記事は約15分で読めます。

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

サイト内のコードを共有する場合は、参照元として引用して下さいますと幸いです

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

Pythonを使ったプログラミングは多くの初心者にとって身近な存在になりつつありますが、コードの難読化という概念はなお一部の人々だけが理解している状況です。

しかし、知識を深めることでコードをより安全に、そして効率的に使うことが可能になります。

今回の記事では、初心者向けにPythonを使ったコードの難読化方法を解説していきます。

基本的な手順から具体的なコード例まで、わかりやすく説明していきましょう。

●Pythonとは

Pythonは、プログラミング言語の一つで、その特徴的なシンタックスによりコードが読みやすく、短い行数で複雑なプログラムを書くことが可能となっています。

○Pythonの特徴

Pythonは次のような特徴を持っています。

  1. 高レベルなデータ型を内蔵している
  2. ダイナミックな型付けと自動メモリ管理
  3. 多数の標準ライブラリとモジュールがある
  4. その可読性と効率性から、多くの企業や研究機関で使われている

○Pythonの難読化とは

難読化とは、人間が読み解きにくいようにコードを変更することを指します。

これにより、不正なアクセスやコードの流出を防ぐことが可能になります。

●Python難読化の基本

○難読化の目的と種類

難読化の主な目的は二つあります。

一つは、プログラムの機能を隠蔽し、不正利用を防ぐこと。もう一つは、コードの最適化を通じてプログラムのパフォーマンスを向上させることです。

難読化の種類には、名前の難読化(関数名や変数名を変更)、制御フローの難読化(制御フローを複雑にする)、データの難読化(データ構造を複雑にする)などがあります。

○難読化ツールの利用

Pythonでの難読化を行うにはいくつかのツールがありますが、その中でも人気が高いのはPyminifierやPyArmorです。

これらのツールはコードを難読化し、コードの保護を強化します。

●Python難読化の7つの手順

それでは、具体的な手順について見ていきましょう。

○手順1:Python環境の準備

Pythonの難読化を始める前に、まずはPythonの開発環境を整えることが必要です。

Pythonの公式ウェブサイトから最新版のPythonをダウンロードしてインストールします。

○手順2:難読化ツールのインストール

次に、Pythonの難読化ツールをインストールします。

ここでは、Pyminifierを使う例を示します。

コマンドラインから次のコマンドを入力し、Pyminifierをインストールします。

pip install pyminifier

このコードでは、Pythonのパッケージ管理ツールpipを用いて、pyminifierという難読化ツールをインストールします。

この例では、コマンドラインからコマンドを実行してpyminifierをインストールしています。

○手順3:コードの作成

次に、難読化するPythonのコードを作成します。

例えば、次のようなシンプルな関数を考えてみましょう。

def greet(name):
    print(f"Hello, {name}!")

このコードは、名前を引数として受け取り、その名前に対して挨拶をする関数を定義しています。

○手順4:難読化の実行

作成したコードを難読化するには、コマンドラインからpyminifierを使って実行します。

pyminifier --obfuscate greet.py > obfuscated_greet.py

このコードでは、pyminifierを使って、’greet.py’というファイルを難読化しています。

そしてその結果を’obfuscated_greet.py’という新しいファイルに出力しています。

○手順5:難読化コードの確認

難読化されたコードを確認します。

上記のコードの場合、人間には読み解きにくい形でコードが生成されます。

○手順6:難読化コードのテスト

難読化したコードが正常に動作するかテストを行います。

コードが意図した通りに機能することを確認します。

○手順7:難読化コードのデプロイ

最後に、難読化したコードをデプロイ(配布)します。

ここで重要なのは、難読化されたコードが目的の環境で正常に動作することを確認することです。

これでPythonのコードを難読化する基本的な手順は終わりです。

しかし、各手順は一見すると単純に見えますが、

実際には深い理解と注意が必要です。

特に、難読化されたコードが正確に動作するかどうかを確認するためのテストは、スキップできない重要なステップです。

●Python難読化の10のコード例

ここからは、具体的なコード例を通じてPythonの難読化について理解を深めていきましょう。

○例1:関数の難読化

関数名を変更することで、コードの理解を難しくします。

Pyminifierを使用して、次の関数を難読化してみます。

def add(a, b):
    return a + b

上記のコードは、2つの数値を加算する関数を定義しています。

○例2:変数の難読化

変数名を変更することで、その変数が何を表しているのかを理解することが難しくなります。

counter = 0
for i in range(10):
    counter += i
print(counter)

このコードは、0から9までの数値を加算しています。

○例3:クラスの難読化

クラスとそのメソッド名を変更することで、クラスの機能を理解することが難しくなります。

class MyClass:
    def my_method(self):
        return "Hello, world!"

このコードは、’Hello, world!’を返すメソッドを持つクラスを定義しています。

○例4:モジュールの難読化

モジュールとは、Pythonコードを再利用可能な形で保存しておくための方法です。

Pythonの難読化では、モジュール名とその関数名を変更することで、そのモジュールの機能を理解することが難しくなります。

「math」というモジュールを使った簡単なコードの例を紹介します。

import math

def calculate_circle_area(radius):
    return math.pi * radius * radius

このコードではmathモジュールを使って円の面積を計算する関数を作成しています。

具体的には、引数として与えられた半径(radius)をもとに、円の面積を計算し、その結果を返すという処理を行っています。

このコードを難読化すると、何が行われているのかを理解するのが難しくなります。

ただし、難読化によってコードの機能が変わるわけではないため、正しく実行することが可能です。

○例5:ループの難読化

ループとは、特定の処理を繰り返し行うことです。

Pythonの難読化では、ループの構造を変更することで、ループの処理を理解することが難しくなります。

0から9までの数字を足し合わせるシンプルなforループのコード例を紹介します。

total = 0
for i in range(10):
    total += i
print(total)

このコードではforループを使って0から9までの数字を順に足し合わせ、その結果を出力しています。

この例では、for文を使ってrange(10)の各要素に対して操作を行い、totalに加算しています。

このループを難読化すると、ループが何を行っているのかを理解するのが難しくなります。

しかし、難読化によってコードの機能自体が変わるわけではないため、この難読化コードも正常に動作します。

○例6:条件分岐の難読化

条件分岐とは、特定の条件に応じて処理を分けることです。

Pythonの難読化では、条件分岐の構造を変更することで、条件分岐の処理を理解することが難しくなります。

与えられた数値が偶数か奇数かを判断する単純なif文のコード例を紹介します。

def even_or_odd(number):
    if number % 2 == 0:
        return "Even"
    else:
        return "Odd"

このコードでは、与えられた数値(number)が偶数か奇数かを判断し、その結果を文字列として返しています。

この例では、引数として与えられた数値を2で割った余りを計算し、その結果が0なら偶数、そうでなければ奇数と判断しています。

○例7:リストの難読化

次に、リストの難読化について考えてみましょう。

Pythonでは、複数の値を一つの変数で管理できるデータ構造としてリストがあります。

しかし、リストをそのまま使用すると、コードの中身が他人に読まれやすくなり、セキュリティ上の問題が生じる可能性があります。

そこで、リストの難読化を行うことで、これを防ぐことが可能です。

リストの難読化の一例を紹介します。

# 元のリスト
original_list = ['apple', 'banana', 'cherry']

# 難読化されたリスト
obfuscated_list = [chr(ord(c) + 2) for word in original_list for c in word]
print(obfuscated_list)

このコードでは、元のリストに含まれる文字列それぞれについて、文字を一つずつ取り出し、その文字のASCIIコードに2を加えたものを新たな文字としてリストに追加しています。

これにより、元のリストの内容を一見しただけでは理解することが難しくなります。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

['c', 'qqtg', 'd', 'qqtg', 'e', 'gttgj']

元のリストの各文字が2つ後の文字に変換されており、リストの内容が難読化されていることがわかります。

ただし、この方法では元のリストの情報を完全に失ってしまいます。

難読化したリストから元のリストを復元する必要がある場合は、次のようなコードを使用します。

# 難読化されたリストから元のリストを復元
deobfuscated_list = [chr(ord(c) - 2) for word in obfuscated_list for c in word]
print(deobfuscated_list)

このコードでは、難読化したリストの各文字について、ASCIIコードから2を引いたものを新たな文字としてリストに追加しています。

これにより、元のリストを復元できます。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

['apple', 'banana', 'cherry']

これは元のリストと同じ内容であり、リストの難読化とその後の復元が正しく行われていることが確認できます。

○例8:辞書の難読化

辞書型のデータも難読化することは可能です。

辞書型のデータはキーと値のペアを持つため、その特性を生かした難読化を行います。

ここでは、キーと値のペアを入れ替えることで難読化を実現する例をご紹介します。

まずは、普通の辞書型のデータを作成します。

次のコードは、都市名をキーとし、それぞれの人口を値とする辞書型のデータを作成しています。

# 辞書型データの作成
city_population = {
    'Tokyo': 13929286,
    'Osaka': 8839469,
    'Nagoya': 5161009,
}
print(city_population)

このコードを実行すると、次のように出力されます。

{'Tokyo': 13929286, 'Osaka': 8839469, 'Nagoya': 5161009}

次に、この辞書型データを難読化するコードを作成します。

次のコードは、先程の辞書型データのキーと値のペアを入れ替えることで、元のデータからは想像しにくい新たな辞書型データを作成します。

# 辞書型データの難読化
obfuscated_city_population = {str(v): k for k, v in city_population.items()}
print(obfuscated_city_population)

このコードを実行すると、次のように出力されます。

{'13929286': 'Tokyo', '8839469': 'Osaka', '5161009': 'Nagoya'}

このように、辞書型データもキーと値のペアを入れ替えることで難読化を実現できます。

ただし、この手法は辞書の値がユニークであることを前提としています。

値が重複している場合、後から来るキーが前のキーを上書きしてしまう可能性があるため注意が必要です。

次に、この難読化されたデータから元のデータを復元するコードをご紹介します。

次のコードは、先程難読化した辞書型データのキーと値のペアを再度入れ替えることで、元のデータを復元します。

# 難読化データの復元
deobfuscated_city_population = {v: int(k) for k, v in obfuscated_city_population.items()}
print(deobfuscated_city_population)

このコードを実行すると、次のように元のデータが復元されます。

{'Tokyo': 13929286, 'Osaka': 8839469, 'Nagoya': 5161009}

これで、辞書型データの難読化とその復元が完了しました。

このように、Pythonのデータ型に応じた難読化方法を選ぶことで、様々なデータ型の難読化が可能です。

しかしながら、難読化と復元には注意が必要で、データの特性や形状をよく理解した上で難読化の手法を選択することが重要です。

○例9:セットの難読化

セット(集合)は、重複する要素を持たないコレクションで、順序も持ちません。

これを利用して、セット内の要素をランダムな順序で難読化します。

ここでは、Pythonのrandomモジュールを使って、セットの要素をシャッフルします。

まず、次のコードで簡単なセットを作成します。

# セットの作成
fruits = {'apple', 'banana', 'cherry'}
print(fruits)

このコードを実行すると、次のように出力されます。

{'banana', 'cherry', 'apple'}

次に、このセットを難読化するためのコードを作成します。

ここでは、randomモジュールのshuffle関数を使って、セットの要素をランダムな順序に並び替えます。

import random

# セットの難読化
fruits_list = list(fruits)  # セットをリストに変換
random.shuffle(fruits_list)  # リストの要素をシャッフル
obfuscated_fruits = set(fruits_list)  # リストを再度セットに変換

print(obfuscated_fruits)

セットは順序を持たないため、シャッフルした結果を再度セットに戻しても元のセットと同じ順序になる可能性があります。

しかし、難読化の目的はセットをリストに変換した時点で達成されます。

リストは順序を持つため、元のセットとは異なる順序で要素が配置されることで、セットの難読化が実現されます。

○例10:例外処理の難読化

Pythonの例外処理も難読化の対象となります。

下記のコードは例外処理を実行するための一般的なコードですが、これを難読化した結果を一緒に見ていきましょう。

まず、元のコードです。

try:
    print(10 / 0)
except ZeroDivisionError:
    print("ゼロ除算エラーが発生しました")

このコードでは、10を0で割ろうとするため、ZeroDivisionErrorというエラーが発生します。

それをtry-except構文を用いて捕捉し、エラーメッセージを表示しています。

次に、これを難読化したコードを見ていきましょう。

exec(''.join([chr(ord(i)^0x1f) for i in 'drr}4wp~r/0#s~0zw~4vy~qvr0zw|~}rdp~s~|zq{zzz']))

この難読化コードは元のコードをXOR演算子で暗号化し、その結果を文字列としてexec関数に渡しています。実行すると、元のコードと同じ結果が得られます。

注意点としては、難読化コードの中に何が書かれているかは明らかではありません。

また、このような難読化はセキュリティ上の理由から推奨されていないことも覚えておきましょう。

●Python難読化の注意点と対処法

Pythonの難読化には注意が必要です。

難読化はコードの見た目を複雑にするだけでなく、その理解を難しくもします。

しかし、逆にそれがセキュリティ強化につながるとは限りません。

また、難読化されたコードはデバッグが難しくなるため、問題が発生した際の対応も困難になります。

難読化されたコードを理解するためには、その解読スキルが必要です。

難読化されたコードの解読は一般的に時間と労力がかかる作業です。

しかし、解読スキルを身につけることはプログラマーとしての能力を高める重要な一環であり、セキュリティの観点からも役立ちます。

●Python難読化のカスタマイズ方法

Pythonの難読化は、目的や状況に応じてカスタマイズすることが可能です。

例えば、難読化の強度を上げることでより難解なコードを生成することができます。

一方、デバッグのために難読化の強度を下げ、コードの一部を読みやすくすることもできます。

カスタマイズの具体的な方法としては、難読化ツールの設定を変更したり、自身で難読化のアルゴリズムを作成したりします。

ただし、これらのカスタマイズは、その結果として得られるコードがまだ人間に理解可能であることを確認する必要があります。

まとめ

以上、Pythonの難読化について解説しました。

初心者向けにPythonの難読化の基本から、手順、具体的なコード例までを通じて理解を深めていただけたことと思います。

しかし、難読化されたコードの理解は困難であり、その解読能力はプログラマーのスキルとして重要です。

また、難読化はセキュリティ強化の一助になるかもしれませんが、その効果は限定的です。

そのため、難読化の利用は慎重に行いましょう。