はじめに
Rubyのプログラミング言語を学び始めた初心者の方にとって、グローバル変数の使い方やその注意点は大切なトピックとなります。
この記事を読めば、Rubyのグローバル変数を使ったプログラミングが可能になります。
7つの具体的な例を通じて、グローバル変数の使い方と注意点について一緒に学びましょう。
●Rubyのグローバル変数とは
グローバル変数とは、Rubyプログラム内でどこからでもアクセス可能な変数のことを指します。
変数名の最初に’$’記号をつけることで定義できます。
例えば、’$global’という名前のグローバル変数は、プログラム内のどの位置からでも利用することが可能です。
●グローバル変数の使い方
○サンプルコード1：グローバル変数の基本的な使い方
グローバル変数は、変数名の先頭に’$’記号をつけて定義します。
下記のコードは、”$global_var”というグローバル変数に数値を代入し、その値を出力する基本的な例です。
$global_var = 10
puts $global_var # => 10このコードでは、グローバル変数”$global_var”に数値の10を代入し、次にその値を出力しています。
○サンプルコード2：グローバル変数とローカル変数の違い
グローバル変数はプログラム全体からアクセス可能なのに対し、ローカル変数は定義した場所（関数やメソッド内）からしかアクセスできません。
下記の例では、グローバル変数とローカル変数の違いを表しています。
$global_var = "I'm global!"
local_var = "I'm local!"
def check_variables
puts $global_var
puts local_var
end
check_variables
# 出力結果
# I'm global!
# NameError (undefined local variable or method `local_var')このコードでは、check_variablesメソッド内からグローバル変数とローカル変数にアクセスしようとしています。
しかしローカル変数local_varはメソッド内からは見えないため、エラーが発生しています。
○サンプルコード3：関数内外からのグローバル変数のアクセス
グローバル変数は、関数（またはメソッド）内外からアクセス可能です。
関数内外からグローバル変数にアクセスする例を紹介します。
$global_var = "I can be accessed anywhere!"
def show_global_var
puts $global_var
end
show_global_var # => I can be accessed anywhere!
puts $global_var # => I can be accessed anywhere!このコードでは、”$global_var”というグローバル変数に文字列”I can be accessed anywhere!”を代入し、関数内と関数外からその値を出力しています。
○サンプルコード4：異なるスコープからのグローバル変数のアクセス
異なるスコープからでもグローバル変数にアクセス可能です。
2つの異なるメソッドから同じグローバル変数にアクセスする例を表します。
$global_var = "Access me from anywhere!"
def show_global_var1
puts $global_var
end
def show_global_var2
puts $global_var
end
show_global_var1 # => Access me from anywhere!
show_global_var2 # => Access me from anywhere!このコードでは、”$global_var”というグローバル変数に文字列”Access me from anywhere!”を代入し、それを2つの異なるメソッドから出力しています。
○サンプルコード5：グローバル変数の書き換え
グローバル変数の値は、プログラムのどこからでも書き換えることができます。
下記の例では、メソッド内からグローバル変数の値を変更する様子を表しています。
$global_var = "Original value"
def change_global_var
$global_var = "Changed value"
end
puts $global_var # => Original value
change_global_var
puts $global_var # => Changed valueこのコードでは、まず”$global_var”というグローバル変数に文字列”Original value”を代入しています。
次にchange_global_varメソッド内でその値を”Changed value”に変更し、その結果を出力しています。
○サンプルコード6：グローバル変数とインスタンス変数の違い
グローバル変数とインスタンス変数の最も大きな違いは、スコープ、すなわち変数が参照可能な範囲です。
$global_var = "I am global!"
class Sample
def initialize
@instance_var = "I am instance!"
end
def show_vars
puts $global_var
puts @instance_var
end
end
sample = Sample.new
sample.show_vars
# => I am global!
# => I am instance!このコードでは、Sampleクラス内のshow_varsメソッドから、グローバル変数とインスタンス変数の両方にアクセスしています。
なお、グローバル変数はどこからでもアクセス可能ですが、インスタンス変数はそのインスタンス内からのみアクセスできます。
○サンプルコード7：グローバル変数のベストプラクティス
グローバル変数は非常に便利ですが、適切な使い方をしないと予期せぬバグを引き起こす可能性があります。
そのため、次のベストプラクティスを覚えておきましょう。
# Bad practice
$global_var = "I am everywhere!"
# Good practice
GLOBAL_VAR = "I am also everywhere, but safer!"このコードでは、よくあるグローバル変数の使い方とその改善策を示しています。
一般的には、定数（大文字）を使用してグローバル変数を作成する方が安全です。
これは定数が一度定義されると値の変更ができないため、予期せぬ値の変更を防げます。
●グローバル変数の注意点と対処法
Rubyのグローバル変数は、その名の通り、プログラム全体からアクセス可能です。
これは非常に便利な反面、使い方によっては予期せぬ問題を引き起こす可能性があります。
例えば、同じグローバル変数を異なる箇所で利用していると、片方で値が変更された際に他方で影響が出る可能性があります。
このような問題を避けるためには、グローバル変数の使用を最小限に抑え、必要な場合は定数を使用すると良いでしょう。
また、グローバル変数が多くなるとプログラムの振る舞いを理解するのが難しくなります。
変数のスコープを最小限に保つことで、コードの可読性と保守性を向上させることができます。
まとめ
この記事ではRubyのグローバル変数について学んできました。
特に、グローバル変数とインスタンス変数の違いについて、具体的なサンプルコードを通じて理解を深めました。
さらに、グローバル変数のベストプラクティスと注意点についても触れ、グローバル変数の適切な使い方について学びました。
グローバル変数はプログラム全体からアクセス可能であることから非常に便利ですが、それゆえにコードの可読性や保守性を損なう可能性もあります。
そのため、グローバル変数の使用は慎重に行い、必要最低限に抑えることが推奨されます。
また、Rubyの定数を使ってグローバル変数を模倣する方法についても紹介しました。
定数は一度設定すると値を変更できないため、値が意図せず変わることによるバグを防ぐことができます。
初心者の方でも理解できるように、具体的なサンプルコードを用いて説明を行いました。
これからRubyを学んでいく方、すでに学んでいる方にとって、グローバル変数の理解は必要不可欠です。
ぜひこの記事を参考に、Rubyプログラミングの理解を深めてください。
以上で、Rubyのグローバル変数に関する解説を終わります。
皆様のRuby学習の一助になれば幸いです。
