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Rubyで理解する!Persistedメソッドの使い方と活用例5選

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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

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はじめに

Rubyを学び始めた皆さんに、たった1つのメソッドを使ってどんなことができるのか、その秘密を明かします。

それは”persisted?”メソッドです。

この記事を読むことで、”persisted?”メソッドの使い方と活用例を5つ学ぶことができます。

はじめての方でもスムーズに理解できるように、基本的な使い方から詳細な使い方、そして注意点までを解説します。

●Rubyとは

Rubyは、細部までこだわり抜いた人間中心の設計が特徴的なプログラミング言語です。

この言語は、ユーザーがコードを書くことを楽しみながら、効率的に作業できるように開発されました。

Rubyは動的型付け、ガベージコレクション、オブジェクト指向設計を備え、複雑な問題を解決するための多くの便利なメソッドを提供しています。

●Persistedメソッドとは

Ruby on Railsでは、”persisted?”というメソッドがあります。

これは、Active Recordオブジェクトの永続状態を判断するためのメソッドです。

具体的には、このメソッドは次の条件を両方満たす場合にのみtrueを返します。

  1. オブジェクトがデータベースに保存されている(新規作成されたものでない)
  2. オブジェクトが削除されていない(destroyメソッドによって削除マークがついていない)

つまり、次のような場合にfalseを返します。

# 新規作成され、まだ保存されていない場合
user = User.new(name: 'Alice')
user.persisted? # => false

# 一度保存された後に削除された場合
user = User.find(1)
user.destroy
user.persisted? # => false

また、findfind_byなどでデータベースから取得したオブジェクトや、saveメソッドで正常に保存されたオブジェクトはtrueを返します。

# データベースから取得したオブジェクト
user = User.find_by(name: 'Alice')
user.persisted? # => true (ユーザーが見つかった場合)

# 保存に成功したオブジェクト
user = User.new(name: 'Bob')
user.save
user.persisted? # => true (保存に成功した場合)

○Persistedメソッドの基本的な使い方

“persisted?”メソッドの基本的な使い方を見てみましょう。

次のコードは、”user”というオブジェクトがデータベースに保存されているかどうかを確認する例です。

user = User.new(name: 'Alice')
puts user.persisted? # => false
user.save
puts user.persisted? # => true

このコードでは、まず新しいUserオブジェクトを作成しています。

この段階ではまだデータベースに保存されていないので、”persisted?”メソッドはfalseを返します。

次に、”save”メソッドを用いてオブジェクトをデータベースに保存します。

これにより、”persisted?”メソッドはtrueを返すようになります。

○Persistedメソッドの特徴

“persisted?”メソッドはオブジェクトがデータベースに存在するかどうかをチェックするだけでなく、オブジェクトが新規作成されたものか既存のものかを知る手段としても利用できます。

そのため、データの状態によって条件分岐を行いたい場合などに活用できます。

ただし、”persisted?”メソッドがtrueを返すのは、オブジェクトがデータベースに保存されていて、かつそれがdestroyメソッドによって削除されていない場合だけであることを覚えておきましょう。

●Persistedメソッドの詳細な使い方

“persisted?”メソッドの使い方は、実際にどのようにコードに組み込むかによります。

そのため、次に示すサンプルコードを通じて、その使用例を詳しく見ていきましょう。

○サンプルコード1:オブジェクトの永続性を確認する

まずは、”persisted?”メソッドを使用してオブジェクトの永続性をさまざまな状況で確認する例を見ていきましょう。

# 新規作成したオブジェクト
user = User.new(name: 'Alice')
puts user.persisted? # => false

# データベースから取得したオブジェクト
existing_user = User.find_by(id: 1)
puts existing_user.persisted? # => true (データベースから取得したため)

# 削除したオブジェクト
existing_user.destroy
puts existing_user.persisted? # => false (削除済みのため)

このコードでは、オブジェクトの状態によって”persisted?”メソッドの戻り値が異なることを表しています。

新規作成したオブジェクトやdestroyメソッドで削除したオブジェクトはfalseを返し、データベースから取得した既存のオブジェクトはtrueを返します。

これより、オブジェクトのライフサイクルの各段階で永続性をどのように確認できるかが明確になります。

○サンプルコード2:if文に組み合わせて使う例

次に、”persisted?”メソッドをif文と組み合わせて使う例を見ていきましょう。

user = User.new(name: 'Alice')
if user.persisted?
  puts 'Userはすでに存在します。'
else
  puts 'Userはまだ存在しません。'
  user.save
end

このコードでは、Userオブジェクトの永続性をチェックし、もし永続化されていればメッセージを表示し、そうでなければオブジェクトを保存しています。

○サンプルコード3:unless文に組み合わせて使う例

また、”persisted?”メソッドはunless文と組み合わせて使うこともできます。

user = User.new(name: 'Alice')
unless user.persisted?
  puts 'Userはまだ存在しません。'
  user.save
else
  puts 'Userはすでに存在します。'
end

このコードでは、Userオブジェクトがまだ永続化されていなければ、オブジェクトを保存してメッセージを表示します。

もし既に永続化されていれば、別のメッセージを表示します。

●Persistedメソッドの応用例

“persisted?”メソッドの基本的な使い方を見てきましたが、ここではその応用例をいくつか見ていきましょう。

応用例として、更新が必要かどうかの判定に使う例やコールバック内での利用例を挙げてみます。

○サンプルコード4:更新が必要かどうかの判定に使う例

“persisted?”メソッドは新規作成したオブジェクトと既存のオブジェクトを区別するのに役立ちますが、find_byで取得したオブジェクトの処理にはもう少し注意が必要です。

下記のコードを見てみましょう。

user = User.find_by(name: 'Alice')
if user && user.persisted?
  user.update(name: 'Bob')
else
  puts 'ユーザーが見つかりませんでした'
end

このコードでは、まず’Alice’という名前のUserオブジェクトをデータベースから探し出します。

find_byは条件に合うレコードがない場合にnilを返すため、存在確認とpersisted?チェックを組み合わせることでより安全に処理できます。ただし、find_byで取得したオブジェクトは既にデータベースに存在するため、nilでなければpersisted?は常にtrueになることに注意してください。

このパターンは新規作成と既存レコードの更新を区別する場合に特に有用です。

○サンプルコード5:コールバック内での利用例

また、”persisted?”メソッドはコールバック内で使うことも可能です。

class User < ApplicationRecord
  before_save :check_if_new

  def check_if_new
    @is_new_record = !persisted?
  end
  
  after_save :notify_if_new
  
  def notify_if_new
    if @is_new_record
      puts '新規ユーザーが作成されました!'
    end
  end
end

このコードでは、Userモデルに”before_save”と”after_save”コールバックを定義しています。

“before_save”コールバックでは、オブジェクトが保存される前に”persisted?”メソッドを使って、そのオブジェクトが新規レコードかどうかを判断し、インスタンス変数に保存します。

そして”after_save”コールバックで、その情報を元に新規ユーザーが作成されたときだけメッセージを表示しています。

なお、単に新規レコードの作成時のみ処理を行いたい場合は、次のように”after_create”コールバックを使用する方法もあります。

class User < ApplicationRecord
  after_create :notify_creation

  def notify_creation
    puts '新規ユーザーが作成されました!'
  end
end

●注意点と対処法

Rubyの”persisted?”メソッドを使う際には、いくつかの注意点とそれに対する対処法を心に留めておく必要があります。

まず、一つ目の注意点は、”persisted?”メソッドはActive Recordオブジェクトに対してのみ使用できることです。

たとえば、一般的なRubyオブジェクトや、他のORM(Object-Relational Mapping)フレームワークのオブジェクトに対して”persisted?”メソッドを呼び出すと、NoMethodErrorが発生します。

この問題に対する対処法は、”persisted?”メソッドを使用する前に、そのオブジェクトがActive Recordオブジェクトであることを確認することです。

これは”kind_of?”メソッドを使用して行うことができます。

object.kind_of?(ActiveRecord::Base)

二つ目の注意点は、”persisted?”メソッドはオブジェクトがデータベースに永続化されているかどうかを判断するためのもので、オブジェクトの有効性(バリデーションが通っているかどうか)を確認するものではないということです。

つまり、”persisted?”メソッドがtrueを返すということは、そのオブジェクトがデータベースに保存されていることを意味しますが、そのオブジェクトが現在の状態でバリデーションに通るかどうかについては何も保証しません。

これらは別の概念であり、目的に応じて適切に使い分ける必要があります。例えば、既存レコードの更新時にはこのように使用します。

# 既存レコードの更新時
if user.persisted?
  # 永続化されているオブジェクトの更新処理
  if user.valid?
    user.save
  else
    # バリデーションエラーの処理
  end
else
  # 新規オブジェクトの処理
end

以上のように、”persisted?”メソッドを使用する際には、その性質と制約を理解しておくことが重要です。

単に両方のメソッドを組み合わせるだけでは、コンテキストによっては意味がない場合があります。目的に応じて適切なフロー制御を設計しましょう。

まとめ

今回の記事では、Rubyにおけるpersisted?メソッドの使い方と活用例について詳しく見てきました。

今後の開発に是非活用してみてください。

この記事が皆様のRubyスキル向上に少しでもお役に立てれば幸いです。