CSSのword-breakを完全解説!初心者からプロまでの5つのコード例

CSS Word Breakの使い方とサンプルコードCSS
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はじめに

CSSのword-breakプロパティは、ウェブページ上でテキストの折り返しをどのように扱うかを定義する重要な要素です。

この記事では、初心者から中級者、さらには上級者まで幅広い読者に向けて、word-breakの基本から応用例までを詳しく解説していきます。Web開発の日常において、テキストの表示は非常に重要です。

特に、異なる言語や長い単語を含むテキストを適切に扱うためには、word-breakプロパティの理解が不可欠です。

この記事を読むことで、word-breakプロパティの概要を把握し、具体的な使用例を通じて、実際のプロジェクトにどのように活用できるかを学べます。

また、異なるブラウザやデバイスでの表示の問題に対応する方法や、カスタマイズのテクニックについても詳しく説明します。

●CSSとword-breakプロパティとは

CSS(Cascading Style Sheets)は、ウェブページの見た目を制御するための言語です。

HTMLで構築されたウェブページのフォーマットやスタイルを指定する際に用います。

CSSを理解することは、ウェブ開発において不可欠であり、特にテキストの扱い方を知ることは、プロフェッショナルなウェブサイトを作る上で重要です。

word-breakプロパティは、CSSの中でも特にテキストの折り返し方法を制御する機能を持っています。

これは、単語や文字列がコンテナ要素の境界に達した場合に、どのように折り返しを行うかを指定するために使用されます。

特に、英語などのスペースで区切られた言語と、中国語や日本語などの非スペース区切りの言語でのテキスト表示において、適切な表示を実現するために重要なプロパティです。

word-breakプロパティには主に下記の値が存在します。

  • normal -> デフォルトの折り返しルールを適用します。これは通常、言語特有の折り返し規則に従います。
  • break-all -> 任意の文字で折り返しを許可します。これは、長い単語やURLがコンテナをオーバーフローしないようにする場合に便利です。
  • keep-all -> 単語を途中で分割せずに折り返します。これは主に東アジア言語において使われ、行末の単語の分割を避けるのに有効です。

○word-breakプロパティの基本

word-breakプロパティの基本的な使い方を理解するには、それがどのようにウェブページ上のテキストの表示に影響を与えるかを見ることが最も効果的です。

例えば、非常に長い単語やURLが含まれる段落を考えてみましょう。

通常、これらのテキストはコンテナの幅を超えて表示されることがあり、これを防ぐためにはword-breakプロパティを適切に設定する必要があります。

●word-breakの使い方

CSSのword-breakプロパティの使い方を理解するには、実際のコーディング例を通してその効果を見ることが最も効果的です。

ウェブページの異なるコンテンツにword-breakを適用することで、テキストの表示を改善し、読みやすくすることができます。

ここでは、さまざまなシナリオにおけるword-breakの使い方を示すサンプルコードを紹介します。

○サンプルコード1:単語の折り返しを制御する

こちらのサンプルでは、特に長い単語や連続する文字列がウェブページのレイアウトを崩さないように折り返しを制御します。

下記のHTMLとCSSコードは、単語がコンテナの幅を超えた場合に自動で折り返されるように設定しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.long-word {
  word-break: break-all;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="long-word">非常に長い単語exampleexampleexampleexampleがここで折り返されます。</p>

</body>
</html>

このコードでは、.long-word クラスに word-break: break-all; を適用しています。

これにより、<p> タグ内の長い単語がどの場所でも折り返され、テキストがコンテナから溢れることを防ぎます。

○サンプルコード2:長いURLの扱い方

ウェブページに長いURLを表示する場合、これがレイアウトを崩すことなく適切に折り返されるようにする必要があります。

下記のコード例では、長いURLを含むテキストに対してword-breakプロパティを適用し、折り返しを可能にしています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.long-url {
  word-break: break-all;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="long-url">https://www.example.com/非常に長いURLがここで折り返されるようになります。</p>

</body>
</html>

この例では、.long-url クラスに word-break: break-all; を設定しており、URLがコンテナの幅を超える場合でも適切に折り返されます。

○サンプルコード3:多言語テキストの折り返し

多言語を扱うウェブページでは、異なる言語のテキストが適切に折り返されるように管理する必要があります。

下記の例では、英語と日本語のテキストを含む段落にword-breakプロパティを適用しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.multilingual-text {
  word-break: keep-all;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="multilingual-text">This is an English text mixed with 日本語のテキスト。</p>

</body>
</html>

ここでの word-break: keep-all; は、英語の単語を途中で分割せず、日本語のテキストの自然な折り返しを可能にします。

○サンプルコード4:カスタムスタイルの適用

word-breakプロパティは、カスタムスタイルが適用された特定のテキストブロックにも有効です。

下記のコード例では、特定のスタイルが適用されたテキストに対してword-breakプロパティを使用しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.custom-style {
  word-break: break-word;
  background-color: lightgray;
  padding: 10px;
}
</style>
</head>
<body>

<div class="custom-style">こちらのテキストはカスタムスタイルが適用され、適切に折り返されます。</div>

</body>
</html>

この例では、.custom-style クラスに word-break: break-word; を適用しており、テキストが自然に折り返されるようになっています。

○サンプルコード5:レスポンシブデザインでの利用

レスポンシブデザインでは、異なるデバイスの画面サイズに対応したテキストの折り返しが重要です。

下記のコード例では、レスポンシブデザインにおいてword-breakプロパティをどのように活用できるかを表しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
@media screen and (max-width: 600px) {
  .responsive-text {
    word-break: break-all;
  }
}
</style>
</head>
<body>

<p class="responsive-text">このテキストは小さい画面で適切に折り返されます。</p>

</body>
</html>

この例では、メディアクエリを使用して画面の幅が600px以下の場合にのみ .responsive-text クラスに word-break: break-all; を適用しています。

これにより、小さい画面でテキストが適切に折り返され、読みやすさが保たれます。

●word-breakの詳細なカスタマイズ方法

word-breakプロパティの応用においては、単にテキストの折り返しを制御する以上のカスタマイズが可能です。

特に複雑なレイアウトや異なる言語のテキストを含むページにおいて、効果的なカスタマイズ方法を知ることは、ウェブ開発において重要なスキルとなります。

ここでは、さらに進んだカスタマイズ方法と、異なるブラウザでの対応方法について詳しく解説します。

○サンプルコード6:異なるブラウザ対応の方法

ウェブページを異なるブラウザで表示する際、テキストの折り返しの挙動がブラウザごとに異なる場合があります。

この問題を解決するために、word-breakプロパティの適切な設定が必要です。

下記のサンプルコードでは、異なるブラウザに対応するためのCSSルールを表しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.cross-browser-text {
  word-wrap: break-word;
  word-break: break-word;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="cross-browser-text">このテキストは異なるブラウザでも適切に折り返されます。</p>

</body>
</html>

この例では、word-wrap: break-word;word-break: break-word; の両方を使用しています。

これにより、ほとんどのブラウザでテキストがコンテナの幅を超える場合に適切に折り返されるようになります。

○サンプルコード7:複合的なCSSルールの設定

複雑なウェブページでは、word-breakプロパティだけでなく他のCSSプロパティと組み合わせて使うことがあります。

下記のサンプルコードでは、word-breakを他のCSSプロパティと組み合わせた応用例を表しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.complex-text {
  word-break: break-all;
  overflow-wrap: break-word;
  hyphens: auto;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="complex-text">この複合的なスタイルは、word-break, overflow-wrap, hyphensを使用しています。</p>

</body>
</html>

このコード例では、word-break: break-all; に加えて、overflow-wrap: break-word;hyphens: auto; を使用しています。

これにより、単語の途中での折り返しや、単語の分割時にハイフンの追加など、より高度なテキスト表示の制御が可能になります。

●word-breakを使ったよくあるエラーと対処法

CSSのword-breakプロパティを使用する際、特に注意しなければならないのは、意図しないテキストの折り返しやレイアウトの崩れです。

これらの問題は、特定のケースで発生しやすく、それぞれに適切な対処法が必要です。

ここでは、word-breakを使う際の一般的なエラー事例とその対処法について解説します。

○中途半端な位置で折り返される場合

長い単語やURLが意図せず中途半端な位置で折り返されることがあります。

これは、word-breakの設定が適切でない場合に発生します。

この問題を解決するには、word-break: break-all; の代わりに word-wrap: break-word; を使用することを検討してください。

この設定により、長い単語やURLはスペースがない場合でも適切な位置で折り返され、レイアウトが保たれます。

例えば、下記のようにスタイルを設定することで、長い単語がページの幅を超えた際に自然に折り返されるようになります。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.break-word {
  word-wrap: break-word;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="break-word">この非常に長いURLhttps://www.verylongurl.com/thisisaverylongurlは適切に折り返されます。</p>

</body>
</html>

○西洋言語が不適切に折り返される場合

複数の言語を扱うテキストで、英語や他の西洋言語の単語が不適切に折り返されることがあります。

これは、word-breakプロパティが予期せぬ言語に対して適用された時に発生することがあります。

多言語を扱う場合、word-break: keep-all; を使用して、英語などのスペースで区切られた言語の単語が中途半端な位置で折り返されるのを防ぐことができます。

この設定により、言語によって異なる折り返しのルールを適切に管理できます。

下記のコード例では、複数の言語が混在するテキストの折り返しを適切に制御する方法を表しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.multilingual {
  word-break: keep-all;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="multilingual">This is English text これは日本語のテキストです mixed together.</p>

</body>
</html>

この例では、word-break: keep-all; が適用されることで、日本語の部分は適切に折り返される一方で、英語の単語は不自然に折り返されることがなくなります。

●word-breakの応用例

CSSのword-breakプロパティは多岐にわたる用途で利用できます。

特に、レスポンシブなレイアウトや多様なコンテンツを含むウェブサイトの開発では、word-breakの応用が非常に役立ちます。

ここでは、word-breakプロパティを用いた具体的な応用例をいくつか紹介します。

○サンプルコード8:レポートレイアウトの作成

レポートやドキュメントのウェブレイアウトでは、テキストの折り返しを適切に管理することが重要です。

下記のサンプルコードでは、レポートのような文書において、長い単語や数値が適切に折り返されるようにword-breakプロパティを使用しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.report-text {
  word-break: break-all;
}
</style>
</head>
<body>

<p class="report-text">このレポートでは、長い数字1234567890や単語supercalifragilisticexpialidociousが折り返されます。</p>

</body>
</html>

この例では、.report-text クラスに word-break: break-all; を適用することで、長い単語や数字がコンテナの幅を超える場合にも適切に折り返され、読みやすいレイアウトが実現されます。

○サンプルコード9:ニュースサイトのレイアウト調整

ニュースサイトやブログでは、異なるデバイスや画面サイズに対応するレスポンシブなレイアウトが求められます。

下記のサンプルでは、ニュース記事のテキストがどのようにデバイスに適応するかを表しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.news-text {
  word-break: break-word;
}
@media screen and (max-width: 600px) {
  .news-text {
    word-break: break-all;
  }
}
</style>
</head>
<body>

<p class="news-text">このニュース記事のテキストは、異なるデバイスの画面サイズに応じて適切に折り返されます。</p>

</body>
</html>

このコードでは、メディアクエリを使用して画面の幅が600px以下の場合にのみ .news-text クラスに word-break: break-all; を適用しています。

これにより、小さな画面でテキストが適切に折り返され、可読性が保たれます。

○サンプルコード10:ブログポストのスタイル調整

ブログポストにおいても、word-breakプロパティはテキストの表示を最適化するのに役立ちます。

特に長い引用文やコードスニペットを含む場合、word-breakの適切な設定が必要です。

下記の例では、ブログポスト内の特定のセクションでword-breakを活用する方法を表しています。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.blog-quote {
  word-break: keep-all;
}
.blog-code {
  word-break: break-all;
}
</style>
</head>
<body>

<blockquote class="blog-quote">これは、適切に折り返されるべき長い引用文です。</blockquote>
<pre class="blog-code">LongCodeSnippetWithoutAnySpaces()</pre>

</body>
</html>

この例では、.blog-quote クラスに word-break: keep-all; を設定しているため、引用文の単語は途中で不自然に折り返されません。

また、.blog-code クラスに word-break: break-all; を設定することで、長いコードスニペットがどの位置でも折り返されるようになっています。

これらの設定により、ブログポストの読みやすさが向上します。

●エンジニアなら知っておくべきword-breakの豆知識

CSSのword-breakプロパティに関する知識は、ウェブ開発において重要な役割を果たします。

特に、多言語のサイトを扱う場合や、特定のレイアウトを維持しながらテキストを適切に折り返す必要がある場合に、この知識は非常に有用です。

ここでは、word-breakの基本的な知識に加えて、その応用と関連するプロパティについて紹介します。

○豆知識1:歴史的背景と発展

word-breakプロパティは、もともとテキストの折り返しを制御するためにCSS3で導入されました。

これは、ウェブページが多言語に対応し、さまざまな端末で表示されるようになるにつれて、特に重要なプロパティとなりました。

初期のウェブ開発では、長い単語やURLがレイアウトを崩す問題がしばしば発生しましたが、word-breakプロパティの導入により、このような問題の多くが解決されました。

○豆知識2:word-breakと関連プロパティ

word-breakプロパティは、他のいくつかのCSSプロパティと組み合わせて使用されることが多いです。

特に、overflow-wrap(別名 word-wrap)と hyphens プロパティとの関係が重要です。

  • overflow-wrap(または word-wrap)プロパティは、長い単語や文字列を折り返す場所を制御します。このプロパティは、単語がコンテナをオーバーフローするのを防ぎます。
  • hyphens プロパティは、単語の折り返しの際にハイフネーション(単語の区切りにハイフンを入れる)をどのように適用するかを制御します。これにより、テキストの見た目が改善され、読みやすくなります。

これらのプロパティをword-breakと組み合わせることで、テキストの折り返しをさらに細かく制御し、異なる言語やコンテンツの種類に応じた最適な表示を実現できます。

たとえば、英語のテキストには hyphens: auto; を適用して読みやすさを向上させる一方で、日本語のテキストではハイフネーションを避けるためにこのプロパティを使用しない、といった具体的な適用が考えられます。

まとめ

この記事では、CSSのword-breakプロパティについて、基本から応用、さらにはエラー対処法まで幅広く解説しました。

初心者からプロフェッショナルまで、さまざまなレベルのWeb開発者がword-breakプロパティを理解し、活用するための具体的なサンプルコードを紹介しました。

word-breakは、テキストの折り返しを制御し、レスポンシブなウェブデザインを実現するために不可欠なプロパティです。

これにより、多言語や異なるデバイスに対応した、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できます。