Swiftでメインスレッドの理解を深める12のステップ

Swiftメインスレッド操作のイラストと12のステップのテキストSwift
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

この記事を読めば、Swiftでのメインスレッドの取り扱いをマスターすることができるようになります。

多くのSwift開発者が初めて非同期処理やマルチスレッドの操作に取り組む際、メインスレッドとその操作が難しく感じることがあります。

しかし、正しい知識と手順を身につけることで、これらのタスクは格段にシンプルになります。

●Swiftとメインスレッドとは

SwiftはAppleが開発したプログラム言語で、iOSやmacOS、watchOSなどのアプリケーション開発に使用されます。

メインスレッドは、これらのアプリケーションの動作の中心となる部分で、特にUI関連の操作を担当しています。

○メインスレッドの基本的な役割

メインスレッドは、アプリケーションのユーザーインターフェース(UI)と関連する操作を管理する役割を持っています。

これは、ユーザーが直接触れる部分であるため、滑らかな操作性を確保することが非常に重要です。

したがって、このスレッド上での処理は適切に行われなければなりません。

具体的には、ボタンのクリックやスクロールなどのユーザーアクションを受け取り、それに応じたレスポンス(画面の更新やアニメーションなど)を行います。

これらの操作が他のスレッドと衝突すると、アプリケーションが不安定になる恐れがあります。

そのため、非同期処理やバックグラウンドでの作業を行う場合でも、UIに関わる操作はメインスレッドで行う必要があります。

これにより、アプリケーションがユーザーにとって安定したものとなり、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できるようになります。

●メインスレッドの使い方

Swiftでのメインスレッドの正しい使い方を理解することは、アプリケーションの品質やパフォーマンスを確保する上で極めて重要です。

特にUI関連の操作においては、メインスレッド上で適切にコードを実行しないと、アプリケーションがフリーズするリスクが高まります。

ここでは、メインスレッド上でのUI更新の方法や非メインスレッドでの処理の実装方法、非同期処理とメインスレッドの連携について具体的なサンプルコードとともに解説します。

○サンプルコード1:メインスレッド上でのUI更新

このコードではUILabelのテキストを更新するシンプルな例を表しています。

UIの更新はメインスレッドで行わなければならないため、DispatchQueue.main.asyncを使用しています。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var label: UILabel!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        DispatchQueue.main.async {
            self.label.text = "メインスレッド上で更新されました"
        }
    }
}

このコードを実行すると、ラベルのテキストが「メインスレッド上で更新されました」と表示されます。

UIの要素は、メインスレッド上でしか触れないようにしましょう。

○サンプルコード2:非メインスレッドでの処理とメインスレッドへの移行

非メインスレッドでの長時間の処理が終わった後、結果をメインスレッドでUIに反映させる例です。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var label: UILabel!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        DispatchQueue.global().async {
            // 長時間かかる処理
            let result = self.longRunningTask()

            DispatchQueue.main.async {
                self.label.text = result
            }
        }
    }

    func longRunningTask() -> String {
        // 何かの処理
        return "処理が完了しました"
    }
}

このコードを実行すると、長時間の処理が完了した後にラベルのテキストが「処理が完了しました」と表示されます。

○サンプルコード3:非同期処理とメインスレッド

Swiftで非同期処理を行い、その後メインスレッドでUIを更新する例です。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var label: UILabel!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        fetchData { (data) in
            DispatchQueue.main.async {
                self.label.text = data
            }
        }
    }

    func fetchData(completion: @escaping (String) -> Void) {
        DispatchQueue.global().async {
            // データの取得などの処理
            completion("非同期で取得したデータ")
        }
    }
}

このコードを実行すると、データ取得が完了した後にラベルのテキストが「非同期で取得したデータ」と表示されます。

非同期処理を行う際には、必ず結果をメインスレッド上でUIに反映させるように心がけましょう。

●メインスレッドの応用例

Swiftでのメインスレッド操作をさらに進めると、多彩な応用例が考えられます。

非同期でのデータ取得やアニメーションの制御、タイマーを利用した処理など、多岐にわたるシチュエーションでメインスレッドの適切な活用が必要となります。

下記のサンプルコードを通じて、これらの応用例を具体的に見ていきましょう。

○サンプルコード4:非同期データフェッチとUI更新

このコードではURLから非同期にデータを取得し、取得後のデータをメインスレッド上でUIに反映させる方法を表しています。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var imageView: UIImageView!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        fetchData(from: "https://example.com/image.jpg") { (data) in
            let image = UIImage(data: data)
            DispatchQueue.main.async {
                self.imageView.image = image
            }
        }
    }

    func fetchData(from url: String, completion: @escaping (Data) -> Void) {
        DispatchQueue.global().async {
            if let url = URL(string: url), let data = try? Data(contentsOf: url) {
                completion(data)
            }
        }
    }
}

このコードを実行すると、指定したURLから非同期に画像データを取得し、取得が完了したらその画像がImageViewに表示されます。

○サンプルコード5:メインスレッドでのアニメーション制御

アニメーションの実行もメインスレッドで行う必要があります。

下記のコードでは、ボタンをタップするとUIViewがアニメーションする例を表します。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var animatedView: UIView!

    @IBAction func animateButtonTapped(_ sender: Any) {
        UIView.animate(withDuration: 1.0) {
            self.animatedView.alpha = (self.animatedView.alpha == 1.0) ? 0.0 : 1.0
        }
    }
}

ボタンをタップすると、UIViewの透明度が切り替わるアニメーションが行われます。

○サンプルコード6:タイマーを利用した処理の制御

Swiftでタイマーを利用する場合、メインスレッドでの操作が求められるシチュエーションが多いです。

ここでは、タイマーを使って定期的にUILabelのテキストを更新する例を紹介します。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var label: UILabel!
    var timer: Timer?

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        timer = Timer.scheduledTimer(timeInterval: 1.0, target: self, selector: #selector(updateLabel), userInfo: nil, repeats: true)
    }

    @objc func updateLabel() {
        let currentTime = Date()
        let formatter = DateFormatter()
        formatter.dateFormat = "HH:mm:ss"
        label.text = formatter.string(from: currentTime)
    }

    deinit {
        timer?.invalidate()
    }
}

このコードを実行すると、タイマーが1秒ごとに動作し、UILabelが現在時刻で更新されます。

●注意点と対処法

Swiftでメインスレッドを扱う際には、数多くの注意点や落とし穴が存在します。

ここでは、特に重要とされるスレッド安全、デッドロックの回避、非同期処理の注意点を中心に解説します。

○スレッド安全とは

スレッド安全とは、複数のスレッドが同時にデータやリソースにアクセスしても、そのプログラムの動作が保証される状態を指します。

Swiftでのメインスレッドの操作は、特にUIの更新においてスレッド安全を保つ必要があります。

例えば、非メインスレッドでデータを取得し、そのデータをメインスレッドでUIに反映させる際には、DispatchQueue.main.asyncを利用してメインスレッドでの処理を保証する必要があります。

○デッドロックを避けるためのポイント

デッドロックは、複数のスレッドが互いのリソースを待ち続け、結果的にどのスレッドも進行できなくなる状態を指します。

Swiftにおいても、メインスレッドとバックグラウンドスレッドが互いの完了を待ち続けることでデッドロックが発生する可能性があります。

デッドロックの発生を避けるためのポイントは次の通りです。

  1. ロックを取得する順番を一貫させる。
  2. タイムアウトを設定して、一定時間以上ロックが取得できない場合はエラーとする。
  3. 必要最小限の処理だけをロックの範囲内で行う。

○非同期処理の際の注意点

非同期処理を実装する際には、特に次の点に注意が必要です。

  1. 非同期処理の完了後にUIを更新する場合は、その更新処理はメインスレッドで行う必要があります。
  2. キャンセル可能な非同期タスクを実装する場合、タスクがキャンセルされたことを確認するロジックを追加する。
  3. 非同期処理の結果によって状態が変わるオブジェクトは、スレッド安全にアクセスする。

このコードでは、非同期でデータを取得し、取得したデータをメインスレッド上でUIに表示する流れを表しています。

このように、非同期処理の結果をUIに反映させる際は、メインスレッドでの処理が必要です。

import UIKit

class ViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var dataLabel: UILabel!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        fetchData(from: "https://example.com/data") { (data) in
            DispatchQueue.main.async {
                self.dataLabel.text = data
            }
        }
    }

    func fetchData(from url: String, completion: @escaping (String) -> Void) {
        DispatchQueue.global().async {
            // データ取得のシミュレーション
            sleep(2)
            let data = "非同期で取得したデータ"
            completion(data)
        }
    }
}

このコードを実行すると、指定したURLから非同期にデータを取得し、取得が完了したらそのデータがLabelに表示されます。

●カスタマイズ方法

Swiftでのメインスレッドの操作は、デフォルトの方法だけでなく、さまざまなカスタマイズ方法が存在します。

ここでは、より高度なメインスレッドとバックグラウンドスレッドのカスタム処理、非同期ライブラリのカスタマイズ方法を2つのサンプルコードと共に紹介します。

○サンプルコード7:メインスレッドとバックグラウンドスレッドのカスタム処理

多くのアプリケーションでは、メインスレッドと複数のバックグラウンドスレッドを同時に使用する場面が増えてきます。

下記のサンプルコードでは、カスタムディスパッチキューを使用して、メインスレッドとバックグラウンドスレッドを効率的に管理する方法を表します。

このコードでは、カスタムディスパッチキューを作成し、バックグラウンドスレッドでの処理とメインスレッドでのUI更新を行っています。

import UIKit

class CustomThreadViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var resultLabel: UILabel!

    let customQueue = DispatchQueue(label: "com.example.customQueue")

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        customQueue.async {
            let data = self.fetchData()
            DispatchQueue.main.async {
                self.resultLabel.text = data
            }
        }
    }

    func fetchData() -> String {
        // データ取得のシミュレーション
        sleep(2)
        return "カスタムキューから取得したデータ"
    }
}

このコードを実行すると、カスタムディスパッチキューを使用してデータを非同期に取得し、その後メインスレッドで取得したデータがLabelに表示されます。

○サンプルコード8:非同期ライブラリのカスタマイズ例

Swiftには、非同期処理を助けるための多くのライブラリが存在します。

ここでは、非同期処理を助けるライブラリの一つであるPromiseKitを使用し、カスタマイズした非同期処理を表します。

このコードでは、PromiseKitを用いて非同期処理をチェーンして実行し、最後にメインスレッドでUIを更新しています。

import UIKit
import PromiseKit

class PromiseViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var promiseLabel: UILabel!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        fetchDataUsingPromise()
            .done { data in
                self.promiseLabel.text = data
            }.catch { error in
                print("エラー: \(error)")
            }
    }

    func fetchDataUsingPromise() -> Promise<String> {
        return Promise<String> { seal in
            DispatchQueue.global().async {
                sleep(2)
                seal.fulfill("PromiseKitを使用して取得したデータ")
            }
        }
    }
}

このコードを実行すると、PromiseKitを使用して非同期にデータを取得し、その後メインスレッドで取得したデータがLabelに表示されます。

●メインスレッドのトラブルシューティング

Swiftでのメインスレッド操作は、時としてトラブルを引き起こすことがあります。

ここでは、一般的なトラブルとそのシューティング方法をサンプルコードを交えて説明します。

○サンプルコード9:エラー処理とリカバリー方法

メインスレッドでの処理が予期しないエラーを引き起こすことがあります。

下記のサンプルコードでは、エラー処理とリカバリー方法を表しています。

このコードでは、エラーを検出して、適切なメッセージを表示しています。

import UIKit

class ErrorHandlingViewController: UIViewController {

    @IBOutlet weak var errorLabel: UILabel!

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        do {
            try fetchData()
        } catch {
            errorLabel.text = "データの取得中にエラーが発生しました。"
        }
    }

    func fetchData() throws {
        // エラーをシミュレートする
        throw NSError(domain: "com.example.error", code: 1, userInfo: nil)
    }
}

このコードを実行すると、データ取得中にエラーが発生し、エラーメッセージがLabelに表示されます。

○サンプルコード10:デバッグツールを使用した問題の特定

Swiftの開発環境には、デバッグツールが豊富に備わっています。

下記のサンプルコードでは、Xcodeのデバッグツールを使用して、メインスレッド上での問題を特定する方法を表しています。

このコードでは、メインスレッドでの遅延をデバッグツールでトレースしています。

import UIKit

class DebuggingViewController: UIViewController {

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        // 遅延をシミュレートする
        DispatchQueue.main.asyncAfter(deadline: .now() + 5) {
            print("5秒後に実行される処理")
        }
    }
}

このコードを実行し、Xcodeのデバッグツールを使用すると、5秒の遅延がメインスレッド上で発生していることがトレースできます。

デバッグツールを適切に活用することで、メインスレッド上での問題を効率的に特定し、修正することが可能となります。

●最新のSwiftバージョンでの取り扱い

Swiftのバージョンがアップデートされるたびに、多くの新機能や改善点が追加されます。

その中でも、メインスレッドに関連する部分についての最新の取り扱い方法を解説していきます。

○サンプルコード11:新しいSwiftの機能を活用したメインスレッドの操作

Swiftの最新バージョンでは、メインスレッドの操作がより簡単になりました。

下記のサンプルコードでは、最新のSwiftでのメインスレッドの操作方法を表しています。

このコードでは、新しいSwiftの機能を利用して、メインスレッドでUIを更新しています。

import UIKit

class NewFeatureViewController: UIViewController {

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        // 新しいSwiftの機能を利用してメインスレッドでUIを更新
        DispatchQueue.main.async { [weak self] in
            self?.view.backgroundColor = .blue
        }
    }
}

このコードを実行すると、ビューの背景色が青に変わることを確認できます。

○サンプルコード12:非同期APIの最新の活用例

Swiftの最新バージョンでは、非同期処理をより直感的に扱える非同期APIが導入されました。

下記のサンプルコードは、この新しい非同期APIを活用したメインスレッドの操作例を表しています。

このコードでは、新しい非同期APIを使用して、非同期でデータを取得し、メインスレッドでUIを更新する方法を表しています。

import UIKit

class AsyncAPIViewController: UIViewController {

    override func viewDidLoad() {
        super.viewDidLoad()

        fetchData { [weak self] data in
            DispatchQueue.main.async {
                self?.updateUI(with: data)
            }
        }
    }

    func fetchData(completion: @escaping (Data) -> Void) {
        // 非同期でデータを取得するコード
    }

    func updateUI(with data: Data) {
        // UIの更新を行うコード
    }
}

このコードを実行すると、非同期でデータを取得した後、メインスレッドでUIを更新する流れが確認できます。

まとめ

Swiftでのメインスレッドの操作は、アプリケーションのパフォーマンスやユーザーエクスペリエンスに直接的な影響を与える重要な部分です。

本記事では、メインスレッドの基本的な役割から最新のSwiftバージョンでの取り扱い方法まで、幅広く解説しました。

特に、サンプルコードを交えての具体的な説明を通じて、初心者から経験者までのSwift開発者が、メインスレッドの理解を深める手助けをすることを目指しました。

また、Swiftの進化は日々続いており、新しい機能や改善が頻繁に行われます。

そのため、定期的なアップデートや公式ドキュメントのチェックは欠かせません。

メインスレッドの正しい操作方法や最新の非同期APIの活用など、本記事で学んだ知識を元に、より高品質なアプリケーションの開発を目指しましょう。