Python入門者必見!インデントの基礎と実例10選で理解度3倍に! – Japanシーモア

Python入門者必見!インデントの基礎と実例10選で理解度3倍に!

Pythonのインデントについて学ぶ初心者のためのガイドブックPython
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はじめに

プログラミング初心者にとって、Pythonの特徴的な部分の1つと言えば「インデント」でしょう。

他のプログラミング言語では、セミコロンやカッコを用いてコードのブロックを分けていますが、Pythonではインデント(空白の行頭部分)がこの役割を果たしています。

今回の記事では、Pythonのインデントの基本から詳細な使い方、対処法、注意点、カスタマイズ方法までを初心者向けに解説します。

また、10種類の具体的なサンプルコードを通じて、Pythonのインデントの理解を深め、Pythonコードの読み書きが3倍理解できるようになることを目指します。

●Pythonのインデントとは

インデントとは、文字列を一定の位置から開始するために行頭に挿入される空白やタブのことを指します。

Pythonではこれが非常に重要で、正しくインデントを行わないとエラーが発生し、期待通りの動作を行わないコードが出来上がってしまいます。

●インデントの重要性

○コードの可読性とインデント

Pythonのインデントは、コードの可読性を高める役割も果たしています。

適切にインデントを利用することで、コードのブロック構造が一目でわかり、それぞれのコードブロックが何をするのかを理解しやすくなります。

○Pythonの文法とインデント

また、Pythonの文法ではインデントが重要な役割を果たしています。

たとえば、if文やfor文、関数の定義などで新たなブロックを作成する際、そのブロックの中身は一段深くインデントします。

これにより、Pythonのインタープリタはどの部分がどの文に属するのかを認識します。

●インデントの基本

○Pythonでのインデントの基本ルール

Pythonでは、新しいブロックを開始するためには新しい行から始まり、その行は前の行よりも深くインデントする必要があります。

逆に、ブロックが終了する場合はインデントを元に戻します。

このルールにより、Pythonのコードは見た目上の「段落」のような形状を持つことになり、視覚的にも分かりやすくなります。

●インデントの詳細な使い方

Pythonでのインデントの使い方について、具体的なサンプルコードとともに詳しく見ていきましょう。

○サンプルコード1:ループとインデント

Pythonでループを書く際、インデントはループの中身を示します。

下記のコードでは、for文を使ってリストの要素を順に出力するコードを紹介しています。

この例では、for文の次の行からインデントが一段深くなっており、そのインデントの中にあるprint文がループの中身として実行されます。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
for num in numbers:
    print(num)

このコードを実行すると、1から5までの数値が順に出力されます。

出力結果は次のようになります。

1
2
3
4
5

ここで重要なのは、インデントによって「print(num)」がfor文の内部、つまりループの一部であることが示されている点です。

これにより、リストnumbersの各要素が順番にprint文に渡され、画面に出力されるのです。

○サンプルコード2:条件分岐とインデント

条件分岐を行うためにPythonでよく用いられるのがif文です。if文を用いた条件分岐もインデントを利用して表現されます。

下記のコードは、ある数値が偶数であるか奇数であるかを判定するシンプルなコードを表しています。

num = 10
if num % 2 == 0:
    print("偶数です")
else:
    print("奇数です")

このコードを実行すると、numが偶数であるため「偶数です」と出力されます。

ここで注目すべき点は、if文とelse文の次の行が一段深くインデントされていることです。

これにより、if文やelse文の条件に従って実行されるコードブロックが明確に示されています。

●インデントの対処法

Pythonでは、適切なインデントが行われていないとSyntaxError(構文エラー)が発生します。

このようなエラーが出た場合は、まずはインデントが正しく行われているかを確認しましょう。

○インデントエラーの対処法

インデントエラーが発生した場合の対処法は、基本的にはエラーメッセージに従ってインデントを修正することです。

Pythonのエラーメッセージは非常に分かりやすく、多くの場合、どの行で問題が発生しているのかを指摘してくれます。

したがって、その指示に従って該当する行のインデントを修正すれば問題は解決します。

○サンプルコード3:エラーの修正例

下記のコードは、インデントエラーを発生させるためのコードです。

num = 10
if num % 2 == 0:
print("偶数です")
else:
print("奇数です")

このコードを実行すると、”IndentationError: expected an indented block”というエラーが発生します。

このエラーは、if文やelse文の次の行がインデントされていないために発生しています。

エラーメッセージに従ってインデントを修正したコードは次のようになります。

num = 10
if num % 2 == 0:
    print("偶数です")
else:
    print("奇数です")

このように修正することでエラーは解消し、正常にプログラムが実行されます。

出力結果は「偶数です」となります。

●インデントの注意点

Pythonでコードを書く際、インデントは非常に重要な役割を果たします。

インデントはコードの可読性を高めるだけでなく、Pythonの構文上必要不可欠な要素です。

インデントを誤るとエラーが発生しますので、次のような注意点を頭に入れておくことが重要です。

  1. Pythonでは、通常1つのインデントレベルがスペース4つ分を指します。
    他の言語ではタブ(Tab)を使用することがありますが、Pythonの公式スタイルガイドであるPEP 8ではスペースの使用が推奨されています。
  2. Pythonでは、同じブロック内のすべてのステートメントは同じレベルのインデントを持つべきです。
    一つのブロック内でインデントレベルが異なるとエラーが発生します。
  3. Pythonでは、コードブロック(if文、for文、def文など)の後には必ずインデントが必要です。
    インデントがないと構文エラー(SyntaxError)が発生します。

○サンプルコード4:注意すべきインデントの使い方

下記のコードは、インデントに注意すべきポイントを説明するためのものです。

下記のコードは、リスト内の数値を順に表示し、各数値が偶数か奇数かを判定するシンプルなプログラムです。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
for num in numbers:
    print(num)
    if num % 2 == 0:
        print("偶数です")
    else:
        print("奇数です")

このコードを実行すると、それぞれの数値とその数値が偶数か奇数かが順に表示されます。

for文とif文の中のコード(print関数を含む)はインデントされており、これによりfor文とif文のスコープが明確になっています。

これらのインデントを適切に設定しなければ、期待する動作をしない、またはエラーを引き起こす可能性があります。

したがって、Pythonでは適切なインデントの設定が極めて重要なのです。

●インデントのカスタマイズ方法

Pythonでは基本的にスペース4つが一つのインデントレベルとされていますが、エディタの設定によってインデントのレベルをカスタマイズすることも可能です。

エディタによって設定方法は異なりますが、一般的には設定メニューからタブの幅やスペースの数を変更できます。

○エディタの設定によるインデントの調整

たとえば、Visual Studio Codeの場合、設定画面にある”Editor: Tab Size”の値を変更することでインデントのサイズを調整できます。

値を2に設定すれば、タブキーを押したときにスペース2つ分のインデントが挿入されます。

しかし、Pythonの公式スタイルガイドPEP 8では、インデントにスペース4つを推奨しています。

したがって、特別な理由がなければこの規則に従うことをお勧めします。

コードの可読性と一貫性を保つためには、一つのプロジェクト内でインデントのサイズは統一するべきです。

○サンプルコード5:エディタの設定変更例

ここでは、インデントのサイズをスペース2つに設定した場合のコードを紹介します。

ただし、このような設定はあくまで例外であり、通常はスペース4つを使用するべきであることを念頭に置いてください。

def my_func():
  print("Hello, World!")

ここでは関数の定義内がスペース2つ分インデントされています。

ただし、Pythonのコミュニティではスペース4つ分のインデントが標準とされているため、このようなコードは一般的には推奨されません。

●インデントの応用例

Pythonのインデントは初めてプログラミングを学ぶ人にとって独特なものであり、その使い方を学ぶことはPythonの理解を深める上で不可欠です。

インデントを使ってPythonの構造を理解することで、より複雑なコードの読み書きが可能となります。

次に、複雑なコードでのインデントの使い方について見ていきましょう。

○サンプルコード6:複雑なループとインデント

Pythonではループの中にループを書くことができ、これを「ネストしたループ」と呼びます。このような場合でもインデントのルールは同じです。

次のサンプルコードは2次元リストの各要素を順に出力するものです。

list_2d = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]
for i in list_2d:
    for j in i:
        print(j)

このコードを実行すると、1から9までの数字が順に出力されます。

外側のループで2次元リストの各要素(内側のリスト)に対して操作を行い、内側のループでそれぞれのリストの各要素に対して操作を行っています。内側のループは外側のループよりも深いレベルのインデントとなっており、これによりループのネストが明確に表現されています。

○サンプルコード7:関数定義とインデント

Pythonでは関数を定義する際にもインデントを用います。関数定義の開始点を示すdefの後のコードブロックは、全てインデントされるべきです。

次のサンプルコードは、与えられた数値の2乗を返す関数を定義しています。

def square(x):
    result = x ** 2
    return result

このコードを実行した後で、例えばsquare(5)とすると、25が返されます。

関数square内の2行(result = x ** 2return result)はインデントされており、これによりこれらの行が関数squareの中身であることが明確になっています。

○サンプルコード8:クラス定義とインデント

Pythonのクラス定義でもインデントが重要な役割を果たします。

クラス定義の中にはメソッド(関数)が含まれ、そのメソッド内に

は処理の内容が書かれます。これらのレベルごとに適切なインデントが必要となります。

class MyClass:
    def method1(self):
        print("method1")

    def method2(self):
        print("method2")

このコードでは、MyClassというクラスを定義し、その中にmethod1method2という2つのメソッドを定義しています。

メソッドはクラスの中にあるため、クラス定義から1レベル深くインデントされ、その中の処理内容(ここではprint関数)はメソッドからさらに1レベル深くインデントされています。

このように、Pythonではレベルごとのインデントによってプログラムの構造が表現されます。

○サンプルコード9:デコレータとインデント

Pythonにはデコレータという便利な機能があります。

デコレータは、既存の関数に新たな機能を追加したいときや、複数の関数に共通する処理をまとめたいときに使用されます。

デコレータは関数を引数とし、新たな関数を返す関数で、その実装にもインデントが重要な役割を果たします。

import time

def timer(func):
    def wrapper(*args, **kwargs):
        start = time.time()
        result = func(*args, **kwargs)
        end = time.time()
        print(f'実行時間: {end - start}秒')
        return result
    return wrapper

@timer
def sample_func(n):
    return sum(i for i in range(n))

このコードでは、timerというデコレータを定義し、このデコレータをsample_funcに適用しています。

timer内のwrapper関数は、timerから一段深いインデントで書かれ、その中の処理内容はさらにwrapperから一段深いインデントで書かれています。

このデコレータを適用した関数sample_funcを実行すると、関数の実行時間が表示されます。

例えばsample_func(10000000)とすると、1から9999999までの合計を計算し、その実行時間を表示します。

○サンプルコード10:例外処理とインデント

Pythonの例外処理ではtryexceptfinallyなどのキーワードを使いますが、これらのブロックもインデントによって区別されます。

0で割る操作を行い、例外が発生したときにエラーメッセージを出力し、最後に終了メッセージを出力する例を紹介します。

try:
    result = 10 / 0
except ZeroDivisionError:
    print('0で割ることはできません。')
finally:
    print('処理を終了します。')

このコードを実行すると、まず’0で割ることはできません。’と表示され、次に’処理を終了します。’と表示されます。

tryブロック、exceptブロック、finallyブロックは同じ深さのインデントで書かれ、それぞれのブロックの中身はそのブロックから一段深いインデントで書かれています。

まとめ

Pythonプログラミングの重要な要素であるインデント。

ここまでその基礎から応用例まで詳しく学んできました。

Pythonではインデントがコードの構造を決定し、それがプログラムの動作に直接影響します。

この基礎をしっかりと理解することで、Pythonコードの読み書きがよりスムーズになります。

今回紹介したサンプルコードは、様々な場面で出現するPythonの特徴的な構文を取り扱いました。

それぞれのコードでは、インデントの使い方が明確に示されており、実際に手を動かしながら学ぶことで、インデントの理解が深まったことでしょう。

また、Pythonのインデントには慣れが必要です。

他のプログラミング言語と比べて独特の書き方であり、初めて学ぶ人にとっては少々戸惑うかもしれません。

しかし、一度慣れてしまえば、Pythonのコードが一目で理解でき、スピーディーなコーディングが可能になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。