C#でクラスをマスターするための10のステップ

C#クラスの基本から応用までを解説する記事のサムネイルC#
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

この記事を読めば、C#のクラスを使いこなすための基本から応用までを学べます。

ここでは、C#というプログラミング言語における「クラス」という重要な概念に焦点を当てています。

プログラミングにおいて「クラス」とは何か、どのようにしてこれを活用するのか、その基礎から応用までを段階的に解説していきます。

初心者の方にもわかりやすいように、具体的な例と共に、C#におけるクラスの重要性とその使用方法について詳しく説明していきます。

●C#とは

C#(シーシャープ)は、マイクロソフトによって開発されたプログラミング言語です。

.NETフレームワークで主に使用され、その多機能性と高い生産性が評価されています。

C#はオブジェクト指向言語であり、そのためクラスを中心としたプログラミングが可能です。

C#は、ウェブアプリケーション、デスクトップアプリケーション、モバイルアプリケーションなど、幅広い用途に使用されています。

また、C#はJavaやC++などの言語と構文が似ているため、これらの言語に親しんでいるプログラマーにも比較的習得しやすい言語です。

○C#の基本的な特徴

C#の特徴としては、まず強い型付けが挙げられます。

これにより、データ型の厳密な管理が可能となり、型の不一致によるエラーを予防できます。

また、自動メモリ管理(ガベージコレクション)があるため、メモリリークのリスクを低減し、開発者がメモリ管理にかける労力を減らすことができます。

さらに、C#はオブジェクト指向言語であり、再利用可能なコードの作成、モジュール性の高い設計が可能です。

これにより、大規模なプロジェクトでも管理しやすく、開発効率の向上に寄与します。

○プログラミング言語としての位置づけ

プログラミング言語としてのC#は、企業レベルのアプリケーション開発に広く用いられています。

特に、Windowsプラットフォームにおいては、その統合環境と.NETフレームワークにより、効率的な開発が可能となっています。

また、クロスプラットフォーム開発ツールであるXamarinを使用することで、iOSやAndroidなどのモバイルプラットフォームにおいてもC#での開発が行えるようになっています。

さらに、Unityエンジンを用いたゲーム開発においても、C#は主要なプログラミング言語として活用されており、その応用範囲は広いです。

プログラミング言語としてのC#は、その汎用性と強力な機能により、幅広い分野で重宝されているのです。

●クラスの基本

クラスは、C#を含む多くのオブジェクト指向プログラミング言語の中核を成す概念です。

クラスとは、オブジェクトを生成するための設計図のようなもので、プロパティ(属性)、メソッド(機能)、イベントなどを定義します。

クラスによって、データとそのデータに関連する操作を一つの単位にまとめることができます。

これにより、プログラムはより整理され、再利用しやすい形で構築されます。

C#では、プログラムのほとんどすべてがクラスを介して操作され、これによりオブジェクト指向の利点を最大限に活用することができます。

○クラスとは何か

C#におけるクラスは、データとデータを操作するためのメソッドをカプセル化したものです。

クラスはオブジェクトの青写真であり、実際のオブジェクトはこのクラスに基づいて生成されます。

たとえば、「車」を表すクラスには、色やモデルなどの属性(プロパティ)と、加速する、停止するなどの動作(メソッド)が含まれます。

実際の車両は、この「車」クラスに基づいて具体化されたインスタンスです。

○クラスの基本的な構造

C#のクラスは、キーワード class に続いてクラス名を記述することで定義されます。

クラス本体は波括弧 { } で囲まれ、その中にプロパティ、メソッド、コンストラクタなどのメンバーが定義されます。

プロパティはクラス内のデータを表し、メソッドはそのデータに対する操作を定義します。

また、コンストラクタはクラスのインスタンスが生成される際に自動的に呼び出される特殊なメソッドであり、初期化のために用います。

○サンプルコード1:基本的なクラスの定義

ここでは、C#でのシンプルなクラスの定義の例を紹介します。

ここでは、「Person」という名前のクラスを作成し、名前(Name)と年齢(Age)という二つのプロパティを持たせています。

また、このクラスにはデータを表示するためのメソッド DisplayInfo も含めています。

public class Person
{
    public string Name { get; set; }
    public int Age { get; set; }

    public void DisplayInfo()
    {
        Console.WriteLine("Name: " + Name);
        Console.WriteLine("Age: " + Age);
    }
}

このコードでは Person クラスを定義し、公開された(public)プロパティ NameAge を持っています。

これらのプロパティは外部からアクセス可能で、値を取得・設定することができます。

DisplayInfo メソッドは、この人物の名前と年齢をコンソールに表示します。

このクラスを使用するには、まず Person クラスのインスタンスを作成し、名前と年齢を設定します。

その後、DisplayInfo メソッドを呼び出して、情報を表示させることができます。

●オブジェクト指向の基礎

オブジェクト指向プログラミングは、現代のプログラミングにおいて非常に重要な概念です。

これは、プログラムをオブジェクトの集合として捉え、それぞれのオブジェクトがデータと機能をカプセル化するという考え方に基づいています。

オブジェクト指向のアプローチにより、プログラムはより柔軟で、再利用可能で、管理しやすくなります。

C#言語はオブジェクト指向プログラミングを完全にサポートしており、クラスとオブジェクトを中心とした構造を持っています。

○オブジェクト指向プログラミングとは

オブジェクト指向プログラミング(OOP)は、プログラムをより自然に理解しやすい形で構築する方法です。

OOPでは、プログラムはオブジェクトと呼ばれる部品から構成され、各オブジェクトは特定のデータと、そのデータに対して行う操作(メソッド)をカプセル化します。

この方法により、現実世界のものや概念をプログラム内でより直感的に表現することが可能になります。

例えば、人間をオブジェクトとする場合、名前や年齢などの属性(プロパティ)と、話す、歩くなどの行動(メソッド)を持たせることができます。

○クラスとオブジェクトの関係

クラスとオブジェクトの関係は、設計図とその設計図に基づいて作られた製品の関係に似ています。

クラスはオブジェクトの設計図であり、オブジェクトはクラスに基づいて生成された実体です。

クラスはオブジェクトの属性(プロパティ)と行動(メソッド)を定義しますが、それ自体は具体的なデータを持ちません。

対照的に、オブジェクトはクラスのインスタンス化によって生成され、具体的なデータを持つ実体として存在します。

例えば、「車」クラスがあった場合、それぞれ異なる特徴を持つ多くの「車」オブジェクト(インスタンス)を生成することができます。

それぞれの車オブジェクトは、クラスで定義された構造を共有しながら、異なる色やモデルなどの具体的な属性を持つことになります。

●クラスのプロパティとメソッド

C#におけるクラスの中心的な構成要素は、プロパティとメソッドです。

プロパティはクラス内のデータを表し、メソッドはそのデータに対する操作を定義します。

これらを適切に設計することで、クラスの機能性と再利用性が大幅に向上します。

○プロパティの定義方法

プロパティは、クラスの中で値を格納するための変数のようなものです。

C#では、プロパティは簡単な構文で定義でき、外部からのアクセスを制御するためのアクセス修飾子(public、privateなど)を使ってアクセスレベルを指定できます。

プロパティは通常、ゲッター(値を取得するメソッド)とセッター(値を設定するメソッド)を持ちますが、C#ではこれらを自動的に生成することも可能です。

○メソッドの基本

メソッドは、クラスに属する関数であり、クラスの振る舞いを定義します。

メソッドは、特定のタスクを実行するためのコードブロックをカプセル化し、必要に応じて外部から呼び出すことができます。

メソッドはパラメータを受け取り、処理を行った後、結果を返すことができます。

メソッドを使用することで、コードの再利用性を高めると共に、クラスの機能を外部に公開することができます。

○サンプルコード2:プロパティとメソッドを持つクラス

下記のサンプルコードは、プロパティとメソッドを持つ簡単なC#のクラスの例を表しています。

このクラスは「Car」という名前で、速度(Speed)というプロパティを持ち、速度を設定し表示するメソッド(SetSpeedとShowSpeed)を持っています。

public class Car
{
    public int Speed { get; set; }

    public void SetSpeed(int speed)
    {
        Speed = speed;
    }

    public void ShowSpeed()
    {
        Console.WriteLine("The car is moving at " + Speed + " km/h.");
    }
}

このクラスでは、Speed プロパティは外部から直接アクセス可能で、値の設定と取得ができます。

SetSpeed メソッドは速度を設定するためのもので、ShowSpeed メソッドは現在の速度を表示します。

このようにプロパティとメソッドを組み合わせることで、クラスのデータとそのデータに対する操作を効果的に表現することができます。

●コンストラクタとデストラクタ

C#プログラミングにおけるクラスの重要な要素にコンストラクタとデストラクタがあります。

これらは、オブジェクトのライフサイクルにおいて重要な役割を担います。

○コンストラクタの役割と定義方法

コンストラクタは、クラスの新しいインスタンスが生成される際に自動的に呼び出される特別なメソッドです。

これを使用して、オブジェクトの初期化を行います。

C#ではコンストラクタはクラス名と同じ名前を持ち、返り値を持たないことが特徴です。

コンストラクタはオーバーロードすることができ、異なるパラメータを持つ複数のコンストラクタを同一のクラス内に定義できます。

○デストラクタとは

デストラクタは、クラスのインスタンスが破棄される際に呼び出されるメソッドです。

C#ではガベージコレクションによって自動的にメモリ管理が行われるため、デストラクタの使用は一般的ではありませんが、非管理リソース(ファイルハンドル、データベース接続など)のクリーンアップが必要な場合に使用されます。

デストラクタはクラス名の前にチルダ(~)を付けて定義され、引数を取らず、返り値も持ちません。

○サンプルコード3:コンストラクタとデストラクタの例

下記のサンプルコードは、コンストラクタとデストラクタを持つC#のクラスの例を表しています。

このクラスは「Book」という名前で、コンストラクタでタイトルを設定し、デストラクタでメッセージを表示します。

public class Book
{
    public string Title { get; set; }

    // コンストラクタ
    public Book(string title)
    {
        Title = title;
        Console.WriteLine(Title + " has been created.");
    }

    // デストラクタ
    ~Book()
    {
        Console.WriteLine(Title + " has been destroyed.");
    }
}

このクラスを使用すると、Book オブジェクトが生成される際にコンストラクタが呼び出され、オブジェクトが破棄される際にデストラクタが呼び出されます。

これにより、オブジェクトの作成と破棄のプロセスを明確に管理することができます。

●継承とポリモーフィズム

オブジェクト指向プログラミングの強力な機能である継承とポリモーフィズムは、C#プログラミングにおいても重要な役割を果たします。

これらの概念を理解し、適切に使用することで、コードの再利用性を高め、より効率的なプログラムを作成することができます。

○継承の基本

継承は、あるクラス(基底クラス)のプロパティやメソッドを別のクラス(派生クラス)が引き継ぐ機能です。

これにより、共通の機能を持つクラスを一つの基底クラスにまとめ、派生クラスでは特有の機能のみを追加することで、コードの重複を避けることができます。

C#では、: 演算子を使用してクラスの継承を表現します。

○ポリモーフィズムの概念

ポリモーフィズムは、異なるクラスのオブジェクトが同じインターフェースや基底クラスのメソッドを通じて操作される概念です。

これにより、異なるクラスのオブジェクトが同じ方法で扱われることを可能にします。

C#では、インターフェースや抽象クラスを使用することでポリモーフィズムを実現できます。

○サンプルコード4:継承とポリモーフィズムの実装例

下記のサンプルコードは、継承とポリモーフィズムを使用したC#のクラスの例を表しています。

基底クラス「Vehicle」とその派生クラス「Car」と「Bike」を定義し、それぞれ特有の機能を持たせています。

// 基底クラス
public class Vehicle
{
    public virtual void StartEngine()
    {
        Console.WriteLine("Engine started.");
    }
}

// CarクラスはVehicleを継承
public class Car : Vehicle
{
    public override void StartEngine()
    {
        Console.WriteLine("Car engine started.");
    }
}

// BikeクラスはVehicleを継承
public class Bike : Vehicle
{
    public override void StartEngine()
    {
        Console.WriteLine("Bike engine started.");
    }
}

このコードでは、Vehicleクラスが基底クラスとしてStartEngineメソッドを持ち、CarBikeはこのメソッドをオーバーライドしています。

これにより、CarオブジェクトとBikeオブジェクトは同じStartEngineメソッドを異なる方法で実行することができます。

これがポリモーフィズムの一例です。

●アクセス修飾子とカプセル化

C#プログラミングにおけるカプセル化は、オブジェクト指向プログラミングの基本原則の一つです。

この原則は、クラスの内部状態を外部から直接操作されないように保護し、内部実装の詳細を隠蔽することで、より安全で再利用可能なコードを実現します。

アクセス修飾子は、このカプセル化をサポートするために使用されます。

○アクセス修飾子の種類と用途

C#では、クラス、メソッド、プロパティ、フィールドなどのメンバに対して、アクセス修飾子を使用してアクセスレベルを定義します。

主なアクセス修飾子には「public」、「private」、「protected」、「internal」があり、それぞれ異なるアクセスレベルを提供します。

たとえば、publicはどこからでもアクセス可能なメンバを表し、privateはそのクラス内からのみアクセス可能なメンバを表します。

○カプセル化の重要性

カプセル化は、クラスの内部実装を外部から隠蔽することで、クラスの使用方法に関する詳細をユーザに対して明確にします。

これにより、クラスの内部実装が変更されても、そのクラスを使用するコードに影響を与えることなく、クラスの再利用性とメンテナンス性が向上します。

○サンプルコード5:カプセル化を実現するクラス

下記のサンプルコードは、C#でカプセル化を実現する方法を表しています。

この例では、private修飾子を使用してフィールドを隠蔽し、publicメソッドを通じて安全にアクセスできるようにしています。

public class Person
{
    private string name;
    private int age;

    public Person(string name, int age)
    {
        this.name = name;
        this.age = age;
    }

    public void SetName(string newName)
    {
        if (!string.IsNullOrEmpty(newName))
        {
            name = newName;
        }
    }

    public string GetName()
    {
        return name;
    }

    public void SetAge(int newAge)
    {
        if (newAge > 0)
        {
            age = newAge;
        }
    }

    public int GetAge()
    {
        return age;
    }
}

このコードでは、nameageフィールドがprivateで宣言されており、これらのフィールドへのアクセスはSetNameGetNameSetAgeGetAgeメソッドを通じてのみ行われます。

これにより、フィールドへの不正なアクセスを防ぎ、カプセル化を実現しています。

●エラー処理と例外

C#プログラミングにおいて、エラー処理と例外処理は重要な役割を担います。

プログラム実行中に予期しない状況やエラーが発生した場合、適切な例外処理によってプログラムがクラッシュすることを防ぎ、ユーザーに親切なエラーメッセージを提供することができます。

これにより、プログラムの信頼性とメンテナンス性が向上します。

○エラー処理の基本

C#ではtrycatchfinallyブロックを使用して例外処理を行います。

tryブロック内には例外が発生する可能性のあるコードを記述し、catchブロックでは発生した例外を捕捉して適切に処理します。

また、finallyブロックは例外の発生有無に関わらず実行されるため、リソースの解放などのクリーンアップ処理に使用されます。

○例外処理のテクニック

例外処理を行う際は、具体的な例外タイプを捕捉することが推奨されます。

これにより、異なるタイプの例外に対して異なる処理を行うことができます。

また、例外が発生した際には、ユーザーにとって有益なエラーメッセージを提供し、可能であれば復旧のための手順も提示することが望ましいです。

○サンプルコード6:例外処理を含むクラス

下記のサンプルコードは、C#での例外処理の一例を表しています。

この例では、整数の除算を行い、除算エラー(ゼロによる除算)が発生した場合に例外を捕捉して処理しています。

public class DivisionCalculator
{
    public int Divide(int numerator, int denominator)
    {
        try
        {
            return numerator / denominator;
        }
        catch (DivideByZeroException ex)
        {
            Console.WriteLine("除算エラーが発生しました: " + ex.Message);
            return 0;
        }
        finally
        {
            Console.WriteLine("除算処理が完了しました。");
        }
    }
}

このコードでは、Divideメソッドがゼロによる除算を試みた場合、DivideByZeroExceptionが発生します。

catchブロックではこの例外を捕捉し、エラーメッセージを出力した後、安全な値(ここでは0)を返します。

また、finallyブロックにより、処理の完了をユーザーに通知しています。

このような例外処理により、プログラムの安定性とユーザーエクスペリエンスが向上します。

●クラスの応用例

C#プログラミングにおいて、クラスは多様な応用例を持ちます。

これらの応用例は、実世界の複雑な問題を効果的にモデル化し、解決するために重要です。

ファイル操作、データベースの接続、ウェブAPIの利用、GUIアプリケーションの開発など、多岐にわたる用途でクラスが使用されます。

○サンプルコード7:ファイル操作を行うクラス

下記のサンプルコードは、C#でファイルを読み書きするためのクラスを表しています。

このクラスでは、ファイルからのデータの読み込みとファイルへのデータの書き込みの両方を行うことができます。

public class FileManager
{
    public string ReadFile(string filePath)
    {
        using (StreamReader reader = new StreamReader(filePath))
        {
            return reader.ReadToEnd();
        }
    }

    public void WriteFile(string filePath, string content)
    {
        using (StreamWriter writer = new StreamWriter(filePath))
        {
            writer.Write(content);
        }
    }
}

このクラスではStreamReaderStreamWriterを使用して、ファイルの読み書きを行っています。

usingステートメントを使うことで、ファイル操作が完了した後にリソースが自動的に解放されるようにしています。

○サンプルコード8:データベース接続を行うクラス

下記のサンプルコードは、C#でデータベースに接続し、データを取得するためのクラスを表しています。

このクラスは、特定のクエリを実行してデータベースからデータを取得します。

public class DatabaseConnector
{
    private string connectionString;

    public DatabaseConnector(string connectionString)
    {
        this.connectionString = connectionString;
    }

    public DataTable ExecuteQuery(string query)
    {
        using (SqlConnection connection = new SqlConnection(connectionString))
        {
            SqlDataAdapter adapter = new SqlDataAdapter(query, connection);
            DataTable dataTable = new DataTable();
            adapter.Fill(dataTable);
            return dataTable;
        }
    }
}

このクラスでは、SqlConnectionSqlDataAdapterを利用して、SQLクエリを実行し、結果をDataTableに格納しています。

コンストラクタでデータベースへの接続文字列を受け取り、必要に応じて異なるデータベースに接続することが可能です。

○サンプルコード9:ウェブAPIを利用するクラス

現代のソフトウェア開発において、ウェブAPIの利用は非常に一般的です。

C#を使って、外部のウェブAPIにアクセスし、データを取得または送信するクラスを作成することができます。

下記のサンプルコードは、HTTPリクエストを使用してウェブAPIにアクセスし、JSON形式のデータを取得する方法を表しています。

public class WebApiClient
{
    private readonly HttpClient httpClient;

    public WebApiClient()
    {
        httpClient = new HttpClient();
    }

    public async Task<string> GetJsonDataAsync(string url)
    {
        HttpResponseMessage response = await httpClient.GetAsync(url);
        response.EnsureSuccessStatusCode();
        string jsonData = await response.Content.ReadAsStringAsync();
        return jsonData;
    }
}

このクラスでは、HttpClientクラスを使用してHTTPリクエストを行い、非同期的にデータを取得しています。

取得したデータはJSON形式の文字列として返され、必要に応じて解析や加工が可能です。

○サンプルコード10:GUIアプリケーションのためのクラス

グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)は、ユーザーフレンドリーなアプリケーションを作成する際に不可欠です。

C#と.NET Frameworkを使用して、様々なGUIアプリケーションを開発することができます。

下記のサンプルコードは、簡単なフォームベースのGUIアプリケーションの基本的な構造を表しています。

public partial class MainForm : Form
{
    private Button myButton;

    public MainForm()
    {
        InitializeComponent();
        myButton = new Button
        {
            Text = "Click Me",
            Location = new Point(10, 10)
        };
        myButton.Click += MyButton_Click;
        Controls.Add(myButton);
    }

    private void MyButton_Click(object sender, EventArgs e)
    {
        MessageBox.Show("Button Clicked!");
    }
}

このコードでは、Windows Formsを使用して、ボタンが一つあるシンプルなフォームを作成しています。

ボタンがクリックされたときにメッセージボックスを表示するイベントハンドラも実装されています。

●注意点と対処法

C#プログラミングにおいて、特に注意すべき点としては、コードの安全性と効率性が挙げられます。

安全性に関しては、データの型の誤りやnull参照の問題などがあります。

これらを避けるためには、適切なデータ型の選択とnullチェックの実施が重要です。

また、メモリ管理においても、不必要にリソースを消費しないように、使用後のオブジェクトは適切に解放する必要があります。

効率性の面では、コードの実行速度やメモリ使用量に影響を与える要素があります。

例えば、不要なループや大きなデータ構造の使用を避け、必要な処理のみを行うことが望ましいです。

また、複雑なアルゴリズムを使用する際には、その効率性を検討し、必要に応じて最適化を行うことが重要です。

○よくあるエラーと対処法

C#プログラミングでよく遭遇するエラーの一つに「NullReferenceException」があります。

これは、nullのオブジェクト参照にアクセスしようとした際に発生します。

このエラーを避けるためには、オブジェクトがnullでないことを確認するnullチェックを行うことが効果的です。

public class MyClass
{
    public void DoSomething(string input)
    {
        if (input == null)
        {
            throw new ArgumentNullException(nameof(input));
        }

        // 処理を続ける
    }
}

このコードでは、メソッドの引数がnullかどうかをチェックし、nullの場合はArgumentNullExceptionをスローしています。

これにより、NullReferenceExceptionが発生するリスクを回避できます。

別の一般的なエラーは「IndexOutOfRangeException」で、これは配列やリストの範囲外のインデックスにアクセスしようとした場合に発生します。

このエラーを避けるためには、配列やリストの長さを確認し、範囲内のインデックスのみを使用することが重要です。

public void ProcessArray(int[] array)
{
    if (array == null || array.Length == 0)
    {
        return;
    }

    for (int i = 0; i < array.Length; i++)
    {
        // 配列の要素にアクセスする処理
    }
}

このサンプルコードでは、配列がnullまたは空でないことを確認した後、配列の長さを超えない範囲でループを行っています。

これにより、IndexOutOfRangeExceptionを防ぐことができます。

●カスタマイズ方法

C#でのクラスのカスタマイズは、プログラムの拡張性と保守性を高めるために重要です。

カスタマイズの一般的な方法としては、クラスの拡張やデリゲートの使用、イベントの定義などがあります。

クラスの拡張では、既存のクラスに新しい機能を追加するために継承を用います。

継承により、基底クラスの機能を保持しつつ、新しい機能を追加することができます。

デリゲートを使用することで、メソッドを変数として扱い、実行時に動的にメソッドを割り当てることができます。

イベントを定義することで、特定のアクションが発生した際に通知を受け取ることができ、プログラムのフローを柔軟に制御できます。

○実践的なカスタマイズ例

実践的なカスタマイズの例として、イベントを利用した通知システムの実装を紹介します。

下記のコードは、イベントを定義し、そのイベントが発生した際に特定の処理を行うクラスの例です。

public class EventExample
{
    // イベントの定義
    public event EventHandler SomethingHappened;

    public void DoSomething()
    {
        // 何かの処理

        // イベントの発火
        OnSomethingHappened();
    }

    protected virtual void OnSomethingHappened()
    {
        // イベントがnullでなければイベントを発火
        SomethingHappened?.Invoke(this, EventArgs.Empty);
    }
}

public class Program
{
    public static void Main()
    {
        var example = new EventExample();

        // イベントへの登録
        example.SomethingHappened += (sender, e) =>
        {
            Console.WriteLine("何かが起こった!");
        };

        // メソッドの呼び出し
        example.DoSomething();
    }
}

この例では、EventExampleクラスにSomethingHappenedというイベントを定義し、DoSomethingメソッド内でそのイベントを発火させています。

Programクラスでは、SomethingHappenedイベントに対して匿名メソッドを登録し、イベントが発火した際にコンソールにメッセージを表示します。

このようにイベントを使用することで、特定のアクションに対して柔軟な応答をプログラムに組み込むことができます。

まとめ

この記事では、C#におけるクラスの基本から応用までを詳細に解説しました。

C#でのクラスの使い方をマスターすることは、効率的かつ効果的なソフトウェア開発に不可欠です。

この記事が、C#におけるプログラミングスキルの向上に役立つことを願っています。