Rubyで使える予約語10選!初心者でもすぐに理解できる!

Rubyの予約語の解説とサンプルコードRuby
この記事は約10分で読めます。

 

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

サイト内のコードを共有する場合は、参照元として引用して下さいますと幸いです

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

この記事を読めば、Rubyの予約語の使い方を一から理解することができるようになります。

予約語とは、プログラムの中で特殊な役割を果たすために予め定められている単語のことです。

Rubyでも予約語は多く存在しますが、その中でも特によく使われる10種類をピックアップし、詳しく解説します。

●Rubyの予約語とは

Rubyの予約語は、Rubyの構文を成り立たせるための特殊な単語群です。

これらの単語は変数名やメソッド名として利用することはできません。

それぞれが持つ役割と使い方を理解することで、効率的なプログラミングが可能になります。

○予約語の基本知識

Rubyの予約語は、プログラムの制御構造を表現したり、特定の動作を指示したりするために用意されています。

例えば、「if」は条件分岐、「while」は繰り返し処理を表現するのに使われます。

●Rubyの予約語10選

Rubyでよく使われる予約語10種類を取り上げ、それぞれの機能と使い方について解説していきます。

○サンプルコード1:beginとend

「begin」と「end」は、一連の処理をまとめるために使用します。例えば、例外処理を行う際に利用します。

下記のサンプルコードは、割り算の結果が無限大になる例外(ZeroDivisionError)を補足する例です。

begin
  result = 10 / 0
rescue ZeroDivisionError
  puts "ゼロで割り算はできません"
end

このコードを実行すると、「ゼロで割り算はできません」と表示されます。

○サンプルコード2:break

「break」は、繰り返し処理を途中で終了するための予約語です。

例えば、次のコードでは、配列の要素を順に出力し、要素が3の時点でループから脱出します。

[1, 2, 3, 4, 5].each do |num|
  break if num == 3
  puts num
end

このコードを実行すると、「1」と「2」のみが出力されます。

○サンプルコード3:do

「do」はRubyのイテレータ(反復処理)の中で使用され、繰り返し実行する処理の始まりを示す役割を果たします。

「do」は「end」キーワードと組み合わせて使われます。以下に示すコードは、配列の要素を全て2倍にして出力する例です。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
numbers.each do |n|
  puts n * 2
end

このコードを実行すると、2、4、6、8、10という数値が順に出力されます。

○サンプルコード4:ifとelse

「if」は条件式が真(true)であるときに、指定した処理を行うための予約語です。

「else」は「if」の条件が偽(false)のときに、指定した処理を行います。

下記のコードは、変数xの値が5より大きい場合とそれ以外の場合で異なるメッセージを出力する例です。

x = 10
if x > 5
  puts "xは5より大きいです"
else
  puts "xは5以下です"
end

このコードを実行すると、「xは5より大きいです」と表示されます。

これらの予約語を組み合わせることで、多岐にわたる制御構造を実現することができます。

○サンプルコード5:while

「while」は条件が真(true)である間、繰り返し処理を実行します。

「while」は特定の条件が満たされるまで、処理をループさせるために用いられます。

下記のコードは、「while」を用いて1から10までの数値を順に出力する例です。

i = 1
while i <= 10
  puts i
  i += 1
end

このコードでは、変数iの値が10以下である間、iの値を出力し、その後iの値に1を加えています。

このコードを実行すると、1から10までの数値が順に出力されます。

○サンプルコード6:for
「for」は一連の要素に対して繰り返し処理を実行します。

これはコレクション、つまり配列やハッシュ、または範囲(例:1..10)を通じて行います。

「for」を使用して1から5までの数字を出力するコードを表します。

for i in 1..5
  puts i
end

このコードでは、「1..5」の範囲を通じてループを実行し、それぞれの数値を出力しています。

実行すると、1から5までの数字が順番に出力されます。

注意すべきは、「for」ループではループ内の変数(この例では「i」)が、ループの外でも利用できるという点です。

次に、予約語「next」について説明します。

この予約語は、現在のループの残りの部分をスキップし、次のループの反復に移行します。

○サンプルコード7:next

Rubyにおける「next」はループの現在のイテレーションをスキップして次のイテレーションへ進むことを指示する予約語です。

「next」を用いることで特定の条件下での処理を飛ばしたり、ある範囲内で特定の値だけを取り除いたりすることが可能となります。

for i in 1..10
  next if i == 5
  puts i
end

このコードでは「1..10」の範囲を通じてループを実行し、それぞれの数値を出力しています。

ただし、「i == 5」の条件を満たすとき(すなわち、iが5のとき)、「next」が実行されてその回のループはスキップされます。

その結果、出力結果からは「5」が省かれることになります。

このように「next」は、特定の条件を満たすときにそのループをスキップするのに便利なツールです。

○サンプルコード8:nil

Rubyの「nil」は、何もないことを表現するための特殊な値です。

つまり、何かの値が存在しない、または未定義であることを示すのに使います。

num = nil
if num
  puts "numは#{num}です。"
else
  puts "numはnilです。"
end

このコードでは、最初に変数numnilを代入しています。

次に、if文を使ってnumが何であるかを判定しています。

この場合、numnilなので、「numはnilです。」と出力されます。

Rubyでは、nilは偽(false)として扱われるため、if numは偽と評価され、else節の内容が出力されます。

このように、nilはある値が存在しないことを示す際に使用します。

○サンプルコード9:return

次に取り上げる予約語は「return」です。

Rubyにおける「return」は、メソッドから値を返す時やメソッドの途中で処理を終了したい時に用います。

def sum(a, b)
  return a + b
end

result = sum(3, 4)
puts result  # 7と出力される

このコードでは、「sum」メソッドを定義しており、「return a + b」により、引数で受け取った二つの数の和を返しています。

そして、sum(3, 4)の結果を変数「result」に代入し、その値を出力しています。

この例では、3と4の和である7が出力されます。

Rubyでは、returnを省略することも可能ですが、メソッドを途中で終了するためなど、明示的にreturnを書くことが必要な場合もあります。

それによってプログラムの可読性を上げることもできます。

このように「return」はRubyのコードで頻繁に使用される予約語の一つです。

○サンプルコード10:yield

Rubyで非常に重要な予約語である「yield」を次に紹介します。

「yield」は、ブロック付きのメソッド内でブロックを実行するための予約語です。

言い換えると、「yield」はメソッドの呼び出し元に制御を一時的に戻すためのキーワードとも言えます。

def greeting
  puts "おはよう"
  yield
  puts "こんばんは"
end

greeting do
  puts "こんにちは"
end

このコードでは、「greeting」というメソッドを定義し、その中で「yield」を使用しています。

「yield」の役割は、メソッド内で一時的に制御を呼び出し元のブロック(この例では “puts ‘こんにちは'”)に移すことです。

この結果として、出力は「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の順となります。

「yield」は、このようにしてRubyでのメソッドとブロックの関係を強力にサポートし、柔軟でパワフルなコーディングスタイルを実現します。

ただし、「yield」は呼び出し元がブロックを提供していない場合にはエラーを引き起こすため、使用する際には注意が必要です。

●Ruby予約語の注意点と対処法

Rubyの予約語を使用する際には注意が必要です。

予約語はプログラム内で特別な役割を果たすため、変数名やメソッド名として使用することは避けましょう。

その理由は、予約語を変数名やメソッド名として使用すると、プログラムの解析が難しくなり、バグの原因になるからです。

具体的には、例えば「class」という予約語を変数名として使用した場合、Rubyのインタプリタはこれをクラス定義の開始と解釈しようとします。

その結果、想定外の動作を引き起こし、プログラムが正しく動かなくなる可能性があります。

このような問題を防ぐための対処法としては、まず予約語を覚え、それらの単語を変数名やメソッド名に選ばないことが基本です。

また、プログラミングの世界では、変数名やメソッド名には意味のある名前をつけるという原則があります。

これはコードが自己説明的になり、他の開発者が理解しやすくなるからです。

この原則を守ることで、自然と予約語を変数名やメソッド名として使用することは避けられるでしょう。

●Ruby予約語のカスタマイズ方法

Rubyの予約語は、プログラムの中で特定の役割を果たすためにあらかじめ定義されていますが、それらを「カスタマイズ」するという考え方はあまり適切ではありません。

それどころか、予約語をカスタマイズしようとすると、混乱やエラーを引き起こす可能性が高いです。

しかし、予約語を巧みに利用することで、その振る舞いを一部「カスタマイズ」したように感じることができます。

その一例として、「yield」の予約語があります。

これは、ブロックを受け取るメソッド内で使用すると、そのブロック内のコードを実行します。

def custom_method
  yield if block_given?
end

custom_method do
  puts "Hello, Ruby!"
end

このコードでは、予約語の「yield」を使って、「custom_method」メソッドを定義しています。

このメソッドは、ブロックが渡された場合にそのブロックを実行します。

「block_given?」は、ブロックが渡されているかどうかを判断するメソッドです。

次に、「custom_method」を呼び出し、その際にブロックを渡しています。

ブロック内には「puts “Hello, Ruby!”」というコードが書かれており、これが実行されます。

このコードを実行すると、”Hello, Ruby!”と出力されます。

これは、予約語「yield」がブロック内のコードを実行した結果です。

このように、Rubyの予約語を理解し、それらを適切に使用することで、コードの動作をカスタマイズすることが可能になります。

ただし、これはあくまで予約語の振る舞いを利用したものであり、予約語自体をカスタマイズしたわけではありません。

Rubyの予約語は、言語設計者が定めたルールに基づいて動作するため、それを変更することは原則としてできません。

まとめ

この記事では、Rubyの予約語について、その概要、使用方法、注意点、そして一部の予約語を利用した「カスタマイズ方法」について解説しました。

予約語は、それぞれが持つ特定の役割を理解し、適切に使用することで、効果的なプログラムを書くことが可能です。

特に「begin」「end」「rescue」は例外処理に必須の予約語であり、これらを用いることでエラーハンドリングを実装できます。

また、「yield」はブロックの挙動を制御するのに重要な予約語で、これを用いてメソッドの動作を一部カスタマイズすることができます。

しかし、予約語のカスタマイズという概念は基本的には存在せず、予約語の役割や挙動を理解し、それを活用することが最も重要です。

予約語を自由にカスタマイズしようとすると、プログラムが予期しない挙動を示す可能性があるため、注意が必要です。

以上の内容を踏まえ、Rubyの予約語を適切に使用し、効率的で堅牢なプログラムを書くことができるようになりましょう。

そして、学んだ知識を日々のコーディングに活かしていきましょう。

この記事が、Rubyの予約語の理解と使用に役立つ情報を提供できたことを願っています。