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VHDLでの多次元配列使い方と実例10選

VHDLの多次元配列のイラストとサンプルコードのスクリーンショット VHDL
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この記事では、プログラム(回路記述)の基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

VHDLを学び始めたばかりの方、またはVHDLの多次元配列について詳しく知りたい方へ。

この記事を読めば、VHDLでの多次元配列の使い方や活用方法が身につくことができるようになります。

数多くのサンプルコードを通じて、基本から応用までのステップを丁寧に解説していきますので、是非最後までご覧ください。

●VHDLの多次元配列とは

VHDLは、デジタル回路の設計とシミュレーションを行うためのハードウェア記述言語です。

この言語には、プログラマがデータを効果的に管理するための多くのデータ構造が用意されており、その中の一つが「多次元配列」です。

多次元配列とは、名前の通り、複数の次元を持つ配列のことを指します。

例えば、2次元配列は一般的に「行」と「列」を持つテーブルとして考えることができます。

○多次元配列の基本概念

多次元配列は、1次元配列の集合としても考えることができます。

1次元配列が水平に並ぶことで、2次元のデータ構造が構築されるのです。

同様に、2次元配列をさらに集約していくことで、3次元、4次元といったより高次元の配列を形成することができます。

○VHDLでの多次元配列の宣言方法

VHDLでの多次元配列の宣言は、次のような形式を取ります。

type 配列名 is array (範囲1, 範囲2, ... ) of 型;

このコードでは〇〇を使って〇〇をするコードを紹介しています。

この例では、配列名という名前の多次元配列を宣言しています。

範囲1, 範囲2などは、配列の各次元の範囲を表しており、その数だけ配列の次元数が増えます。

最後にを指定することで、配列の各要素のデータ型を定義します。

たとえば、2次元の整数型配列を宣言する場合、次のように書くことができます。

type matrix is array (0 to 2, 0 to 3) of integer;

このコードでは、matrixという名前の2次元配列を宣言しています。

この例では、3行4列の2次元整数型配列を作成しています。

その結果、0番目から2番目までの行と、0番目から3番目までの列を持つテーブルとして利用することができるようになります。

これがVHDLにおける多次元配列の基本的な宣言方法となります。

次に、実際にこの多次元配列をどのように利用するのか、具体的な使い方をサンプルコードとともに解説していきます。

●多次元配列の使い方

VHDLの多次元配列は、非常に有用で、多岐にわたるアプリケーションでのデータの管理や操作を容易にします。

下記のセクションでは、VHDLの多次元配列の使い方について、具体的なサンプルコードを交えながら詳しく解説していきます。

○サンプルコード1:基本的な2次元配列の宣言と初期化

VHDLで2次元配列を宣言する際の基本的な方法を紹介します。

こちらの例では、整数値を格納する2×2の2次元配列を宣言し、それを初期化しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;

type array_2d is array (0 to 1, 0 to 1) of integer;
signal my_array: array_2d := ((1, 2), (3, 4));

このコードでは、array_2dという名前の2次元配列の型を定義しています。

そして、my_arrayという名前の2次元配列を宣言し、それに値を割り当てています。

○サンプルコード2:多次元配列の要素へのアクセス

多次元配列の特定の要素にアクセスする方法を解説します。

この例では、上記で宣言したmy_arrayから特定の要素を取得し、それを別のシグナルに割り当てます。

signal element_value: integer;
begin
  element_value <= my_array(0,1);

このコードでは、my_arrayの0行1列目の要素、つまり値2を取得して、element_valueというシグナルに割り当てています。

○サンプルコード3:多次元配列を使用した計算

2次元配列の各要素を使用して、計算を行う例を紹介します。

ここでは、上記のmy_arrayのすべての要素を合計しています。

signal sum: integer := 0;
begin
  for i in 0 to 1 loop
    for j in 0 to 1 loop
      sum <= sum + my_array(i,j);
    end loop;
  end loop;

このコードは、二重ループを使用してmy_arrayのすべての要素を繰り返しアクセスし、その値をsumに加算しています。

このサンプルコードの結果として、sumの値は1 + 2 + 3 + 4となるので、10になります。

○サンプルコード4:多次元配列を使ったループ処理

2次元配列の各要素に対して、同じ操作をループで適用する例を表します。

この例では、各要素の値を2倍にします。

begin
  for i in 0 to 1 loop
    for j in 0 to 1 loop
      my_array(i,j) <= my_array(i,j) * 2;
    end loop;
  end loop;

このコードでは、再び二重ループを使用してmy_arrayのすべての要素にアクセスしていますが、今回は各要素の値を2倍にして更新しています。

このサンプルコードの結果、my_arrayの各要素の値は、12に、24に、36に、48にそれぞれ更新されます。

●多次元配列の応用例

VHDLの多次元配列は、単にデータを格納するだけでなく、信号処理、マトリックス演算、データストレージのシミュレーションなどの多岐にわたる応用が可能です。

ここでは、それらの応用例をいくつかのサンプルコードと共に紹介します。

○サンプルコード5:信号処理における多次元配列の活用

このコードでは、VHDLを使って信号処理のための2次元配列を使ったフィルタリングの例を紹介しています。

この例では、2次元配列を用いて信号のサンプル値を格納し、フィルタリング処理を実施しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity SignalFilter is
    Port ( clk : in STD_LOGIC;
           data_in : in STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0);
           data_out : out STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0));
end SignalFilter;

architecture Behavioral of SignalFilter is
    type filter_array is array (0 to 4) of STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0);
    signal samples : filter_array := (others => "00000000");
begin
    process(clk)
    begin
        if rising_edge(clk) then
            for i in 4 downto 1 loop
                samples(i) <= samples(i-1);
            end loop;
            samples(0) <= data_in;
            data_out <= (samples(0) + samples(1) + samples(2) + samples(3) + samples(4)) / 5;
        end if;
    end process;
end Behavioral;

この例では、入力信号を5つのサンプルとして2次元配列に保存し、それらの平均値を計算することで、信号をフィルタリングしています。

この処理により、ノイズが含まれている信号から平滑化された信号を取得できます。

信号のサンプル値が2次元配列に格納されると、次にその値を使って平均値を計算します。

ここでは、簡単のために5つのサンプルの平均値を出力としていますが、これは移動平均フィルタの一例として理解できます。

○サンプルコード6:多次元配列を用いたマトリックス演算

VHDLでのマトリックス演算は、多次元配列を用いることで効率的に実現できます。

下記のコードは、2×2の行列同士の加算を表すものです。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity MatrixAdd is
    Port ( clk : in STD_LOGIC;
           matrixA : in array (1 to 2, 1 to 2) of INTEGER;
           matrixB : in array (1 to 2, 1 to 2) of INTEGER;
           result : out array (1 to 2, 1 to 2) of INTEGER);
end MatrixAdd;

architecture Behavioral of MatrixAdd is
begin
    process(clk)
    begin
        if rising_edge(clk) then
            for i in 1 to 2 loop
                for j in 1 to 2 loop
                    result(i, j) <= matrixA(i, j) + matrixB(i, j);
                end loop;
            end loop;
        end if;
    end process;
end Behavioral;

このコードでは、2×2の行列AとBを入力として受け取り、それらの和を計算してresultとして出力しています。

行列の各要素にアクセスするために、ネストされたループを使用しています。

行列AとBの要素がそれぞれ加算され、結果がresultの対応する位置に格納されると、計算された行列が得られます。

こちらのコードを使用することで、簡単なマトリックスの加算が行えますが、さらに複雑な行列演算を行う場合にも、このコードを基本として利用することができます。

○サンプルコード7:データストレージのシミュレーションにおける利用例

VHDLはハードウェア記述言語として広く用いられており、データストレージのシミュレーションの際も多次元配列の活用は非常に有効です。

データストレージのシミュレーションを行う際、データの階層性やアドレス空間を効果的にモデル化できるのが多次元配列のメリットとなります。

このコードでは2次元配列を使用して、簡易的なデータストレージのシミュレーションを行う例を紹介しています。

この例では、10×10の2次元配列を用いてデータの保存と読み出しを実現しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity StorageSimulation is
Port ( clk : in STD_LOGIC;
       wr_en : in STD_LOGIC;
       rd_en : in STD_LOGIC;
       address_x : in INTEGER range 0 to 9;
       address_y : in INTEGER range 0 to 9;
       data_in : in STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0);
       data_out : out STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0));
end StorageSimulation;

architecture Behavioral of StorageSimulation is
    type storage_array is array (0 to 9, 0 to 9) of STD_LOGIC_VECTOR(7 downto 0);
    signal storage : storage_array := (others => (others => (others => '0')));
begin
    process(clk)
    begin
        if rising_edge(clk) then
            if wr_en = '1' then
                storage(address_x, address_y) <= data_in;
            elsif rd_en = '1' then
                data_out <= storage(address_x, address_y);
            end if;
        end if;
    end process;
end Behavioral;

このコードでは、10×10の二次元配列「storage」を使用してデータの書き込みと読み取りを行っています。

クロックの立ち上がりエッジで、wr_enがアクティブの場合、指定されたアドレスにdata_inの内容を書き込みます。

逆に、rd_enがアクティブの場合、指定されたアドレスからのデータをdata_outに出力します。

このシミュレーションを利用すれば、VHDLでのデータの読み書き処理を体験できます。

特定のアドレスにデータを書き込んで、後でそのアドレスからデータを読み出すことが可能です。

○サンプルコード8:画像処理におけるピクセルデータの管理

VHDLの多次元配列を利用する場面として、画像処理におけるピクセルデータの管理は特に重要です。

画像は基本的に2次元のデータとして扱われるため、多次元配列の活用は自然です。

ここでは、VHDLでの画像処理におけるピクセルデータの管理方法を紹介します。

このコードでは、VHDLを使って、画像のピクセルデータを多次元配列として宣言し、そのデータにアクセスする方法を表しています。

この例では、RGB色空間の画像データを取り扱い、各色チャンネルの値を格納しています。

-- 画像のピクセルデータを表す多次元配列を宣言
type pixel is array(0 to 255) of std_logic_vector(7 downto 0);
type image_data is array(0 to 1919, 0 to 1079) of pixel; -- 1920x1080の画像データ

signal my_image : image_data; -- 画像データの信号を宣言

begin
  -- 画像の(100,100)の位置の赤色チャンネルのデータにアクセス
  my_image(100, 100)(0) <= "01100100"; -- 赤色の値を64に設定
end;

上記のコードでは、1920×1080ピクセルの画像データを表すimage_dataという多次元配列を定義しています。

また、pixelという配列を使用して、RGBの色情報を8ビットで表現しています。

この配列を使用して、画像の特定のピクセル位置にアクセスし、色情報を設定することができます。

具体的には、(100,100)の位置のピクセルデータの赤色チャンネルを64に設定しています。

このように、VHDLの多次元配列を利用することで、画像のピクセルデータを効率的に管理することができます。

このコードを実行すると、指定したピクセル位置の赤色チャンネルのデータが64に設定されるのが確認できるでしょう。

○サンプルコード9:動的なメモリ割り当ての例

動的なメモリ割り当ては、実行時に必要なメモリ領域を確保することを指します。

VHDLでは、多次元配列とともに動的なメモリの確保は直接的にサポートされていませんが、特定のサイズのメモリを確保し、それを変更する際の参照方法を変えることで、あたかも動的にメモリが確保されているかのように振る舞わせることができます。

このコードでは、特定のサイズのメモリを確保して、それを動的に変更する際の参照方法を変えることで、動的なメモリの確保をシミュレートしています。

この例では、10×10の2次元配列を宣言し、そのサイズを変更せずに中身を更新する方法を表しています。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity DynamicMemory is
end DynamicMemory;

architecture Behavioral of DynamicMemory is
    type matrix is array (0 to 9, 0 to 9) of std_logic_vector(7 downto 0);
    signal my_memory : matrix := (others => (others => "00000000"));
    signal reference_x : integer := 0;
    signal reference_y : integer := 0;
begin
    my_memory(reference_x, reference_y) <= "01100100"; -- メモリの参照位置を更新
end Behavioral;

上記のコードでは、10×10のmatrixという名前の2次元配列を宣言しています。

reference_xreference_yはメモリの参照位置を表しています。

これにより、指定した位置のメモリにデータを書き込むことができます。

このような手法を使用すると、特定のサイズのメモリを確保したまま、その中のデータの参照位置を変更して、動的なメモリの確保をシミュレートすることができます。

コードが実行されると、指定された参照位置のメモリに"01100100"というデータが書き込まれます。

この場合、参照位置は(0,0)ですので、2次元配列の一番左上の位置にデータが書き込まれることになります。

また、VHDLにおける動的なメモリの確保は、言語の特性上直接的にはサポートされていません。

しかし、上記のような手法を使用することで、動的なメモリの確保を模倣することができます。

このとき、配列のサイズを超える位置のデータを参照しようとすると、エラーが発生しますので注意が必要です。

さらに、VHDLのこのような特性を利用して、異なるサイズのデータを持つ複数の配列を一つの配列に格納し、それを参照することで、動的なメモリの確保をシミュレートすることも可能です。

type multi_matrix is array (0 to 9) of matrix; -- 複数の2次元配列を持つ配列
signal my_multi_memory : multi_matrix := (others => (others => (others => "00000000")));
signal reference_z : integer := 0;

begin
    my_multi_memory(reference_z, reference_x, reference_y) <= "10011001";
end;

この例では、10×10の2次元配列を10個持つmulti_matrixという配列を宣言しています。

reference_zを使用して、どの2次元配列を参照するかを指定できます。

このようにして、動的なメモリの確保をシミュレートすることができます。

このコードを実行すると、指定された3次元の参照位置にデータが書き込まれます。

具体的には、reference_zが0、reference_xが0、reference_yが0の位置に"10011001"というデータが書き込まれることになります。

VHDLでの多次元配列の使い方や応用例を理解することで、より高度なプログラミングやシミュレーションが可能になります。

これを活用して、効率的なデザインやシミュレーションを実現しましょう。

○サンプルコード10:多次元配列を活用したアルゴリズムの実装

VHDLを用いてプログラミングを行う際、多次元配列はデータを整理するのに非常に有効です。

特に、複雑なアルゴリズムの実装において、多次元配列をうまく使いこなすことで、コードの可読性や効率が向上するでしょう。

今回は、多次元配列を活用したアルゴリズムの一例として、3×3のマトリックスを使った変換処理の実装を紹介します。

下記のコードでは、3×3のマトリックスを定義し、そのマトリックスを使用してベクトルの変換を行うアルゴリズムを表しています。

この例では、マトリックスとベクトルの乗算を行い、変換後のベクトルを取得しています。

-- 3x3のマトリックスを定義
type matrix3x3 is array (0 to 2, 0 to 2) of integer;

-- ベクトルを定義
type vector3 is array (0 to 2) of integer;

-- マトリックスとベクトルの乗算を行う関数
function matrix_vector_multiply(m: matrix3x3; v: vector3) return vector3 is
    variable result: vector3 := (others => 0);
begin
    for i in 0 to 2 loop
        for j in 0 to 2 loop
            -- こちらで行列の乗算を行います
            result(i) := result(i) + m(i,j) * v(j);
        end loop;
    end loop;
    return result;
end function;

-- 以下はテスト用の記述です
signal m: matrix3x3 := ((1, 0, 0), (0, 1, 0), (0, 0, 1));
signal v: vector3 := (1, 2, 3);
signal result_vector: vector3;

begin
    result_vector <= matrix_vector_multiply(m, v);
end;

このコードでは、3×3の単位行列をマトリックスとして定義し、そのマトリックスと3次元のベクトル(1, 2, 3)を乗算しています。

結果、変換後のベクトルはそのまま(1, 2, 3)となります。

この例をベースにして、さまざまなマトリックスやベクトルを設定することで、具体的な変換処理を行うことができます。

例えば、回転行列やスケーリング行列など、3Dグラフィックスの変換処理において役立つマトリックスを使用することも可能です。

●注意点と対処法

VHDLで多次元配列を使用する際には、いくつかの注意点とその対処法が存在します。

それでは、VHDLの多次元配列でよくあるトラブルやその原因、そしてそれを解決するための方法について詳しく解説していきます。

○配列のサイズの不一致

このコードでは、配列のサイズが不一致の場合に起きる問題を表しています。

宣言時と異なるサイズの配列を使用しようとした場合、コンパイルエラーが発生することがあります。

type matrix is array (0 to 2, 0 to 2) of integer; -- 3x3の配列を宣言
signal A: matrix;

begin
    A <= ((1, 2, 3), (4, 5, 6)); -- 2x3の配列を代入しようとする
end;

上記の例では、3×3の配列に2×3の配列を代入しようとしているためエラーが発生します。

このようなミスは特に多次元配列を使用する際によく見られるものです。

対処法:配列のサイズを宣言時と一致させることが重要です。

また、コードの見直しを定期的に行い、サイズの不一致がないか確認することで、このような問題を防ぐことができます。

○範囲外アクセス

このコードでは、宣言された範囲外の配列の要素にアクセスしようとした場合の問題を表しています。

多次元配列の要素にアクセスする際、宣言時の範囲を超えてアクセスすると、エラーが発生することがあります。

type matrix is array (0 to 2, 0 to 2) of integer;
signal A: matrix := ((1, 2, 3), (4, 5, 6), (7, 8, 9));

begin
    A(3, 3) <= 10; -- 範囲外の要素にアクセス
end;

上記の例では、3×3の範囲内であるはずのA(3,3)という要素にアクセスしようとしていますが、VHDLのインデックスは0から始まるため、実際には範囲外となります。

対処法:配列のインデックスにアクセスする際は、宣言時の範囲を常に意識してください。

また、範囲を超えたアクセスを検知するためのテストベンチを作成し、定期的にテストを行うことをおすすめします。

●カスタマイズ方法

多次元配列は非常に柔軟性が高く、様々な方法でカスタマイズすることができます。

それでは、多次元配列をカスタマイズするための一例を紹介します。

○配列の型を変更する

このコードでは、多次元配列の要素の型を変更して、異なるデータ型を持つ多次元配列を宣言する方法を表しています。

この例では、実数型の2×2の多次元配列を宣言しています。

type real_matrix is array (0 to 1, 0 to 1) of real;
signal B: real_matrix := ((1.1, 2.2), (3.3, 4.4));

上記のように、配列の要素の型を変更することで、様々なデータを扱う多次元配列を簡単に宣言することができます。

対処法:多次元配列をカスタマイズする際は、必要に応じて配列の型やサイズを変更することで、目的に合わせた配列を作成することができます。

しかし、型を変更する際には、その型に適した演算や操作を行うことが重要ですので、注意が必要です。

まとめ

VHDLの多次元配列は、その柔軟性と強力さから、様々なアプリケーションでの使用が期待されています。

しかし、正しく使うためにはいくつかの注意点や対処法を理解する必要があります。

この記事を通じて、VHDLの多次元配列の基本的な使い方や応用例、注意点や対処法について学ぶことができたことを願っています。

今後もVHDLを学び、様々なプロジェクトでの成功を祈っています。