COBOLでコメント行を完璧に理解する5つのステップ – Japanシーモア

COBOLでコメント行を完璧に理解する5つのステップ

COBOLプログラミングの基本、コメント行を学ぶCOBOL
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

COBOL(Common Business Oriented Language)は、ビジネス用途に特化した古典的なプログラミング言語です。

この記事では、COBOLにおけるコメント行の扱い方を初心者向けに分かりやすく解説します。

コメント行は、コード内でプログラマがメモや説明を残すための行で、プログラムの実行には影響しません。

正しくコメントを使うことで、コードの理解が容易になり、チームでのコード共有が効果的になります。

●COBOLのコメント行とは

COBOLでは、コメント行は特定の文字で始まる行として定義されています。

これらの行は、コンパイラによって無視され、プログラムの実行には影響を与えませんが、コードの読みやすさや保守性を向上させる重要な役割を果たします。

○コメント行の基本

COBOLのコメント行は、通常、アスタリスク()で始まります。

このアスタリスクは、行の最初の列に配置する必要があります。

例えば、「 これはコメント行です」のように記述します。

この行は、COBOLプログラムにおいて実行されることはありませんが、コード内での説明やメモとして機能します。

○コメント行の種類と用途

COBOLにおけるコメント行にはいくつかの用途があります。

最も一般的な用途は、コードの特定の部分に対する説明を加えることです。

また、デバッグ中に一時的にコードを無効化するためにも使用されます。

コメント行は、後でコードを見返した時や他のプログラマがコードを見た時に、その意図を明確に伝えるのに役立ちます。

さらに、プログラムの変更履歴やバージョン情報を記載する際にも使われることがあります。

●COBOLでのコメント行の書き方

COBOLにおけるコメント行の書き方は、プログラムの可読性と理解を深める上で重要です。

コメント行は、プログラムの動作には影響を与えませんが、コードの意図や機能を明確に伝えるために使われます。

コメント行を適切に使用することで、他の開発者がコードを理解しやすくなり、チームでの開発作業がスムーズに進むようになります。

○サンプルコード1:基本的なコメント行の使用

COBOLでのコメント行は、通常、行の先頭にアスタリスク(*)を置くことで記述します。

例えば、下記のサンプルコードでは、第一行がコメント行です。

* これはコメント行です
   IDENTIFICATION DIVISION.
   PROGRAM-ID. HelloWorld.
   PROCEDURE DIVISION.
       DISPLAY 'Hello, World!'.
       STOP RUN.

このサンプルコードでは、最初の行がプログラムの説明を記載するコメント行として機能しています。

このコメント行は実行時に無視され、続くプログラムコードが実行されます。

○サンプルコード2:コードの説明を追加する

コメント行は、コードの特定の部分を説明するためにも使用されます。

下記のサンプルコードでは、各ステップの目的を説明するコメントを追加しています。

   IDENTIFICATION DIVISION.
   PROGRAM-ID. ExampleProgram.
   DATA DIVISION.
   WORKING-STORAGE SECTION.
   01 Number PIC 9 VALUE 0.

* 数値の入力を受け取る
   PROCEDURE DIVISION.
       ACCEPT Number
       DISPLAY '入力された数値: ' Number
       STOP RUN.

このコードでは、ACCEPT ステートメントと DISPLAY ステートメントの前にあるコメント行が、それぞれのコードの機能を説明しています。

これにより、コードの読み手は各行が何をするのかをすぐに理解できます。

○サンプルコード3:複数行のコメントの扱い

COBOLでは、複数行にわたるコメントを記述する場合、各行の始めにアスタリスクを置きます。

下記のサンプルコードでは、複数行のコメントが使用されています。

* このプログラムは、ユーザーからの入力を
* 受け取り、それを表示する簡単な例です。
   IDENTIFICATION DIVISION.
   PROGRAM-ID. MultiLineComment.
   DATA DIVISION.
   WORKING-STORAGE SECTION.
   01 UserInput PIC A(10).

   PROCEDURE DIVISION.
       ACCEPT UserInput
       DISPLAY 'あなたが入力した文字: ' UserInput
       STOP RUN.

この例では、最初の2行が複数行にわたるコメントを形成しており、プログラムの概要を説明しています。

このようにコメントを使うことで、プログラムの目的や機能を他の開発者に伝えることができます。

●COBOLコメント行の応用例

COBOLにおけるコメント行は、コードの可読性を高めるだけでなく、プログラムの保守やチームでの協力を容易にするための重要なツールです。

ここでは、コメント行を効果的に活用するための具体的な例をいくつか紹介します。

これらの例は、実際の開発シーンで役立つ応用テクニックとして理解してください。

○サンプルコード4:効果的なコメントの使い方

コメント行は、コードの特定部分に対する追加的な情報を提供するために使用されます。

たとえば、下記のサンプルコードでは、変数の宣言部分にコメントを付けて、その目的を説明しています。

   DATA DIVISION.
   WORKING-STORAGE SECTION.
* 数値計算用の変数
   01 Num1 PIC 9(4).
* 計算結果格納用の変数
   01 Result PIC 9(4).

   PROCEDURE DIVISION.
       COMPUTE Result = Num1 * 2
       DISPLAY '結果: ' Result
       STOP RUN.

このサンプルでは、各変数の宣言の前にコメントを配置して、その変数がプログラム内でどのように使われるのかを説明しています。

これにより、他の開発者がコードを見たときに、それぞれの変数の役割をすぐに理解できます。

○サンプルコード5:コードの可読性を高める

コメント行は、プログラムの流れを明確にするためにも使われます。

例えば、下記のサンプルコードでは、プログラムの各セクションにコメントを付けて、全体の流れを説明しています。

   IDENTIFICATION DIVISION.
   PROGRAM-ID. ReadabilityExample.

* ユーザー入力を処理するセクション
   DATA DIVISION.
   WORKING-STORAGE SECTION.
   01 UserInput PIC A(10).

* 主処理を行うセクション
   PROCEDURE DIVISION.
       ACCEPT UserInput
       DISPLAY '入力された文字: ' UserInput
       STOP RUN.

この例では、プログラムの各主要部分に対してコメントを付けることで、プログラムの構造が一目で明確になります。

このようにコメントを使用することで、プログラムの読み手は各セクションの目的と役割を容易に把握できるようになります。

●注意点と対処法

COBOLプログラミングにおけるコメント行の使用は非常に有益です。

しかし、正しく使用しないと、コードの品質に悪影響を及ぼすことがあります。

ここでは、コメント行を使う際の一般的な注意点とその対処法について詳しく解説します。

まず、コメントはコードの可読性を高めるために使われますが、過度な使用や不適切な使用は逆効果となり得ます。

コメントは簡潔かつ明瞭にする必要があります。長すぎる説明や不必要な情報は避け、コードの意図を明確に伝えることが重要です。

また、コードの変更に合わせてコメントも更新する必要があります。

古いコメントが残っていると、誤解を招く原因になります。

コメントとコードの整合性を保つことも重要です。

コメントがコードの動作と一致しているか常に確認しましょう。

○正しいコメント行の書き方

コメント行の正しい書き方にはいくつかの鍵となる点があります。

コメントは、コードに関する追加情報を提供するためのものですが、その内容は必要最低限に抑えるべきです。

コード自体が自己説明的であるべきで、コメントはそれを補完する形で使用することが理想的です。

不要な詳細は避け、主要なポイントやコードの意図を簡潔に伝えるべきです。

○コメントを使った一般的な間違いとその解決法

コメントを使った際の一般的な間違いには、コメントがコードと矛盾している場合、過度に詳細なコメント、コメントのない複雑なコードなどがあります。

これらの間違いを避けるためには、コードを変更した際にはコメントも適宜更新すること、コメントは最小限に抑えること、複雑な処理やアルゴリズムを含むコード部分にはその動作や目的を説明するコメントを加えることが重要です。

まとめ

この記事では、COBOL言語におけるコメント行の基本から応用、注意点に至るまでを詳しく解説しました。

COBOLにおけるコメント行は、プログラムの可読性を高め、他の開発者とのコミュニケーションを助ける重要な役割を担っています。

コメント行はコードの実行には影響しませんが、コードの意図や目的を伝える手段として、またデバッグや保守の過程での助けとして利用されます。

効果的なコメントの使い方として、コメントは簡潔かつ明瞭に記述し、コードの変更に合わせて更新することが重要です。