基本情報技術者試験の勉強時間を調べると、たいてい「50〜200時間」という幅の広い数字が返ってきます。けれど、知りたいのは平均値ではなく「自分の場合は何ヶ月で受かるのか」「働きながら独学でいけるのか」のはずです。
この記事では、IT未経験・情報系の学習経験あり・実務経験ありという3つの立場ごとに、現実的な時間と期間の目安を整理します。そのうえで、1日に確保できる時間から逆算して、いつ受かるかをご自身の数字で出せるようにします。
もうひとつ大事な視点があります。勉強時間とは、独学で自分の時間を使うか、講座でお金を払って時間を短縮するか、という投資の選択でもあるということです。その判断材料まで、この一本で扱います。まず手早く自分の必要時間を知りたい方は、下のツールで逆算できます。
結論:勉強時間より「どう時間を確保するか」が勝負
先に結論をお伝えします。基本情報技術者試験の勉強時間は、一般に目安50〜200時間とされ、IT未経験から始める方は200時間前後を見ておくと安全です。情報系を学んだ経験がある方は100〜150時間、実務経験のある方は50時間程度で届くケースもあります。
ただ、この数字は「経験でどこに当たるかが大きく変わる目安」であって、誰にでも当てはまる確定値ではありません。未経験の方が「平均125時間」を真に受けて軽く見積もると、試験直前に時間が足りなくなりがちです。
実際、合否を分けるのは時間の総量そのものより、その時間をどう日常に組み込むかです。200時間という数字も、1日1時間なら約7ヶ月、1日2時間なら約3.3ヶ月と、確保ペースで景色がまるで変わります。
ですので、この記事では「何時間か」を出して終わりにせず、ご自身の生活時間から逆算する手順までご案内します。働きながら受験する方ほど、ここが現実的な計画づくりの起点になります。
レベル別・必要な勉強時間の目安(早見表)
まず、ご自身がどの立場に近いかで必要時間が変わります。下の早見表は、各社や学習サイトで一般に流通している目安をならべたものです。いずれも個人差の大きい目安で、確定値ではありません。
未経験の方は、用語の理解から始める分だけ時間がかかります。コンピュータの仕組みや2進数、ネットワークといった基礎を一から積むため、200時間前後を見込むのが現実的です。
情報系の科目を学んだ経験がある方は、土台がある分だけ短縮できます。100〜150時間が目安で、苦手分野の補強と過去問演習に時間を配分すると効率的です。
実務でプログラミングや基盤に触れている方は、科目B(旧・午後相当)のアルゴリズムやプログラムの読解に強みが出ます。50〜80時間で届く方もいますが、テクノロジ系の暗記分野は別途確認が必要です。
ここで誤解しやすいのは、「実務経験あり=そのまま受かる」ではない点です。現場で使っていない分野(マネジメント系・ストラテジ系など)は、経験者でも取りこぼしやすく、油断は禁物です。
なお、これらの時間はあくまで合格ラインに届くための学習量の目安です。確実な合格を約束するものではなく、模試や過去問の正答率で随時見直すことをおすすめします。
【ケース別】あなたは何ヶ月で受かる?
同じ200時間でも、生活の制約によって受かる月数は変わります。ここでは代表的な3つの立場で、現実的なスケジュールを描いてみます。
フルタイム社会人×未経験の場合。平日に確保できるのは1日1時間前後、休日に2〜3時間というのが無理のないラインです。これで週8〜10時間ほど、200時間なら約5〜6ヶ月が現実的な着地です。
ここで焦って「2ヶ月で」と詰め込むと、平日に2時間以上を毎日確保する計画になり、残業や体調で簡単に崩れます。先に余裕を持った月数で組み、後半でペースを上げる方が続きます。
情報系の学生の場合。授業や課題で基礎が入っているため、100〜150時間で届きやすく、長期休暇に集中すれば2〜3ヶ月も狙えます。授業の知識が新しいうちに受けるのが有利です。
実務経験者の場合。50〜80時間が目安で、過去問中心に1〜2ヶ月で仕上げる方が多い印象です。ただし普段触れない分野の取りこぼしを、早い段階で見つけておくことが鍵になります。
CBT方式で通年いつでも受けられるため、「いつ申し込むか」を逆算の起点にすると、計画が一気に具体的になります。受験日を先に仮置きし、そこから逆算して1日量を決めるのが続けるコツです。
1日あたりの勉強時間と期間の逆算
必要時間が見えたら、次は「1日に何時間×何週間で届くか」を逆算します。200時間を例にすると、確保ペースで到達時期が次のように変わります。
1日1時間なら、週7時間で約29週間(約7ヶ月)。在職中で平日中心の方に近い現実値です。
1日2時間なら、週14時間で約15週間(約3.5ヶ月)。休日にまとめて取れる方や、学習に少し本腰を入れられる方の目安です。
1日3時間なら、週21時間で約10週間(約2.5ヶ月)。短期集中型ですが、在職しながらの維持は負荷が高く、息切れに注意が必要です。
大切なのは、自分の必要時間(経験で変わる)と、自分が現実に確保できる1日量の、両方を入れて計算することです。平均値だけでは「自分は間に合うのか」が分かりません。
ご自身の数字で「残り週数で何時間届くか/不足は何時間か」を出すと、計画が一気に手触りのあるものになります。下のツールに1日の時間と残り週数を入れると、その場で不足分が分かります。
もし逆算して大幅に時間が足りないと分かったら、それは「独学で粘る」か「講座で時間を買う」かを考える合図です。その判断は後半で詳しく扱います。
科目A・科目Bの時間配分
現在の基本情報技術者試験は、CBT方式で科目A(90分・小問)と科目B(100分・アルゴリズムとプログラミング中心)の二部構成です。両者は性質が違うため、時間配分も分けて考える必要があります。
科目Aは出題範囲が広く、テクノロジ・マネジメント・ストラテジの各分野から幅広く問われます。はば広い知識が問われるため、過去の出題傾向に沿った反復で効率的に積み上げられます。
一方、科目Bはアルゴリズムとプログラミングの読解が中心で、慣れが必要です。短時間の暗記では伸びにくく、手を動かしてトレースする練習を重ねる必要があります。
配分の目安としては、未経験の方ほど科目Bに多め(全体の5〜6割)を割く計画が安全です。科目Aは後半の追い込みでも点が伸びやすい一方、科目Bは積み上げに時間がかかるためです。
実務経験者は逆に、科目Bが得意な分だけ科目Aの暗記分野に時間を回す配分が効きます。自分の弱い側に時間を寄せるのが、限られた総時間を活かす基本になります。
注意点として、科目Bを後回しにして直前に詰め込むと、間に合わないまま本番を迎えがちです。早い段階で一度解いてみて、自分の伸びしろを把握しておくことをおすすめします。
短期(1〜3ヶ月)で間に合わせる組み方と注意点
受験日が迫っている、あるいは短期で仕上げたい方向けに、現実的な詰め方を整理します。ただし短期合格は「もともと土台がある人」か「1日2〜3時間を本当に確保できる人」に限られる前提です。
最初にやるべきは、テキストの通読より過去問・サンプル問題を1回分解くことです。現状の正答率を把握し、足りない分野を特定してから学習に入ると、ムダ打ちが減ります。
次に、配点と所要時間のバランスで優先順位をつけます。短期では全分野を完璧にする時間はないため、頻出かつ自分が取りやすい分野から固めるのが定石です。
科目Bは短期でも手を抜けません。アルゴリズムは一夜漬けが効きにくいので、毎日少しずつでもトレース練習を継続することが、短期勝負ほど効いてきます。
注意したいのは、睡眠を削っての詰め込みです。CBTは集中力勝負の面があり、当日のコンディションが正答率を左右します。直前ほど生活リズムを保つ方が、結果につながります。
そして率直に言えば、未経験で残り1ヶ月・1日1時間しか取れない、という条件なら、無理に独学で押し切るより受験日を後ろにずらすか、講座で効率を買う方が合理的な場面もあります。
独学か講座か:勉強時間は「買える」という考え方
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい視点です。独学と講座の差は、突き詰めると「自分の時間」か「お金」か、どちらで合格に必要なコストを払うかという違いです。
たとえば独学で200時間かかる学習が、体系化された講座だと120時間で済むとします。差の80時間は、講座の費用を払って短縮を買ったという見方ができます。
この80時間を時給換算してみると、判断がぐっと現実的になります。仕事や家庭で時間が逼迫している方ほど、短縮分の価値は高く、講座が合理的になりやすいです。逆に時間に余裕があり、自走できる方は独学で十分です。
編集部の本音として、独学が向くのは「自分で計画を立てて続けられ、つまずいても自力で調べられる」タイプの方です。情報系の素地がある方や、過去に資格学習をやり切った経験のある方は、独学で問題ありません。
反対に、未経験で何から手をつけるか分からない、これまで独学が続かなかった、という方は、講座で型と伴走を買う方が結局は近道になりがちです。挫折して0に戻る時間こそ、最も高くつくからです。
そして見落とされがちなのが、講座費用は教育訓練給付を使うと実質負担が下がる場合がある、という点です。独学と講座の費用差は、給付後で見ると思ったより縮みます。次の章で扱います。
講座で時間を買うなら「給付後の実額」で考える
講座を検討するとき、多くの方が見るのは定価です。けれど本当に比べるべきは、教育訓練給付を適用した後の実質負担額です。同じ定価でも、給付の対象かどうかで体感コストは大きく変わります。
教育訓練給付は、厚生労働省が指定した講座を一定の要件で受けた場合に、受講費用の一部が支給される制度です。区分は大きく3つに分かれ、給付率と上限が異なります(2026年6月時点・最新は要確認)。
| 区分 | 給付率(受講費用に対して) | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練給付 | 20% | 年間10万円 |
| 特定一般教育訓練給付 | 40% | 年間20万円 |
| 専門実践教育訓練給付 | 最大80%(区分・条件で変動) | 条件により上限あり |
給付率だけで講座を選ぶのは早計です。区分ごとに対象講座・要件・申請の手順が異なり、上限額や支給要件期間(雇用保険の加入年数など)の条件も付きます。率が高くても、その講座が自分の対象区分でなければ意味がありません。
申請にも期限があります。専門実践教育訓練給付などでは、受講開始の前にハローワークでの手続き(訓練前キャリアコンサルティングや受給資格確認)が必要で、これを逃すと給付を受けられない場合があります。早めの確認が肝心です。
その講座が給付の対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムで指定講座番号を確認できます。「対象だろう」と思い込まず、番号で確かめておくと安心です。
ここで重要な注意があります。あなたが実際にいくら戻るかは、給付区分・受講回数・雇用保険の加入期間などで一人ひとり変わるため、この記事では金額を断定しません。正確な実額は、ご自身の条件を入れて試算する方が確実です。
「独学で確保しきれない不足時間を、講座でいくら払って短縮できるか」を、給付後の実額で見たい方は、下のツールでご自身の数字を入れて確かめてください。
編集部の結論:タイプ別の向き不向き
ここまでを、読者のタイプ別に整理します。いずれも実在の制度と一般的な学習量の目安に基づく見立てで、合格を保証するものではありません。
独学で十分な方。情報系の素地があり、自分で計画を立てて続けられる方です。100〜150時間を3〜4ヶ月で組み、過去問中心に仕上げれば、費用をかけずに合格圏に届きます。
講座で時間を買う方が合理的な方。未経験で、これまで独学が続かなかった、あるいは在職中で時間が逼迫している方です。型と伴走を買うことで、挫折して振り出しに戻るリスクを減らせます。
学生の方。授業の知識が新しいうちに、独学で短期集中するのが費用面でも有利です。時間に融通が利くため、長期休暇を使えば講座なしでも十分狙えます。
共通して言えるのは、「平均何時間か」ではなく「自分の経験と確保できる時間で逆算する」ことが、遠回りを避ける最短ルートだという点です。まず逆算し、不足が大きいときだけ講座を検討する、という順番をおすすめします。
給付を使って学ぶなら、まず給付後の実額を確認
対象講座なら受講料の最大80%(給付区分・上限・要件あり)が後日支給され、実質負担を抑えられます。
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※給付率・実質額は区分(一般20%/特定一般40%/専門実践 最大80%)と要件で変わり、後日支給です。最終可否はハローワーク・厚生労働省でご確認ください。掲載はPR(送客手数料を受領)。
よくある質問
Q. 基本情報技術者は独学で合格できますか?
A. できます。情報系の素地があり、自分で計画を立てて過去問を回せる方なら、独学で十分に合格圏に届きます。一方、未経験で学習が続きにくい方は、講座で型を得た方が結果的に近道になる場合があります。判断は経験と確保できる時間しだいです。
Q. 働きながらだと何ヶ月かかりますか?
A. 未経験の方で1日1時間前後の確保なら、200時間を約5〜6ヶ月が現実的な目安です(個人差あり)。平日に無理な時間を組むと崩れやすいため、余裕のある月数で計画し、後半でペースを上げる方が続きます。
Q. 2ヶ月での合格は無理ですか?
A. 一概に無理とは言えませんが、未経験で1日1時間しか取れない条件では厳しいのが実情です。土台があるか、1日2〜3時間を本当に確保できる方であれば、2ヶ月でも狙える範囲に入ります。
Q. 未経験者は何時間くらい必要ですか?
A. 一般的な目安として200時間前後を見ておくと安全です。用語や基礎概念の理解から始めるため、経験者より時間がかかります。あくまで目安で、模試の正答率を見ながら随時調整してください。
Q. 科目Aと科目B、どちらに時間を割くべきですか?
A. 未経験の方は科目B(アルゴリズム・プログラミング)に多め(全体の5〜6割)を割くのが安全です。科目Bは積み上げに時間がかかり、直前の暗記では伸びにくいためです。実務経験者は逆に科目Aの暗記分野に時間を回すと効率的です。
Q. 過去問やサンプル問題はどこで手に入りますか?
A. 試験を主催する情報処理推進機構(IPA)の公式サイトで、サンプル問題や過去の試験問題が公開されています。学習の早い段階で一度解き、現状の正答率と弱点を把握してから対策に入ると効率的です。
Q. 講座費用に教育訓練給付は使えますか?
A. その講座が厚生労働省の指定する対象講座であれば、要件を満たすことで給付を受けられる場合があります(2026年6月時点・要確認)。対象かどうかは教育訓練給付制度 検索システムで指定講座番号を確認してください。制度は改正されるため、最新と自分の対象可否はハローワーク等でご確認ください。
Q. 給付を使うと実質いくらになりますか?
A. 給付区分・受講回数・雇用保険の加入期間などで一人ひとり変わるため、金額を一律にはお伝えできません。ご自身の条件で正確な実質負担を知りたい場合は、費用の試算ツールで確かめるのが確実です。
Q. CBT方式とは何ですか。いつでも受けられますか?
A. CBTはコンピュータを使った試験方式で、基本情報技術者試験は通年で随時実施されています。会場と日程を選んで申し込めるため、学習計画から逆算して受験日を先に仮置きする組み方が立てやすくなっています。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. 一般に約40%前後とされますが、年度や実施回で変動します。正確な数値はIPAの統計資料が一次情報です。合格率はあくまで全体傾向で、自分の到達度は過去問の正答率で判断する方が実態に合います。
次の一歩
勉強時間の目安が分かっても、合否を決めるのは「自分の経験と、確保できる時間で逆算した計画」です。まずはご自身の1日量と残り週数を入れて、必要時間に対して足りているかを確かめてください。
もし大きく不足するなら、それは講座で時間を買う検討の合図です。その際は定価ではなく、給付後の実質負担で比べてください。対象講座の確認漏れや申請期限の見落としで損をしないためにも、早めの確認が肝心です。
参考・出典
本記事の制度・試験に関する数値は、以下の一次・公的情報に基づきます。給付の数値や対象可否は改正されるため、最新はリンク先でご確認ください。
情報処理推進機構(IPA)「基本情報技術者試験(FE)」 https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html
情報処理推進機構(IPA)「試験要綱・シラバス(出題範囲・試験時間)」 https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/index.html
情報処理推進機構(IPA)「統計資料(応募者・合格率等)」 https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/toukei/index.html
情報処理推進機構(IPA)「過去問題・サンプル問題」 https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/index.html
厚生労働省「教育訓練給付制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
厚生労働省「教育訓練給付制度 検索システム」 https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/
厚生労働省「専門実践教育訓練給付金のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000338233.pdf
ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/reskilling.html
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