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VerilogとMIPIを使って12のプロジェクトを実装する方法

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説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

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はじめに

ハードウェア記述言語Verilogとモバイルインターフェース規格MIPIの基本から始まり、VerilogとMIPIを活用した12の具体的なプロジェクトまでを詳細に解説する本記事は、これからVerilogとMIPIを学び始める初心者にとって、理解を深めるための一助となることでしょう。

●Verilogとは

Verilogはハードウェア記述言語であり、デジタル回路を設計するための一般的な言語の1つです。

1990年にIEEE標準となり、その高い柔軟性から広く使われています。

○Verilogの基本

Verilogで最も基本的な概念はモジュールです。

モジュールは、特定の論理ゲートや複雑なデジタルシステムの動作を表すために使用されます。

これにより、ハードウェア設計者は複雑なデジタルシステムを効率的に表現できます。

●MIPIとは

MIPIはMobile Industry Processor Interfaceの略で、モバイルデバイスでのプロセッサと周辺デバイス間の通信インターフェースの一種です。

MIPI Allianceが開発を主導し、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで一般的に使われています。

○MIPIの基本

MIPI規格はいくつかの異なるインターフェースに分かれています。

これらには、カメラ(CSI)やディスプレイ(DSI)などのデバイスとプロセッサ間の高速なデータ転送を可能にするものがあります。

●VerilogとMIPIのセットアップ

VerilogとMIPIを使用するためには、対応する開発ツールのインストールと設定が必要です。

Verilogではシミュレーションソフトウェアが必要で、MIPIでは具体的なハードウェア(例えば、MIPI対応のカメラやディスプレイ)が必要です。

●Verilogでの基本的な概念

Verilogでは、”module”と”endmodule”で囲まれた領域が一つのモジュールを表します。

また、モジュール内では、”input”と”output”キーワードを用いて入力と出力を定義します。

これらの基本的な概念を理解することで、より複雑なVerilogコードの読み書きが可能になります。

●MIPIでの基本的な概念

MIPIでは、CSI(Camera Serial Interface)やDSI(Display Serial Interface)などのインターフェースが重要です。

これらはカメラやディスプレイといったデバイスとプロセッサ間での高速なデータ転送を可能にします。

また、これらのインターフェースは一般に、物理レイヤ(PHY)とプロトコルレイヤ(Protocol)の2つの部分から成り立っています。

●Verilogでのプロジェクトの実装

Verilogを使ったプロジェクトの実装について詳しく解説します。

Verilogは複雑なハードウェアシステムを効率よく設計できるように設計された言語です。

その機能を生かし、基本的な論理回路からカウンタ、フリップフロップの実装など、具体的なプロジェクト例を通してその使用法を学んでいきましょう。

○サンプルコード1:簡単な論理回路の作成

最初に、簡単な論理回路を作成してみます。

下記のコードは、ANDゲートを模擬するためのVerilogコードです。

module AND_Gate(input wire a, input wire b, output wire y);
  assign y = a & b;
endmodule

このコードでは、入力信号abをAND演算して、出力信号yを生成します。

assign文を使うことで、一つの信号(または信号の組み合わせ)を他の信号に割り当てることができます。

このコードを実行すると、入力された2つの信号abがともに1(真)のときだけ、出力yが1になります。

それ以外の場合、出力yは0になります。

これがANDゲートの基本的な動作原理です。

○サンプルコード2:カウンタの作成

次に、簡単なカウンタを作成してみましょう。

下記のコードは、2ビットのアップカウンタを表現しています。

module UpCounter(input wire clk, output reg [1:0] count);
  always @(posedge clk) begin
    count <= count + 1;
  endmodule

このコードでは、clkという名前の入力クロック信号を使って、2ビットのレジスタcountをインクリメントしています。

always文は、その後に指定した条件が満たされたときに実行されるブロックを定義します。

ここではposedge clkという条件を指定しているため、clkが0から1に変わる(立ち上がりエッジが来る)たびに、countが1増えます。

○サンプルコード3:フリップフロップの実装

フリップフロップはデジタル回路の基本的な要素であり、情報を一時的に保存することができます。

下記のコードはDフリップフロップをVerilogで実装した例です。

module DFF(input wire D, input wire clk, output reg Q);
  always @(posedge clk) begin
    Q <= D;
  endmodule

このコードでは、入力信号Dの値を出力信号Qに代入しています。

ただし、この代入はクロック信号clkの立ち上がりエッジが来たときだけ実行されます。

つまり、Dの値はclkの次の立ち上がりまでQに保持されます。

これがDフリップフロップの基本的な動作原理です。

○サンプルコード4:その他の基本的な概念

Verilogを用いたプロジェクトには、論理回路、カウンタ、フリップフロップのような基本的な概念以外にも、シフトレジスタ、バス、ワイヤ、レジスタなど、さまざまな高度な概念が存在します。

ここでは、これらの概念とそれぞれの役割について詳しく解説します。

まずは、シフトレジスタについて見てみましょう。

シフトレジスタは、データビットを一定の方向に「シフト」するためのデジタル回路です。

その動作は一般的なレジスタと異なり、入力データはレジスタの一端から入力され、他端から出力されます。

これは、情報を一定のタイミングで一定の方向に移動させることが必要なデジタルシステム、例えば、シリアル通信などで非常に有用です。

下記のコードは、4ビットの右シフトレジスタを作成するためのVerilogコードです。

module shift_register #(parameter WIDTH = 4)
    (input wire clk, reset, in,
    output wire [WIDTH-1:0] out);

    reg [WIDTH-1:0] data;

    // シフトレジスタの操作
    always @(posedge clk or posedge reset) begin
        if (reset) begin
            data <= 0; // リセットの場合、レジスタをクリア
        end
        else begin
            data <= {data[WIDTH-2:0], in}; // シフトと新しいデータビットの挿入
        end
    end

    assign out = data; // レジスタの現在の状態を出力

endmodule

このコードでは、4ビットのシフトレジスタを操作しています。

各クロックの立ち上がりエッジで、シフトレジスタのデータは右に1ビットずつシフトし、新たなデータビットがレジスタの左端に挿入されます。

リセット信号がアクティブになった場合、全てのレジスタは0でクリアされます。

次にバスについて解説します。

Verilogでは、多くの信号を一度にグループ化して扱うために、バスを使用します。

たとえば、8ビットのデータバスは、一度に8ビットのデータを移動させることができます。

バスは角括弧([])を用いて表現され、その範囲はMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)からLSB(Least Significant Bit:最下位ビット)まで定義されます。

下記のVerilogコードは、8ビットのバスを定義し、それを操作する基本的な例です。

module bus_example #(parameter WIDTH = 8)
    (input wire clk, reset,
    input wire [WIDTH-1:0] in,
    output wire [WIDTH-1:0] out);

    reg [WIDTH-1:0] data;

    // データバスの操作
    always @(posedge clk or posedge reset) begin
        if (reset) begin
            data <= 0; // リセットの場合、バスをクリア
        end
        else begin
            data <= in; // 入力をバスに書き込む
        end
    end

    assign out = data; // バスの現在の状態を出力

endmodule

このコードでは、8ビットのバス’data’を操作しています。リセット信号がアクティブになった場合、全てのバスは0でクリアされます。

それ以外の場合、’in’から読み取った8ビットのデータが’data’バスに書き込まれます。

Verilogでは、ワイヤとレジスタという二つの主要なデータ型があります。

これらはいずれも、回路内の信号を表現するために使用されます。

ワイヤは、ハードウェアの物理的な配線に相当し、その値はその瞬間に接続されているドライバ(通常はゲートやモジュールの出力)によって決定されます。

一方、レジスタは、値を保存する能力を持つハードウェア要素で、フリップフロップやレジスタに相当します。

●MIPIでのプロジェクトの実装

ハードウェア記述言語Verilogを駆使して論理回路やカウンタ、フリップフロップを実装する方法を学んだ後は、モバイルデバイス用インターフェースであるMIPIを用いて実際のプロジェクトを作り上げてみましょう。

MIPIはモバイルデバイス間の通信を担当し、カメラやディスプレイなどのセットアップに役立ちます。

次の3つのセクションでは、MIPIを用いてカメラインターフェースのセットアップ、ディスプレイインターフェースのセットアップ、その他の基本的な概念を実装する方法について学びます。

○サンプルコード5:カメラインターフェースのセットアップ

カメラインターフェースのセットアップは、MIPIでのプロジェクトにおいて基本的なステップです。

MIPIカメラインターフェースは、高解像度のカメラデータを効率よく転送するためのもので、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで一般的に使用されます。

ここで紹介するコードは、MIPIを用いてカメラインターフェースをセットアップする方法を表しています。

#include <linux/mipi_csi2.h>

void mipi_camera_setup(struct mipi_csi2_info *info)
{
    // MIPIの初期化
    mipi_csi2_reset(info);

    // MIPIの有効化
    mipi_csi2_enable(info);

    // MIPIにカメラデータを送信するよう指示
    mipi_csi2_set_datatype(info, MIPI_DT_RAW8);

    // MIPIにバーチャルチャンネルを設定
    mipi_csi2_set_virtual_channel(info, 0);
}

このサンプルコードでは、MIPIの初期化、有効化、カメラデータの送信の設定、バーチャルチャンネルの設定という4つの基本的なステップを経て、MIPIカメラインターフェースをセットアップしています。

なお、このコードを正しく実行するには、LinuxのMIPI CSI-2ドライバが必要となります。

また、各関数の引数には、MIPI CSI-2の情報を含む構造体を渡します。

このコードを実行すると、MIPI CSI-2インターフェースが初期化され、その後有効化されます。

さらに、カメラデータをRAW8形式で送信するように設定し、バーチャルチャンネルを0に設定します。

これにより、MIPIインターフェースを通じてカメラからのデータを適切に受け取る準備が整います。

○サンプルコード6:ディスプレイインターフェースのセットアップ

次に、MIPIを用いてディスプレイインターフェースをセットアップする方法について見ていきましょう。

MIPIディスプレイインターフェースは、高解像度のディスプレイデータを効率よく転送するためのもので、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで一般的に使用されます。

下記のコードは、MIPIを用いてディスプレイインターフェースをセットアップする手順を説明しています。

#include <linux/mipi_dsi.h>

void mipi_display_setup(struct mipi_dsi_device *device)
{
    // MIPIの初期化
    mipi_dsi_device_initialize(device);

    // MIPIの有効化
    mipi_dsi_device_enable(device);

    // MIPIにディスプレイデータを送信するよう指示
    mipi_dsi_set_display_mode(device, MIPI_DSI_MODE_VIDEO);

    // MIPIにバーチャルチャンネルを設定
    mipi_dsi_set_virtual_channel(device, 0);
}

このサンプルコードでは、MIPIの初期化、有効化、ディスプレイデータの送信設定、バーチャルチャンネルの設定という4つの基本的なステップを経て、MIPIディスプレイインターフェースをセットアップしています。

ここでもLinuxのMIPI DSIドライバが必要となります。

また、各関数の引数には、MIPI DSIの情報を含む構造体を渡します。

このコードを実行すると、MIPI DSIインターフェースが初期化され、その後有効化されます。

さらに、ディスプレイデータをビデオモードで送信するように設定し、バーチャルチャンネルを0に設定します。

これにより、MIPIインターフェースを通じてディスプレイへのデータ送信の準備が整います。

○サンプルコード7:その他の基本的な概念

MIPIインターフェースのさまざまな機能を活用するために、ここではパワーマネージメント、データ整合性チェック、エラーハンドリングについて説明します。

MIPIインターフェースの豊富な機能は、デバイス間の安定した通信を保証します。

// スリープモードに入る前に、HS(高速)モードからLP(低消費電力)モードに切り替えます
mipi_dsi_dphy_exit_hs_mode(dsi_host);
// スリープモードへ
mipi_dsi_dphy_enter_sleep_mode(dsi_host);

このコードでは、MIPI D-PHY(物理層)のパワーマネージメント機能を使って、D-PHYを低消費電力モードに切り替え、その後スリープモードに移行させています。

これは、デバイスが使用されていないときに消費電力を抑えるための一例です。

そして次に、エラーハンドリングのコードを見てみましょう。

// エラーハンドリング
mipi_dsi_set_generic_packet(dsi_host, 0, NULL, 0);

// エラーが発生したら、エラーメッセージを表示します
if (mipi_dsi_get_error_status(dsi_host) != MIPI_DSI_SUCCESS) {
    printf("MIPI DSI error occurred.\n");
}

このコードは、MIPI DSIがエラーを検出した場合にエラーメッセージを表示します。

エラーハンドリングは、予期しない問題が発生した場合にその事実を検出し、適切な対応をするために重要です。

●VerilogとMIPIを組み合わせたプロジェクトの実装

それでは、これまでに学んだVerilogとMIPIの基本的な概念を組み合わせて、より複雑なプロジェクトを実装する方法について見ていきましょう。

○サンプルコード8:カメラからのデータをVerilogで処理

この例では、MIPIインターフェースを通じてカメラからデータを受け取り、それをVerilogで処理する方法を紹介します。

// カメラからのデータを受け取る
reg [7:0] camera_data;
wire mipi_hs_rx_data_ready;

assign mipi_hs_rx_data_ready = mipi_dsi_host_get_hs_rx_data_ready(dsi_host);

always @(posedge mipi_hs_rx_data_ready) begin
    camera_data <= mipi_dsi_host_get_rx_data(dsi_host);
end

ここでは、カメラからのデータを受け取るためのレジスタcamera_dataを宣言しています。

MIPIからのデータが準備できたら(mipi_hs_rx_data_readyが立ち上がったら)、そのデータをcamera_dataに格納します。

このプロセスはMIPIからデータが送られてくるたびに実行されます。

○サンプルコード9:Verilogで制御するディスプレイ

次に、Verilogを使ってディスプレイを制御する例を見てみましょう。

// Verilogでディスプレイにデータを送る
reg [7:0] display_data;
wire mipi_hs_tx_data_ready;

assign mipi_hs_tx_data_ready = mipi_dsi_host_get_hs_tx_data_ready(dsi_host);

always @(posedge mipi_hs_tx_data_ready) begin
    mipi_dsi_host_set_tx_data(dsi_host, display_data);
end

ここでは、ディスプレイに送信するデータを保持するレジスタdisplay_dataを宣言しています。

MIPIがデータの送信準備ができたとき(mipi_hs_tx_data_readyが立ち上がったとき)に、display_dataの内容をMIPIを通じてディスプレイに送信します。

このプロセスもMIPIがデータの送信準備ができるたびに実行されます。

これらの例から、MIPIインターフェースとVerilogを組み合わせることで、実世界のデバイスを制御するプロジェクトを実装することができることがわかります。

○サンプルコード10:VerilogとMIPIを組み合わせた複雑なプロジェクト

この例では、カメラからのデータを受け取り、それを処理してからディスプレイに表示するという一連のプロセスを実装します。

// カメラからのデータを受け取る
reg [7:0] camera_data;
wire mipi_hs_rx_data_ready;

assign mipi_hs_rx_data_ready = mipi_dsi_host_get_hs_rx_data_ready(dsi_host);

always @(posedge mipi_hs_rx_data_ready) begin
    camera_data <= mipi_dsi_host_get_rx_data(dsi_host);
end

// データを処理する
reg [7:0] processed_data;
assign processed_data = camera_data ^ 8'b10101010; // ここではXOR演算を例として使用

// 処理したデータをディスプレイに送る
wire mipi_hs_tx_data_ready;

assign mipi_hs_tx_data_ready = mipi_dsi_host_get_hs_tx_data_ready(dsi_host);

always @(posedge mipi_hs_tx_data_ready) begin
    mipi_dsi_host_set_tx_data(dsi_host, processed_data);
end

このコードでは、カメラからのデータを受け取り、それを処理してからディスプレイに送信しています。

データの処理には、ここでは単純にXOR演算を例として使用しています。

このような具体的なプロジェクトを通じて、VerilogとMIPIを用いた実世界のプロジェクトの実装方法を理解することができます。

●注意点と対処法

VerilogとMIPIを使用してプロジェクトを実装する際には、次のようないくつかの注意点があります。

①タイミング問題

VerilogとMIPIのようなハードウェア記述言語とインターフェースを使用するときには、システム全体のタイミングを適切に制御することが重要です。

そうしないと、データの伝送や処理に問題が発生する可能性があります。

②デバッグの難易度

ハードウェア記述言語はソフトウェア言語とは異なり、一般的にデバッグが難しいです。

Verilogで記述した回路が期待通りに動作しない場合、問題の特定と修正が難しくなることがあります。

③MIPIの規格遵守

MIPIは業界標準規格であり、その規格を遵守しないと互換性の問題が生じる可能性があります。

規格に適合しない設計は、期待した性能を発揮できないか、最悪の場合、他のデバイスと接続できないかもしれません。

それぞれの注意点に対する具体的な対処法を紹介します。

①タイミング問題に対する対処法

Verilogにはalways @という構文があり、これを使って特定の信号の変化に対する動作を記述することができます。

この構文を使用して、システム全体のタイミングを制御します。

具体的なコード例を紹介します。

// 信号が変化したときに動作するブロックを作成
always @(posedge clk or negedge rst_n) begin
    if (!rst_n) // rst_nが0のとき
        q <= 8'b0; // qを0にリセット
    else if (clk) // clkが1のとき
        q <= d; // qにdを代入
end

このコードでは、クロックclkの立ち上がりエッジ(posedge)かリセット信号rst_nの立ち下がりエッジ(negedge)に反応して動作します。

これにより、システム全体のタイミングを制御できます。

②デバッグの難易度に対する対処法

Verilogにはテストベンチと呼ばれる仕組みがあり、これを使ってモジュールの動作をシミュレーションで確認することができます。

下記のコードは、テストベンチの基本的な形状を表しています。

`timescale 1ns/1ps
module testbench;
    reg clk;
    reg d;
    reg rst_n;
    wire q;

    // テスト対象のモジュールをインスタンス化
    my_module uut (
        .clk(clk), 
        .rst_n(rst_n), 
        .d(d), 
        .q(q)
    );

    initial begin
        // シミュレーションの初期化
        clk = 0;
        rst_n = 0;
        d = 0;

        // 10ns後にリセットを解除
        #10 rst_n = 1;

        // 20nsごとにclkとdを切り替え
        forever #20 clk = ~clk, d = ~d;
    end
endmodule

テストベンチを使うと、モジュールがどのように動作するかを具体的にシミュレーションで確認できるため、デバッグの難易度を軽減することができます。

③MIPIの規格遵守に対する対処法

MIPIの規格を遵守するためには、公式の規格書を確認し、それに基づいた設計を行うことが重要です。

また、市販のMIPIコントローラICや開発キットを使用すると、規格に準拠した設計を容易に行うことができます。

●カスタマイズ方法

VerilogとMIPIの基本を押さえたら、次に自分だけのカスタムプロジェクトに挑戦する時間です。

カスタムプロジェクトでは、自分自身のニーズや想像力に合わせてVerilogとMIPIを自由に組み合わせることができます。

このセクションでは、VerilogとMIPIを使って自分だけのカスタムモジュールとデバイスを作る方法を解説します。

○サンプルコード11:カスタムVerilogモジュールの作成

まずは、Verilogで自分だけのモジュールを作ってみましょう。

この例では、2つの入力が等しいかどうかを判断するエクイパランス(等価性)ゲートを作成します。

エクイパランスゲートは、2つの入力が等しいときに真(1)を出力し、それ以外の場合は偽(0)を出力します。

// カスタムエクイパランスゲートモジュール
module EQ_GATE(
  input wire A,
  input wire B,
  output wire Q
);

assign Q = ~(A ^ B);

endmodule

このコードでは、’A’と’B’という2つの入力を受け取り、’Q’という出力を提供するエクイパランスゲートモジュールを作成しています。

出力’Q’は、入力’A’と’B’が等しい場合には1となり、それ以外の場合には0となります。

これにより、カスタムのエクイパランスゲートがVerilogで作成されました。

このエクイパランスゲートは、2つのデータ入力が等しいかどうかをチェックする場面で利用できます。

○サンプルコード12:カスタムMIPIデバイスの作成

次に、MIPIを使ってカスタムデバイスを作成してみましょう。

この例では、MIPIのカメラインターフェース(CSI-2)を使用して、自分だけのカスタムカメラデバイスを作成します。

// MIPI CSI-2カメラデバイスの初期化
struct mipi_dsi_device *dsi = mipi_dsi_device_register_full(host, &cfg);

if (IS_ERR(dsi)) {
    dev_err(dev, "failed to register DSI device: %ld\n", PTR_ERR(dsi));
    return PTR_ERR(dsi);
}

このコードでは、まずMIPI DSIホストと設定情報を用いてDSIデバイスを登録しています。

エラーが発生した場合には、エラーメッセージを出力しています。

以上がカスタムデバイスの作成方法の基本です。

MIPIを使うことで、自分だけのデバイスを作ることが可能になります。

まとめ

この記事では、VerilogとMIPIの基礎から、12のプロジェクトの実装、カスタムモジュールやデバイスの作成方法まで、初心者がVerilogとMIPIを使ってプロジェクトを実装するための基本的な知識とテクニックを解説しました。

これらの基本を理解し、実践すれば、VerilogとMIPIを使ったプロジェクトを成功させるためのスキルが身につくはずです。

これからも、新しい技術の学習と挑戦を続けて、より高度なプロジェクトを実装してみてください。