Pythonの命名規則を徹底解説!10の詳細な例と使い方

Pythonの命名規則を徹底解説!10の詳細な例と使い方

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はじめに

Pythonの命名規則を理解し、適切に使用することで、コードが読みやすくなり、保守性が向上します。

特に、PythonではPEP8というコーディング規約が推奨されています。

この記事では、Pythonの命名規則を10の詳細な例とともに紹介し、それぞれの使い方を解説します。

●Pythonの命名規則とは

Pythonの命名規則とは、変数、関数、クラス、モジュールなどを識別するための名前を付ける際の規則のことを指します。

これらの命名規則は、コードの読みやすさや保守性を高めるために重要です。PEP8というPythonのコーディング規約では、これらの命名規則について詳細なガイドラインが提供されています。

●Pythonの命名規則の基本

Pythonの命名規則の基本は、全ての名前がアルファベットの文字、数字、アンダースコア(_)で構成されること、そして名前が数字で始まらないことです。

また、Pythonの組み込み関数やモジュール名などと同じ名前を避けることも重要です。

さらに、名前はその目的を明確に伝えることが求められます。

●変数名の命名規則

変数名は小文字のアルファベットとアンダースコアを組み合わせて記述します。

複数の単語から成る変数名の場合は、単語間をアンダースコアで区切ります。

この命名規則は「スネークケース」と呼ばれています。

○サンプルコード1:変数名の命名規則

Pythonの変数名の命名規則に従った例を紹介します。

sample_number = 10
user_name = "John Doe"

このコードでは、変数名sample_numberuser_nameが用いられています。

これらの変数名は全て小文字のアルファベットとアンダースコア(_)を使用して記述されており、複数の単語がアンダースコアで繋がれています。

このようにPythonの変数名の命名規則に従うことで、変数の目的が一目でわかり、コードの可読性が向上します。

このコードを実行すると、変数sample_numberには数値の10が、変数user_nameには文字列”John Doe”がそれぞれ格納されます。

●関数名の命名規則

関数名も変数名と同じく、小文字のアルファベットとアンダースコアを組み合わせて記述します。

また、関数名は動詞で始めることが一般的です。これにより、その関数が何をするのかを直感的に理解することができます。

○サンプルコード2:関数名の命名規則

Pythonの関数名の命名規則に従った例を紹介します。

def calculate_sum(numbers):
    return sum(numbers)

このコードでは、関数名calculate_sumを使用しています。

この関数名は全て小文字のアルファベットとアンダースコア(_)を使用して記述されており、複数の単語がアンダースコアで繋がれています。

さらに、この関数名は動詞で始まり、その関数が何をするのかを直感的に理解することができます。

このコードを実行し、例えばcalculate_sum([1, 2, 3])と呼び出すと、入力したリストの総和である6が返されます。

●クラス名の命名規則

Pythonでは、クラス名の命名規則も独自の特徴を持っています。

具体的には、クラス名はCamelCase(キャメルケース)スタイルで表記します。

これは、単語の初めの文字を大文字にし、残りの文字は小文字にするという規則で、例えば、「MyClass」のように記述します。

さらに、クラス名は名詞であるべきです。

なお、PEP8はクラス名にアンダースコア(_)を含めないことを推奨しています。

○サンプルコード3:クラス名の命名規則

下記のコードでは、クラス名の命名規則を適用した例を表しています。

class MyFirstClass:
    def __init__(self):
        pass

class AnotherClass:
    def __init__(self):
        pass

このコードでは、「MyFirstClass」と「AnotherClass」の二つのクラスを定義しています。

どちらのクラス名もキャメルケースで書かれ、単語の最初の文字が大文字になっています。

また、アンダースコア(_)は一切含まれていません。

●定数名の命名規則

次に、定数の命名規則について見ていきましょう。Pythonでは、定数は全て大文字で書くのが慣習とされています。

ただし、Pythonには言語的な定数の概念がないため、厳密には定数というものは存在しません。

ですが、プログラマが変更されるべきでないと意図する値を全て大文字で表現することで、定数として扱います。

○サンプルコード4:定数名の命名規則

下記のコードでは、定数名の命名規則を適用した例を示しています。

MAX_SIZE = 100
PI = 3.1415926535

このコードでは、「MAX_SIZE」と「PI」の二つの定数を定義しています。

どちらも全て大文字で書かれており、それぞれ100と3.1415926535という値を持っています。

●モジュール名の命名規則

最後に、モジュール名の命名規則についてです。Pythonのモジュール名は全て小文字で書くことが推奨されています。

また、必要に応じてアンダースコア(_)を使うことも許可されています。

しかし、可能な限り短く、かつ説明的な名前にすることが重要です。

○サンプルコード5:モジュール名の命名規則

下記のコードでは、モジュール名の命名規則を適用した例を示しています。

# ファイル名: my_module.py

def do_something():
    pass

def do_another_thing():
    pass

このコードでは、「my_module.py」というモジュール名を定義しています。

この名前は全て小文字で書かれており、複数の単語が必要な場合はアンダースコア(_)を使っています。

●Pythonの命名規則の応用例

Pythonの命名規則を活用すれば、コードが非常に読みやすく、理解しやすくなります。

それでは、ここでいくつかの実用的な例を挙げて、Pythonの命名規則がどのように役立つのかを詳しく解説していきましょう。

○サンプルコード6:命名規則の応用例

下記のコードでは、Pythonの命名規則を応用した例を表しています。

class Car:
    MAX_SPEED = 200

    def __init__(self, color):
        self.color = color

    def drive(self, speed):
        if speed <= Car.MAX_SPEED:
            print(f'{self.color}の車は{speed}kmで走行します。')
        else:
            print(f'速度が上限の{Car.MAX_SPEED}kmを超えています。')

my_car = Car('赤')
my_car.drive(150)
my_car.drive(220)

このコードでは、Carというクラスを定義し、その中にMAX_SPEEDという定数、colorというインスタンス変数、driveというメソッドを設定しています。

そして、そのCarクラスを使ってmy_carというインスタンスを生成し、driveメソッドを使って車を走らせています。

全体的にPythonの命名規則に従った名前が使用されており、その結果、コードが非常に読みやすくなっています。

実行すると、まず150kmで走行するメッセージが表示され、次に速度が上限を超えているという警告メッセージが表示されます。

●注意点と対処法

Pythonの命名規則は、あくまでコードが読みやすく、理解しやすいように設計されています。

しかし、時として命名規則に従うことでコードが冗長になり、逆に読みにくくなる場合もあります。

そのような場合は、状況に応じて命名規則を適宜調整することも大切です。

ただし、その際には他の開発者が理解しやすいように、なるべく明確で一貫性のある名前を使用するように心掛けましょう。

また、Pythonの命名規則はあくまで「規則」であり、「法則」ではありません。

つまり、これらの規則を破ることでエラーが発生するわけではありません。

しかし、Pythonのコミュニティではこれらの規則を尊重することが期待されています。

これらの規則を無視すると、他のPython開発者から批判を受ける可能性があります。

●Pythonの命名規則のカスタマイズ方法

Pythonの命名規則は非常に柔軟であり、プロジェクトのニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。

しかし、カスタマイズする際には、それがコードの可読性や一貫性を損なわないように注意する必要があります。

また、カスタマイズした規則は、プロジェクトのドキュメンテーションに明記しておくと良いでしょう。

これにより、他の開発者が新しい規則を理解し、適用するのが容易になります。

○サンプルコード7:命名規則のカスタマイズ方法

例えば、特定のプロジェクトで一部の関数名を全て大文字で書くというカスタマイズを適用したい場合、次のようにコードを書くことができます。

def ADD(a, b):
    return a + b

result = ADD(5, 3)
print(result)

このコードでは、通常は小文字とアンダースコアを使って命名する関数名を、全て大文字で記述しています。

しかし、これが特定のプロジェクトのルールであると明記しておけば、他の開発者もこのルールに従ってコードを書くことができます。

このコードを実行すると、8という結果が表示されます。

これは、ADD関数が5と3を引数として受け取り、その和を返しているからです。

まとめ

以上、Pythonの命名規則についての詳細な解説を行いました。

基本的な命名規則から応用例、注意点、カスタマイズ方法まで、全10項目にわたってPythonの命名規則を徹底的に解説しました。

これで、あなたもPythonの命名規則を理解し、実践することが可能になったはずです。

Pythonの命名規則は、あなたのコードを読みやすく、理解しやすくするための重要な道具です。

これらの規則を守ることで、あなたのコードは他のPython開発者にとっても容易に理解できるものとなります。

最後に、命名規則はあくまで道具であり、それを使いこなすのはあなた自身です。

あなたのコードが、より読みやすく、理解しやすいものになるように、Pythonの命名規則を活用してみてください。