PHPフレームワーク10選!使い方と応用例を徹底解説 – Japanシーモア

PHPフレームワーク10選!使い方と応用例を徹底解説

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はじめに

この記事を読めば、初心者でもPHPフレームワークについて理解し、使い方を覚えることができるようになります。

PHPフレームワークと聞いて、何を思い浮かべますか? プログラミングの世界は広大で、新たな学びが待ち受けている場所です。

しかし、その一方で、初心者が一歩を踏み出すのをためらわせるほどの複雑さを持っています。

そこで今回は、初心者でも理解できるようにPHPフレームワークについて詳しく解説します。

●PHPフレームワークとは

PHPフレームワークとは、PHPでのWebアプリケーション開発を助けるツールのことを指します。

これは、繰り返し行われる作業を自動化したり、コードの構造を整理したりすることで、開発者がより効率的に、そして確実にプロジェクトを進められるようにするためのものです。

○フレームワークの基本

フレームワークとは、一般的には、特定のシステムやアプリケーションを構築するための基本的な枠組みや構造を提供するものを指します。

PHPフレームワークは、その名の通り、PHPでWebアプリケーションを作るためのフレームワークで、開発者が一からすべてを作る代わりに、再利用可能なコードやモジュールを提供し、開発プロセスを加速します。

●PHPフレームワークの種類と選び方

PHPフレームワークは数多く存在し、それぞれに特徴や利点、欠点があります。

ここでは、主要なPHPフレームワークをいくつか紹介し、それぞれの特徴や選び方について解説します。

○Laravel

Laravelは、現在最も人気のあるPHPフレームワークの一つです。

その理由は、高度な機能を備えつつも初心者に優しく、コードが美しく整理されていること、そして学習リソースが豊富であることが挙げられます。

また、組み込みのORM(オブジェクトリレーショナルマッピング)やルーティング機能、ユニットテスト機能など、開発を容易にする多くの機能が提供されています。

○Symfony

Symfonyは、再利用可能なコンポーネントとして設計されており、大規模な企業向けのアプリケーション開発に適しています。

セキュリティが強化されており、多機能ながらもパフォーマンスが高いという特徴があります。

ただし、その多機能性からくる複雑さゆえに、初心者にとっては学習曲線がやや急な部分もあります。

○CodeIgniter

CodeIgniterは、軽量でフレキシブルなフレームワークで、初心者にも扱いやすいことで知られています。

MVCモデル(モデル-ビュー-コントローラー)を採用しており、学習曲線は比較的緩やかです。また、高度な機能を必要としない小規模なプロジェクトに最適です。

○Phalcon

Phalconは、C言語で書かれたフレームワークで、そのために非常に高速です。

また、C言語を知らなくてもPHPで開発できるため、パフォーマンスを求める開発者にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

ただし、一部の共有ホスティングプロバイダではサポートされていない場合があるため、使用する前に確認が必要です。

○Slim

Slimは、小規模なアプリケーションやRESTful APIの開発に適している軽量フレームワークです。

そのシンプルさと高速性から、特定の機能を迅速に開発する場合に有用です。

また、オープンソースであるため、コードは自由にカスタマイズ可能です。

○CakePHP

CakePHPは、Railsの概念をPHPに取り入れたフレームワークとして知られています。

そのため、開発者はMVCパラダイムに従った開発を行うことが可能です。さらに、独自のORMを提供することでデータベース操作を容易にし、CRUD操作(作成、読み込み、更新、削除)を効率化します。

○Yii

Yiiは、高性能なフレームワークで、特に大規模なWebアプリケーションに適しています。

機能豊富でありながら、そのパフォーマンスは非常に高いです。また、Active Record、MVC、DAO/ActiveRecordなどのパターンが組み込まれており、機能的で高度なWebアプリケーションを作成することが可能です。

○Zend Framework

Zend Frameworkは企業向けに設計された、堅牢で安全なフレームワークです。

その高度な機能と設定の自由度から、大規模なビジネスアプリケーションの開発に最適です。

ただし、これらの特性から初心者にとっては取り扱いが難しいと感じるかもしれません。

○FuelPHP

FuelPHPは、柔軟性と簡潔さを兼ね備えたフレームワークです。

これは、HMVC(階層型モデルビューコントローラー)パターンを採用しており、アプリケーションのスケーラビリティと再利用性を向上させます。

また、ORM、ルーティング、認証、キャッシングなどの機能が組み込まれています。

これらのフレームワークの選び方は、主に開発するアプリケーションの規模や必要な機能、そして開発者のスキルレベルに依存します。

初心者であればLaravelやCodeIgniter、シンプルなAPI開発であればSlim、大規模なアプリケーションであればSymfonyやYii、企業向けの堅牢なフレームワークが必要であればZend Frameworkといった選択肢が考えられます。

それぞれのフレームワークが持つ特性を理解し、それに合わせて最適なものを選択しましょう。

●PHPフレームワークの使い方

それでは、具体的なコードを使って各PHPフレームワークの使い方を学んでいきましょう。

○サンプルコード1:Laravelでの基本的なルーティング

Laravelでは、ルーティングはweb.phpファイルで管理されます。

下記のコードは、URL’/’へのアクセスをWelcomeControllerのindexメソッドにルーティングする例です。

// routes/web.php
Route::get('/', 'WelcomeController@index');

このコードは、ユーザーがウェブサイトのルートディレクトリにアクセスしたときに、WelcomeControllerのindexメソッドを実行するという役割を持っています。

○サンプルコード2:Symfonyでのデータベース操作

Symfonyでは、Doctrine ORMを使ってデータベース操作を行います。

下記のコードは、新しいユーザーを作成しデータベースに保存する例です。

// src/Controller/UserController.php
$user = new User();
$user->setName('John Doe');
$user->setEmail('john@example.com');

$entityManager = $this->getDoctrine()->getManager();
$entityManager->persist($user);
$entityManager->flush();

この例では、新しいユーザーオブジェクトを作成し、その名前とメールアドレスを設定しています。

そして、Doctrineのエンティティマネージャーを取得し、ユーザーオブジェクトを永続化(persist)した後、データベースにフラッシュ(保存)しています。

○サンプルコード3:CodeIgniterでのフォームバリデーション

CodeIgniterでは、フォームバリデーションはForm_validationライブラリで行います。

下記のコードは、送信されたデータのバリデーションルールを設定する例です。

// application/controllers/FormController.php
$this->load->library('form_validation');

$this->form_validation->set_rules('username', 'Username', 'required');
$this->form_validation->set_rules('password', 'Password', 'required');

if ($this->form_validation->run() == FALSE) {
    $this->load->view('myform');
} else {
    $this->load->view('formsuccess');
}

このコードでは、まずform_validationライブラリをロードしています。次にset_rulesメソッドを使って、’username’と’password’の各フィールドが必須(’required’)であることを指定しています。

その後、form_validationのrunメソッドでバリデーションを実行し、その結果がFALSE(つまり、バリデーションエラーが存在する)ならエラーメッセージを表示するmyformビューをロードし、そうでない場合(つまり、全てのバリデーションルールが満たされている)はformsuccessビューをロードします。

○サンプルコード4:Phalconでのモデル作成

Phalconフレームワークでは、モデルはデータベースのテーブルと対応しており、テーブルの各行はモデルのインスタンスとして扱われます。

下記のコードは、usersテーブルに対応するUserモデルの作成を示しています。

// app/models/User.php
use Phalcon\Mvc\Model;

class User extends Model
{
    public $id;
    public $name;
    public $email;
}

このサンプルコードでは、PhalconのModelクラスを継承したUserクラスを作成しています。このUserクラスはusersテーブルに対応し、そのプロパティ($id、$name、$email)はテーブルの各列に対応します。

これにより、usersテーブルの各行はUserクラスのインスタンスとして扱われ、そのインスタンスのプロパティを通じて各列の値にアクセスできます。

●PHPフレームワークの応用例

PHPフレームワークは、基本的な機能だけでなく、より高度な機能を持つWebアプリケーションを開発するための強力なツールです。

いくつか人気のあるPHPフレームワークを使用した応用例を紹介します。

○サンプルコード5:SlimでのRESTful APIの作成

Slimフレームワークは、API開発に適している軽量で高速なマイクロフレームワークです。

下記のコードは、GETリクエストを受け取り、”Hello, {name}”という形式で応答する簡単なRESTful APIを作成するものです。

// index.php
use Psr\Http\Message\ResponseInterface as Response;
use Psr\Http\Message\ServerRequestInterface as Request;
use Slim\Factory\AppFactory;

require __DIR__ . '/../vendor/autoload.php';

$app = AppFactory::create();

$app->get('/hello/{name}', function (Request $request, Response $response, array $args) {
    $name = $args['name'];
    $response->getBody()->write("Hello, $name");
    return $response;
});

$app->run();

このコードでは、まずSlimのAppFactoryクラスを使ってアプリケーションインスタンスを作成しています。

そして、getメソッドを用いて’/hello/{name}’パスへのGETリクエストを定義します。ここで{name}はパラメータで、URLから動的に取得します。

その後、リクエストに対する応答として”Hello, {name}”を返すように設定しています。最後に、アプリケーションを実行します。

○サンプルコード6:CakePHPでのテンプレートエンジンの使用

CakePHPは、テンプレートエンジンとしてTwigをサポートしています。

下記のコードは、Twigを使ってビューを作成し、そのビューにデータを渡す例です。

// src/Controller/UsersController.php
namespace App\Controller;

class UsersController extends AppController
{
    public function index()
    {
        $users = $this->Users->find('all');
        $this->set(compact('users'));
    }
}
<!-- templates/Users/index.twig -->
{% for user in users %}
    <h2>{{ user.name }}</h2>
    <p>{{ user.email }}</p>
{% endfor %}

最初のPHPコードでは、UsersControllerのindexメソッドで、全てのユーザーを取得し、それをビューに渡しています。

2つ目のTwigテンプレートでは、そのユーザーの情報をループして表示しています。

CakePHPのsetメソッドとTwigのループ構文を使用することで、コードの可読性をさらに高めることができます。

○サンプルコード7:YiiでのActiveRecordの利用

Yiiフレームワークは、データベース操作を容易にするためのActiveRecordパターンを採用しています。

下記のコードは、ActiveRecordを利用してデータベースからデータを取得する例です。

// models/User.php
namespace app\models;

use yii\db\ActiveRecord;

class User extends ActiveRecord
{
    public static function tableName()
    {
        return 'user';
    }
}
// controllers/UserController.php
namespace app\controllers;

use yii\web\Controller;
use app\models\User;

class UserController extends Controller
{
    public function actionIndex()
    {
        $users = User::find()->all();
        return $this->render('index', ['users' => $users]);
    }
}

まず、Userモデルを作成し、ActiveRecordクラスを継承します。

その後、tableNameメソッドを使って対応するデータベーステーブル名を指定します。

次に、UserControllerのactionIndexメソッドで、Userモデルのfindメソッドを使って全てのユーザーを取得し、その結果をビューに渡します。

このように、YiiのActiveRecordを使うと、データベース操作を直感的かつ簡単に行うことができます。

○サンプルコード8:Zend Frameworkでのモジュール管理

Zend Frameworkでは、アプリケーションの機能をモジュールとして分割することが推奨されています。

下記のコードは、新しいモジュールを作成し、そのモジュール内でルーティングを設定する例です。

// module/Application/src/Module.php
namespace Application;

class Module
{
    public function getConfig()
    {
        return include __DIR__ . '/../config/module.config.php';
    }
}
// module/Application/config/module.config.php
return [
    'router' => [
        'routes' => [
            'home' => [
                'type' => 'Literal',
                'options' => [
                    'route'    => '/',
                    'defaults' => [
                        'controller' => Controller\IndexController::class,
                        'action'     => 'index',
                    ],
                ],
            ],
        ],
    ],
];

ここでは、新しいモジュール”Application”を作成し、その中に”Module”クラスを定義しています。

“Module”クラスの中にある”getConfig”メソッドは、モジュールの設定を返す役割を果たしています。

そして、module.config.phpファイルでは、ルーティングの設定を行っています。

○サンプルコード9:FuelPHPでのORMの利用

FuelPHPは、ORM (Object Relational Mapping) を利用してデータベース操作を行うことができます。

下記のコードは、FuelPHPのORMを使用してデータベースからデータを取得する例を示しています。

// fuel/app/classes/model/user.php
namespace Model;
use Orm\Model;

class User extends Model
{
    protected static $_properties = array('id', 'name', 'email');
}
// fuel/app/classes/controller/welcome.php
namespace Controller;
use Fuel\Core\Response;
use Model\User;

class Welcome extends \Fuel\Core\Controller
{
    public function action_index()
    {
        $users = User::find('all');
        foreach ($users as $user) {
            echo $user->name, "\n";
        }
    }
}

最初のコードでは、Userモデルを定義し、FuelPHPのORMクラスを継承します。

そして、$_properties変数にユーザーテーブルのカラム名を指定します。

次に、Welcomeコントローラーのaction_indexメソッドで、Userモデルのfindメソッドを使って全てのユーザーを取得し、その名前を表示します。

FuelPHPのORMを利用することで、データベース操作をより直感的に行うことができます。

●注意点と対処法

PHPフレームワークを使用する際の一般的な注意点として、フレームワークが提供する機能やパターンを理解し、適切に利用することが挙げられます。

また、フレームワークのバージョンアップに伴う変更点を適時確認し、互換性の問題を避けることも重要です。

対処法としては、公式ドキュメンテーションを頻繁に参照し、最新の情報を取得することが推奨されます。

●カスタマイズ方法

PHPフレームワークはカスタマイズが容易であり、特定のプロジェクトのニーズに合わせて機能を追加または変更することが可能です。

例えば、特定のルーティングの挙動を変更したい場合や、独自のヘルパー関数を作成したい場合などに、フレームワークの既存のコードを調整することが可能です。

ただし、カスタマイズを行う際には、フレームワークの設計原則を尊重し、メンテナンス性や拡張性を損なわないよう注意する必要があります。

まとめ

この記事では、いくつかの主要なPHPフレームワークについて、その特性や応用例を通じて詳しく解説しました。

各フレームワークはそれぞれに独自の特性と機能を持っていますので、プロジェクトの要件により適したフレームワークを選ぶことが重要です。