Pythonで手軽に実装!ローパスフィルタの完全ガイド8選

Pythonでローパスフィルタを実装するステップバイステップガイドのイメージPython
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はじめに

今日、私たちはローパスフィルタについて学びます。

さらには、Pythonを使ってそのローパスフィルタを実装する方法を探ります。

この記事は初心者向けに書かれていますので、Pythonやデジタル信号処理の基礎知識がない方でも大丈夫です。

●Pythonとは

Pythonは、コードが読みやすく、明確な構文を持つプログラミング言語です。

そのため、初心者でも扱いやすいと評価されています。

データ分析や機械学習、ウェブ開発など幅広い分野で利用されています。

●ローパスフィルタとは

ローパスフィルタは、一定のカットオフ周波数以下の信号を通過させ、それ以上の高周波数の信号を減衰または除去するフィルタです。

これにより、データからノイズを取り除き、重要な信号だけを取り出すことができます。

●Pythonでのローパスフィルタの実装

Pythonでローパスフィルタを実装するには、数値計算ライブラリであるNumPyと、科学技術計算ライブラリであるSciPyを使用します。

○サンプルコード1:ローパスフィルタの基本的な実装

まずは最も基本的なローパスフィルタの実装から始めましょう。

このコードでは、SciPyのsignalモジュールを使ってローパスフィルタを作成し、信号に適用しています。

import numpy as np
from scipy import signal

# サンプルレートとカットオフ周波数を定義
sample_rate = 1000
cutoff_freq = 100

# バターワースローパスフィルタを設計
nyquist_freq = 0.5 * sample_rate
normal_cutoff = cutoff_freq / nyquist_freq
b, a = signal.butter(5, normal_cutoff, btype='low')

# ホワイトノイズにローパスフィルタを適用
t = np.linspace(0, 1, sample_rate, False)
signal = np.sin(1.2*2*np.pi*t) + 1.5*np.cos(9*2*np.pi*t) + 0.5*np.sin(12.0*2*np.pi*t)
filtered_signal = signal.signal(b, a, signal)

print(filtered_signal)

この例では、ホワイトノイズ信号に対してバターワースローパスフィルタを適用し、その結果を出力しています。

バターワースフィルタは、カットオフ周波数を超えた信号を急速に減衰させる特性を持つため、ローパスフィルタとしてよく用いられます。

○サンプルコード2:高周波ノイズの除去

次に、高周波ノイズが混じった信号から、そのノイズを取り除く例を見てみましょう。

# ノイズ混じりの信号を生成
noisy_signal = np.sin(1.2*2*np.pi*t) + 1.5*np.cos(9*2*np.pi*t) + 0.5*np.sin(12.0*2*np.pi*t)
noisy_signal += np.random.normal(0, 1, noisy_signal.shape)

# ローパスフィルタを適用
filtered_signal = signal.signal(b, a, noisy_signal)

print(filtered_signal)

このコードでは、まずノイズが混入した信号を生成しています。

その後、先ほど設計したローパスフィルタを適用し、ノイズを除去しています。

○サンプルコード3:音声データのフィルタリング

ローパスフィルタは、音声データのフィルタリングにも用いられます。

下記のコードは、WAVファイルを読み込み、ローパスフィルタでフィルタリングを行う例です。

from scipy.io import wavfile

# WAVファイルを読み込む
sample_rate, data = wavfile.read('input.wav')

# ローパスフィルタを設計
nyquist_freq = 0.5 * sample_rate
normal_cutoff = cutoff_freq / nyquist_freq
b, a = signal.butter(5, normal_cutoff, btype='low')

# ローパスフィルタを適用
filtered_data = signal.filtfilt(b, a, data)

# フィルタリングしたデータをWAVファイルに書き出す
wavfile.write('output.wav', sample_rate, filtered_data.astype(np.int16))

この例では、まずscipy.io.wavfileモジュールを使ってWAVファイルを読み込んでいます。

次に、先ほどと同様にローパスフィルタを設計し、音声データに適用しています。

最後に、フィルタリングしたデータを新たなWAVファイルとして書き出しています。

●Pythonでローパスフィルタを使うためのヒント

○ライブラリの選択

Pythonでローパスフィルタを実装するためには、NumPyやSciPyの他にも、matplotlibやpandasといったライブラリが有用です。

これらのライブラリはPythonの科学計算エコシステムの一部を成しており、データ分析や可視化を容易に行うことができます。

○パラメータの調整

ローパスフィルタの設計においては、カットオフ周波数やフィルタの次数などのパラメータの選択が重要です。

これらのパラメータは、フィルタの振る舞いと性能に大きく影響します。

フィルタの次数はフィルタの複雑さを表し、カットオフ周波数はフィルタが信号を通過させる周波数の上限を定義します。

●Pythonでのローパスフィルタの応用例

ローパスフィルタは様々な応用が可能です。

○サンプルコード4:イメージデータの平滑化

ローパスフィルタは、イメージデータを平滑化するためにも使用できます。

この例では、画像ファイルを読み込み、ローパスフィルタを適用してノイズを除去し、平滑化した画像を出力します。

from scipy import ndimage
from PIL import Image

# 画像ファイルを読み込む
image = Image.open('input.png')
image = np.array(image)

# ローパスフィルタを適用
lowpass_image = ndimage.gaussian_filter(image, sigma=3)

# 平滑化した画像をファイルに書き出す
Image.fromarray(lowpass_image.astype(np.uint8)).save('output.png')

○サンプルコード5:生物学的信号の分析

生物学的信号、例えば脳波(EEG)や心電図(ECG)などの解析にもローパスフィルタは用いられます。

下記のコードは、ECGデータを読み込み、ローパスフィルタを適用して高周波ノイズを除去する例です。

# ECGデータを読み込む
ecg_data = np.load('ecg_data.npy')

# ローパスフィルタを設計
nyquist_freq = 0.5 * sample_rate
normal_cutoff = cutoff_freq / nyquist_freq
b, a = signal.butter(5, normal_cutoff, btype='low')

# ローパスフィルタを適用
filtered_ecg = signal.filtfilt(b, a, ecg_data)

print(filtered_ecg)

●Pythonでのローパスフィルタの注意点と対策

ローパスフィルタを適用する際には、適切なカットオフ周波数の選択が重要です。

低すぎると必要な信号までカットされてしまいますし、高すぎるとノイズが除去されません。

また、フィルタの次数も考慮に入れる必要があります。

次数が高いほどフィルタの応答は急峻になりますが、計算量が増え、リアルタイム処理に適さなくなる可能性があります。

また、デジタルフィルタをデータに適用する際には、フィルタの初期状態を適切に設定することが重要です。

初期状態が不適切だと、フィルタリングの結果に影響を与える可能性があります。

以上のように、Pythonでローパスフィルタを実装する際には、ローパスフィルタの特性とPythonの各種ライブラリの特性を理解し、適切にパラメータを設定することが求められます。

まとめ

本記事では、Pythonでローパスフィルタを実装するための基本的なステップとコードを紹介しました。

これらの知識を利用すれば、Pythonでのローパスフィルタの実装が手軽にできるようになります。

これからローパスフィルタを使ったデータ処理を行う方々の一助になれば幸いです。