HTMLにおけるフレームの使い方10選 – Japanシーモア

HTMLにおけるフレームの使い方10選

HTMLフレームの作成例HTML
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はじめに

今度は、HTMLにおける「フレーム」という技術に焦点を当てて解説します。

フレームはウェブページ内で別のウェブページを表示するための古典的な方法であり、適切に使用すればウェブサイトのナビゲーションを効果的に改善することができます。

この記事では、フレームの基本的な概念から、より高度な使い方まで、具体的なサンプルコードと共に順を追って詳しく解説していきます。

HTMLの基本を学んでいる方から、具体的なフレームワークの使用方法を探求したい方まで、幅広い読者にとって有益な内容となるでしょう。

●HTMLフレームとは

HTMLフレームは、ウェブページを複数の独立したセクションに分割し、それぞれのセクションで異なるHTMLドキュメントを表示する技術です。

フレームを使用することで、ウェブページの一部を更新することなく、他の部分を独立して更新できるため、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与します。

特に、定常的なナビゲーションバーまたは広告スペースを持つサイトにおいてその効果を発揮します。

○フレームの基本概念

フレームを利用する際は、<frameset> タグを使用してフレームを定義します。

このタグは、ウェブページをどのように分割するかをブラウザに指示するもので、各フレームには別個のコンテンツを読み込ませることができます。

例えば、縦に二分割したい場合は <frameset cols="50%,50%"> のように指定します。

<frameset cols="50%,50%">
    <frame src="left.html">
    <frame src="right.html">
</frameset>

上のサンプルコードでは、ウェブページが左右に均等に分割され、それぞれのフレームに left.htmlright.html が読み込まれる様子を表しています。

この技術を用いることで、一つの画面内で複数のドキュメントを同時に表示させることが可能になります。

○HTMLフレームの利点と制約

フレームの最大の利点は、ページの特定の部分だけを更新できることにあります。

これにより、リソースの消費を抑えながら、サイトの応答性を向上させることが可能です。

しかし、フレームにはいくつかの制約も存在します。

例えば、フレームページがブックマークや印刷に対応しにくいという問題があります。

また、検索エンジン最適化(SEO)の観点からも、フレームを使ったページは検索エンジンによって正しく索引されにくいというデメリットがあります。

これらの利点と制約を理解することで、フレームの使用をより適切に行うことができるでしょう。

●HTMLフレームの基本的な使い方

先ほどフレームの概念と基本的な定義について説明しましたが、今度はその使い方について具体的に解説していきます。

HTMLフレームを利用することで、ウェブページの一部だけを更新しながら、全体の構造を保持することが可能です。

これは、特に情報が頻繁に更新されるウェブサイトにおいて非常に有効です。

例として、ニュースサイトやSNSのタイムラインなどが挙げられます。

こうしたページでは、フレームを使うことで、ユーザーがページをリロードすることなく最新情報を取得できるようになります。

○サンプルコード1:フレームセットの作成

フレームを設定する基本的な方法として、まず<frameset>タグを使ったフレームセットの作成から始めます。

フレームセットは、フレームをどのように配置するかを定義するためのコンテナとして機能します。

例えば、ページを縦に二分割して異なるコンテンツを表示させたい場合、次のように記述します。

<frameset rows="50%,50%">
    <frame src="top.html">
    <frame src="bottom.html">
</frameset>

このコードでは、ウェブページが上下に50%ずつ分割され、top.htmlbottom.htmlがそれぞれのフレームに読み込まれます。

rows属性を使うことで行を、cols属性を使うことで列を定義することができ、これによりフレームのレイアウトを柔軟に設計することが可能です。

○サンプルコード2:フレーム内にコンテンツを表示する方法

次に、フレーム内に具体的なコンテンツを表示する方法について説明します。

フレームセットを定義した後、<frame>タグのsrc属性を使用して、表示したいHTMLファイルを指定します。

これにより、指定したファイルがフレーム内にロードされます。

例えば、下記のようにして異なるコンテンツを各フレームに割り当てることができます。

<frameset cols="30%,70%">
    <frame src="menu.html" name="menuFrame">
    <frame src="content.html" name="contentFrame">
</frameset>

この例では、ウェブページが左30%と右70%に分割されており、menu.htmlが左側のフレームに、content.htmlが右側のフレームにそれぞれ表示されます。

フレームに名前を付けることで、リンクやフォームから特定のフレームをターゲットにすることも可能になります。

●フレームの応用設定

先ほどのサンプルコードで基本的なフレームの使い方を見てきましたが、フレームをもっと効率的に利用するための応用設定についても学んでいきましょう。

フレームの応用設定では、フレームのサイズ調整や、フレーム間でのデータのやり取りなど、より複雑で高度な技術が必要とされます。

これにより、ユーザーにとってより快適で動的なウェブサイトを構築することが可能になります。

○サンプルコード3:フレームのリサイズ設定

ウェブサイトのデザインにおいて、フレームのサイズは重要な役割を果たします。

フレームのサイズを動的に調整することで、異なるデバイスや画面サイズに対応したレスポンシブなデザインを実現することができます。

下記のサンプルコードは、フレームのサイズをユーザーのアクションに応じて変更する方法を表しています。

<frameset cols="*,300" onload="resizeFrames()">
    <frame src="sidebar.html" name="sidebarFrame">
    <frame src="main.html" name="mainFrame">
</frameset>
<script>
function resizeFrames() {
    if (window.innerWidth < 500) {
        document.getElementsByTagName("frameset")[0].cols = "100,*";
    }
}
</script>

このコードでは、onloadイベントを使用してページが読み込まれたときにresizeFrames関数を呼び出しています。

この関数内で画面の幅をチェックし、小さなデバイスの場合はサイドバーフレームの幅を100ピクセルに調整しています。

これにより、さまざまな画面サイズに柔軟に対応するウェブページを設計することができます。

○サンプルコード4:フレーム間の通信方法

フレームを使用するウェブサイトでは、異なるフレーム間でデータをやり取りすることがしばしば必要となります。

フレーム間でスクリプトを使ってデータを共有することで、より一体感のあるユーザー体験を提供することが可能です。

下記のサンプルコードでは、一つのフレームから別のフレームにデータを送信する方法を表しています。

<frameset cols="50%,50%">
    <frame src="control.html" name="controlFrame">
    <frame src="display.html" name="displayFrame">
</frameset>
<script>
function sendData() {
    var data = document.getElementById("inputData").value;
    frames['displayFrame'].document.getElementById("result").innerHTML = data;
}
</script>

この例では、controlFrame内のフォームから入力されたデータをdisplayFrameで表示するために使用しています。

sendData関数は、データを読み取り、displayFrameの特定の要素にその値を設定することで、フレーム間での情報のやり取りを実現しています。

●よくあるエラーと対処法

HTMLフレームを使用する際、特に初心者の方が直面しがちない数々のエラーがあります。

これらのエラーは、ウェブページの表示に直接影響を与え、ユーザーエクスペリエンスを損なうことがあります。

そこで、フレームを使用する際に発生しやすいいくつかの一般的なエラーとその対処法を詳細に解説します。

○フレームが表示されない場合の対処法

フレームが正しく表示されない場合の一番の原因は、しばしばsrc属性の誤りにあります。

src属性には、フレーム内に表示させたいページのURLを正確に指定する必要があります。

URLが間違っていると、フレームは空白のまま表示されるか、404エラーページが表示されます。

<frameset cols="50%,50%">
    <frame src="correct-path.html">
    <frame src="also-correct-path.html">
</frameset>

このサンプルでは、src属性に正しいパスが指定されていることを確認しています。

パスに誤りがある場合は、それを正しいものに修正する必要があります。

また、ファイルがサーバー上に存在するかどうかも確認してください。

○セキュリティに関するエラーとその解決策

フレームを使用する際には、クロスフレームスクリプティング攻撃などのセキュリティリスクが伴うことがあります。

これは、悪意のあるスクリプトが異なるドメイン間でデータを不正に取得することを可能にする攻撃です。

セキュリティエラーを防ぐためには、フレームに含めるコンテンツのソースが信頼できるかを常に確認することが重要です。

また、下記のようにX-Frame-Optionsヘッダを使用して、ページがフレーム内でのみ表示されるよう制限することが推奨されます。

X-Frame-Options: SAMEORIGIN

このヘッダー設定により、同一オリジンのドキュメントのみがフレーム内に表示されるため、異なるオリジンのドキュメントが無断で読み込まれるのを防ぎます。

ウェブサーバーの設定にこのオプションを追加することで、フレームを安全に使用する一助となります。

●フレームを用いたデザイン例

フレームを活用したウェブデザインの可能性は広大であり、特に複数の情報を一画面に効果的に表示する場面でその価値を発揮します。

例えば、ウェブダッシュボードや情報ポータルサイトでは、さまざまな情報源からのデータをフレームを用いて整理し、一目で状況を把握できるように設計されています。

ここでは、フレームを使用した具体的なデザイン例とそれに伴うサンプルコードを紹介します。

○サンプルコード5:フレームを利用したナビゲーションバー

ナビゲーションバーはウェブサイトの利用効率を大幅に向上させる要素の一つです。

フレームを用いてナビゲーションバーを常に表示させることで、ユーザーはページを移動してもナビゲーションバーを利用でき、効率的にサイトを探索できます。

下記のサンプルコードは、ナビゲーションバーをフレームで実装する方法を表しています。

<frameset rows="10%,90%">
    <frame src="navbar.html" name="navbarFrame">
    <frame src="content.html" name="contentFrame">
</frameset>

このコードでは、ページの上部10%にナビゲーションバーを配置し、残りの90%でコンテンツを表示しています。

navbar.htmlにはナビゲーションバーのHTMLを、content.htmlには主要コンテンツのHTMLを配置します。

○サンプルコード6:フレームを使ったレスポンシブデザイン

フレームを利用したデザインは、適切に実装されればレスポンシブデザインにも対応可能です。

下記のサンプルコードは、フレームのサイズをブラウザの画面サイズに応じて調整することで、異なるデバイスに対応するレスポンシブデザインを表しています。

<frameset cols="30%,70%" onload="adjustFrameSize()">
    <frame src="sidebar.html" name="sidebarFrame">
    <frame src="mainContent.html" name="mainContentFrame">
</frameset>
<script>
function adjustFrameSize() {
    if (window.innerWidth < 800) {
        document.getElementsByTagName("frameset")[0].cols = "100%,*";
    } else {
        document.getElementsByTagName("frameset")[0].cols = "30%,70%";
    }
}
window.onresize = adjustFrameSize;
</script>

このスクリプトでは、ウィンドウのサイズに応じてフレームの割合を動的に調整しています。

800ピクセル未満の場合はサイドバーを非表示にし、それ以上の場合は30%のサイドバーと70%のメインコンテンツで表示します。

これにより、ユーザーがどのデバイスを使用していても最適なビューを実装することができます。

●HTMLフレームのSEO対策

HTMLフレームの使用は、多くの便利な機能を提供しながらも、検索エンジン最適化(SEO)には特有の課題をもたらします。

特に、フレームを使用することでコンテンツが分断され、検索エンジンがページ全体のコンテキストを正確に把握するのが難しくなる可能性があります。

しかし、適切な技術と方法を用いれば、これらの課題を克服し、フレームを含むウェブサイトのSEOを強化することが可能です。

○フレーム使用時の検索エンジン最適化(SEO)のポイント

フレームを使ったウェブサイトのSEOを改善するための重要なポイントはいくつかあります。

まず、<noframes>タグの効果的な利用が挙げられます。

これはフレームをサポートしていないブラウザや、フレームの内容をクロールできない検索エンジン向けに、代替テキストや追加のコンテンツを提供する方法です。

<frameset cols="50%, 50%">
    <frame src="left.html">
    <frame src="right.html">
    <noframes>
        <h1>ウェブサイトのメインコンテンツ</h1>
        <p>ここにフレーム非対応ブラウザ用のコンテンツを記述します。</p>
    </noframes>
</frameset>

上記のサンプルでは、<noframes>タグ内にウェブサイトの重要なキーワードを含むテキストコンテンツを配置しています。

これにより、フレームを解釈できない検索エンジンでもページ内容の一部を理解する助けとなります。

次に、ロボットメタタグやロボット.txtファイルを適切に設定して、検索エンジンがフレーム内のページを適切にクロールおよびインデックスするように誘導することが重要です。

フレーム内の各ページに<base>タグを使用して、正しいURL構造を保証することも有効です。

<head>
    <base href="https://example.com/">
    <meta name="robots" content="noindex, follow">
</head>

この例では、<base>タグがすべての相対URLのベースとして機能し、検索エンジンがフレーム内のリンクを適切に解析できるように支援します。

また、メタタグで特定のクロール指示を出すことで、フレームのページが検索結果に表示されるかどうかを細かく制御できます。

●現代のウェブデザインにおけるフレームの位置付け

先ほどの解説ではフレームのSEO対策について触れましたが、現代のウェブデザインでは、フレームの使用が徐々に減少しています。

この理由の一つとして、フレームが持ついくつかの問題点、特にSEOやユーザビリティの面での課題が挙げられます。

現代のウェブ開発では、より洗練された技術がフレームの代替として使用されることが多くなっています。

○モダンウェブデザインにおけるフレームの代替技術

フレームの使用を減らし、それに代わる技術としてCSSのFlexboxやGrid、そしてJavaScriptを活用した動的なコンテンツのローディングが主流となっています。

これらの技術はフレームを使った古い方法よりもはるかに柔軟で、ウェブサイトの構造を改善しつつ、ページのロード時間を短縮し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる効果があります。

例えば、CSS Gridを用いることで、ウェブページを複数のカラムに分割し、それぞれのセクションに異なるコンテンツを配置することができます。

これにより、フレームセットを用いることなく、同様のレイアウトを実現可能です。

.container {
  display: grid;
  grid-template-columns: 1fr 3fr;
}
.sidebar {
  grid-column: 1;
}
.main-content {
  grid-column: 2;
}
<div class="container">
  <div class="sidebar">
    <!-- サイドバーの内容 -->
  </div>
  <div class="main-content">
    <!-- メインコンテンツの内容 -->
  </div>
</div>

このコードでは、.containerにCSS Gridのレイアウトが適用され、.sidebarと.main-contentがそれぞれウェブページの左側と右側に配置されています。

この方法では、各セクションのサイズや配置を簡単に調整でき、レスポンシブデザインの実装も容易になります。

また、JavaScriptを使用して、必要に応じてコンテンツを動的にロードする方法も一般的です。

これにより、ページ全体を再ロードすることなく、特定の部分だけを更新できるため、ユーザーの待ち時間が短縮され、滑らかなインタラクションが可能になります。

document.getElementById('loadButton').addEventListener('click', function() {
  fetch('content.html')
    .then(response => response.text())
    .then(html => {
      document.getElementById('content').innerHTML = html;
    });
});
<button id="loadButton">コンテンツをロード</button>
<div id="content"></div>

上記のJavaScriptコードは、ボタンがクリックされると’content.html’からコンテンツを非同期に取得し、ページの特定の部分にそのHTMLを挿入します。

●フレームを使用したサイトの事例研究

フレーム技術は、歴史的に多くのウェブサイトで利用されてきましたが、その使用例を研究することで、現代のウェブ開発におけるその教訓を学ぶことができます。

特にポータルサイトや情報提供サービスでは、異なる情報ソースからのコンテンツを一つの画面にまとめるためにフレームが活用されていました。

しかし、ユーザビリティの向上とSEOの最適化を目的として、徐々に代替技術へと移行しています。

○サンプルコード7:実際のウェブサイトにおけるフレームの使用事例

フレームは、特にニュースサイトやオンライン教育プラットフォームで広く使用されています。

たとえば、ニュースサイトでは主要な記事をメインフレームに、関連記事や広告をサイドフレームに配置することが一般的です。

下記のサンプルコードは、そのようなレイアウトを表しています。

<frameset cols="75%,25%">
    <frame src="main_article.html" name="mainFrame">
    <frame src="sidebar.html" name="sidebarFrame">
</frameset>

この構成により、ユーザーは主要な記事に集中しつつ、サイドバーから追加情報に簡単にアクセスできます。

しかし、フレームを使用するとページの一部だけを更新できるため、ユーザー体験が断片化する可能性があります。

○サンプルコード8:フレームを活用したユーザーインターフェースの改善例

フレームを使用してユーザーインターフェースを改善する一例として、ダッシュボードの設計があります。

下記のコードは、ユーザーが異なる管理機能にアクセスできるように設計された管理ダッシュボードのレイアウトを表しています。

<frameset rows="20%,80%">
    <frame src="header.html" name="headerFrame">
    <frame src="control_panel.html" name="controlFrame">
</frameset>

ここでは、上部のフレームにはサイトのロゴやナビゲーションバーが、下部のフレームには各種管理ツールが配置されています。

このようにフレームを活用することで、サイトの各セクションを独立して更新でき、効率的なユーザー操作が可能になります。

しかし、この方法はフレーム間のデータ共有が必要な場合にはJavaScriptを用いた追加のコーディングが必要となり、開発の複雑さが増します。

まとめ

この記事では、HTMLフレームの基本的な概念から具体的な応用方法に至るまで、詳細に解説しました。

フレームを使用することでウェブページの特定部分のみを更新できる利点がありますが、SEOやユーザビリティの面での課題もあるため、使用には慎重を期す必要があります。

また、現代のウェブデザインではフレームの代わりにCSS GridやJavaScriptを使用する技術が推奨されています。

これらの技術により、より効果的でユーザーフレンドリーなサイト構築が可能です。