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【TypeScript】forEachメソッド活用法10選

TypeScriptのforEachメソッドの徹底解説 TypeScript
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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はじめに

TypeScriptは、JavaScriptのスーパーセットとして多くの開発者に人気があります。

TypeScriptはJavaScriptの全ての機能を持ちつつ、型の概念を導入することでより安全で品質の高いコードを実現することが可能です。

そして、TypeScriptにもJavaScriptと同じように多くの便利なメソッドが存在します。その中でも、日々のプログラミングにおいて頻繁に使われる「forEach」メソッドについて、この記事で詳しく解説していきます。

この記事を通して、forEachの基本的な使い方から応用例、さらには注意点やカスタマイズ方法まで、TypeScriptでのforEachメソッドをトータルでマスターする手助けとなれば嬉しいです。

●TypeScriptのforEachメソッドとは

forEachメソッドは、配列の各要素に対して関数を一度ずつ実行するためのArrayオブジェクトのメソッドです。

JavaScriptにおいても同様の機能を持っており、TypeScriptではこれを型の概念と組み合わせてより効果的に使用することができます。

○forEachの基本的な仕組み

forEachメソッドの基本的な仕組みは、指定された関数を配列の各要素に対して実行するというものです。

関数は通常、コールバック関数として引数に与えられ、このコールバック関数は3つの引数を取ることができます。

  1. 現在の要素
  2. 現在の要素のインデックス
  3. forEachが実行されている配列自体

サンプルコードとして、次のようなシンプルな例を考えてみましょう。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach((element, index, array) => {
  console.log(`要素:${element}, インデックス:${index}, 配列:${array}`);
});

このコードでは、numbers配列の各要素に対して、要素の値、そのインデックス、そして配列自体をコンソールに出力しています。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

要素1に対しての出力は、「要素:1, インデックス:0, 配列:1,2,3,4,5」となります。

これを元に、配列の各要素に対して同様の処理が行われます。

要素:2, インデックス:1, 配列:1,2,3,4,5
要素:3, インデックス:2, 配列:1,2,3,4,5
…(以降、配列の終端まで同様の出力が続く)

●forEachの使い方

TypeScriptでよく利用される配列メソッドの中で、forEachは非常に基本的かつ頻繁に使われるものです。

ここでは、forEachメソッドの使い方を初心者向けに詳細に解説します。

forEachメソッドは、配列の各要素に対して順番に指定した関数を実行するためのメソッドです。

このメソッドを使うことで、配列の要素ごとに繰り返し処理を行うことができます。

このとき、関数には3つの引数が渡されます。1つ目は要素の値、2つ目はその要素のインデックス、3つ目は配列自体です。

では、具体的なサンプルコードとともに詳しく見ていきましょう。

○サンプルコード1:基本的な使い方

TypeScriptでの配列に対してforEachメソッドを使用する基本的な使い方を紹介します。

const numbers: number[] = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach((value, index, array) => {
    console.log(`要素の値:${value}`);
    console.log(`要素のインデックス:${index}`);
    console.log(`配列自体:${array}`);
});

このコードでは、numbersという配列に対してforEachメソッドを使って、配列の各要素に対して指定したアロー関数を実行しています。

この関数の中で、要素の値、そのインデックス、配列自体をコンソールに表示しています。

上記のコードを実行すると、配列numbersの各要素に対して、要素の値、そのインデックス、配列自体がコンソールに表示されます。具

体的には、次のような出力となります。

要素の値:1
要素のインデックス:0
配列自体:1,2,3,4,5
要素の値:2
要素のインデックス:1
...(以降、同様の出力が続く)

○サンプルコード2:オブジェクトと共に使う方法

JavaScriptやTypeScriptでは、オブジェクトの要素に対して繰り返し処理を実行するための専用のメソッドは提供されていません。

しかし、Object.entries()Object.keys()といったメソッドを使って、オブジェクトのキーと値のペアを配列として取得することで、forEachメソッドを利用して処理を行うことができます。

ここでは、オブジェクトの各要素に対して繰り返し処理を実行するためのサンプルコードを取り上げ、その方法を詳しく解説します。

// サンプルのオブジェクト
const person = {
    name: "田中太郎",
    age: 25,
    job: "エンジニア"
};

// オブジェクトのキーと値のペアを配列として取得して、forEachで処理
Object.entries(person).forEach(([key, value]) => {
    console.log(`キー: ${key}, 値: ${value}`); // コメント:キーと値を表示
});

このコードでは、Object.entries()を使ってオブジェクトpersonのキーと値のペアを2次元配列として取得しています。

得られた2次元配列はforEachメソッドを使用して処理され、コンソールにキーと値が表示されます。

具体的には、このコードを実行すると次のような結果がコンソールに表示されることになります。

キー: name, 値: 田中太郎
キー: age, 値: 25
キー: job, 値: エンジニア

○サンプルコード3:条件を指定して特定の要素のみを処理する

TypeScriptにおけるforEachメソッドの活用法として、条件を指定して特定の要素のみを処理する方法について解説します。

大量のデータや複数の要素を持つ配列を扱う際、条件に一致する要素だけを特定して操作することが求められることが多いです。

const numbers: number[] = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10];

numbers.forEach((num) => {
    if (num % 2 === 0) {
        console.log(num);
    }
});

このコードでは、1から10までの数値が入った配列numbersを扱っています。

forEachメソッドを用いて、配列内の各数値に対して繰り返し処理を実施します。

そして、条件式num % 2 === 0を使って偶数のみをフィルタリングし、コンソールに出力します。

このコードでは、配列の各要素を1つずつ取り出し、ラムダ式(アロー関数)を用いて処理を行っています。

具体的には、numという名前の変数で数値を取得し、その数値が2で割り切れるか(偶数か)をチェックしています。

偶数であれば、console.log(num);という文を実行することで、その数値をコンソールに出力します。

このような方法で、条件に一致する要素だけをピックアップして処理することができます。

このコードを実行すると、配列numbersの中から偶数のみがコンソールに出力されるため、結果として2, 4, 6, 8, 10という数値が順に表示されます。

これにより、特定の条件を満たす要素だけを繰り返し処理できることが分かります。

また、この基本的な方法をベースに、さまざまな条件を設定して要素を処理することができます。

例えば、配列内の文字列を対象に、特定の文字を含むものだけを取り出したり、特定の範囲の数値だけを処理したりすることが可能です。

文字列の配列から「a」を含むものだけをコンソールに出力するサンプルコードを紹介します。

const words: string[] = ["apple", "banana", "cherry", "date", "fig"];

words.forEach((word) => {
    if (word.includes("a")) {
        console.log(word);
    }
});

このコードを実行すると、「a」を含む文字列、すなわち”apple”, “banana”, “date”が順にコンソールに出力されます。

○サンプルコード4:インデックスを活用する方法

TypeScriptのforEachメソッドは、配列の各要素に対して処理を適用するための非常に便利なツールです。

そして、forEachメソッドを使用するとき、第2引数として現在の要素のインデックスを取得することができます。

このインデックスを活用することで、より複雑な操作や状況に対応する処理を書くことができます。

下記のサンプルコードでは、配列の各要素とその要素のインデックスをコンソールに出力してみます。

const fruits = ['りんご', 'みかん', 'ぶどう'];

fruits.forEach((fruit, index) => {
    console.log(`インデックス${index}:${fruit}`);
});

このコードではfruitsという名前の配列が定義されており、その中に3つの果物の名前が格納されています。

次に、forEachメソッドを使って、配列の各要素とその要素のインデックスを一緒にコンソールに出力しています。

ここで、forEachのコールバック関数の第1引数には配列の要素が、第2引数にはその要素のインデックスが渡されることを確認してください。

このコードを実行すると、次のような結果がコンソールに表示されます。

インデックスが0の要素はりんごです。
インデックスが1の要素はみかんです。
インデックスが2の要素はぶどうです。

このように、インデックスを活用することで、要素の位置情報に基づいた処理を行ったり、要素とその位置情報を同時に表示したりすることができます。

さらに、このインデックスを利用して、特定のインデックスの要素だけに何らかの処理を適用するというようなことも可能です。

例えば、偶数番目の要素だけを処理するといった場合、インデックスを2で割った余りをチェックすることで実現できます。

この方法を利用したコードの例を紹介します。

fruits.forEach((fruit, index) => {
    if (index % 2 === 0) {
        console.log(`偶数インデックス${index}:${fruit}`);
    }
});

このコードを実行すると、次のような結果が得られます。

偶数インデックス0:りんご
偶数インデックス2:ぶどう

●forEachの応用例

TypeScriptのforEachメソッドは単なる配列の要素を繰り返し処理するだけではありません。

応用的な使い方を通じて、さらに便利に、そして効率的にコーディングすることが可能です。

○サンプルコード5:配列内の数値を合計する

配列内の数値の合計は、しばしば必要とされる処理です。

例えば、ユーザーからの入力値の合計や、データベースから取得した数値データの合計を求める場合などが考えられます。

forEachを使うと、このような処理を簡潔に記述することができます。

// 数値の配列を定義
const numbers = [10, 20, 30, 40, 50];
let sum = 0;

// forEachを用いて、配列内の全ての数値を合計する
numbers.forEach((num) => {
    sum += num;
});

console.log(sum); // 150と表示される

このコードでは、numbersという配列内の数値を一つずつ取り出し、sumという変数に加算しています。

初めにsumは0で初期化されているため、最終的にsumには配列内の数値の合計値が代入されます。

このコードを実行すると、console.logにより合計値の150が表示される結果となります。

○サンプルコード6:配列内の文字列を結合する

TypeScriptで配列内の文字列を結合する場面はよく遭遇します。

特に、複数の文字列データをまとめて一つの文字列として取り扱いたい場合に非常に有用です。

forEachメソッドを利用することで、このような操作を簡単に実装することができます。

let 文字列配列: string[] = ["TypeScript", "での", "forEach", "メソッド"];
let 結合文字列 = "";

文字列配列.forEach(文字 => {
    結合文字列 += 文字;
});

console.log(結合文字列); // "TypeScriptでのforEachメソッド"

このコードでは、まず文字列の配列文字列配列を定義しています。

次に、空の文字列結合文字列を定義して、forEachメソッドを用いて配列内の各文字列を結合文字列に順番に追加していきます。

最終的に、console.logを用いて結合した結果を出力します。

このコードを実行すると、”TypeScriptでのforEachメソッド”という文字列がコンソールに出力されます。

しかし、文字列の結合を多く行う場合、Array.prototype.joinメソッドの利用をおすすめします。

これは、大量の文字列の結合を行う際に、パフォーマンスの面で優れているためです。

ですので、配列の要素数が多い場合や、大量の結合を行う必要がある場合は、次のようにjoinメソッドを利用するのがベストプラクティスと言えます。

let 文字列配列: string[] = ["TypeScript", "での", "forEach", "メソッド"];
let 結合文字列 = 文字列配列.join("");

console.log(結合文字列); // "TypeScriptでのforEachメソッド"

このコードでは、配列文字列配列joinメソッドを用いて、配列内の全ての文字列を結合しています。

joinメソッドの引数には、文字列の間に挿入したい文字や記号を指定することができますが、今回は何も挿入せずに結合するため、空文字列""を指定しています。

このコードを実行すると、やはり”TypeScriptでのforEachメソッド”という文字列がコンソールに出力されます。

○サンプルコード7:ネストされた配列をフラットにする

TypeScriptにおけるforEachメソッドは、配列の要素それぞれに対して指定した関数を実行する強力なツールです。

今回は、その中でも特に実用的な使い方の一つ、ネストされた配列をフラットな配列に変換する方法について詳しく解説していきます。

まず初めに、ネストされた配列とは何かを理解することが重要です。

ネストされた配列とは、配列の中にさらに配列が含まれている構造を指します。

例えば、[[1, 2], [3, 4], [5, 6]]という配列は、3つの配列が含まれたネストされた配列となります。

しかし、このようなネストされた配列は処理が複雑になることがあるため、一つのフラットな配列に変換することで、よりシンプルにデータを扱うことが可能になります。

では、ネストされた配列をフラットな配列に変換する方法について見ていきましょう。

forEachメソッドを使用して、この変換を実行することができます。

const nestedArray: number[][] = [[1, 2], [3, 4], [5, 6]];
let flatArray: number[] = [];

nestedArray.forEach(subArray => {
    subArray.forEach(element => {
        flatArray.push(element);
    });
});

console.log(flatArray); // [1, 2, 3, 4, 5, 6]

このコードでは、nestedArrayというネストされた配列を定義しています。

そして、空のflatArrayという配列を用意します。

その後、forEachメソッドを2回使用して、一つ目でnestedArrayの各要素(これも配列)を取り出し、二つ目でその配列の中の要素を取り出して、flatArrayに追加しています。

このコードを実行すると、flatArray[1, 2, 3, 4, 5, 6]というフラットな配列になります。

これにより、ネストされた配列を簡単にフラットに変換できます。

○サンプルコード8:特定の条件を満たす要素を抽出する

TypeScriptを利用する際、配列内の特定の条件を満たす要素を抽出したい場面は少なくありません。

その際、forEachメソッドをうまく使うことで、簡潔なコードでこのようなタスクを実現することが可能です。

特に、TypeScriptの静的型チェック機能を活用することで、安全性を確保しつつ柔軟なコードが書けます。

まず、サンプルとして次のような数値の配列を考えてみましょう。

let numbers: number[] = [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10];

この配列から、例えば偶数だけを抽出する場合を考えてみます。

let evenNumbers: number[] = [];
numbers.forEach((num) => {
    if (num % 2 === 0) {
        evenNumbers.push(num);
    }
});

このコードでは、forEachメソッドを使ってnumbers配列の各要素にアクセスし、条件式num % 2 === 0(数値が偶数であるか)を満たす要素だけをevenNumbersという新しい配列に追加しています。

このコードを実行すると、evenNumbers配列には偶数のみが追加され、次のような結果が得られます。

evenNumbers配列には[2, 4, 6, 8, 10]という偶数だけが含まれることになります。

また、文字列の配列に対して特定の文字列を含む要素だけを抽出する場合も、同様の方法で実現できます。

例えば、次のような文字列の配列があるとします。

let fruits: string[] = ["apple", "banana", "cherry", "date", "elderberry"];

この配列から、「a」を含むフルーツだけを抽出したい場合は、次のようなコードを書くことができます。

let fruitsWithA: string[] = [];
fruits.forEach((fruit) => {
    if (fruit.includes('a')) {
        fruitsWithA.push(fruit);
    }
});

このコードでは、forEachメソッドを使ってfruits配列の各要素にアクセスし、includesメソッドを使って要素が「a」を含むかどうかを判定し、含んでいればfruitsWithAという新しい配列に追加しています。

このコードを実行すると、fruitsWithA配列には「a」を含むフルーツ名だけが追加され、apple, banana, dateという結果が得られます。

○サンプルコード9:各要素に対して複数の処理を行う

TypeScriptでのforEachメソッドは非常に便利で、配列の各要素に対して同じ処理を繰り返し行いたいときに使用します。

しかし、一つの要素に対して複数の処理を行いたい場合はどうすれば良いのでしょうか。

ここでは、その方法を具体的なサンプルコードと共に解説します。

まずは、基本的なサンプルコードから見てみましょう。

let numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach(num => {
    console.log(`元の数字:${num}`);
    let doubled = num * 2;
    console.log(`2倍した数字:${doubled}`);
    let squared = num * num;
    console.log(`2乗した数字:${squared}`);
});

このコードでは、numbersという数字の配列を用意しています。

そして、forEachメソッドを使用して、配列内の各数字に対して、次の3つの処理を実行しています。

  1. その数字をコンソールに表示
  2. その数字を2倍にして、結果をコンソールに表示
  3. その数字を2乗して、結果をコンソールに表示

上記のコードを実行すると、配列内の各数字に対して順番に3つの処理が行われます。

例えば、数字が1の場合、以下のような出力が得られます。

元の数字:1
2倍した数字:2
2乗した数字:1

そして、次の数字2に対しても同様の処理が行われ、以降、配列の最後の要素までこの処理が繰り返されます。

○サンプルコード10:外部ライブラリと組み合わせる方法

TypeScriptのforEachメソッドは非常に便利ですが、外部ライブラリと組み合わせることでさらに多様な使い方が可能になります。

ここでは、外部ライブラリ「lodash」を使って、forEachメソッドの使い方を応用してみましょう。

lodashは、JavaScriptのユーティリティライブラリの1つで、配列やオブジェクト、文字列などの操作を助ける多数のメソッドが提供されています。

ここでは、lodashのgroupByメソッドを例に取り、forEachと組み合わせたサンプルコードを紹介します。

import _ from 'lodash';

// サンプルデータ
const data = [
  { name: 'Taro', age: 20, gender: 'male' },
  { name: 'Hanako', age: 25, gender: 'female' },
  { name: 'Jiro', age: 20, gender: 'male' },
  { name: 'Yuko', age: 30, gender: 'female' }
];

// genderでグループ化
const groupedData = _.groupBy(data, 'gender');

// グループ化されたデータをforEachで処理
groupedData.forEach((users, gender) => {
  console.log(`Gender: ${gender}`);
  users.forEach(user => {
    console.log(`Name: ${user.name}, Age: ${user.age}`);
  });
});

このコードでは、まずlodashをインポートしています。

そして、サンプルとして人物の名前、年齢、性別を持ったオブジェクトの配列を用意しました。

次に、lodashのgroupByメソッドを使用して性別ごとにデータをグループ化しています。

最後に、forEachメソッドを用いて、グループ化されたデータを処理しています。

このコードを実行すると、次のようにグループ化されたデータが出力されます。

Gender: male
Name: Taro, Age: 20
Name: Jiro, Age: 20
Gender: female
Name: Hanako, Age: 25
Name: Yuko, Age: 30

つまり、性別ごとにグループ化された人物のリストを表示することができました。

●注意点と対処法

TypeScriptでのforEachメソッド使用には、多くの便益がありますが、その使用中に気をつけるべき注意点や問題がいくつか存在します。

ここでは、それらの注意点を詳しく説明し、それに対処する方法をサンプルコードと共に提供します。

○非同期処理との組み合わせ

TypeScriptのforEachメソッドは非同期処理と組み合わせるときに注意が必要です。

特に、非同期関数をforEachの中で呼び出す場合、期待した順番で実行されないことがあります。

このコードでは、非同期関数を使ってforEachメソッド内で処理を行っています。

const numbers = [1, 2, 3];
numbers.forEach(async (num) => {
  await new Promise((resolve) => setTimeout(resolve, 1000));
  console.log(num);
});

このコードを実行すると、1秒ごとに1、2、3と表示されることを期待するかもしれませんが、実際にはすぐに1、2、3と表示されてしまいます。

対処法として、非同期処理を行う場合はfor...ofループを利用するのがおすすめです。

const numbers = [1, 2, 3];
for (const num of numbers) {
  await new Promise((resolve) => setTimeout(resolve, 1000));
  console.log(num);
}

このコードでは、正確に1秒ごとに1、2、3と表示されます。

○空の要素へのアクセス

配列に空の要素が含まれている場合、forEachメソッドはその空の要素をスキップします。

これは意図しない振る舞いを引き起こす可能性があります。

例として、次のコードを考えてみましょう。

const array = [1, , 3];
array.forEach((value) => {
  console.log(value);
});

このコードを実行すると、空の要素をスキップして、1と3のみが表示されます。

空の要素にアクセスしたい場合は、forループやfor...ofループを使用すると良いでしょう。

○配列の変更中の使用

forEachメソッドは、配列の各要素に対して処理を行いますが、この処理の最中に配列の要素を追加、削除、または変更すると、期待しない結果が発生する可能性があります。

例えば、次のコードを考えてみましょう。

const fruits = ["apple", "banana", "cherry"];
fruits.forEach((fruit, index) => {
  console.log(fruit);
  if (fruit === "banana") {
    fruits.splice(index, 1);
  }
});

このコードでは、”banana”を見つけたらそれを削除するようにしています。

しかし、これを実行すると”cherry”は表示されません。

●カスタマイズ方法

TypeScriptのforEachメソッドは、基本的な使い方や応用例だけでなく、様々なカスタマイズ方法での活用が可能です。

ここでは、forEachをもっと便利に、または特定のニーズに合わせてカスタマイズする方法をいくつか紹介します。

○コールバック関数に追加情報を提供する

通常、forEachメソッドのコールバック関数は、要素の値、そのインデックス、そして元の配列の3つの引数を受け取ります。

しかし、独自の情報をコールバック関数に渡したい場合があります。

このような時には、bindメソッドを活用することで、コールバック関数に追加の情報を提供することができます。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
const multiplier = 2;

numbers.forEach(function(number, index, array, mul) {
    console.log(number * mul);  // 要素の値にmultiplierをかける
}, null, multiplier);

このコードでは、bindメソッドを使ってmultiplier変数をコールバック関数に渡しています。

この方法で、forEachのコールバック関数内で任意の情報を使用することができます。

実際に上記のコードを実行すると、出力結果として、2, 4, 6, 8, 10が得られます。

○外部ライブラリを使用しての高度なカスタマイズ

Lodashなどの外部ライブラリを使用することで、forEachメソッドのカスタマイズ範囲をさらに広げることができます。

LodashのforEachメソッドを使用した例を紹介します。

import _ from 'lodash';

const users = [
    { 'user': 'barney', 'age': 36 },
    { 'user': 'fred', 'age': 40 }
];

_.forEach(users, function(value, key) {
    console.log(key + ': ' + value.user);
});

このコードでは、LodashのforEachメソッドを使用して、オブジェクトの各要素を処理しています。

Lodashを使用すると、より高度な操作や、配列だけでなくオブジェクトに対する処理も簡単に行えます。

上記のコードを実行すると、出力結果として、0: barney1: fredが得られます。

○配列を変更せずに新しい配列を作成する

forEachメソッドを使用すると、元の配列を変更することなく新しい配列を作成することもできます。

下記の例では、元の配列の各要素に10を足した新しい配列を作成しています。

const original = [10, 20, 30, 40];
let newArray = [];

original.forEach((num) => {
    newArray.push(num + 10);
});

console.log(newArray);

このコードを実行すると、新しい配列として[20, 30, 40, 50]が得られます。

まとめ

TypeScriptでのforEachメソッドは、データの集まりや配列に対して繰り返しの処理を行う際に非常に有効なツールです。

本記事では、forEachの基本的な使い方から、さまざまな応用例やカスタマイズ方法まで、初心者向けに詳細に解説しました。

TypeScriptのforEachメソッドは、その多様性と柔軟性から、あらゆるプロジェクトで役立つツールと言えます。

本記事を通じて、その魅力と活用法をしっかりと把握していただけたら幸いです。

今後のプログラミングの道において、forEachメソッドが皆様の強力なサポートとなることを心から願っています。