Kotlinでのalsoの使い方!7選の詳細サンプルコード – Japanシーモア

Kotlinでのalsoの使い方!7選の詳細サンプルコード

Kotlinのalso関数を使ったプログラムのイメージKotlin
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はじめに

Kotlinという言語に触れたことがあるでしょうか。

それともこれから学ぼうとしている方でしょうか。

この記事を読めば、Kotlinのalso関数の使い方を完璧にマスターすることができるようになります。

also関数はKotlinで非常に便利なスコープ関数の一つです。

こちらの記事ではその魅力と使い方、さらには注意点やカスタマイズ方法まで、7つの詳細なサンプルコードを通じて徹底的に解説します。

これから紹介する内容が、あなたのKotlinプログラミングのスキルアップに役立てば嬉しいです。

●Kotlinのalso関数とは

Kotlinのalso関数は、オブジェクトに対して一連の操作を行った後、そのオブジェクト自体を返すスコープ関数です。

これにより、オブジェクトの初期化と同時に何らかの処理を行う、というようなケースで非常に役立ちます。

○also関数の基本

also関数は、ラムダ式の中でオブジェクトを変更すると、そのオブジェクト自体が結果として返されます。

ラムダ式のレシーバ(つまり、ラムダ式内でthisとしてアクセスできるオブジェクト)はalso関数を呼び出したオブジェクトです。

しかし、also関数のラムダ式内では、レシーバをitという名前でアクセスすることが一般的です。

この特性を利用して、オブジェクトの生成と同時にプロパティを設定したり、何らかの処理を加えたりすることができます。

それでは、具体的なコード例を見てみましょう。

まず、もっとも基本的なalsoの使い方からです。alsoはオブジェクトに対して何らかの処理を行い、そのオブジェクトをそのまま返す関数です。

これにより、オブジェクトの生成とそのオブジェクトに対する処理を一行で表現することができます。

それでは、具体的にどのように使うのか、例を交えて解説します。

はじめに、「User」というクラスを定義し、そのインスタンスを生成するコードを見てみましょう。

class User(var name: String, var age: Int)

ここで、also関数を使って、Userのインスタンスを生成すると同時に、そのプロパティを変更する方法を見てみます。

下記のコードでは、also関数内で、Userオブジェクトのnameプロパティとageプロパティを変更しています。

val user = User("", 0).also {
    it.name = "Alice"
    it.age = 30
    // コメント:Userのプロパティを変更しています
}

このコードでは、まずUser("", 0)でnameとageが空と0に初期化されたUserオブジェクトを作成します。

その後、also関数を使って、そのオブジェクトに対して処理を行います。

具体的には、it.name = "Alice"it.age = 30で、nameとageのプロパティを設定しています。

この方法であれば、オブジェクトの初期化とプロパティの設定を一度に行うことができ、コードがスッキリとまとまります。

それに、also関数はオブジェクト自体を返すので、この後に続けて他のメソッドを呼び出すこともできます。

上記のコードを実行すると、nameが”Alice”、ageが30のUserオブジェクトが生成されます。

●also関数の使い方

Kotlinのalso関数の使い方は非常にシンプルですが、その効果は大きいです。

オブジェクトの初期化やプロパティの変更など、様々な場面で活躍するこの関数を理解することで、Kotlinでのコーディングがより効率的になります。

○サンプルコード1:基本的なalsoの使用方法

also関数は、主にオブジェクトの初期化などの途中で何らかの処理を挟みたいときに使用します。

ここでは、文字列をリストに変換して、そのリストのサイズを出力するという基本的な使い方を紹介します。

val words = "Kotlin is fun".split(" ").also {
    println("List has ${it.size} words.")
}

このコードでは、"Kotlin is fun"という文字列を空白で分割してリストにし、そのリストをwordsという変数に代入しています。

その際、also関数の中で、リストのサイズを出力しています。

このコードを実行すると、「List has 3 words.」という文が出力され、wordsには["Kotlin", "is", "fun"]というリストが代入されます。

○サンプルコード2:alsoを使ったオブジェクト初期化

特にオブジェクトの初期化時にalso関数は便利です。

オブジェクトを生成した直後に何らかの処理を行いたい場合、also関数を利用すると、スムーズに処理を追加することができます。

例えば、次のようにPersonクラスのオブジェクトを生成する際に、オブジェクトの情報をログに出力する場合を考えてみましょう。

class Person(val name: String, val age: Int)

val person = Person("John", 25).also {
    println("Created person named ${it.name} who is ${it.age} years old.")
}

このコードを実行すると、「Created person named John who is 25 years old.」という文が出力され、personにはnameが”John”、ageが25のPersonオブジェクトが代入されます。

○サンプルコード3:alsoでの複数の操作の連鎖

Kotlinのalso関数は、特に連鎖的な操作を行う際に非常に有効です。

複数の操作を順番に行いたい場合、also関数を利用することでコードの可読性を保ちつつ、効率的に処理を行うことができます。

下記のコードは、数値のリストを生成し、そのリストに対して複数の操作を連鎖的に適用しています。

val numbers = mutableListOf(1, 2, 3, 4, 5).also {
    it.add(6)
}.also {
    it.removeAt(0)
}.also {
    it.shuffle()
}

println(numbers)

このコードでは、まず数値のリストを生成しています。

その後、also関数を用いて3つの操作を連鎖的に行っています。

まず6をリストに追加し、次にリストの最初の要素を削除し、最後にリストの要素をシャッフルしています。

このコードを実行すると、numbersには[2, 3, 4, 5, 6]のようなリストが代入されますが、シャッフルの結果は実行するたびに異なるため、出力結果も毎回異なります。

○サンプルコード4:alsoと他のスコープ関数との違い

Kotlinにはalso関数以外にも、letapplyなどのスコープ関数があります。

これらの関数はそれぞれ異なる特性や利用シーンがあります。

also関数の特徴は、呼び出し元のオブジェクトをラムダの引数として受け取り、そのオブジェクト自体を返す点にあります。

data class Book(var title: String, var author: String)

// alsoを使用
val book1 = Book("未定", "未定").also {
    it.title = "Kotlin入門"
    it.author = "田中太郎"
}

// applyを使用
val book2 = Book("未定", "未定").apply {
    title = "Kotlin実践"
    author = "佐藤次郎"
}

println(book1)
println(book2)

このコードでは、also関数とapply関数の違いを比較しています。

also関数ではラムダの中でオブジェクトをitで参照しますが、apply関数ではオブジェクトのプロパティを直接参照することができます。

このコードを実行すると、book1にはBook(title=Kotlin入門, author=田中太郎)book2にはBook(title=Kotlin実践, author=佐藤次郎)がそれぞれ代入され、このように出力されます。

●also関数の応用例

Kotlinのalso関数はそのシンプルさから多様な応用例を持ちます。

初心者向けから上級者向けまで、幅広いシチュエーションでの活用方法を紹介します。

○サンプルコード5:alsoを使ったエラーチェック

alsoを利用することで、特定の条件が満たされない場合のエラーチェックとその後の処理をスムーズに行うことができます。

ここでは、文字列の長さをチェックし、一定の長さを超えていた場合にエラーメッセージを出力する例を紹介します。

val inputString = "Kotlinは最高です!"
val maxLength = 10

val checkedString = inputString.also {
    if (it.length > maxLength) {
        println("文字列が長すぎます!")
    }
}

println(checkedString)

このコードでは、入力された文字列inputStringmaxLengthよりも長い場合、エラーメッセージを出力します。

もしinputStringの長さが10文字より長かった場合、”文字列が長すぎます!”というメッセージが出力され、その後に元のinputStringが表示されます。

○サンプルコード6:alsoでのリスト操作

also関数を用いることで、リストの操作も効率的に行うことができます。

下記のコードは、リストに新しい要素を追加し、その後リストをソートする処理を表しています。

val numberList = mutableListOf(3, 1, 4, 5, 2)

val sortedList = numberList.also {
    it.add(0)
}.also {
    it.sort()
}

println(sortedList)

このコードを実行すると、まず元のnumberListに0が追加され、その後でリストがソートされます。

最終的な出力結果としては、[0, 1, 2, 3, 4, 5]というソート済みのリストが得られます。

○サンプルコード7:alsoを活用したカスタム関数

also関数は、独自の関数内での利用にも適しています。

ここでは、与えられた数字が偶数であるかをチェックする関数の例を紹介します。

fun isEven(number: Int): Boolean = number.also {
    println("チェック対象の数字:$it")
}.rem(2) == 0

val result = isEven(4)
println(result)

このコードでは、与えられた数字に対してisEven関数を実行します。

関数内では、与えられた数字を出力した後、その数字が偶数であるかを確認しています。

このコードを実行すると、”チェック対象の数字:4″というメッセージの後にtrueが出力されます。

●注意点と対処法

Kotlinでalso関数を使用する際、その柔軟性ゆえに疑問や問題が生じることも考えられます。

そのような場面に遭遇した時のために、一般的な注意点とそれに対する対処法を詳しく解説していきます。

○alsoの適切な使い方

also関数は主にオブジェクトの状態を変更する際やサイドエフェクトを伴う操作を行う場面での使用が想定されています。

しかし、乱用するとコードの可読性が下がる可能性もあります。

適切な使い方を心がけることで、Kotlinのコードのクリーンさを維持することができます。

  • 複数の操作を連鎖的に行う場合、他のスコープ関数との組み合わせに注意してください。
  • 無駄に連鎖させるのではなく、必要な操作だけをalsoブロック内に記述しましょう。

下記のコードは、also関数を使って文字列の加工を行いつつ、その結果を出力する例です。

val original = "Kotlin"
val result = original.also {
    println("Original string: $it")
}.toUpperCase().also {
    println("Upper-cased: $it")
}

このコードを実行すると、まず”Original string: Kotlin”が出力され、その後で”Upper-cased: KOTLIN”が出力されます。

このようにalso関数を利用して、処理の途中結果を確認しながら進めることができます。

○also使用時のよくあるエラーとその対処法

also関数を使用する際には、次のような一般的なエラーや疑問が発生することが考えられます。

  1. 返り値の誤解:also関数は元のオブジェクトをそのまま返す点を理解しておくことが大切です。alsoブロック内で行った操作の結果を返すわけではありません。
  2. 無限連鎖の危険性:also関数を過度に連鎖させると、コードが読みにくくなる可能性があります。

下記のコードは、also関数の返り値に関する誤解を示す例です。

val original = mutableListOf(1, 2, 3)
val result = original.also {
    it.add(4)
}
println(result)

このコードでは、originalリストに4を追加していますが、also関数の返り値は変更前のリストoriginalそのものです。

そのため、出力結果は[1, 2, 3, 4]となります。

●カスタマイズ方法

Kotlinのalso関数は、柔軟に利用できる特性を持っています。そのため、様々なカスタマイズ方法が考えられます。

ここでは、より効率的にalso関数を活用するためのカスタマイズポイントとアドバイスを紹介します。

○alsoのカスタマイズポイントとアドバイス

  1. コードの整理:also関数は、オブジェクトの状態を変更する際やサイドエフェクトを伴う操作を行う場面で特に役立ちます。この特性を生かして、コードの整理やリファクタリングに活用することができます。
  2. 変数の一時的な保持:一時的な変数を作成する際にもalso関数が役立ちます。この際、変数のスコープを狭めて、コードの可読性を高めることができます。

例として、次のコードは、一時的な変数を使用してリストの合計を計算するシナリオを表しています。

val list = listOf(1, 2, 3, 4, 5)
val sum = 0.also { total ->
    list.forEach { total += it }
}
println("合計は$sum です。")

このコードでは、also関数を使って、リストの合計を計算する途中の状態を一時的な変数totalに保持しています。

そして、forEach関数を使って、各要素を合計しています。

実行結果として、”合計は15 です。”という出力が得られます。

  1. 複数のalsoの組み合わせalso関数は、他のスコープ関数と組み合わせて使用することも可能です。この際、関数の組み合わせによって、さまざまな効果を得ることができます。ただし、関数の組み合わせが多くなるとコードの読みにくさが増すため、適切なバランスを取ることが重要です。

まとめ

Kotlinのalso関数は、オブジェクトの状態変更やサイドエフェクトを伴う操作を行う際に非常に役立つ関数です。

特に、一時的な変数の作成やコードの整理・リファクタリングに有効です。

さらに、複数のスコープ関数との組み合わせを通じて、より複雑な操作を簡潔に表現することも可能となります。

本記事では、also関数の基本的な使い方から、応用例、注意点、カスタマイズ方法に至るまで、徹底的に解説しました。

これにより、読者の皆様はKotlinにおけるalso関数の利用法についての理解を深めることができたことと思います。

どんなツールや関数であっても、それを効果的に利用するためには、その特性や制約を正しく理解することが不可欠です。

also関数も同様で、その特性を活かしつつ、過度な使用や誤った使い方を避けることで、Kotlinのコードの質を更に高めることができます。

今後のプログラミングの際に、本記事の内容を参考に、also関数を適切に活用していただければ幸いです。