CSSにおけるem単位の使い方7選 – Japanシーモア

CSSにおけるem単位の使い方7選

CSS_em_使い方_初心者向け解説CSS
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はじめに

CSSを学ぶ上で欠かせないのが、単位の理解です。

特にem単位は、その柔軟性と応用力から多くのデザイナーに利用されています。

この記事では、em単位の基本から応用までをステップバイステップで解説し、読者の皆さんがCSSにおけるem単位の使い方を習得できるようにします。

●CSSのem単位とは

CSSにおいて、em単位は「相対単位」として非常に重要な役割を果たします。

この単位は、要素のフォントサイズに基づいてサイズが決まるため、異なるデバイスや画面サイズに対して柔軟に対応できるという特長があります。

例えば、親要素のフォントサイズが16pxの場合、1emは16pxとして計算されます。

em単位は、レスポンシブウェブデザインにおいて特に重宝されます。

デバイスやビューポートのサイズによってフォントサイズを変更したい時、em単位を使えば柔軟な調整が可能になります。

このように、em単位はスタイルの一貫性を保ちつつ、様々なデバイスに対応するデザインを実現するための強力なツールです。

○em単位の基本

em単位の「基本」とは、この単位がどのように計算されるか、という点です。

em単位の計算は、常に関連する要素のフォントサイズに基づいて行われます。

具体的には、要素のフォントサイズが親要素のフォントサイズに対してどれだけの比率であるかを表しています。

たとえば、親要素のフォントサイズが20pxで、子要素のフォントサイズを1.5emと指定した場合、その子要素のフォントサイズは30px(20px x 1.5)となります。

この計算方法により、em単位は非常に「柔軟」に設定することができます。

これは、特にフォントサイズや余白、行の高さなどを指定する際に有効です。

例えば、全体のフォントサイズを変更するだけで、それに関連するサイズも自動的に調整されるため、効率的なデザイン変更が可能となります。

○emと他の単位との違い

em単位とよく比較されるのが、px(ピクセル)やrem(ルートem)単位です。

これらの単位とem単位との主な違いは、「相対的か絶対的か」という点にあります。

px単位は「絶対単位」として知られており、指定されたサイズは常に変わりません。

一方で、em単位は親要素のフォントサイズに依存する「相対単位」です。

これにより、em単位は柔軟性が高い反面、予期せぬサイズ変更が発生する可能性もあります。

また、rem単位は、ルート要素(通常はhtml要素)のフォントサイズに基づくサイズ設定を行います。

つまり、em単位が親要素のフォントサイズに依存するのに対し、rem単位は常に一定の基準(ルート要素のフォントサイズ)に基づいて計算されるため、より予測しやすいサイズ設定が可能です。

そのため、特に全体のスタイリングに関わる部分にはrem単位を使用することが推奨されています。

●em単位の使い方

CSSのem単位の使い方を理解することは、柔軟で効果的なウェブデザインを実現するために不可欠です。

ここでは、em単位を用いた具体的な使い方をいくつか紹介します。

○サンプルコード1:フォントサイズにemを使う

まず、フォントサイズの指定にem単位を使う方法を見てみましょう。

em単位を使うことで、親要素のフォントサイズに応じて、子要素のフォントサイズが変化します。

下記のサンプルコードでは、親要素のフォントサイズを16pxとし、子要素に1.5emを適用しています。

.parent {
    font-size: 16px;
}

.child {
    font-size: 1.5em; /* 16pxの1.5倍、すなわち24pxとなる */
}

このコードにより、.childクラスを持つ要素のフォントサイズは、親要素の1.5倍に設定されます。

これにより、親要素のサイズを変更するだけで、子要素のサイズも連動して変わるため、デザインの調整が容易になります。

○サンプルコード2:マージンとパディングにemを適用する

次に、マージンやパディングにem単位を使う方法を紹介します。

em単位を使うことで、要素のサイズに合わせてマージンやパディングが調整されるため、レスポンシブなデザインが可能になります。

.container {
    font-size: 18px;
}

.content {
    margin: 1em;  /* 18pxの1倍、すなわち18pxのマージン */
    padding: 0.5em; /* 18pxの0.5倍、すなわち9pxのパディング */
}

この例では、.containerクラスに18pxのフォントサイズが指定されています。

.contentクラスには、マージンとパディングにそれぞれ1emと0.5emが指定されており、これらのサイズは.containerのフォントサイズに基づいて計算されます。

○サンプルコード3:レスポンシブデザインにemを活用する

レスポンシブデザインでは、様々な画面サイズに対応するために、em単位の利用が特に有効です。

下記のコードは、異なる画面サイズに応じてフォントサイズを変更する例です。

body {
    font-size: 14px;
}

@media (min-width: 600px) {
    body {
        font-size: 16px;
    }
}

@media (min-width: 1000px) {
    body {
        font-size: 18px;
    }
}

このコードでは、画面の幅が600px以上で16px、1000px以上で18pxとして、それぞれ異なるフォントサイズを指定しています。

このようにem単位を使用することで、異なるデバイスや画面サイズに対して柔軟に対応するデザインを実現できます。

○サンプルコード4:emを使った効果的なレイアウト作成

最後に、em単位を使ったレイアウトの例を紹介します。

em単位を使うことで、テキストの量に応じて要素のサイズが変化し、読みやすいレイアウトを作成できます。

.article {
    width: 40em; /* テキストの量に応じた幅の設定 */
    padding: 1em;
    border: 1px solid #ccc;
}

このコードでは、.articleクラスに対して、幅を40emと指定しています。

これにより、親要素のフォントサイズに基づいた適切な幅で記事を表示でき、テキスト量の多いページでも読みやすいレイアウトを保持できます。

●em単位でよくあるエラーと対処法

CSSでem単位を使用する際には、いくつかの共通したエラーに注意する必要があります。

これらの問題を理解し、適切な対処法を学ぶことで、より効果的なスタイルシートを作成できます。

○フォントサイズが予期せず大きくなる問題

em単位を使用する際、特にネストされた要素でフォントサイズが予期せず大きくなることがあります。

これは、em単位が親要素のフォントサイズに基づいて計算されるため、ネストが深くなるほど影響が累積していくためです。

例えば、親要素に1.2em、子要素にさらに1.2emを適用すると、最終的なサイズは親要素の1.44倍(1.2 x 1.2)になります。

この問題を解決するには、特にネストされた要素に対してem単位を使う際には注意深くサイズを計算するか、あるいはrem単位を使用することを検討します。

rem単位はルート要素(通常はhtml要素)のフォントサイズに基づくため、ネストの深さに影響されません。

○ネストされた要素でのem単位の積み重ね

em単位を使う際によくある別の問題は、ネストされた要素でのサイズの積み重ねです。

これは、ネストされた各要素で指定されたem単位が連続して適用され、予期しない大きさの要素が生成されることが原因です。

この問題の対処法としては、em単位を使う際にはネストされた要素の影響を常に意識し、必要であれば親要素のサイズに基づいてemの値を調整するか、または別の単位(例えばpxやrem)を使用することが挙げられます。

○ブラウザ間の表示の違いとその調整

ブラウザによっては、em単位で指定されたサイズが微妙に異なる場合があります。

これは、ブラウザごとにフォントのレンダリング方法が異なるため発生する問題です。

特に小さなem値を使用したときにこの差異が顕著になることがあります。

この問題に対応するには、まず異なるブラウザでの表示を確認し、必要に応じてメディアクエリや特定のブラウザに特化したスタイルを適用することが考えられます。

また、ウェブフォントを使用する場合は、各ブラウザでのフォントレンダリングの違いを最小限に抑えるために、複数のフォーマット(例:WOFF2, WOFF, TTF)を提供することも有効です。

●em単位の応用例

CSSのem単位は、基本的なフォントサイズや余白の設定を超えて、さまざまな応用が可能です。

ここでは、特に興味深い応用例をいくつか紹介します。

○サンプルコード5:動的なフォントサイズ調整

em単位を使うことで、親要素のサイズに基づいて動的にフォントサイズを調整することが可能です。

下記のサンプルコードでは、親要素のサイズに応じて子要素のフォントサイズが変更されます。

.parent {
    font-size: 16px;
}

.child {
    font-size: 0.75em; /* 親要素のフォントサイズの75% */
}

この例では、.childクラスを持つ要素のフォントサイズは、親要素のサイズの75%になります。

画面サイズが変わると、親要素のサイズが変わり、それに応じて子要素のフォントサイズも適切に調整されます。

○サンプルコード6:モダンなレイアウトデザイン

em単位は、レイアウトの設計にも応用できます。

下記のサンプルコードでは、em単位を使って柔軟なレイアウトを作成しています。

.container {
    width: 50em;
    margin: 0 auto; /* センタリング */
}

.item {
    width: 10em;
    float: left;
    margin-right: 1em;
}

このコードでは、.containerクラスが画面の幅に応じて調整され、その中の.itemクラスが均等に配置されます。

em単位により、画面サイズの変化に強く、かつ整然としたレイアウトが可能になります。

○サンプルコード7:em単位を利用したアニメーション効果

em単位は、アニメーション効果にも利用できます。

下記のサンプルコードでは、hover時に要素のサイズが変化するアニメーションをem単位で表現しています。

.button {
    font-size: 1.2em;
    transition: font-size 0.3s;
}

.button:hover {
    font-size: 1.4em; /* ホバー時にフォントサイズを大きく */
}

このコードでは、.buttonクラスにhoverすると、フォントサイズが1.2emから1.4emに増加します。

em単位を使用することで、テキストのサイズが柔軟に変化し、ユーザーに対して魅力的なインタラクションを実装できます。

●エンジニアなら知っておくべきem単位の豆知識

CSSを使用する上で、em単位の知識は重要です。

em単位に関するいくつかの豆知識を紹介します。

○em単位とアクセシビリティ

em単位は、アクセシビリティ(利用しやすさ)に配慮したウェブデザインにおいて重要な役割を果たします。

em単位を使用することで、ブラウザのデフォルトフォントサイズ設定に基づいた相対的なサイズ指定が可能となります。

これにより、視覚障害を持つユーザーがフォントサイズを拡大しても、ページのレイアウトが崩れにくくなります。

例えば、下記のようなコードでは、em単位を使用してフォントサイズや余白を指定しています。

.body-text {
    font-size: 1.2em; /* ユーザーのブラウザ設定に適応したフォントサイズ */
    margin-bottom: 1em; /* 文章の間の余白もフォントサイズに合わせて調整 */
}

このようにem単位を用いることで、より多くのユーザーにとって読みやすくアクセスしやすいウェブサイトを設計できます。

○グローバルスタイルとem単位の相互作用

グローバルなスタイル設定においても、em単位は効果的に利用できます。

em単位を使用すると、ルート要素(通常はhtmlタグ)に設定されたフォントサイズに基づいて、ページ全体のスタイリングを調整できます。

例えば、下記のようにルート要素のフォントサイズを設定することで、その影響を受ける要素全体のスタイルが統一的に変化します。

html {
    font-size: 16px; /* ベースとなるフォントサイズ */
}

h1 {
    font-size: 2em; /* ベースのフォントサイズの2倍 */
}

p {
    font-size: 1em; /* ベースのフォントサイズと同じ */
}

このようにem単位を活用することで、ウェブサイト全体のフォントサイズやスタイリングを一貫性のある方法で管理できます。

まとめ

この記事では、CSSにおけるem単位の基本から応用、さらにはエンジニアとして知っておくべき豆知識までを詳細に解説しました。

em単位の理解と適切な使用は、アクセシビリティが高く、柔軟性に富んだウェブデザインを実現する上で不可欠です。

豊富なサンプルコードと共にem単位の効果的な使い方を学ぶことで、あなたのウェブデザインスキルを更に向上させることができるでしょう。

この知識を活用し、より洗練されたウェブサイトを構築してみましょう。