Rubyによる行列積の計算!初心者でも分かる5つのステップ – Japanシーモア

Rubyによる行列積の計算!初心者でも分かる5つのステップ

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はじめに

あなたがこの記事を開いたということは、恐らくRubyというプログラミング言語で行列の積を計算する方法を学びたいと思っているのではないでしょうか。

そうであれば、あなたは正しい場所に来ました。

この記事を読めば、Rubyで行列の積を計算することができるようになります。

行列の積は、データ分析や機械学習、物理学やエンジニアリングなど、さまざまな分野で使われます。

Rubyを用いてこれらの計算を行うことで、より複雑な問題にも対応可能となります。

この記事では、Rubyで行列を扱うための基本的な知識から、行列積の計算方法、さらには応用例までを紹介します。

具体的なサンプルコードを用いながら、初心者でも分かりやすいように説明していきます。

●Rubyと行列計算について

Rubyは高い生産性と読みやすいコードが特徴のプログラミング言語です。

特に、文字列操作や日付、配列、ハッシュといったデータ型の扱いが得意で、Web開発やシステムユーティリティの作成などに広く用いられています。

Rubyでは、Matrixというクラスを使って行列を扱うことができます。

このMatrixクラスは、Rubyの標準ライブラリに含まれています。

このクラスを使えば、行列の生成、転置、逆行列の計算など、基本的な行列操作を簡単に行うことができます。

●Rubyでの行列作成方法

まずはRubyで行列を作成する方法を見てみましょう。

○サンプルコード1:行列の作成

下記のサンプルコードは、RubyのMatrixクラスを使って2×2行列を作成するものです。

require 'matrix'

matrix = Matrix[[1, 2], [3, 4]]
p matrix

このコードではまず、require 'matrix'Matrixクラスを読み込みます。

次に、Matrix[[1, 2], [3, 4]]で2×2の行列を作成し、変数matrixに代入しています。

行列は二次元配列を引数にとり、その各要素が行列の行に対応します。

最後に、p matrixで作成した行列を出力しています。

これを実行すると、次のような出力結果が得られます。

Matrix[[1, 2], [3, 4]]

これは、作成した行列が正しく出力されていることを表しています。

●Rubyでの行列積の計算方法

それでは次に、Rubyで行列の積を計算する方法について説明します。

行列の積とは、ある行列の各行と別の行列の各列の対応する要素をかけ合わせ、それらを全て足し合わせることで得られます。

RubyのMatrixクラスでは、*演算子を使って簡単に行列の積を計算することができます。

○サンプルコード2:行列積の計算

下記のサンプルコードは、2つの2×2行列の積を計算するものです。

require 'matrix'

matrix1 = Matrix[[1, 2], [3, 4]]
matrix2 = Matrix[[5, 6], [7, 8]]

product = matrix1 * matrix2
p product

このコードでは、まず2つの行列matrix1matrix2を作成しています。

次に、これらの行列の積を計算するために、*演算子を使用しています。

そして、その結果を変数productに代入し、最後に出力しています。

これを実行すると、次のような出力結果が得られます。

Matrix[[19, 22], [43, 50]]

これは、2つの行列の積が正しく計算され、その結果が出力されていることを表しています。

●Rubyでの行列操作の基本

行列を扱うためには、行列の作成や行列積の計算だけでなく、行列の要素へのアクセス方法や要素の変更方法、行列の転置といった基本的な操作も理解しておく必要があります。

○サンプルコード3:行列の要素へのアクセス

まずは、Rubyで行列の特定の要素にアクセスする方法を見てみましょう。

下記のサンプルコードでは、作成した行列の特定の要素にアクセスし、その値を出力しています。

require 'matrix'

matrix = Matrix[[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]
element = matrix[1, 2]
p element

このコードでは、3×3の行列を作成し、matrix[1, 2]という表現で行列の特定の要素にアクセスしています。

ここで、行と列は0から始まるインデックスで指定します。

従って、matrix[1, 2]は2行目の3列目の要素、つまり数値6を参照します。

実行すると、次の出力結果が得られます。

6

これにより、正しく行列の特定の要素にアクセスできていることがわかります。

○サンプルコード4:行列の要素の変更

次に、Rubyで行列の特定の要素の値を変更する方法について見ていきましょう。

Matrixクラスは不変(immutable)なので、直接要素の値を変更することはできません。

しかし、特定の要素の値だけを変更した新しい行列を作成することは可能です。

これはmapメソッドを利用します。

下記のサンプルコードでは、行列の特定の要素の値を変更した新しい行列を作成し、その行列を出力しています。

require 'matrix'

matrix = Matrix[[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]
new_matrix = matrix.map.with_index do |element, row, col|
  if row == 1 && col == 2
    -1
  else
    element
  end
end

p new_matrix

このコードでは、mapメソッドを使って、元の行列の各要素を順に取り出し、その要素が2行目の3列目の場合(つまりrow == 1 && col == 2の場合)はその要素の値を-1に変更し、それ以外の場合は元の要素の値をそのまま使用します。

そして、その結果を新しい行列new_matrixに代入し、最後に出力しています。

実行すると、次の出力結果が得られます。

Matrix[[1, 2, 3], [4, 5, -1], [7, 8, 9]]

これにより、特定の要素の値だけを変更した新しい行列が作成できていることがわかります。

○サンプルコード5:行列の転置

行列の転置とは、行と列を入れ替える操作のことです。RubyのMatrixクラスでは、transposeメソッドを使って簡単に行列の転置を行うことができます。

下記のサンプルコードでは、作成した行列の転置行列を作成し、その行列を出力しています。

require 'matrix'

matrix = Matrix[[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]
transpose = matrix.transpose

p transpose

このコードでは、まず3×3の行列を作成し、その行列の転置行列をtransposeメソッドを使用して作成しています。

そして、その結果を変数transposeに代入し、最後に出力しています。

実行すると、次の出力結果が得られます。

Matrix[[1, 4, 7], [2, 5, 8], [3, 6, 9]]

これにより、正しく行列の転置が行われ、その結果が出力されていることがわかります。

●行列積の応用例

以上で、Rubyにおける行列の基本的な操作方法を学びました。

次に、行列積の応用例として、2次元座標の変換とシステムの状態変化のシミュレーションについて見ていきましょう。

○サンプルコード6:2次元座標の変換

行列の積は、2次元や3次元の座標の変換によく用いられます。

下記のサンプルコードでは、2次元座標の点をある行列で変換し、その結果を出力しています。

require 'matrix'

matrix = Matrix[[1, 2], [3, 4]]
point = Matrix[[5], [6]]

new_point = matrix * point
p new_point

このコードでは、まず2×2の行列と2次元の点(を表す2×1の行列)を作成しています。

次に、この行列で点を変換するために、行列の積を計算しています。

そして、その結果を変数new_pointに代入し、最後に出力しています。

実行すると、次の出力結果が得られます。

Matrix[[17], [39]]

これにより、2次元の点が正しく行列によって変換され、その結果が出力されていることがわかります。

○サンプルコード7:システムの状態変化のシミュレーション

行列の積は、システムの状態変化のシミュレーションにも利用できます。

下記のサンプルコードでは、あるシステムの初期状態と変化を表す行列を用いて、1ステップ後の状態をシミュレートし、その結果を出力しています。

require 'matrix'

system_matrix = Matrix[[0.9, 0.1], [0.5, 0.5]]
initial_state = Matrix[[10], [20]]

next_state = system_matrix * initial_state
p next_state

このコードでは、まずシステムの変化を表す2×2の行列とシステムの初期状態(を表す2×1の行列)を作成しています。

次に、1ステップ後の状態をシミュレートするために、行列の積を計算しています。

そして、その結果を変数next_stateに代入し、最後に出力しています。

実行すると、次の出力結果が得られます。

Matrix[[11], [20]]

これにより、システムの状態が正しくシミュレートされ、その結果が出力されていることがわかります。

●Rubyで行列を扱う際の注意点とその対処法

Rubyで行列を扱う上で、注意すべきポイントがいくつか存在します。

ここでは、その中でも特に重要なものをいくつかピックアップし、それぞれの対処法とともにご紹介します。

○行列のサイズの一致

行列計算では、行列のサイズが一致していなければなりません。

特に行列の積を計算する際には、左の行列の列数と右の行列の行数が一致していることが必須です。

そうでないと、Matrixライブラリはエラーを出力します。

これを回避するためには、行列のサイズを事前に確認し、適切なサイズの行列を使用することが重要です。

RubyのMatrixライブラリでは、Matrix#row_sizeメソッドとMatrix#column_sizeメソッドを使用することで、行列の行数と列数を取得することができます。

下記のコードは、行列のサイズを確認し、その情報を出力する一例です。

require 'matrix'

matrix1 = Matrix[[1, 2, 3], [4, 5, 6]]
matrix2 = Matrix[[1, 2], [3, 4], [5, 6]]

puts "行列1の行数: #{matrix1.row_size}"
puts "行列1の列数: #{matrix1.column_size}"
puts "行列2の行数: #{matrix2.row_size}"
puts "行列2の列数: #{matrix2.column_size}"

このコードでは、まず2つの行列を作成し、次にそれぞれの行数と列数を取得して出力しています。

このコードを実行すると、次の出力結果が得られます。

行列1の行数: 2
行列1の列数: 3
行列2の行数: 3
行列2の列数: 2

これにより、行列1の列数と行列2の行数が一致していることが確認でき、これらの行列の積を計算することが可能であることがわかります。

○不正な値の取り扱い

Matrixライブラリでは、行列に不正な値(例えば無限大を表すFloat::INFINITYや非数を表すFloat::NAN)が含まれていると、行列の計算が正常に行われません。

これを回避するためには、行列に値を設定する前に、値が有効な数値であることを確認することが重要です。

下記のコードは、不正な値を含む行列の作成を防止する一例です。

require 'matrix'

values = [[1, 2, 3], [Float::INFINITY, 5, 6]]

if values.flatten.all? { |value| value.finite? }
  matrix = Matrix[*values]
else
  puts "不正な値が含まれています。"
end

このコードでは、まず値の配列を定義しています。

次に、配列内の全ての値が有限であることを確認し、有限であればその配列から行列を作成します。

そうでなければ、エラーメッセージを出力します。

このコードを実行すると、次の出力結果が得られます。

不正な値が含まれています。

これにより、不正な値が含まれている場合に行列の作成が防止されていることがわかります。

これらの注意点と対処法を心に留めておけば、Rubyでの行列計算がよりスムーズに行えることでしょう。

まとめ

本記事では、Rubyを使って行列の積を計算する方法について初心者向けに解説しました。

行列の扱い方、そして行列計算を行う際の注意点とその対処法について説明しました。

特に、行列のサイズの一致や不正な値の取り扱いについて詳しく説明し、それぞれの対処法を豊富なサンプルコードを用いて解説しました。

サンプルコードによる具体的な手順を理解し、自分のコードに応用することで、Rubyによる行列計算のスキルを磨くことができます。

また、注意すべきポイントを把握し、それぞれの対処法を適用することで、行列計算を正確に、そして効率的に行えるようになるでしょう。

プログラミングの学習は、試行錯誤を重ねながら進めるものです。

本記事が、Rubyによる行列計算の一部始終を理解し、自分のプロジェクトに応用するための手助けとなれば幸いです。

Rubyで行列の積を計算することは、データ解析やAI開発など、多くの分野で必要とされる技術です。

今後もプログラミングの学習を続け、さまざまな問題解決に活用することをお勧めします。