Pythonによるピーク検出!10の手法を繰り返し使いこなせ! – Japanシーモア

Pythonによるピーク検出!10の手法を繰り返し使いこなせ!

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はじめに

世の中には様々なデータが溢れており、そのデータから何らかの特徴を捉えたり、パターンを見つけることはデータ分析の重要な一部です。

ピーク検出とは、データの波形から最高点や最低点を見つける手法の一つです。

Pythonを用いてピーク検出を行うことで、さまざまなデータ分析や信号処理が可能になります。

本記事では、Pythonを用いたピーク検出の基本から応用、さらには注意点やカスタマイズ方法について詳しく解説します。

●Pythonとピーク検出の基本

○Pythonについて

Pythonは汎用性が高く、シンプルな文法が特徴的なプログラミング言語で、データ分析、機械学習、ウェブ開発など、幅広い分野で使用されています。

また、Pythonには数値計算やグラフ描画、データ分析などを行うための便利なライブラリが豊富に用意されているため、非常に人気があります。

○ピーク検出とは

ピーク検出とは、データの中から極大値や極小値(ピーク)を見つけ出す手法のことを指します。

信号処理やデータ分析において、ピークはデータの特徴を表す重要なポイントとなるため、その検出は重要です。

●Pythonでピーク検出を行う方法

ピーク検出には様々な手法が存在します。

ここでは、Pythonを用いた基本的な手法から応用的な手法まで、10の方法を紹介します。

○サンプルコード1:基本的なピーク検出

Pythonで最も基本的なピーク検出を行うには、SciPyライブラリのfind_peaks関数を使用します。

下記のコードは、ランダムなデータからピークを検出する例です。

このコードではnumpyを使って乱数を生成し、scipyfind_peaksでピークを検出しています。

import numpy as np
from scipy.signal import find_peaks

# ランダムなデータの生成
np.random.seed(0)
data = np.random.randn(1000)

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(data)

print(peaks)

このコードを実行すると、ランダムに生成されたデータからピークの位置が出力されます。ピークの位置は、データのインデックスで表示されます。

○サンプルコード2:閾値を設定したピーク検出

次に、ある閾値以上のピークのみを検出するコードを見てみましょう。

ここでもfind_peaks関数を使用しますが、閾値を設定するためにheightパラメータを使用します。

下記のコードでは、0以上のピークのみを検出します。

# ピークの検出(閾値0以上)
peaks, _ = find_peaks(data, height=0)

print(peaks)

このコードを実行すると、0以上のピークの位置が出力されます。

閾値を設定することで、特定の条件を満たすピークのみを検出することが可能です。

○サンプルコード3:ピーク検出の結果の可視化

ピーク検出の結果を可視化することで、データの特徴をより直感的に理解することができます。

Pythonのmatplotlibライブラリを使用して、データとピークの位置をグラフに描画することができます。

下記のコードでは、データとピークの位置を描画しています。

import matplotlib.pyplot as plt

# データの描画
plt.plot(data)

# ピークの位置を描画
plt.plot(peaks, data[peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、ピークの位置が”x”マークで描画されたグラフが出力されます。データのピークを視覚的に確認することが可能です。

○サンプルコード4:ピーク検出の結果の分析

ピーク検出の結果から、ピークの数やピークの値の平均、ピーク間の距離など、様々な情報を抽出することが可能です。

下記のコードでは、ピークの数とピークの値の平均を計算しています。

# ピークの数
num_peaks = len(peaks)

# ピークの値の平均
avg_peak_height = np.mean(data[peaks])

print("Number of peaks:", num_peaks)
print("Average peak height:", avg_peak_height)

このコードを実行すると、ピークの数とピークの値の平均が出力されます。

これらの情報は、データの特徴を把握する上で有用な情報となります。

●Pythonでピーク検出の応用例

ピーク検出は、様々な分野で活用することができます。

それでは、具体的な応用例をいくつか紹介していきます。

○サンプルコード5:信号処理におけるピーク検出

信号処理においては、ピーク検出は信号の特性を理解するための重要な手法となります。

下記のコードは、サイン波形からピークを検出する例です。

この例ではnumpyでサイン波形を生成し、find_peaksでピークを検出しています。

# サイン波形の生成
time = np.linspace(0, 10, 500)
data = np.sin(time)

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(data)

# データとピークの描画
plt.plot(time, data)
plt.plot(time[peaks], data[peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、サイン波形からピークの位置が描画されたグラフが出力されます。

ピークの位置はサイン波の山の位置に一致していることが視覚的に確認できます。

○サンプルコード6:データ分析におけるピーク検出

データ分析においても、ピーク検出はデータの特性を理解するための重要な手法となります。

下記のコードは、株価のデータからピークを検出する例です。

この例ではpandasで株価データを読み込み、find_peaksでピークを検出しています。

import pandas as pd

# 株価データの読み込み
data = pd.read_csv('stock_price.csv')

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(data['Close'])

# データとピークの描画
plt.plot(data['Close'])
plt.plot(peaks, data['Close'][peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、株価のピークの位置が描画されたグラフが出力されます。

ピークの位置は株価の山の位置に一致していることが視覚的に確認できます。

○サンプルコード7:音声解析におけるピーク検出

音声解析でもピーク検出は有用な手法です。

音声信号のピークを検出することで、音量の高い部分や音声の特性を理解することができます。

下記のコードは、音声ファイルからピークを検出する例を紹介します。

この例ではscipy.io.wavfileを用いて音声データを読み込み、find_peaksでピークを検出しています。

from scipy.io import wavfile

# 音声データの読み込み
sample_rate, data = wavfile.read('audio.wav')

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(data)

# データとピークの描画
time = np.arange(len(data)) / sample_rate
plt.plot(time, data)
plt.plot(time[peaks], data[peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、音声波形からピークの位置が描画されたグラフが出力されます。

ピークの位置は音量が大きい部分に一致していることが視覚的に確認できます。

○サンプルコード8:画像処理におけるピーク検出

画像処理においても、ピーク検出は画像の特性を理解するための重要な手法となります。

下記のコードは、画像の輝度ヒストグラムからピークを検出する例です。

この例ではmatplotlib.imageで画像データを読み込み、find_peaksでピークを検出しています。

import matplotlib.image as mpimg

# 画像データの読み込み
img = mpimg.imread('image.png')

# 輝度ヒストグラムの計算
histogram, bins = np.histogram(img.flatten(), bins=256, range=[0,256])

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(histogram)

# データとピークの描画
plt.plot(bins[:-1], histogram)
plt.plot(bins[peaks], histogram[peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、輝度ヒストグラムからピークの位置が描画されたグラフが出力されます。

ピークの位置は画像の主要な輝度レベルに一致していることが視覚的に確認できます。

○サンプルコード9:株価のピーク検出

経済データ分析においても、ピーク検出は重要な情報を得るための手法です。

下記のコードは、株価の時間系列データからピークを検出する例を表します。

この例ではpandasで株価データを読み込み、find_peaksでピークを検出しています。

import pandas as pd

# 株価データの読み込み
data = pd.read_csv('stock_price.csv')

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(data['Close'])

# データとピークの描画
plt.plot(data['Close'])
plt.plot(peaks, data['Close'][peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、株価のピークの位置が描画されたグラフが出力されます。

ピークの位置は株価の山の位置に一致していることが視覚的に確認できます。

○サンプルコード10:科学的実験の結果解析におけるピーク検出

科学的実験データに対するピーク検出は、特に実験結果の解析において重要な手法となります。

下記のコードは、実験データからピークを検出する例を表します。

この例ではpandasでデータを読み込み、find_peaksでピークを検出しています。

import pandas as pd

# 実験データの読み込み
data = pd.read_csv('experiment_data.csv')

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(data['Measurement'])

# データとピークの描画
plt.plot(data['Measurement'])
plt.plot(peaks, data['Measurement'][peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、実験データからピークの位置が描画されたグラフが出力されます。

ピークの位置はデータの特性に基づいていることが視覚的に確認できます。

●注意点と対処法

ピーク検出における注意点として、ノイズの影響が挙げられます。

ノイズが混入しているデータからピークを検出すると、ノイズによる小さなピークが検出されてしまう可能性があります。

そのような場合は、ノイズの影響を減らすためにデータを平滑化(スムージング)すると良いです。

下記のコードは、データをスムージングしてからピークを検出する例を表します。

from scipy.signal import savgol_filter

# データの平滑化
smoothed = savgol_filter(data['Measurement'], window_length=5, polyorder=2)

# ピークの検出
peaks, _ = find_peaks(smoothed)

# 元のデータと平滑化したデータとピークの描画
plt.plot(data['Measurement'], label='Original')
plt.plot(smoothed, label='Smoothed')
plt.plot(peaks, smoothed[peaks], "x")

plt.legend()
plt.show()

このコードを実行すると、平滑化したデータからノイズの影響を受けずにピークが検出できることが視覚的に確認できます。

●カスタマイズ方法

find_peaks関数は、ピーク検出の条件をカスタマイズするためのオプションを多数提供しています。

例えば、ピークの高さや距離を指定することができます。

下記のコードは、ピークの高さと距離を指定してピークを検出する例を表します。

# ピークの検出(高さと距離を指定)
peaks, _ = find_peaks(data['Measurement'], height=100, distance=10)

# データとピークの描画
plt.plot(data['Measurement'])
plt.plot(peaks, data['Measurement'][peaks], "x")

plt.show()

このコードを実行すると、指定した条件に一致するピークのみが検出されることが視覚的に確認できます。

まとめ

以上、Pythonを用いたピーク検出の実用的な手法を紹介しました。

さまざまなデータ分析において、ピーク検出は重要な情報を抽出するための有力な手段です。

適切なパラメータと前処理を用いて、あなたのデータから有益な情報を抽出してみてください。