Pythonを活用した画像認識の全手順解説!7つのステップでプロへ

Pythonと画像認識を学ぶコンピュータープログラマーのイラストPython
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基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

Pythonを使った画像認識の手法を探していますか?

あなたが初めての人であろうと、既に経験を持つプロフェッショナルであろうと、このガイドはあなたに適しています。

私たちはPythonの世界に浸り、その強力な画像認識能力を探求します。

記事全体を通して、Pythonでの画像認識についての概念を掴み、具体的な手法を学び、最後にはプロとしてのスキルを磨き上げることを目指します。

●Pythonとは

Pythonは、簡潔で読みやすい文法を特徴とする、汎用の高レベルプログラミング言語です。

その柔軟性と優れたライブラリのサポートにより、データ分析、ウェブ開発、機械学習など、様々な分野で広く使用されています。

特に、今日私たちが焦点を当てる画像認識では、Pythonの力が十分に発揮されます。

●画像認識の基礎

画像認識とは、コンピュータが画像を解析し、特定のオブジェクト、人物、シーン、アクティビティを「認識」する技術のことを指します。

それは、画像に含まれるデータを抽出し、理解し、分類するための手法を組み合わせたものです。

この分野は、自動運転車、顔認識、医療画像解析など、あらゆる産業で重要な役割を果たしています。

●Pythonにおける画像認識ライブラリ

Pythonでの画像認識では、いくつかの強力なライブラリが役立ちます。

それらはOpenCVとPIL(Python Imaging Library)です。

○OpenCV

OpenCV(Open Source Computer Vision Library)は、画像認識とコンピュータビジョンに関する2000以上の最適化されたアルゴリズムを提供するオープンソースライブラリです。

□OpenCVのインストール方法

OpenCVをインストールするにはPythonのパッケージ管理ツールであるpipを使います。

コマンドプロンプトやターミナルを開き、次のコマンドを実行します。

pip install opencv-python

このコードでは、pipを使ってPythonのためのOpenCVをインストールするコードを紹介しています。

この例では、パッケージ管理ツールpipを使用して、コマンドラインからOpenCVをインストールしています。

□OpenCVでの画像読み込みと表示

下記のコードは、OpenCVを使用して画像を読み込み、表示する一例です。

import cv2

image = cv2.imread('sample.jpg')
cv2.imshow('Sample Image', image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()

このコードでは、cv2モジュールを使って画像を読み込み、表示するコードを紹介しています。

この例では、’sample.jpg’という名前の画像ファイルを読み込み、それを新しいウィンドウで表示しています。

□OpenCVでの画像処理

OpenCVは画像の読み込みだけでなく、画像の色調補正、フィルタリング、エッジ検出など、様々な画像処理機能を提供します。

下記のコードは、画像をグレースケールに変換する一例です。

import cv2

image = cv2.imread('sample.jpg')
gray_image = cv2.cvtColor(image, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
cv2.imshow('Grayscale Image', gray_image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()

このコードでは、cv2モジュールを使って画像を読み込み、グレースケールに変換するコードを紹介しています。

この例では、’sample.jpg’という名前の画像ファイルを読み込み、それをグレースケールに変換し、新しいウィンドウで表示しています。

○PIL

PIL(Python Imaging Library)は、Pythonで画像ファイルを扱うためのライブラリです。

画像の読み込み、表示、変換、加工など、基本的な画像処理機能が提供されています。

□PILのインストール方法

PILはPillowという名前でパッケージ化されています。

Pillowをインストールするには、次のpipコマンドを実行します。

pip install Pillow

このコードでは、pipを使ってPythonのためのPillow(PIL)をインストールするコードを紹介しています。

この例では、パッケージ管理ツールpipを使用して、コマンドラインからPillowをインストールしています。

□PILでの画像読み込みと表示

下記のコードは、PILを使用して画像を読み込み、表示する一例です。

from PIL import Image

image = Image.open('sample.jpg')
image.show()

このコードでは、Pillowモジュールを使って画像を読み込み、表示するコードを紹介しています。

この例では、’sample.jpg’という名前の画像ファイルを読み込み、それを新しいウィンドウで表示しています。

□PILでの画像処理

PILもまた、様々な画像処理機能を提供します。

下記のコードは、画像を回転させる一例です。

from PIL import Image

image = Image.open('sample.jpg')
rotated_image = image.rotate(45)
rotated_image.show()

このコードでは、Pillowモジュールを使って画像を読み込み、45度回転させるコードを紹介しています。

この例では、’sample.jpg’という名前の画像ファイルを読み込み、それを45度回転させて新しいウィンドウで表示しています。

●Pythonでの画像認識の基本的な手法

画像認識にはさまざまな方法がありますが、ここではPythonを使用した2つの基本的な手法、テンプレートマッチングと特徴量マッチングについて説明します。

○テンプレートマッチング

テンプレートマッチングは、特定の画像(テンプレート)が検索対象の画像中にどこに存在するかを見つける方法です。

PythonのOpenCVライブラリを使用すれば、この方法で画像内の特定パターンを検出することが可能となります。

□テンプレートマッチングのサンプルコード

下記のコードは、OpenCVを用いたテンプレートマッチングの一例です。

ここでは’template.jpg’というテンプレート画像を使用し、’image.jpg’という検索対象画像中からテンプレートと一致する部分を探し出します。

import cv2
import numpy as np

# 画像とテンプレートを読み込む
image = cv2.imread('image.jpg',0)
template = cv2.imread('template.jpg',0)

# テンプレートマッチングを行う
res = cv2.matchTemplate(image, template, cv2.TM_CCOEFF_NORMED)

# 閾値を超える箇所を見つける
threshold = 0.8
loc = np.where( res >= threshold)

# 矩形で該当箇所を図示する
for pt in zip(*loc[::-1]):
    cv2.rectangle(image, pt, (pt[0] + w, pt[1] + h), (0,0,255), 2)

# 結果を表示する
cv2.imshow('Detected',image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()

このコードを実行すると、’image.jpg’画像の中から’template.jpg’と一致する部分が赤色の矩形で囲まれ、新しいウィンドウでその結果が表示されます。

ここでは閾値を0.8と設定し、この値以上の一致度を示す箇所が検出対象となります。

○特徴量マッチング

特徴量マッチングは、画像から特徴的な部分(特徴量)を抽出し、それらを比較することで画像間の類似度を評価する方法です。

この手法はテンプレートマッチングよりも柔軟性があり、画像のスケールや回転に対してロバストな結果を得ることができます。

□特徴量マッチングのサンプルコード

下記のコードは、OpenCVのORB(Oriented FAST and Rotated BRIEF)アルゴリズムを使用した特徴量マッチングの一例です。

import cv2
import numpy as np

# 画像を読み込む
img1 = cv2.imread('image1.jpg',0)
img2 = cv2.imread('image2.jpg',0)

# ORBを初期化する
orb = cv2.ORB_create()

# 特徴量を検出する
kp1, des1 = orb.detectAndCompute(img1,None)
kp2, des2 = orb.detectAndCompute(img2,None)

# 特徴量マッチングを行う
bf = cv2.BFMatcher(cv2.NORM_HAMMING, crossCheck=True)
matches = bf.match(des1,des2)

# マッチング結果を距離でソートする
matches = sorted(matches, key = lambda x:x.distance)

# 最初の10件のマッチング結果を表示する
img3 = cv2.drawMatches(img1,kp1,img2,kp2,matches[:10],None, flags=2)

cv2.imshow('Matches', img3)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()

このコードを実行すると、’image1.jpg’と’image2.jpg’の間で特徴量マッチングが行われ、最も良好な10つのマッチが描画された結果が新しいウィンドウで表示されます。

●深層学習による画像認識

深層学習は、人間の脳の神経回路網を模倣した人工ニューラルネットワークの一種で、多層にわたる複雑なパターンを学習する能力があります。

この手法を用いれば、画像全体を直接入力として利用し、より高度な認識タスクを実現できます。

○深層学習とは

深層学習は、大量のデータから複雑なパターンを自動的に学習する機械学習の一種です。

人工ニューラルネットワークの深い層構造を利用して、入力データの抽象的な特徴を捉え、それを基に予測や分類を行います。

これにより、手動で特徴量を設計する必要がなくなり、高度な画像認識タスクを実現できます。

○Pythonでの深層学習ライブラリ

Pythonでは、深層学習を実行するための様々なライブラリが提供されています。

その中でも代表的なものは「Keras」や「TensorFlow」、「PyTorch」などです。

これらのライブラリを使うと、多層ニューラルネットワークの設計、学習、評価を簡単に行うことができます。

□深層学習による画像認識のサンプルコード

下記のコードは、Kerasを用いた深層学習による画像認識の一例です。

ここでは、CIFAR-10という10クラスの画像データセットを用いて分類問題を解くネットワークを学習しています。

from keras.datasets import cifar10
from keras.models import Sequential
from keras.layers import Dense, Flatten
from keras.utils import np_utils

# データのロード
(X_train, y_train), (X_test, y_test) = cifar10.load_data()

# データの正規化
X_train = X_train.astype('float32') / 255.0
X_test = X_test.astype('float32') / 255.0

# ラベルのOne-hot encoding
y_train = np_utils.to_categorical(y_train, 10)
y_test = np_utils.to_categorical(y_test, 10)

# モデルの定義
model = Sequential()
model.add(Flatten(input_shape=(32, 32, 3)))
model.add(Dense(512, activation='relu'))
model.add(Dense(10, activation='softmax'))

# モデルのコンパイル
model.compile(loss='categorical_crossentropy', optimizer='adam', metrics=['accuracy'])

# モデルの学習
model.fit(X_train, y_train, batch_size=32, epochs=20)

# モデルの評価
loss, accuracy = model.evaluate(X_test, y_test)
print('Test loss:', loss)
print('Test accuracy:', accuracy)

このコードでは、まずCIFAR-10のデータセットをロードし、その画像データを正規化(0から1の範囲に収める)します。

次に、出力ラベルをone-hot encodingという形式に変換します。

これは、たとえばクラス2を表すラベルは[0, 0, 1, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0]というような形になります。

その後、モデルを定義し、コンパイルします。

このモデルは、32×32ピクセルのカラー画像を入力とし、それが10クラスのうちどれに分類されるかを出力します。

最後に、このモデルを学習データに適合させ、テストデータで評価します。

●注意点と対処法

Pythonを用いた画像認識には多くの可能性がありますが、同時にいくつかの注意点もあります。

それらに気をつけることで、より効果的なコードを書くことができるでしょう。

1.データの準備と前処理

画像認識は大量のデータを必要とします。

適切なデータを集め、正規化やオーギュメンテーションなどの前処理を行うことが重要です。

2.適切なモデルの選択

画像認識のタスクには、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)やResNetなど、さまざまな種類のモデルがあります。

タスクの性質によって最適なモデルは異なるため、その選択は重要です。

3.計算資源

画像認識には大量の計算資源が必要です。

特に深層学習のモデルは、大量のデータと時間を必要とします。

適切なハードウェアやクラウドサービスの選択が必要となります。

4.過学習の防止

モデルが訓練データに過剰に適合すると、未知のデータに対する性能が低下する問題、つまり過学習が発生します。

これを防ぐためには、ドロップアウトや正則化などのテクニックが用いられます。

例えば、Kerasで過学習を防ぐためにドロップアウトを使用する場合のコードは次のようになります。

from keras.models import Sequential
from keras.layers import Dense, Dropout, Flatten

model = Sequential()
model.add(Flatten(input_shape=(32, 32, 3)))
model.add(Dense(512, activation='relu'))
model.add(Dropout(0.5))  # ドロップアウトを追加
model.add(Dense(10, activation='softmax'))

このコードでは、全結合層の後にDropout層を追加しています。Dropout層は訓練中にランダムにノードを無効化(つまり、そのノードの出力を0に設定)し、モデルの過学習を防ぎます。

ここでは、全結合層の約50%のノードを無効化しています。

このように注意点を把握し、適切な手法を選択することで、Pythonを活用した画像認識のコードはさらにパワーアップします。

まとめ

Pythonを用いた画像認識の全手順を学び、実際にコードを書きながら理解を深めてきました。

まず、Pythonの基本を理解し、次にOpenCVでの画像処理の基本的な手法を学びました。

その後、深層学習を用いた画像認識の基本を把握し、Kerasを使って実際の画像認識のコードを書きました。

そして最後に、注意点と対処法を学び、過学習を防ぐためのドロップアウトの使用方法を学びました。

これらの手法と知識を組み合わせることで、あなたもPythonでの画像認識のプロに一歩近づくことができるでしょう。

これからも、Pythonや画像認識に関する新たな情報や技術が続々と登場します。

そのたびに新しい知識を吸収し、スキルを磨き続けることが重要です。

これからもPythonと画像認識の学習を続けていきましょう。