HTMLだけで実現!改行をさせない文字列表示の5つの方法

HTMLで改行させない方法のサンプルコードHTML
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●HTMLだけで改行を制御する5つの方法

HTMLを使ってウェブページを作成する際、テキストの改行をコントロールすることは非常に重要です。

意図しない改行が発生すると、レイアウトが崩れたり、読みづらくなったりと、ページの見栄えや使いやすさに悪影響を及ぼします。

そこで今回は、CSSやJavaScriptを使わずにHTMLだけで改行を制御する5つの方法をご紹介します。

この方法を使いこなすことで、テキストの表示を思い通りに調整できるようになります。

コードを交えながら詳しく解説していきますので、ぜひ実際に試してみてください。

○方法1:タグの使用

改行を防ぐ最も基本的な方法は、<span>タグを使うことです。

<span>タグは、テキストの一部に対してスタイルを適用したり、グループ化したりするために使用されるインライン要素です。

この特性を利用して、改行させたくない文字列を<span>タグで囲むことで、1つのまとまりとして扱うことができます。

<p>この文章は<span>改行されません</span>。そのまま続きます。</p>

実行結果↓

この文章は改行されません。そのまま続きます。

このように、<span>タグを使って文字列を1つのグループにまとめることで、その中では改行が発生しなくなります。

<span>タグはインライン要素なので、前後の文字列と同じ行に表示されます。

ただし、<span>タグを使っても、親要素の幅を超えてしまった場合は、自動的に改行されてしまいます。

そのため、長い文字列を改行させないようにするには、別の方法と組み合わせる必要があります。

○方法2:&nbsp;を用いた空白の挿入

改行を防ぐもう1つの方法は、「&nbsp;」という特殊な文字実体参照を使うことです。

&nbsp;は「non-breaking space」の略で、通常のスペースとは異なり、改行されない空白文字を表します。

<p>この文章は&nbsp;改行されずに&nbsp;続きます。</p>

実行結果↓

この文章は 改行されずに 続きます。

&nbsp;を使った空白は、通常のスペースと同じように見えますが、改行の対象にはなりません。

そのため、単語と単語の間に&nbsp;を挿入することで、それらの単語が常に同じ行に表示されるようになります。

ただし、&nbsp;を連続して使用すると、空白が詰まって見栄えが悪くなる場合があります。

また、テキストをコピー&ペーストした際に、通常のスペースとは異なる動作をすることがあるので注意が必要です。

○方法3:<br>タグの適切な回避

改行を制御する上で、<br>タグの使い方にも気をつける必要があります。

<br>タグは改行を明示的に指定するためのタグですが、むやみに使用すると、かえって改行が意図しない位置で発生してしまうことがあります。

<p>この文章は<br>途中で改行されてしまいます。</p>

実行結果↓

この文章は
途中で改行されてしまいます。

このように、<br>タグを使うと、指定した位置で必ず改行が発生します。

そのため、<br>タグは改行が必要な箇所にのみ使用し、不要な改行を避けるようにしましょう。

代わりに、CSSを使ってマージンやパディングを調整したり、<p>タグや<div>タグなどのブロックレベル要素で適切に文章を区切ったりすることで、改行を適切に制御することができます。

○方法4:<pre>タグを使ったプリフォーマットテキストの利用

<pre>タグは、あらかじめフォーマットされたテキストを表示するための要素です。

<pre>タグ内では、スペースや改行がそのまま維持されるため、改行を制御する上で便利に使えます。

<pre>
この文章は
改行されずに
そのまま表示されます。
</pre>

実行結果↓

この文章は
改行されずに
そのまま表示されます。

<pre>タグ内では、HTMLタグも含めてテキストがそのまま表示されます。

そのため、プログラムのソースコードを表示したり、アスキーアートを描いたりする際によく使われます。

ただし、<pre>タグはブロックレベル要素なので、前後に改行が入ります。

また、デフォルトでは等幅フォントが使用されるため、通常のテキストとは見た目が異なります。

必要に応じてCSSでスタイルを調整しましょう。

○方法5:HTMLエンティティを活用した改行の制御

HTMLエンティティを使うことで、改行を防ぐことができます。HTMLエンティティは、特殊な文字や記号を表現するための書式で、「&名前;」または「&#番号;」という形式で記述します。

改行を防ぐ代表的なHTMLエンティティには、次のようなものがあります。

  • &#8288; -> 幅のないスペース(ゼロ幅スペース)
  • &#8203; -> ゼロ幅改行防止文字
  • &#65279; -> ゼロ幅非改行スペース

これらのエンティティを文字列の間に挿入することで、改行を防ぐことができます。

<p>この文章は&#8203;改行されずに&#8203;続きます。</p>

実行結果↓

この文章は改行されずに続きます。

HTMLエンティティを使う利点は、通常の文字と見分けがつきにくいため、テキストの見栄えを損なわずに改行を制御できることです。

ただし、エンティティを多用しすぎるとHTMLのソースコードが読みづらくなるので、適度に使うようにしましょう。

また、一部の古いブラウザでは、これらのエンティティが正しく表示されない場合があります。

利用する際は、ターゲットとするブラウザでの表示を確認しておくことをおすすめします。

●よくあるエラーと対処法

先ほどまでの内容を踏まえ、HTMLだけで改行を制御する際によく起こるエラーとその対処法について詳しく解説していきましょう。

HTMLを使った文字列表示で意図しない改行が発生してしまうのは、初心者だけでなく経験者でもよくある悩みどころですよね。

ここではそんな問題をスッキリ解決するポイントをお伝えします。

○不要な改行が入る原因と修正方法

HTMLのソースコード内に不要な空白や改行が入ると、ブラウザがそれを表示に反映してしまい、意図しない改行が発生することがあります。

特に、インデントを整えるために入れた空白や、可読性のために入れた改行が原因になりやすいです。

これを防ぐには、HTMLタグの前後にある空白や改行を取り除くことが有効です。

ただし、全ての空白を詰めすぎるとソースコードが読みづらくなるので、バランスを考えて調整しましょう。

<!-- 空白や改行が混ざったHTMLの例 -->
<p>
  この文章は
  <span>途中で改行されます。</span>
</p>

<!-- 空白や改行を適切に調整したHTML -->
<p>この文章は<span>途中で改行されません。</span></p>

実行結果↓

この文章は
途中で改行されます。

この文章は途中で改行されません。

必要最低限の空白や改行だけを残すようにすると、ブラウザの解釈による予期せぬ改行を回避できます。

コーディングの際は、常にレイアウトへの影響を意識しながら適切な記述を心がけましょう。

○コードが期待通りに表示されない時のチェックポイント

HTMLで改行制御がうまくいかない場合、コードのどこかに原因があるはずです。

そんな時は、次のようなチェックポイントを確認してみてください。

  • タグの記述ミスがないか(開始タグと終了タグのペアが正しいか)
  • 属性値の指定が正しいか(ダブルクォートで囲まれているか、スペルミスがないか)
  • 全角の空白文字や改行コードが混ざっていないか
  • 記述した内容と表示結果に矛盾がないか

これらを1つずつ丁寧に確認していくことで、多くの場合は問題箇所を特定できます。

修正の際は、HTMLの仕様に則って正しく書き直すことを心がけましょう。

もし、HTMLのコードが正しいのに期待通りの表示にならない場合は、CSSのスタイル指定が影響している可能性もあります。

HTMLとCSSの両面から、改行の状態をチェックしてみてください。

<!-- 改行制御がうまくいかない例 -->
<p>この文章は改行されます。<br>
<span class="nowrap">この文章は改行されません。</p>

<!-- 修正後のHTML -->
<p>この文章は改行されます。<br>
<span class="nowrap">この文章は改行されません。</span></p>
/* 改行を制御するCSSの例 */
.nowrap {
  white-space: nowrap;
}

実行結果↓

この文章は改行されます。
この文章は改行されません。

HTMLとCSSを組み合わせることで、より細かな改行制御が可能になります。

エラーが発生した時は、HTMLとCSSの両面から原因を探ってみるのが賢明です。

●HTMLの属性の応用例

それでは最後に、これまで学んだHTMLでの改行制御の応用例を見ていきましょう。

実際のウェブサイトではどのように活用されているのか、具体的なサンプルコードを交えながら解説します。

きっと、みなさんの開発にもすぐに役立つアイデアが見つかるはずです。

○サンプルコード1:複数の方法を組み合わせた実例

最初のサンプルは、これまで学んだ改行制御の方法をミックスした例です。

<span>タグ、&nbsp;<br>タグを適材適所で使い分けることで、より細かなレイアウト調整が可能になります。

<p>商品名:<span>スーパーデラックスセット</span><br>
価格:&nbsp;&nbsp;12,800円(税込)<br>
内容:本体 x 1、ACアダプター x 1、USBケーブル x 1、マニュアル x 1</p>

実行結果↓

商品名:スーパーデラックスセット
価格: 12,800円(税込)
内容:本体 x 1、ACアダプター x 1、USBケーブル x 1、マニュアル x 1

商品情報を表示する際、商品名だけは改行せずにまとめて表示したい場合があります。

ここでは<span>タグを使って商品名をグループ化し、意図しない改行を防いでいます。

また、価格の前には&nbsp;を2つ入れて、数値との間にスペースを入れています。

これにより、価格が見やすく整列され、読みやすくなりますね。

○サンプルコード2:動的なコンテンツでの改行制御

次は、JavaScriptを使って動的に生成されるコンテンツへの応用例です。

改行制御の特殊文字をJavaScriptで出力することで、動的に追加される要素にも柔軟に対応できます。

<div id="result"></div>

<script>
  const data = [
    { name: "Alice", age: 24 },
    { name: "Bob", age: 28 },
    { name: "Charlie", age: 31 },
  ];

  const resultDiv = document.getElementById("result");
  data.forEach((person) => {
    const line = `${person.name}&#8203;(${person.age}歳)<br>`;
    resultDiv.insertAdjacentHTML("beforeend", line);
  });
</script>

実行結果↓

Alice(24歳)
Bob(28歳)
Charlie(31歳)

このサンプルでは、配列dataからループで1人ずつ取り出し、その情報を<div>タグ内に追加しています。

ポイントは、テンプレートリテラルの中で改行制御の特殊文字&#8203;(ゼロ幅スペース)を使っていること。

これにより、名前と年齢の間で改行されることを防ぎつつ、柔軟に出力をコントロールしています。

○サンプルコード3:商用サイトでの応用例

続いては、実際のECサイトを想定したより実践的な例を見てみましょう。

商品グリッドのレイアウトで、商品名の改行を防ぐテクニックです。

<div class="product-grid">
  <div class="product-item">
    <img src="product1.jpg" alt="商品1">
    <h3>プレミアム&nbsp;ギフトセット</h3>
    <p>¥5,000</p>
  </div>
  <div class="product-item">
    <img src="product2.jpg" alt="商品2">
    <h3>エコフレンドリー&nbsp;コーヒーカップ</h3>
    <p>¥1,500</p>
  </div>
  <div class="product-item">
    <img src="product3.jpg" alt="商品3">
    <h3>ハンドメイド&nbsp;レザーウォレット</h3>
    <p>¥8,000</p>
  </div>
</div>

実行結果↓

[商品1の画像]
プレミアム ギフトセット
¥5,000

[商品2の画像]
エコフレンドリー コーヒーカップ
¥1,500

[商品3の画像]
ハンドメイド レザーウォレット
¥8,000

商品グリッドでは、限られたスペースの中で商品名を目立たせ、読みやすく表示する必要があります。

そこで、商品名の単語間に&nbsp;を入れることで、グリッド内での改行を防ぎつつ、スペースを保っています。

これにより、仮に商品名が長くてもグリッド内に収まるようになり、レイアウトが崩れるのを防げます。

こうした細かな配慮が、商用サイトの見栄えと使いやすさを高めることにつながります。

○サンプルコード4:ブログやニュースサイトでの適用事例

最後は、ブログやニュースサイトでの記事本文への適用例です。

記事内で、意図しない改行を防ぎながら、読みやすい段落構成を実現するテクニックを見ていきましょう。

<article>
  <h1>新製品発表会レポート</h1>
  <p>先日行われた新製品発表会では、次世代スマートフォン「<span class="product">SuperPhone&nbsp;X</span>」が発表されました。<br>
  今回の発表会では、スペックや機能だけでなく、ユーザー体験にも大きな注目が集まりました。</p>

  <p>「SuperPhone&nbsp;X」の主な特徴は次の通りです。</p>

  <ul>
    <li>画面占有率99.9%の超ベゼルレスディスプレイ</li>
    <li>1億画素の超高解像度カメラ</li>
    <li>5G対応の超高速通信</li>
  </ul>

  <p>発表会に参加した来場者からは、「これまでのスマホの常識を覆す革新的な製品」と高い評価を受けていました。<br>
  「SuperPhone&nbsp;X」の発売日は来月15日に予定されており、すでに予約受付が開始されています。</p>
</article>

実行結果↓

新製品発表会レポート(※h1の文字)

先日行われた新製品発表会では、次世代スマートフォン「SuperPhone X」が発表されました。
今回の発表会では、スペックや機能だけでなく、ユーザー体験にも大きな注目が集まりました。

「SuperPhone X」の主な特徴は以下の通りです。

画面占有率99.9%の超ベゼルレスディスプレイ

1億画素の超高解像度カメラ

5G対応の超高速通信

発表会に参加した来場者からは、「これまでのスマホの常識を覆す革新的な製品」と高い評価を受けていました。
「SuperPhone X」の発売日は来月15日に予定されており、すでに予約受付が開始されています。

記事本文では、段落間に<br>タグを入れて適度に改行を入れつつ、段落内の改行は<span>タグと&nbsp;で制御しています。

こうすることで、読みやすい段落構成を保ちながら、製品名などが途中で改行されるのを防いでいるわけです。

また、製品の特徴を箇条書きで表示する際は、<ul>タグと<li>タグを使うことで、自然な改行を実現しています。

このように、記事の内容に合わせてHTMLタグを使い分けることが、読みやすく美しい文章構成につながります。

ぜひ、自分の記事でもいろいろ試してみてくださいね。

まとめ

さて、今回は「HTMLだけで改行をさせない文字列表示の方法」について、たっぷりと解説してきました。

HTMLタグや特殊文字を使った基本的な方法から、実践的なサンプルコードまで、さまざまなテクニックを理解していただけたことかと思います。

  • <span>タグを使って文字列をグループ化する
  • &nbsp;で改行されない空白を入れる
  • <br>タグの使い過ぎに注意する
  • <pre>タグでそのままの書式を保持する
  • 特殊文字実体参照を使って改行を制御する

ポイントは、状況に応じて適切な方法を選び、組み合わせること。

1つの方法に頼り過ぎず、柔軟に使い分けることが大切です。

今回学んだテクニックを、ぜひ実際のコーディングに活かしてみてください。

最初は難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねるうちに自然と身についていくはずです。