●非同期処理の仕組みを「キッチン作業」で完全理解
JavaScriptの非同期処理、「理解」するのに苦労していませんか?
今回は「キッチン作業」という誰でも理解しやすい例で、非同期処理の本質に迫っていきましょう!
○同期処理vs非同期処理を料理で例えると…
今からあなたはシェフです。
3品の料理を作るシェフです。
同期処理の場合・・・
- ハンバーグを焼く(15分)
- その間、じっと見つめる
- 完成したら次にサラダを作る(5分)
- その後、スープを温める(5分)
結果、25分かかってしまいます。
ただ、本来シェフはそんなことしませんよね。
ラーメン屋でもそうです。
非同期処理の場合・・・
- ハンバーグを焼き始める(15分)
- その間にサラダも作る(5分)
- 同時にスープも温める(5分)
- ハンバーグが焼けるのを待つ
最も時間のかかるハンバーグ15分の間にすべて終わってしまい、ハンバーグを待つ余裕ができましたね!
結果、15分です!
お分かりの通り、料理人も非同期処理を使っているんですね。
🔍 ここがポイント!
非同期処理は「待ち時間」を有効活用できます。JavaScriptでも同じ考え方が適用されます。
データの読み込みやAPI通信の待ち時間中に、他の処理を実行できるということですね。
実際のコードで見てみよう
現代のWebアプリケーションでは、ユーザー体験(UX)を向上させるために非同期処理が必須となっています。
例えば、Twitterのタイムライン読み込み中でも、ユーザーは入力や他の操作ができますよね。
●『非同期のメリット』パフォーマンス向上の決め手
先述で察しのついた方も多かれ少なかれいるとは思いますが、非同期処理は現代のWebアプリケーション開発において、パフォーマンスを大きく左右する重要な要素です。
特にユーザー体験(UX)の向上とシステムリソースの効率的な利用の両面で、大きなメリットをもたらします。
実際のプロジェクトでどのように活用されているのか、具体例を交えながら詳しくなぞっていきましょう!
○なぜ非同期処理が必要なの?
ユーザー体験の向上
- ローディング中でもUIが固まらない
- レスポンシブな操作感を実現
- (画像のプレビュー表示中でもフォーム入力可能)
リソースの効率的な使用
- CPUのアイドル時間を削減
- 複数のタスクを並行処理
- メモリの効率的な利用
スケーラビリティの向上
- 多数のリクエストを効率的に処理
- サーバーリソースの有効活用
🔍 ここがポイント!
非同期処理は単なる「待ち時間の活用」だけではありません。システム全体のパフォーマンスとスケーラビリティに大きく影響してきます。
○コールバック地獄を脱出!Promise誕生の背景
コールバック地獄とは?
🚫 よくある問題点
- コードの可読性が著しく低下
- エラーハンドリングが複雑に
- デバッグが困難
- コードのメンテナンスが大変
こんな時は、Promiseによる解決を試みましょう!
🔍 ここがポイント!
Promiseは非同期処理を「約束」として扱います。「処理が完了したら次はこうする」という流れを、直感的に書けるようになりましたね。
○さらに進化!async/await
💡 豆知識
async/awaitはPromiseをベースにしていますが、より同期的なコードのように書けます。
これで、コードの見通しが良くなり、デバッグも容易になりました。
●forEachループの落とし穴と対処法
非同期処理でforEachを使うとき、思わぬ落とし穴にハマった経験はありませんか?
実は多くのエンジニアが経験するこの問題、しっかり理解して適切に対処していきましょう!
よくあるforEachの罠的要素
🔍 ここがポイント!
forEachは非同期処理を待ってくれません。
上のコードでは「完了!」が先に表示されてしまいます。
正しい実装方法
forEachの代わりにfor…ofを使うと、同期的な見た目のまま非同期処理を書けます。
コードの意図が明確になりますね!
○なぜPromise.allを使うべきなのか
メリットは並列実行による高速化!
エラーハンドリングの一元化もできる!
🔍 ここがポイント!
Promise.allは全ての非同期処理が成功した時のみ完了します。
一つでも失敗すると即座にエラーを返します。
Promise.allSettledという選択肢も
💡 豆知識
Promise.allSettledは、一部の処理が失敗しても他の処理を続行したい場合に便利です。
例えば、複数の画像を一括アップロードする機能での使用が想定されます。
●forEachとfor-ofのパフォーマンス差
実行速度の比較コード
パターン | メモリ使用量 | 実行速度 | デバッグのしやすさ |
---|---|---|---|
forEach | 🟡 中 | 🟢 速い | 🔴 難しい |
for-of | 🟢 少ない | 🟡 普通 | 🟢 簡単 |
Promise.all | 🔴 多い | 🟢 最速 | 🟡 普通 |
まとめ
今回学んだことを簡単におさらいしましょう!
逐次処理が必要な場合
処理順序が重要な場合はfor-of
を使いましょう。
並列処理で高速化したい場合
独立した処理の並列実行にはPromise.all
を使いましょう。
エラーを個別に処理したい場合
エラー処理が複雑な場合はPromise.allSettled
を使いましょう。
参考になったら嬉しいです!