C++の比較演算子を完全ガイド!10の具体例で学ぶ完全解説

C++の比較演算子を学ぶ記事のイメージC++
この記事は約13分で読めます。

 

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を凌駕する現役のプログラマチームによって監修されています。

サイト内のコードを共有する場合は、参照元として引用して下さいますと幸いです

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

C++を学ぶ上で、比較演算子の理解は欠かせません。

この記事では、C++における比較演算子に焦点を当て、その基本から応用までを詳しく解説していきます。

比較演算子は、プログラム内で条件をテストする際に不可欠であり、これを理解することで、より複雑なプログラムの開発や、エラーのデバッグが容易になります。

初心者から上級者まで、すべての読者がC++の比較演算子を習得できるように、分かりやすい説明と具体的なサンプルコードを用意しました。

●C++の比較演算子とは

C++における比較演算子は、二つの値を比較し、その結果として真(true)か偽(false)を返す演算子です。

これらの演算子は、if文やwhile文などの制御構文内でよく使用され、プログラムの流れを決定するのに重要な役割を果たします。

例えば、ある変数が特定の値より大きいかどうかを判断する場合や、二つの変数が等しいかをテストする場合などに使用されます。

○比較演算子の基本

C++における比較演算子には下記のようなものがあります。

  • ==(等しい)
  • !=(等しくない)
  • <(より小さい)
  • >(より大きい)
  • <=(以下)
  • >=(以上)

これらの演算子は、数値や文字列などのデータ型に対して使用することができます。

また、演算子の結果は常にブーリアン型(trueまたはfalse)で返されるため、条件分岐やループ制御に直接使用することができます。

○比較演算子の種類と役割

各比較演算子は、特定の条件をテストするために使用されます。

例えば、==は二つの値が等しいかどうかをテストし、!=は二つの値が異なるかどうかをテストします。

<>は値の大小を比較し、<=>=は等しいか、またはそれぞれ小さいか大きいかを判断します。

●比較演算子の基本的な使い方

C++での比較演算子の基本的な使い方を理解するには、まずその演算子がどのように動作するかを知ることが重要です。

基本的に、比較演算子は二つの値を取り、それらを比較して真(true)または偽(false)を返します。

この結果は、条件分岐(if文など)やループ(while文やfor文など)の制御に直接使用されます。

C++では、==(等しい)、!=(等しくない)、>(より大きい)、<(より小さい)、>=(以上)、<=(以下)の6つの基本的な比較演算子があります。

たとえば、a == bは、abと等しい場合に真を返します。

逆に、a != bは、abが異なる場合に真を返します。

このように、比較演算子はプログラムの中で非常に頻繁に使用され、特に条件式の中でその真偽値に基づいてプログラムの流れをコントロールするのに役立ちます。

○サンプルコード1:数値の比較

数値の比較は、比較演算子の最も基本的な使い方の一つです。

例えば、二つの数値が等しいかどうかをチェックするシンプルなプログラムは下記のようになります。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 10;
    int b = 20;

    if (a == b) {
        cout << "aとbは等しい" << endl;
    } else {
        cout << "aとbは等しくない" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、abの値が等しいかどうかをif文を使ってチェックしています。

ここではabは異なる値なので、「aとbは等しくない」という結果が出力されます。

○サンプルコード2:変数同士の比較

変数同士の比較も、C++における比較演算子の重要な使い方の一つです。

下記の例では、二つの変数が特定の関係にあるかどうかをチェックしています。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 10;
    int b = 20;

    if (a > b) {
        cout << "aはbより大きい" << endl;
    } else {
        cout << "aはbより大きくない" << endl;
    }

    return 0;
}

この例では、abより大きいかどうかをチェックしています。

この場合、abより小さいため、「aはbより大きくない」という結果が出力されます。

●比較演算子の応用例

C++での比較演算子の応用は多岐にわたります。

プログラムの流れを制御するために、これらの演算子は非常に重要な役割を果たします。

ここでは、条件分岐、ループ制御、関数の戻り値としての比較演算子の使用例を具体的なサンプルコードと共に見ていきましょう。

○サンプルコード3:条件分岐での使用例

条件分岐では、比較演算子を用いて特定の条件を満たすかどうかを判断し、プログラムの実行経路を変更します。

下記の例では、変数abを比較し、条件に応じて異なるメッセージを出力しています。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 10;
    int b = 20;

    if (a > b) {
        cout << "aはbより大きい" << endl;
    } else {
        cout << "aはbより大きくない" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードは、abの値を比較し、abより大きい場合には「aはbより大きい」と出力し、そうでない場合は「aはbより大きくない」と出力します。

○サンプルコード4:ループ制御での使用例

ループ制御では、比較演算子を用いてループの継続条件を設定します。

下記の例では、iが5未満である間、ループを続けます。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
        cout << i << " ";
    }
    cout << endl;

    return 0;
}

このコードは、iが0から始まり、5未満の間、iの値を出力し続けます。

iが5に達すると、ループは終了します。

○サンプルコード5:関数の戻り値としての使用例

関数の戻り値としても、比較演算子は有用です。

下記の例では、二つの数値を比較し、大きい方の数値を返す関数を定義しています。

#include <iostream>
using namespace std;

int max(int a, int b) {
    return (a > b) ? a : b;
}

int main() {
    int x = 10;
    int y = 20;
    cout << "大きい方の数値: " << max(x, y) << endl;

    return 0;
}

この関数maxは、abを比較し、大きい方を返します。

a > bの条件が真の場合、aが返され、偽の場合はbが返されます。

●比較演算子の詳細な使い方と対処法

C++における比較演算子の使い方には、さらなる注意点が存在します。

特に、型が異なる変数の比較や、複雑な条件式の構築、演算子の優先順位に関する理解が重要です。

これらのポイントを押さえた上で、より効果的に比較演算子を使いこなしましょう。

○サンプルコード6:型の異なる変数の比較

異なるデータ型の変数を比較する際には、型変換が自動的に行われることがあります。

この挙動を理解しておくことが重要です。

下記の例では、整数型と浮動小数点型の変数を比較しています。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 10;
    double b = 10.0;

    if (a == b) {
        cout << "aとbは等しい" << endl;
    } else {
        cout << "aとbは等しくない" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、abが等しいかどうかを比較しています。

整数型のaと浮動小数点型のbは異なる型ですが、比較の際には型変換が行われ、適切に比較されます。

○サンプルコード7:複雑な条件式の例

複雑な条件式を構築する際には、複数の比較演算子を組み合わせて使用します。

下記の例では、複数の条件を&&(論理AND)および||(論理OR)を使って組み合わせています。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int x = 10;
    int y = 20;
    int z = 15;

    if ((x < y) && (z > x)) {
        cout << "xはyより小さく、zはxより大きい" << endl;
    }

    if ((x == 10) || (y == 10)) {
        cout << "xまたはyは10" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、最初のif文でxyより小さく、かつzxより大きい場合にメッセージを出力します。

二つ目のif文では、xまたはyのどちらかが10である場合にメッセージを出力します。

○サンプルコード8:演算子の優先順位に注意

比較演算子と他の演算子を組み合わせる際には、演算子の優先順位を理解することが不可欠です。

下記の例では、演算子の優先順位による影響を表しています。

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 10;
    int b = 5;
    int c = 5;

    if (a == b + c) {
        cout << "aはbとcの和と等しい" << endl;
    } else {
        cout << "aはbとcの和と等しくない" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、if文の条件式でb + cの計算が先に行われ、その結果がaと比較されます。

これは、算術演算子の優先順位が比較演算子よりも高いためです。

●比較演算子のカスタマイズ方法

C++では、クラスや構造体の比較演算子をカスタマイズすることができます。

これにより、ユーザー定義型のオブジェクト間での比較が可能になります。

特に、クラスや構造体における演算子オーバーロードは、C++の強力な機能の一つです。

○サンプルコード9:カスタム比較関数の作成

ユーザー定義型に対してカスタム比較関数を作成することで、特定の基準での比較を実現できます。

下記の例では、2つの日付を比較するカスタム比較関数を作成しています。

#include <iostream>
using namespace std;

struct Date {
    int year;
    int month;
    int day;
};

bool isEarlier(const Date &d1, const Date &d2) {
    if (d1.year != d2.year) return d1.year < d2.year;
    if (d1.month != d2.month) return d1.month < d2.month;
    return d1.day < d2.day;
}

int main() {
    Date date1 = {2023, 3, 5};
    Date date2 = {2024, 1, 1};

    if (isEarlier(date1, date2)) {
        cout << "date1はdate2より早い" << endl;
    } else {
        cout << "date1はdate2より早くない" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、Date構造体のインスタンスを比較するための関数isEarlierを定義しています。

この関数は、年、月、日の順で2つの日付を比較し、結果を返します。

○サンプルコード10:演算子オーバーロードの例

演算子オーバーロードを使用すると、ユーザー定義型に対して組み込み型のような演算子を使うことができます。

下記の例では、Pointクラスに対して==演算子をオーバーロードしています。

#include <iostream>
using namespace std;

class Point {
public:
    int x, y;

    Point(int x, int y) : x(x), y(y) {}

    bool operator==(const Point &other) const {
        return (x == other.x) && (y == other.y);
    }
};

int main() {
    Point p1(5, 3);
    Point p2(5, 3);
    Point p3(3, 5);

    if (p1 == p2) {
        cout << "p1とp2は同じ点です" << endl;
    } else {
        cout << "p1とp2は同じ点ではありません" << endl;
    }

    if (p1 == p3) {
        cout << "p1とp3は同じ点です" << endl;
    } else {
        cout << "p1とp3は同じ点ではありません" << endl;
    }

    return 0;
}

このコードでは、Pointクラスにoperator==を定義して、2つのPointオブジェクトが同じ座標を持つかどうかを比較しています。

これにより、Pointオブジェクト間で直感的に等価比較が行えるようになります。

●注意点と詳細なカスタマイズ

C++における比較演算子を使用する際には、いくつかの注意点があります。

これらを理解し、適切に対処することで、より効果的かつ安全なコードを書くことができます。

比較演算子を使用する際には、型の明確化が重要です。

異なる型の変数を比較する場合、明示的な型変換を行うことで予期せぬ挙動を避けることができます。

また、条件式を簡潔に保ち、演算子の優先順位を正しく理解することも重要です。

これにより、コードの可読性が向上し、誤解を招くようなバグを防ぐことができます。

○安全なコードを書くためのヒント

安全なコードを書くためには、比較演算子の正しい使い方を理解することが不可欠です。

特に、等価比較演算子==と代入演算子=を混同しないこと、浮動小数点数の直接比較を避けること、複雑な条件式を避けることが重要です。

これらのポイントを押さえることで、より読みやすく、エラーの少ないコードを書くことができます。

○一般的な間違いとその回避方法

比較演算子を使用する際の一般的な間違いには、等価比較演算子と代入演算子の混同、浮動小数点数の直接比較、複雑な条件式のネストが含まれます。

これらの間違いは、コードのバグや誤動作の原因となることがあります。

これらの間違いを避けるためには、演算子の適切な使用、精度の問題を考慮した比較、条件式のシンプル化と適切な関数分割が有効です。

これにより、コードの安全性と保守性が向上します。

まとめ

この記事を通じて、C++における比較演算子の基本から応用、さらにはカスタマイズ方法までを網羅的に解説しました。

比較演算子は、プログラム内での条件分岐やループ制御など、多様なシナリオで活用されます。

各演算子の役割と使い方を正確に理解し、適切に使用することが、効率的かつ安全なコードを書く鍵となります。

また、型の違いや演算子の優先順位に注意し、一般的な間違いを避けることも重要です。

C++プログラミングのスキルを向上させるために、これらの比較演算子の知識を深め、実践で活用していくことが推奨します。