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C言語のvolatileを徹底マスター!使い方と応用例10選

C言語のvolatileの使い方と応用例を解説する記事のサムネイル C言語
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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はじめに

C言語は、プログラミングの世界で基礎とされる言語の一つです。

その中でもvolatileキーワードは重要な要素の一つとなっています。

本記事ではC言語のvolatileキーワードの基本的な使い方から応用例までを詳しく解説します。

初心者の方でも理解できるように、各サンプルコードには詳細な説明を添えています。

この記事を通じて、volatileを効果的に使用する技術を習得できることを目指しています。

●C言語とvolatileの基本

○C言語とは

C言語は、1970年代にAT&Tのベル研究所で開発された汎用プログラミング言語です。

その高い汎用性と効率性から、OSや組み込みシステムの開発に広く用いられています。

○volatileキーワードとは

volatileキーワードは、C言語における変数の型修飾子の一つで、その変数が予期せぬ外部要因によって変更される可能性があることをコンパイラに伝えます。

これにより、コンパイラはvolatileキーワードがついた変数に対して、最適化を抑制します。

●volatileの詳細な使い方

○基本的な使用方法

volatileキーワードを使用する基本的な方法は次の通りです。

volatile int num;

上記のコードでは、int型の変数numに対してvolatileキーワードを使用しています。

これにより、num変数は外部から変更される可能性があることを示しています。

○volatileとオブジェクト

また、volatileキーワードはオブジェクトに対しても使用することが可能です。

struct example {
    volatile int num;
};

上記のコードでは、構造体exampleの中のint型のメンバnumに対してvolatileキーワードを使用しています。

このようにして、特定のオブジェクトのメンバにvolatileを使用することで、そのメンバが予期せぬ変更を受ける可能性があることを示すことができます。

●volatileと関数

○関数内でのvolatileの利用

関数内でvolatileを使用するときも、変数の前にvolatileキーワードを指定します。

void function() {
    volatile int num = 0;
}

このコードでは、関数内でint型のvolatile変数numを宣言しています。

これにより、関数内でnumが予期せぬ変更を受ける可能性があることを表しています。

●サンプルコード集:volatileの使い方10選

このセクションでは、実際のC言語プログラミングでvolatileがどのように使用されるかを説明するための10の具体的なコード例を提供します。

それぞれのコードについて詳細な説明を添えて、どのようなシチュエーションでvolatileを活用すべきかを理解するのに役立ててください。

○サンプルコード1:基本的な使用例

まず最初に、最も基本的なvolatileの使用例を見てみましょう。

下記のコードは、単純な変数が他のプログラム(例えば、割り込みハンドラやハードウェアデバイスなど)によって変更される可能性がある場合に、volatileを使ってその変数を定義する方法を表したものです。

#include<stdio.h>

volatile int flag = 0; 

void changeFlag() {
    flag = 1; // この関数が呼ばれるとフラグが変わる
}

int main() {
    changeFlag();
    if (flag == 1) {
        printf("フラグが変わりました\n");
    }
    return 0;
}

このコードでは、グローバル変数のflagをvolatileとして宣言しています。

これは、この変数が関数changeFlagによって変更される可能性があることを表しています。

main関数では、flagの値をチェックし、その値が1に変わっているかどうかを確認しています。

このコードを実行すると、「フラグが変わりました」というメッセージが表示されます。

この例は、volatileが必要となる最も基本的なシナリオを示しています。

○サンプルコード2:マルチスレッド環境での利用

次に、マルチスレッド環境におけるvolatileの使用例を見てみましょう。

volatileはマルチスレッド環境で特に役立ちます。

なぜなら、異なるスレッドから変数へのアクセスが行われ、変数が予期せずに変更される可能性があるからです。

下記のコードは、2つのスレッドが1つのグローバル変数を共有する例を表しています。

#include <stdio.h>
#include <pthread.h>

volatile int counter = 0; // volatileなグローバル変数

void* incrementCounter(void* arg) {
    for(int i = 0; i < 10000; i++) {
        counter++; // counterを増やす
    }
    return NULL;
}

int main() {
    pthread_t thread1, thread2;

    // スレッドを作成して関数を実行する
    pthread_create(&thread1, NULL, incrementCounter, NULL);
    pthread_create(&thread2, NULL, incrementCounter, NULL);

    // スレッドの終了を待つ
    pthread_join(thread1, NULL);
    pthread_join(thread2, NULL);

    printf("counter = %d\n", counter);

    return 0;
}

このコードでは、incrementCounter関数内でグローバル変数のcounterが増加されています。

この関数は、2つの別々のスレッドから同時に呼び出されます。

したがって、counterは同時にアクセスされ変更される可能性があるため、volatileとして宣言されるべきです。

このコードを実行すると、「counter = 20000」と表示され、各スレッドがcounterを10000回ずつ増加させた結果を表しています。

ただし、このコードはスレッドセーフではありません。

なぜなら、counter++はアトミック(不可分)な操作ではないからです。

そのため、適切なロックメカニズムを使用してスレッドセーフにする必要があります。

これは高度なトピックであり、この記事の範囲を超えています。

○サンプルコード3:ハードウェアへのアクセス

ハードウェアに直接アクセスするためのコードを書く場合、volatileキーワードは非常に重要な役割を果たします。

これは、ハードウェアが予期せずに値を変更する可能性があるためです。

ハードウェアへのアクセスを示す基本的なサンプルコードを紹介します。

volatile uint32_t *reg = (uint32_t*)0x40002000; // ハードウェアレジスタのアドレスにポインタを設定
*reg = 5; // レジスタに値を書き込む

上記のコードでは、ハードウェアレジスタへのアクセスを模倣しています。ここで使用しているvolatileは、Cコンパイラに対してこのメモリ領域が予期せずに変更される可能性があることを示しています。したがって、この領域に対する最適化を抑制します。

実行後の結果として、0x40002000というアドレスのレジスタに5という値が設定されます。ハードウェアアクセスは通常、専門的なハードウェア知識と特定の環境が必要であるため、実際に動作を確認することは困難です。この例は、volatileがどのように使用されるのか理解を深めるための模範的な使用例として提示されています。

○サンプルコード4:割り込みハンドラ

volatileキーワードは、割り込みハンドラ内で共有データを扱う際にも頻繁に利用されます。以下のコードは、割り込みハンドラ内でvolatileを使用する一例を示しています。

volatile int flag = 0;

void interrupt_handler(void) {
    flag = 1; // 割り込みが発生したことを示す
}

このコードでは、’flag’という名前のvolatile int変数を使用して、割り込みが発生したことをメインプログラムに通知します。割り込みハンドラが呼び出されると、flagが1に設定されます。volatileキーワードは、このflag変数が割り込みハンドラとメインプログラムの間で共有されていることをコンパイラに伝え、最適化による問題を防ぎます。

実行後の結果として、割り込みが発生すると、flag変数が1に設定されます。この情報は、メインプログラムが割り込みの発生を検出するために使用することができます。割り込みハンドラは特殊な状況下でのみ呼び出されるため、このコードは特定のハードウェアとソフトウェア環境でのみ正しく動作します。しかし、volatileキーワードの理解を深めるための一例として参考にしてください。

○サンプルコード3:ハードウェアへのアクセス

ハードウェアに直接アクセスするためのコードを書く場合、volatileキーワードは非常に重要な役割を果たします。

これは、ハードウェアが予期せずに値を変更する可能性があるためです。

ハードウェアへのアクセスを表す基本的なサンプルコードを紹介します。

volatile uint32_t *reg = (uint32_t*)0x40002000; // ハードウェアレジスタのアドレスにポインタを設定
*reg = 5; // レジスタに値を書き込む

上記のコードでは、ハードウェアレジスタへのアクセスを模倣しています。

ここで使用しているvolatileは、Cコンパイラに対してこのメモリ領域が予期せずに変更される可能性があることを表しています。

したがって、この領域に対する最適化を抑制します。

実行後の結果として、0x40002000というアドレスのレジスタに5という値が設定されます。

ハードウェアアクセスは通常、専門的なハードウェア知識と特定の環境が必要であるため、実際に動作を確認することは困難です。

この例は、volatileがどのように使用されるのか理解を深めるための模範的な使用例として提示されています。

volatileキーワードの理解を深めるための一例として参考にしてください。

○サンプルコード4:割り込みハンドラ

割り込みハンドラは、システムの割り込みを処理する関数です。

ハードウェアからの割り込みや、ソフトウェアからの例外が発生した際に、これらを適切に処理するためのコードです。

volatileキーワードは、このような割り込みハンドラ内で変数を正しく扱うために使用されます。

例えば、下記のような割り込みハンドラのサンプルコードを考えてみましょう。

このコードでは、volatileキーワードを使って割り込みハンドラが正しく動作するようにしています。

#include <stdio.h>
#include <signal.h>
#include <unistd.h>

volatile sig_atomic_t flag = 0;

void handler(int signum)
{
    flag = 1;
}

int main()
{
    signal(SIGINT, handler);

    while (!flag) {
        printf("待機中...\n");
        sleep(1);
    }

    printf("割り込みが発生しました。\n");
    return 0;
}

上記のサンプルコードは、Ctrl+Cによる割り込み(SIGINT)を待ち受けるプログラムです。

ユーザーがCtrl+Cを押すと、シグナルハンドラとして設定したhandler関数が呼び出され、volatileで定義したflagが1に設定されます。

この設定により、無限ループから脱出し、割り込みが発生したことを表示します。

ここでのポイントは、割り込みハンドラ内でアクセスされる変数flagにvolatileを指定していることです。

これにより、コンパイラの最適化によってflagの値が誤って扱われることを防ぐことができます。

つまり、volatileキーワードにより、割り込みハンドラで変数の値が予期せずに変更されるリスクを軽減できます。

このコードを実行すると、”待機中…”と表示され、プログラムはユーザーからの割り込みを待ちます。

ユーザーがCtrl+Cを押すと、”割り込みが発生しました。”と表示され、プログラムは終了します。

これは、ユーザーの割り込みによってhandler関数が実行され、volatile変数のflagの値が1に変更され、whileループが終了するためです。

○サンプルコード5:メモリマップドIO

本章では、メモリマップドIOを用いたvolatileキーワードの応用例について説明します。

メモリマップドIOは、IOデバイスとメモリの間で直接データ転送を行うためのテクニックで、volatileキーワードはここで大きな役割を果たします。

次のコードでは、volatileキーワードを使って、特定のメモリアドレスにあるレジスタにアクセスします。

この例では、0x40000000のメモリアドレスを指しています。

// コードの一部
volatile uint32_t* reg = (volatile uint32_t*)0x40000000;
*reg = 0x12345678;

このコードは、特定のメモリアドレス(ここでは0x40000000)を指すポインタを定義しています。

volatile修飾子がついているので、このポインタが指すメモリの内容は常に変わり得ると解釈されます。

したがって、コンパイラはこのポインタを通じてメモリにアクセスするたびに、必ずそのアドレスからデータを読み出すことが保証されます。

これにより、最適化による不適切な読み取りを防ぐことができます。

それでは、実際にコードを実行してみましょう。

しかし、このコードは特定のハードウェア環境でのみ動作するため、一般的な環境では動作しません。

代わりに、以下のような出力結果を想像してみてください。

// 想像上の出力結果
Reg: 0x12345678

このコードがハードウェア上で実行されると、指定したアドレスのレジスタに値が書き込まれます。

したがって、次回そのアドレスを参照した時には、新たに書き込んだ値が読み取られます。

メモリマップドIOでは、IOデバイスとのデータのやり取りが直接メモリ上で行われます。

volatileキーワードは、このような状況で重要となります。

なぜなら、IOデバイスはコンパイラが予測できないタイミングでデータを更新する可能性があるからです。

volatileキーワードを使うことで、デバイスからの最新のデータを常に読み取ることができます。

ただし、ここで注意すべき点は、volatileキーワードは最適化による問題を防ぐことができますが、マルチスレッド環境でのデータ競合やアトミックな操作の保証は提供しないということです。

そのようなケースでは、さらなる同期メカニズムが必要となります。

以上がメモリマップドIOを用いたvolatileキーワードの応用例でした。

このテクニックを用いることで、C言語を使ったハードウェアプログラミングがより確実になります。

○サンプルコード6:セットアップとクリーンアップ

volatile変数が必要な状況は多岐にわたります。

例えば、ある特定の環境をセットアップし、後でそれをクリーンアップする必要がある場合にはvolatile変数が役立つことがあります。

このパターンは、リソース管理でよく見られます。

ここでは、volatileキーワードを使用してリソースのセットアップとクリーンアップを行う一例をご紹介します。

#include<stdio.h>

volatile int setup_complete = 0;

void setup() {
    // セットアップ処理を行う
    printf("セットアップを行います\n");
    setup_complete = 1;
}

void cleanup() {
    if (setup_complete) {
        // クリーンアップ処理を行う
        printf("クリーンアップを行います\n");
    }
}

int main() {
    setup();
    // 何らかの処理を行う
    cleanup();
    return 0;
}

このコードでは、setup_completeというvolatile変数を使用して、セットアップ処理が完了したかどうかを追跡しています。

setup関数でセットアップ処理が行われると、setup_completeは1に設定されます。

これにより、後続のcleanup関数では、セットアップが完了しているかどうかを確認できます。

完了していればクリーンアップ処理を行います。

この例では、volatileキーワードはsetup_complete変数の変更を確実に反映し、予期せぬ最適化によりその変更が見落とされることを防ぐ役割を果たしています。

このように、volatile変数はプログラムの特定の状態を追跡するのに便利で、特に外部イベントや割り込み、マルチスレッド環境などで有用です。

このコードを実行すると、まずセットアップ処理が行われ、”セットアップを行います”と表示されます。

その後、クリーンアップ処理が行われ、”クリーンアップを行います”と表示されます。これはsetup_complete変数が1に設定されているためです。

○サンプルコード7:ソフトウェアデバッグ

ソフトウェアデバッグの環境では、volatileを適切に使用することが重要になります。

これは、デバッグ中に値が予期せずに変更されてしまう可能性があるためです。

ここでは、volatileを使用したデバッグの基本的な手法について説明します。

次のコードは、ソフトウェアデバッグにvolatile変数を使用する一例です。

#include <stdio.h>

volatile int debug_flag = 0;

void some_function() {
  if (debug_flag) {
    printf("Debug flag is set.\n");
  } else {
    printf("Debug flag is not set.\n");
  }
}

int main() {
  some_function();
  debug_flag = 1;
  some_function();
  return 0;
}

このコードでは、debug_flagというvolatile変数を定義しています。

この変数は、デバッグフラグとして機能します。

関数some_functionが呼び出されると、debug_flagの値をチェックし、その値に基づいてメッセージを出力します。

volatileを使用することで、デバッグ中でもこの変数の値はコンパイラの最適化により予期せず変更されることはありません。

上記のコードを実行すると、次の結果が得られます。

Debug flag is not set.
Debug flag is set.

これは、最初にsome_functionを呼び出した時点ではdebug_flagが0なので「Debug flag is not set.」と表示され、次にdebug_flagを1に変更した後にsome_functionを再度呼び出すと「Debug flag is set.」と表示されるからです。

○サンプルコード8:動的メモリアロケーション

volatileは、動的メモリアロケーションに関連する問題にも対応します。

このような状況では、メモリが動的に確保または解放されるため、メモリ位置の内容が予期せずに変更される可能性があります。volatileを使用すると、これらの問題を防ぐことができます。

次のコードは、動的メモリアロケーションにvolatile変数を使用する一例です。

#include <stdlib.h>

int main() {
  volatile int *dynamic_memory = malloc(sizeof(int));
  if (dynamic_memory != NULL) {
    *dynamic_memory = 123;
    printf("Dynamic memory value: %d\n", *dynamic_memory);
    free(dynamic_memory);
  }
  return 0;
}

このコードでは、dynamic_memoryという名前のvolatileポインタを定義し、そのポインタに動的に確保したメモリを割り当てています。

そして、メモリを適切に確保できた場合にそのメモリ位置に値を設定し、それを出力します。

最後に、必要な処理が終わったらそのメモリを解放します。

上記のコードを実行すると、次の結果が得られます。

Dynamic memory value: 123

これは、動的メモリ位置に設定した値123が正しく出力されていることを意味します。

このように、volatileを使用することで動的メモリの扱いにおける予期せずの挙動を防ぐことができます。

○サンプルコード9:共有メモリ

C言語のvolatileキーワードを使用すると、共有メモリに対して直接アクセスできます。

下記のサンプルコードでは、volatileを使って共有メモリ領域にアクセスすることで、プロセス間で情報を共有する方法を表しています。

#include <stdio.h>
#include <sys/mman.h>
#include <fcntl.h>
#include <unistd.h>

int main(void) {
    int fd;
    volatile char *shared_memory;

    // 共有メモリ領域の作成
    fd = shm_open("/my_shm", O_CREAT | O_RDWR, 0600);
    ftruncate(fd, sizeof(char));

    // 共有メモリ領域へのマッピング
    shared_memory = mmap(NULL, sizeof(char), PROT_READ | PROT_WRITE, MAP_SHARED, fd, 0);
    close(fd);

    // 共有メモリ領域への書き込み
    *shared_memory = 'A';

    return 0;
}

このコードでは、最初に共有メモリ領域を作成しています。

次に、mmap関数を使用して共有メモリ領域にマップします。

マッピングが成功したら、マッピングされたメモリ領域にデータを書き込みます。

ここでは、volatile変数shared_memoryを使用して、共有メモリ領域に直接アクセスしています。

このサンプルコードを実行すると、共有メモリ領域/my_shmに文字’A’が書き込まれます。

他のプロセスからこの共有メモリ領域を読み出すことで、プロセス間通信が可能になります。

○サンプルコード10:リアルタイムシステム

リアルタイムシステムでは、特定のタスクが特定の時間内に必ず完了することが必要です。

volatile変数は、タスクが所定の時間内に完了することを保証するのに役立ちます。

下記のサンプルコードでは、volatile変数を使用してリアルタイムタスクを管理する方法を表します。

#include <stdio.h>

volatile int task_completed = 0;

void real_time_task(void) {
    // リアルタイムタスクの実装
    printf("Real-time task is running.\n");

    // タスクが完了したら、フラグをセット
    task_completed = 1;
}

int main(void) {
    // リアルタイムタスクの起動
    real_time_task();

    // タスクが完了するまで待機
    while (task_completed == 0) {
        ; // 何もしない
    }

    printf("Real-time task completed.\n");

    return 0;
}

このコードでは、まずvolatile変数task_completedを使用して、リアルタイムタスクが完了したかどうかを追跡します。

次に、real_time_task関数を使用してリアルタイムタスクを起動します。

タスクが完了したら、task_completedフラグをセットします。メイン関数では、このフラグを監視して、タスクが完了するまで待機します。

このサンプルコードを実行すると、まず”Real-time task is running.”と出力されます。

その後、タスクが完了すると”Real-time task completed.”と出力されます。

このように、volatile変数を使用すると、タスクの完了状態を確実に監視でき、リアルタイムシステムの要件を満たすことができます。

●volatileの詳細な対処法

volatileキーワードは強力なツールであり、適切に使用すればソフトウェアの挙動を制御できます。

しかし、不適切な使用は問題を引き起こす可能性もあります。そのため、volatileの使用には注意が必要です。

○最適化に関する問題の対処法

コンパイラの最適化は通常、コードの実行速度を上げるために行われます。

しかし、volatile変数を含むコードは、最適化によって予期しない動作をする可能性があります。

したがって、volatile変数を使用する際は、コンパイラの最適化の影響を理解し、適切な対処法を考えることが重要です。

●詳細な注意点

volatileキーワードは、C言語の一部として非常に便利なツールですが、その使用方法には注意が必要です。]その一つがコンパイラの最適化との関係です。

○コンパイラの最適化とvolatile

コンパイラはコードの実行速度を向上させるために、いくつかの最適化を自動的に行います。

これらの最適化の一部は、変数の値がプログラムの実行中に変わらないと仮定します。

しかし、volatileキーワードを使用した変数は、プログラマがその変数が予想外に変更される可能性があることを表しています。

そのため、volatile変数を使用すると、コンパイラの最適化が無効になる可能性があります。

具体的なサンプルコードを通してこの概念を理解しましょう。

下記のコードは、volatileキーワードを使っているかどうかによって、コンパイラの最適化がどのように影響するかを表しています。

#include<stdio.h>

void main(){
  int a = 10;
  while(a == 10){
      // 無限ループ
  }
  printf("ループを抜け出しました");
}

このコードは、aの値が10である限り無限にループするプログラムです。

しかし、aの値はループ内で一切変更されていないため、コンパイラはこれを無限ループと判断し、printf文は実行されません。

この結果、printf文はコンパイラによって最適化されてしまいます。

次に、aをvolatile int型として定義し、同じコードを見てみましょう。

#include<stdio.h>

void main(){
  volatile int a = 10;
  while(a == 10){
      // 無限ループ
  }
  printf("ループを抜け出しました");
}

この場合、aはvolatileキーワードによって修飾されているため、コンパイラはその値が変更される可能性があると判断します。

その結果、無限ループになる可能性があると判断され、printf文は最適化されず、コードに残ります。

これは、コンパイラの最適化とvolatileキーワードがどのように相互作用するかを表す一例です。

volatileキーワードを使用する際は、このようなコンパイラの最適化の影響を理解し、適切な使用を心掛けることが重要です。

続いて、volatileの詳細なカスタマイズについて見ていきましょう。

特にvolatileとconstの組み合わせは、非常に興味深い結果を生むことがあります。

●volatileの詳細なカスタマイズ

ここでは、volatileを使用する上でのカスタマイズ方法について解説します。

特に、volatileとconstの組み合わせについて詳しく見ていきましょう。

○volatileとconstの組み合わせ

C言語では、volatileとconstを組み合わせて使用することが可能です。

volatileとconstを組み合わせた変数は、プログラム上で値が変更されることはないが、コンパイラ外からの変更を可能とするものを表します。

これは、ハードウェアレジスタの読み取り専用のステータスレジスタや、割り込みサービスルーチンによって変更されるグローバル変数などを表現するのに役立ちます。

例として、次のコードを見てみましょう。

volatile const int status_reg = * (int*) 0x4000;

このコードでは、メモリアドレス0x4000にある整数を表現する読み取り専用のステータスレジスタを定義しています。

この値はプログラム上からは変更されませんが、ハードウェア自体によって変更される可能性があります。

そのため、volatileとconstを組み合わせて使用します。

これが実行されると、status_regという変数はプログラム内からは変更することはできませんが、メモリアドレス0x4000の内容が変わると、その値が反映されます。

これにより、ハードウェアからの状態変更をリアルタイムに監視することができます。

次に、volatileとconstを組み合わせた変数の読み取り方について見てみましょう。

int main(void) {
    while(status_reg != 0) {
        // 処理
    }
}

ここでは、status_regの値が0でない間、ある処理を繰り返し実行しています。

これにより、status_regの値が変化したときに、それに応じた処理を実行することが可能になります。

以上が、volatileとconstの組み合わせについての解説です。

volatileとconstの組み合わせを理解し、効果的に使用することで、より柔軟なプログラミングが可能になります。

まとめ

C言語のvolatileキーワードは、プログラムの動作を制御する上で非常に重要な役割を果たします。

本記事では、volatileの基本的な使い方から、応用例、注意点、そしてカスタマイズ方法までを解説しました。

サンプルコードを交えて、volatileの詳細な使い方と各機能を詳しく解説してきましたので、これらの知識を生かして、volatileを効果的に使用してみてください。

また、最適化との関係性や、constとの組み合わせという、ちょっとしたテクニックも紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。

これで、C言語のvolatileを使いこなす道筋が見えてきたのではないでしょうか。

この記事が、あなたのC言語プログラミングの一助となれば幸いです。