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Pythonを使ったポップアップ通知の作成と活用8選

ポップアップ通知 徹底解説 Python
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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●Pythonでポップアップ通知を作る意義と基礎知識

デスクトップアプリケーションの開発において、ユーザーとのインタラクションを円滑にする重要な要素がポップアップ通知です。

Pythonは、その豊富なライブラリと柔軟性により、効果的なポップアップ通知システムの構築に適した言語となっています。

ポップアップ通知は、アプリケーションの状態変化やイベントを即座にユーザーに伝える手段として非常に有効です。

例えば、新着メッセージの通知、タスクの完了報告、システムの警告など、様々な場面で活用できます。

Pythonを使用することで、開発者はこれらの通知を簡単にカスタマイズし、アプリケーションに組み込むことが可能となります。

Pythonの利点は多岐にわたります。

まず、その簡潔で読みやすい構文により、初心者でも比較的容易にコーディングを始められます。

また、豊富な標準ライブラリとサードパーティライブラリの存在が、開発プロセスを大幅に効率化します。

さらに、クロスプラットフォーム対応の容易さも、Pythonの魅力の一つです。

ポップアップ通知の実装に必要なライブラリは、開発目的や対象プラットフォームによって異なります。

一般的によく使用されるライブラリには、次のようなものがあります。

  1. plyer -> クロスプラットフォーム対応の通知ライブラリで、簡単な実装が可能です。
  2. win10toast -> Windows 10に特化した通知ライブラリで、Windowsネイティブの通知スタイルを実現できます。
  3. PyQt5 -> より高度なGUIアプリケーションの開発に適しており、カスタマイズ性の高い通知を作成できます。

環境設定には、まずPythonのインストールが必要です。

公式ウェブサイトからダウンロードし、インストーラーの指示に従って設定を行います。

次に、必要なライブラリをインストールします。コマンドプロンプトやターミナルで、次のようなコマンドを使用します。

pip install plyer
pip install win10toast
pip install PyQt5

各ライブラリの特性を理解し、プロジェクトの要件に最適なものを選択することが重要です。

例えば、シンプルな通知機能だけが必要な場合はplyerが適していますが、より複雑なGUIを持つアプリケーションを開発する場合はPyQt5が適しているかもしれません。

ポップアップ通知の実装を始める前に、対象ユーザーのニーズや使用環境を十分に考慮することが大切です。

通知の頻度、内容、デザインなどを慎重に検討し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる通知システムを設計しましょう。

●基本的なポップアップ通知の作成方法

ポップアップ通知の基本的な作成方法を学ぶことで、アプリケーションの機能性を大幅に向上させることができます。

ここでは、二つの代表的なライブラリを使用した通知の作成方法を紹介します。

○サンプルコード1:plyer libraryを使用した簡単な通知

plyer libraryは、クロスプラットフォーム対応の通知を簡単に実装できるライブラリです。

次のサンプルコードを見てみましょう。

from plyer import notification

def show_notification():
    notification.notify(
        title='重要なお知らせ',
        message='タスクが完了しました!',
        app_icon=None,  # アイコンのパスを指定できます
        timeout=10,  # 通知の表示時間(秒)
    )

if __name__ == '__main__':
    show_notification()

このコードを実行すると、デスクトップに「重要なお知らせ」というタイトルで「タスクが完了しました!」というメッセージの通知が表示されます。

通知は10秒間表示され、その後自動的に消えます。

plyerの利点は、OSに依存せず同じコードで通知を表示できる点です。

Windows、macOS、Linuxなど、様々なプラットフォームで動作します。

コードを実行すると、画面の右下(または左下、OSの設定による)にポップアップ通知が表示されます。

通知には指定したタイトルとメッセージが含まれ、システムのデフォルト通知スタイルで表示されます。

○サンプルコード2:win10toastを活用したWindows向け通知

Windows 10ユーザーに特化した通知を作成したい場合、win10toastライブラリが適しています。

このライブラリを使用すると、Windows 10のネイティブ通知スタイルを実現できます。

from win10toast import ToastNotifier

def show_windows_notification():
    toaster = ToastNotifier()
    toaster.show_toast(
        "新着メッセージ",
        "メールボックスに新しいメッセージが届いています。",
        duration=5,
        icon_path="path/to/icon.ico",  # アイコンファイルのパス
        threaded=True,  # バックグラウンドで通知を表示
    )

if __name__ == '__main__':
    show_windows_notification()

このコードでは、Windows 10のアクションセンターに統合された通知を作成します。

“新着メッセージ”というタイトルと、”メールボックスに新しいメッセージが届いています。”というメッセージが表示されます。

win10toastの特徴は、Windowsネイティブの通知スタイルを使用できる点です。

アイコンの指定やスレッド化による非同期表示など、より細かな制御が可能です。

コードを実行すると、Windows 10のアクションセンターに通知が表示されます。

通知には指定したタイトル、メッセージ、アイコン(設定した場合)が含まれ、Windows 10のデザインガイドラインに沿った見た目になります。

●高度なカスタマイズテクニック

ポップアップ通知をより魅力的かつ機能的にするために、高度なカスタマイズテクニックを理解しておきましょう。

ユーザーの目を引くアイコンや画像を追加したり、インタラクティブな要素を取り入れたりすることで、通知の効果を大幅に高めることができます。

○サンプルコード3:アイコンと画像を含む通知の作成

通知にアイコンや画像を追加することで、視覚的な情報を効果的に伝えることができます。

PyQt5を使用して、カスタマイズされた通知を作成する方法を見ていきましょう。

import sys
from PyQt5.QtWidgets import QApplication, QSystemTrayIcon
from PyQt5.QtGui import QIcon
from PyQt5.QtCore import QTimer

class CustomNotification(QSystemTrayIcon):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.setIcon(QIcon('path/to/your/icon.png'))
        self.setVisible(True)

    def show_notification(self):
        self.showMessage(
            "新着メッセージ",
            "画像付きの新しいメッセージが届きました!",
            QIcon('path/to/message/image.png'),
            3000  # 表示時間(ミリ秒)
        )

if __name__ == '__main__':
    app = QApplication(sys.argv)
    notification = CustomNotification()

    # 3秒後に通知を表示
    QTimer.singleShot(3000, notification.show_notification)

    sys.exit(app.exec_())

コードの説明

  1. PyQt5のQSystemTrayIconクラスを継承して、カスタム通知クラスを作成します。
  2. setIcon()メソッドで、通知のアイコンを設定します。
  3. showMessage()メソッドを使用して、タイトル、メッセージ、画像、表示時間を指定した通知を表示します。
  4. QTimerを使用して、プログラム起動から3秒後に通知を表示するようにスケジュールします。

プログラムを実行すると、3秒後にシステムトレイに指定したアイコンが表示され、同時に画像付きの通知が表示されます。

通知には「新着メッセージ」というタイトルと「画像付きの新しいメッセージが届きました!」というメッセージが含まれ、指定した画像も表示されます。

○サンプルコード4:クリック可能なアクションボタンの追加

ユーザーがすぐに行動を起こせるよう、通知にクリック可能なアクションボタンを追加することができます。

PyQt5を使用して、アクションボタン付きの通知を作成する方法を紹介します。

import sys
from PyQt5.QtWidgets import QApplication, QSystemTrayIcon, QMenu, QAction
from PyQt5.QtGui import QIcon
from PyQt5.QtCore import QTimer

class InteractiveNotification(QSystemTrayIcon):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.setIcon(QIcon('path/to/your/icon.png'))
        self.setVisible(True)

        # メニューの作成
        menu = QMenu()
        view_action = QAction("表示", self)
        view_action.triggered.connect(self.view_message)
        menu.addAction(view_action)

        dismiss_action = QAction("閉じる", self)
        dismiss_action.triggered.connect(self.dismiss_notification)
        menu.addAction(dismiss_action)

        self.setContextMenu(menu)

    def show_notification(self):
        self.showMessage(
            "新着タスク",
            "新しいタスクが追加されました。確認しますか?",
            QIcon('path/to/task/icon.png'),
            5000  # 表示時間(ミリ秒)
        )
        self.activated.connect(self.notification_clicked)

    def notification_clicked(self, reason):
        if reason == QSystemTrayIcon.Trigger:
            self.view_message()

    def view_message(self):
        print("タスクを表示します。")

    def dismiss_notification(self):
        print("通知を閉じました。")

if __name__ == '__main__':
    app = QApplication(sys.argv)
    notification = InteractiveNotification()

    # 3秒後に通知を表示
    QTimer.singleShot(3000, notification.show_notification)

    sys.exit(app.exec_())

コードの説明

  1. QMenuを使用して、「表示」と「閉じる」のアクションを含むコンテキストメニューを作成します。
  2. setContextMenu()メソッドで、作成したメニューをシステムトレイアイコンに設定します。
  3. notification_clicked()メソッドを定義し、通知がクリックされたときの動作を指定します。
  4. view_message()とdismiss_notification()メソッドで、各アクションが選択されたときの動作を定義します。

プログラムを実行すると、3秒後に「新着タスク」という通知が表示されます。

通知をクリックすると、「タスクを表示します。」というメッセージがコンソールに表示されます。

また、システムトレイアイコンを右クリックすると、「表示」と「閉じる」のオプションを含むメニューが表示されます。

●システムトレイアプリケーションの開発

システムトレイに常駐するアプリケーションは、ユーザーにとって便利なツールとなります。

PyQt5を使用して、シンプルなシステムトレイアプリケーションを開発する方法を見ていきましょう。

○サンプルコード5:PyQt5を使用したシステムトレイアプリ

import sys
from PyQt5.QtWidgets import QApplication, QSystemTrayIcon, QMenu, QAction
from PyQt5.QtGui import QIcon
from PyQt5.QtCore import QTimer

class SystemTrayApp(QSystemTrayIcon):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.setIcon(QIcon('path/to/your/app_icon.png'))
        self.setVisible(True)

        # メニューの作成
        menu = QMenu()

        show_notification_action = QAction("通知を表示", self)
        show_notification_action.triggered.connect(self.show_notification)
        menu.addAction(show_notification_action)

        exit_action = QAction("終了", self)
        exit_action.triggered.connect(self.exit_app)
        menu.addAction(exit_action)

        self.setContextMenu(menu)

        self.notification_count = 0

    def show_notification(self):
        self.notification_count += 1
        self.showMessage(
            "システム通知",
            f"通知回数: {self.notification_count}",
            QIcon('path/to/notification_icon.png'),
            3000  # 表示時間(ミリ秒)
        )

    def exit_app(self):
        QApplication.quit()

if __name__ == '__main__':
    app = QApplication(sys.argv)
    tray_app = SystemTrayApp()
    sys.exit(app.exec_())

コードの説明

  1. SystemTrayAppクラスを定義し、QSystemTrayIconを継承します。
  2. setIcon()メソッドでアプリケーションのアイコンを設定します。
  3. QMenuを使用して、「通知を表示」と「終了」のオプションを含むコンテキストメニューを作成します。
  4. show_notification()メソッドで、通知の表示回数をカウントし、カスタム通知を表示します。
  5. exit_app()メソッドで、アプリケーションを終了する機能を実装します。

プログラムを実行すると、システムトレイに指定したアイコンが表示されます。

アイコンを右クリックすると、「通知を表示」と「終了」のオプションを含むメニューが表示されます。

「通知を表示」を選択すると、通知回数を示す通知が表示されます。「終了」を選択すると、アプリケーションが終了します。

●自動化とスケジューリング

ポップアップ通知を自動化し、スケジュールに従って表示することで、ユーザーに定期的な情報やリマインダーを提供できます。

Pythonの schedule ライブラリを使用して、通知の自動化を実装してみましょう。

○サンプルコード6:定期的な通知の設定

import schedule
import time
from plyer import notification

def show_reminder():
    notification.notify(
        title="定期リマインダー",
        message="水分補給の時間です!健康的な1日を!",
        app_icon=None,  # アイコンのパスを指定できます
        timeout=10,
    )

def schedule_notifications():
    # 1時間ごとに通知を表示
    schedule.every().hour.do(show_reminder)

    while True:
        schedule.run_pending()
        time.sleep(1)

if __name__ == '__main__':
    schedule_notifications()

コードの説明

  1. schedule ライブラリを使用して、定期的なタスクをスケジュールします。
  2. show_reminder() 関数で、plyer ライブラリを使用して通知を表示します。
  3. schedule_notifications() 関数で、1時間ごとに通知を表示するようスケジュールを設定します。
  4. while ループで、スケジュールされたタスクを継続的に実行します。

プログラムを実行すると、1時間ごとに「定期リマインダー」という通知が表示されます。

通知には「水分補給の時間です!健康的な1日を!」というメッセージが含まれ、10秒間表示されます。

○サンプルコード7:イベントトリガーによる通知

特定のイベントが発生したときにのみ通知を表示したい場合があります。

例えば、ファイルの変更を監視し、変更が検出されたときに通知を表示する方法を見ていきましょう。

import time
from watchdog.observers import Observer
from watchdog.events import FileSystemEventHandler
from plyer import notification

class FileChangeHandler(FileSystemEventHandler):
    def on_modified(self, event):
        if not event.is_directory:
            notification.notify(
                title="ファイル変更検知",
                message=f"ファイルが変更されました: {event.src_path}",
                app_icon=None,  # アイコンのパスを指定できます
                timeout=10,
            )

def monitor_directory(path):
    event_handler = FileChangeHandler()
    observer = Observer()
    observer.schedule(event_handler, path, recursive=False)
    observer.start()

    try:
        while True:
            time.sleep(1)
    except KeyboardInterrupt:
        observer.stop()
    observer.join()

if __name__ == "__main__":
    monitor_directory("/path/to/monitored/directory")

コードの説明

  1. watchdog ライブラリを使用して、ファイルシステムの変更を監視します。
  2. FileChangeHandler クラスで、ファイル変更イベントを処理し、通知を表示します。
  3. monitor_directory() 関数で、指定されたディレクトリの監視を開始します。
  4. Observer を使用して、イベントハンドラをスケジュールし、監視を開始します。

プログラムを実行し、指定したディレクトリ内のファイルを変更すると、「ファイル変更検知」という通知が表示されます。

通知には変更されたファイルのパスが含まれ、10秒間表示されます。

●クロスプラットフォーム対応

アプリケーション開発において、異なるOSで動作するソフトウェアを作ることは大変重要です。

Pythonを使用すれば、Windows、macOS、Linuxなど、複数のプラットフォームで動作するポップアップ通知を簡単に実装できます。

ユーザーの使用環境に関わらず、一貫した体験を提供することが可能になります。

○サンプルコード8:マルチOS対応のポップアップ通知

マルチプラットフォーム対応の通知システムを構築するために、Pythonのplyer libraryを活用します。

plyerは、各OSのネイティブな通知システムを利用するため、見た目や動作がOSに馴染んだものになります。

from plyer import notification
import platform

def show_notification(title, message):
    os_name = platform.system()

    if os_name == "Windows":
        icon = "path/to/windows_icon.ico"
    elif os_name == "Darwin":  # macOS
        icon = "path/to/macos_icon.png"
    elif os_name == "Linux":
        icon = "path/to/linux_icon.png"
    else:
        icon = None

    notification.notify(
        title=title,
        message=message,
        app_icon=icon,
        timeout=10
    )

if __name__ == "__main__":
    show_notification("クロスプラットフォーム通知", "Pythonの力で、どのOSでも同じように通知を表示できます!")

コードの解説

  1. platform.system()を使用して、現在のOSを判別します。
  2. OSに応じて適切なアイコンファイルを選択します。
  3. plyer.notificationモジュールを使用して、OSに最適化された通知を表示します。

コードを実行すると、使用中のOSに応じたスタイルで「クロスプラットフォーム通知」というタイトルの通知が表示されます。

メッセージには「Pythonの力で、どのOSでも同じように通知を表示できます!」と表示され、選択されたアイコンが使用されます。

●パフォーマンス最適化とベストプラクティス

ポップアップ通知システムを効率的に運用するためには、パフォーマンスの最適化が欠かせません。

メモリ使用量の削減やバッテリー消費の抑制など、様々な観点から最適化を行うことで、ユーザー体験の向上につながります。

○メモリ使用量の削減テクニック

メモリ使用量を抑えることで、アプリケーション全体のパフォーマンスが向上します。

Pythonでメモリ使用量を削減するためのテクニックをいくつか紹介します。

□オブジェクトのライフサイクル管理

不要になったオブジェクトは積極的に削除しましょう。

Pythonのガベージコレクションは自動的に行われますが、大きなオブジェクトは明示的に削除することで、メモリを速やかに解放できます。

import gc

def process_large_data(data):
    # データ処理
    result = do_something_with(data)

    # 大きなデータオブジェクトを明示的に削除
    del data
    gc.collect()  # ガベージコレクションを即座に実行

    return result

□ジェネレータの活用

大量のデータを扱う際、リストの代わりにジェネレータを使用することで、メモリ使用量を大幅に削減できます。

# メモリを多く使用する方法
def get_square_numbers(n):
    return [i**2 for i in range(n)]

# メモリ効率の良い方法
def get_square_numbers_generator(n):
    for i in range(n):
        yield i**2

# ジェネレータを使用
for num in get_square_numbers_generator(1000000):
    print(num)

□メモリプロファイリング

memory_profilerを使用して、コードのメモリ使用量を分析し、最適化が必要な箇所を特定できます。

from memory_profiler import profile

@profile
def memory_intensive_function():
    # メモリを多く使用する処理
    large_list = [i for i in range(1000000)]
    # 処理
    del large_list

memory_intensive_function()

○バッテリー消費を抑える方法

バッテリー駆動のデバイスでアプリケーションを使用する場合、電力消費を抑えることが重要です。

次のテクニックを活用してバッテリー消費を最小限に抑えましょう。

□通知の頻度調整

不必要に頻繁な通知は避け、ユーザーにとって本当に重要な情報のみを通知するようにします。

import time
from plyer import notification

def send_battery_efficient_notifications():
    important_events = get_important_events()  # 重要なイベントを取得

    for event in important_events:
        notification.notify(
            title="重要なお知らせ",
            message=event,
            timeout=10
        )
        time.sleep(300)  # 5分間隔で通知を送信

send_battery_efficient_notifications()

□バックグラウンド処理の最適化

バックグラウンドで常時動作するプロセスは、可能な限り軽量化します。

import time
import psutil

def light_background_process():
    while True:
        # 軽量な処理
        current_cpu = psutil.cpu_percent(interval=1)
        if current_cpu > 80:  # CPU使用率が80%を超えた場合のみ通知
            notify_high_cpu_usage(current_cpu)

        time.sleep(60)  # 1分ごとにチェック

light_background_process()

□ネットワーク通信の最適化

必要最小限のネットワーク通信に留め、バッチ処理やキャッシュを活用します。

import requests
import json
from plyer import notification

def fetch_and_cache_data():
    response = requests.get("https://api.example.com/data")
    data = response.json()

    # データをローカルにキャッシュ
    with open("cache.json", "w") as f:
        json.dump(data, f)

def show_notification_from_cache():
    with open("cache.json", "r") as f:
        data = json.load(f)

    notification.notify(
        title="キャッシュデータ",
        message=f"最新の情報: {data['latest_info']}",
        timeout=10
    )

# 定期的にデータをフェッチしてキャッシュ
fetch_and_cache_data()

# キャッシュからデータを読み取って通知
show_notification_from_cache()

●よくあるエラーと対処法

ポップアップ通知システムの開発中に遭遇する可能性のあるエラーとその対処法について説明します。

○「通知が表示されない」問題の解決

通知が表示されない問題は、様々な要因が考えられます。

次の手順で問題を特定し、解決しましょう。

□OSの通知設定確認

まず、OSの通知設定を確認します。

Windowsの場合、「設定」>「システム」>「通知とアクション」で通知が有効になっているか確認しましょう。

□アプリケーションの権限確認

アプリケーションに通知を送信する権限があるか確認します。

from plyer import notification
import sys

def check_notification_permission():
    try:
        notification.notify(
            title="権限チェック",
            message="通知が表示されれば、権限は正常です。",
            timeout=5
        )
        print("通知権限:OK")
    except Exception as e:
        print(f"通知権限エラー: {e}")
        sys.exit(1)

check_notification_permission()

□ライブラリのバージョン確認

使用しているライブラリが最新バージョンであることを確認します。

pip list --outdated
pip install --upgrade plyer

□デバッグモードでの実行

詳細なエラー情報を得るために、デバッグモードでプログラムを実行します。

import logging
from plyer import notification

logging.basicConfig(level=logging.DEBUG)

try:
    notification.notify(
        title="デバッグテスト",
        message="通知のデバッグ中です。",
        timeout=10
    )
except Exception as e:
    logging.exception("通知送信中にエラーが発生しました")

○「権限エラー」への対処

権限エラーは、アプリケーションが必要な権限を持っていない場合に発生します。

次の方法で対処しましょう。

□管理者権限での実行

Windowsでは、スクリプトを管理者権限で実行することで問題が解決する場合があります。

import ctypes
import sys

def is_admin():
    try:
        return ctypes.windll.shell32.IsUserAnAdmin()
    except:
        return False

if not is_admin():
    ctypes.windll.shell32.ShellExecuteW(None, "runas", sys.executable, " ".join(sys.argv), None, 1)
    sys.exit(0)

# 通知を送信するコードをここに記述

□アプリケーションマニフェストの使用

Windowsアプリケーションの場合、マニフェストファイルを使用して必要な権限を宣言できます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<assembly xmlns="urn:schemas-microsoft-com:asm.v1" manifestVersion="1.0">
  <trustInfo xmlns="urn:schemas-microsoft-com:asm.v3">
    <security>
      <requestedPrivileges>
        <requestedExecutionLevel level="asInvoker" uiAccess="false"/>
      </requestedPrivileges>
    </security>
  </trustInfo>
</assembly>

□OSごとの権限設定

macOSやLinuxでは、OSごとの権限設定方法に従って適切な権限を付与します。

import platform
import subprocess

def grant_notification_permission():
    os_name = platform.system()

    if os_name == "Darwin":  # macOS
        subprocess.run(["tccutil", "reset", "All", "com.example.your_app_name"])
    elif os_name == "Linux":
        # Linuxディストリビューションに応じた権限設定
        pass

grant_notification_permission()

この対処法を適用することで、多くの権限関連の問題を解決できます。

引き続きポップアップ通知機能の実装に取り組んでいきましょう。

●Pythonポップアップ通知の応用例

Pythonを使ったポップアップ通知システムの知識を活かし、実用的なアプリケーションを開発できます。

ここでは、デスクトップリマインダーアプリとシステムモニタリングツールという2つの応用例を紹介します。

この例を通じて、ポップアップ通知の実践的な活用方法を学びましょう。

○デスクトップリマインダーアプリの作成

日々のタスク管理に役立つデスクトップリマインダーアプリを作成します。

ユーザーが設定した時間にポップアップ通知を表示し、重要な予定や締め切りを思い出させる機能を実装します。

import schedule
import time
from plyer import notification
import json

class ReminderApp:
    def __init__(self):
        self.reminders = self.load_reminders()

    def load_reminders(self):
        try:
            with open('reminders.json', 'r') as f:
                return json.load(f)
        except FileNotFoundError:
            return {}

    def save_reminders(self):
        with open('reminders.json', 'w') as f:
            json.dump(self.reminders, f)

    def add_reminder(self, time, message):
        self.reminders[time] = message
        self.save_reminders()
        schedule.every().day.at(time).do(self.show_reminder, time)

    def show_reminder(self, time):
        message = self.reminders[time]
        notification.notify(
            title="リマインダー",
            message=message,
            app_icon=None,
            timeout=10,
        )

    def run(self):
        for time, message in self.reminders.items():
            schedule.every().day.at(time).do(self.show_reminder, time)

        while True:
            schedule.run_pending()
            time.sleep(1)

if __name__ == "__main__":
    app = ReminderApp()
    app.add_reminder("14:30", "会議の準備を始める時間です")
    app.add_reminder("18:00", "今日のタスクを確認しましょう")
    app.run()

このコードは、ユーザーが設定した時間にポップアップ通知を表示するデスクトップリマインダーアプリを実装しています。

reminders.jsonファイルにリマインダーの情報を保存し、アプリケーションの再起動時にも設定が維持されます。

プログラムを実行すると、設定された時間(14:30と18:00)にポップアップ通知が表示されます。

14:30には「会議の準備を始める時間です」、18:00には「今日のタスクを確認しましょう」というメッセージが通知されます。

○システムモニタリングツールの開発

システムのリソース使用状況を監視し、特定の閾値を超えた場合にポップアップ通知を表示するモニタリングツールを開発します。

CPU使用率、メモリ使用量、ディスク空き容量などを監視する機能を実装します。

import psutil
import time
from plyer import notification

class SystemMonitor:
    def __init__(self):
        self.cpu_threshold = 80
        self.memory_threshold = 80
        self.disk_threshold = 20

    def check_cpu(self):
        cpu_percent = psutil.cpu_percent(interval=1)
        if cpu_percent > self.cpu_threshold:
            self.show_notification("CPU使用率警告", f"CPU使用率が{cpu_percent}%に達しました!")

    def check_memory(self):
        memory = psutil.virtual_memory()
        if memory.percent > self.memory_threshold:
            self.show_notification("メモリ使用率警告", f"メモリ使用率が{memory.percent}%に達しました!")

    def check_disk(self):
        disk = psutil.disk_usage('/')
        free_percent = 100 - disk.percent
        if free_percent < self.disk_threshold:
            self.show_notification("ディスク容量警告", f"ディスクの空き容量が{free_percent}%しかありません!")

    def show_notification(self, title, message):
        notification.notify(
            title=title,
            message=message,
            app_icon=None,
            timeout=10,
        )

    def run(self):
        while True:
            self.check_cpu()
            self.check_memory()
            self.check_disk()
            time.sleep(60)  # 1分ごとにチェック

if __name__ == "__main__":
    monitor = SystemMonitor()
    monitor.run()

このコードは、システムのCPU使用率、メモリ使用率、ディスク空き容量を定期的にチェックし、設定された閾値を超えた場合にポップアップ通知を表示するシステムモニタリングツールを実装しています。

プログラムを実行すると、1分ごとにシステムリソースがチェックされます。

例えば、CPU使用率が80%を超えた場合、「CPU使用率警告」というタイトルの通知が表示され、具体的な使用率が示されます。

同様に、メモリ使用率が80%を超えた場合やディスクの空き容量が20%を下回った場合も、対応する警告通知が表示されます。

まとめ

本記事では、Pythonを使用してポップアップ通知システムを構築する方法を詳しく解説しました。

基本的な通知の作成から高度なカスタマイズ、クロスプラットフォーム対応、パフォーマンス最適化まで、幅広いトピックをカバーしています。

常に新しい技術や手法に目を向け、学び続けることが重要です。

ポップアップ通知はユーザーとのコミュニケーションを円滑にする重要なツールです。

ぜひ、ここで学んだ知識を活かして、ユーザーフレンドリーで効果的なアプリケーションを開発してください。