完全ガイド!Pythonで録音機能を作る5ステップ

Pythonを使って録音機能を作る方法を表すイメージPython
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

Pythonとその機能について初めて学ぶ方へ、録音機能の作り方について説明します。

本記事では、Pythonで録音機能を作るための具体的な手順と実用的なサンプルコードを提供します。

初心者でも安心して取り組むことができます。

●Pythonとは

Pythonは、1991年に開発されたプログラミング言語で、その簡潔で読みやすいコードから、初心者にも習得しやすいと広く認識されています。

また、その汎用性と豊富なライブラリにより、Web開発、データ分析、AI開発、そして今回のテーマである音声処理など、幅広い領域で活用されています。

○Pythonの特徴

Pythonの主な特徴は、シンプルな文法と豊富なライブラリです。特にPythonの文法は英語に近く、初心者が学びやすいのが特徴です。

また、Pythonの強力なライブラリはその機能を大幅に拡張し、Pythonだけでなく他の言語でも使用されます。

●Pythonで録音するために必要なライブラリ

Pythonで録音機能を作るためには、「sounddevice」と「scipy」という2つのライブラリが必要です。

○sounddeviceライブラリ

sounddeviceは、Pythonで高水準のオーディオ操作を提供するライブラリです。

具体的には、音声の録音や再生を可能にします。

○scipyライブラリ

scipyは、科学計算や数値計算を行うためのライブラリで、ここでは、録音データの保存に使用します。

●録音機能を作る手順

Pythonで録音機能を作るための手順は次の通りです。

○ライブラリのインストール

まずは、必要なライブラリをインストールします。Pythonのパッケージ管理システムであるpipを使用します。

下記のコードを実行して、sounddeviceとscipyをインストールします。

pip install sounddevice scipy

○録音機能の作成

次に、録音機能を作成します。

下記の3つのサンプルコードで、基本的な録音機能、録音時間の指定、録音データの保存という3つの機能を作ります。

□サンプルコード1:基本的な録音機能

このコードでは、sounddeviceライブラリを使って音声を録音する基本的な機能を作成します。

この例では、5秒間の音声を録音します。

import sounddevice as sd

duration = 5  # seconds

recording = sd.rec(int(duration * 44100), samplerate=44100, channels=2)
sd.wait()

□サンプルコード2:録音時間を指定する機能

このコードでは、録音時間を指定する機能を追加します。

この例では、ユーザーから入力された秒数の音声を録音します。

import sounddevice as sd

duration = int(input("Enter duration in seconds: "))  # user input for duration

recording = sd.rec(int(duration * 44100), samplerate=44100, channels=2)
sd.wait()

□サンプルコード3:録音した音声の保存機能

このコードでは、scipyライブラリを使って録音した音声を.wavファイルとして保存する機能を追加します。

この例では、”output.wav”という名前で音声データを保存します。

import sounddevice as sd
from scipy.io.wavfile import write

duration = int(input("Enter duration in seconds: "))  # user input for duration

recording = sd.rec(int(duration * 44100), samplerate=44100, channels=2)
sd.wait()

write('output.wav', 44100, recording)  # save as wav file

○サンプルコードの詳細な説明

上記のコードでは、まず最初に必要なライブラリをインポートします。

次に、録音時間を指定します。

そして、sd.rec()関数を使って指定した時間だけ録音します。

最後に、write()関数を使って録音したデータを.wavファイルとして保存します。

コードを実行すると、指定した時間だけ音声を録音し、”output.wav”という名前のファイルとして保存します。

保存したファイルは、コードを実行したディレクトリに生成されます。

●録音機能の応用例

録音機能をさらに応用すると、リアルタイムで音声を分析する機能や、音声コマンドを認識する機能などを作ることができます。

○サンプルコード4:リアルタイムで音声を分析する機能

このコードでは、リアルタイムで音声を分析する機能を紹介します。

この例では、録音される音声データをリアルタイムで分析し、音の大きさを計算しています。

import sounddevice as sd
import numpy as np

def audio_callback(indata, frames, time, status):
    volume_norm = np.linalg.norm(indata) * 10
    print("Volume:", volume_norm)

stream = sd.InputStream(callback=audio_callback)
with stream:
    sd.sleep(duration * 1000)

○サンプルコード5:音声コマンドを認識する機能

このコードでは、音声コマンドを認識する機能を紹介します。

この例では、Googleの音声認識APIを使って、録音した音声をテキストに変換し、特定のコマンドを認識します。

import sounddevice as sd
from scipy.io.wavfile import write
import speech_recognition as sr

duration = 5  # seconds

recording = sd.rec(int(duration * 44100), samplerate=44100, channels=2)
sd.wait()

write('output.wav', 44100, recording)  # save as wav file

r = sr.Recognizer()
with sr.AudioFile('output.wav') as source:
    audio_data = r.record(source)
    text = r.recognize_google(audio_data)
    print(text)

これらの応用例では、録音した音声データをさらに加工して、新たな機能を作ることができます。

●注意点と対処法

録音機能を実装する際の注意点と対処法を次に示します。

○音質の問題と対処法

録音される音声の品質は、使用するマイクの性能や環境音などによって左右されます。

可能な限り、高品質のマイクを使用し、静かな環境で録音することをおすすめします。

○録音時間の調整

録音時間は、sd.rec()関数の引数で指定します。

この値を調整することで、録音時間を自由に設定することができます。

○音声データの保存形式の選択

音声データの保存形式は、write()関数で.wav形式で保存します。

他の形式で保存したい場合は、適切なライブラリを用いて保存します。

●カスタマイズ方法

○録音品質の改善

録音品質を改善するには、サンプリングレートを高く設定します。

ただし、サンプリングレートが高いほど、生成される音声ファイルのサイズも大きくなります。

○マイク選択のカスタマイズ

使用するマイクを選択するには、sd.default.deviceを設定します。

これにはマイクのIDを指定します。

○録音機能のUI作成

録音機能のUIを作成するには、PythonのGUIライブラリであるTkinterを利用できます。

ユーザーが直感的に操作できるUIを作成することで、録音機能の使いやすさを向上させることができます。

まとめ

Pythonを使って録音機能を作る方法を解説しました。

Pythonの豊富なライブラリを利用すれば、初心者でも簡単に録音機能を実装することができます。

音声関連の機能をPythonで開発したい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。