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CSSのobject-fit属性を完全解説!5つのサンプルコードで完全網羅

CSS Orderの詳細な解説とサンプルコード CSS
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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はじめに

CSSのobject-fit属性は、ウェブデザインにおいて非常に重要な機能です。

この記事を読めば、object-fitの基本から応用技術まで、誰でも理解し、使いこなすことができるようになります。

特に画像の扱いにおいて、この属性を適切に利用することで、ウェブページの見た目を大きく改善することが可能です。

●object-fit属性の基本

CSSのobject-fit属性は、置換要素(たとえばimgタグやvideoタグなど)の内容をどのように調整して表示するかを指定するために使われます。

この属性にはいくつかの値があり、それぞれに異なる効果があります。

たとえば、’fill’、’contain’、’cover’、’none’、’scale-down’などがあります。

○サンプルコード1:画像をコンテナにフィットさせる基本的な使い方

ここでは、object-fitの最も基本的な使い方を紹介します。

例えば、ある画像を包含しているコンテナ内に完全にフィットさせたい場合、下記のようなCSSを書くことで実現できます。

img {
  width: 100%;
  height: 100%;
  object-fit: cover;
}

このコードでは、imgタグに対して幅と高さを100%に設定し、object-fitに’cover’を指定しています。

これにより、画像はコンテナの全面を覆うように表示されますが、画像のアスペクト比は保たれます。

つまり、画像がコンテナのサイズに合わせて拡大・縮小され、必要に応じて画像の一部が切り取られることがあります。

○サンプルコード2:異なるobject-fit値を使用して画像の表示を変更

次に、object-fit属性の異なる値を使って画像の表示を変更する方法について説明します。

たとえば、画像をコンテナ内に完全に収めたい場合、’contain’値を使用すると良いでしょう。

img {
  width: 100%;
  height: 100%;
  object-fit: contain;
}

この場合、画像はコンテナに収まるようにサイズが調整されますが、画像のアスペクト比は維持されます。

その結果、画像はコンテナの中央に配置され、周囲に空白が生じる可能性があります。

‘contain’は、画像を歪ませずに表示したい場合に適しています。

○サンプルコード3:object-fitと他のCSSプロパティとの組み合わせ

object-fitは他のCSSプロパティと組み合わせることで、より複雑で洗練されたレイアウトを実現できます。

たとえば、object-positionプロパティを使って、object-fitで切り取られる画像の部分を指定することができます。

img {
  width: 100%;
  height: 100%;
  object-fit: cover;
  object-position: top right;
}

このコードでは、object-fitに’cover’を使用しており、object-positionを’top right’に設定しています。

これにより、画像は右上の部分を中心にしてコンテナにフィットするようになります。

画像の特定の部分を強調したい場合にこのテクニックが役立ちます。

●object-fit属性の応用例

CSSのobject-fit属性は、様々な応用が可能です。

特にレスポンシブデザインやアートディレクションの分野で、この属性を使うことにより、ウェブサイトのビジュアルを格段に向上させることができます。

ここでは、その具体的な応用例として、レスポンシブな画像ギャラリーの作成とアートディレクションのテクニックを紹介します。

○サンプルコード4:レスポンシブな画像ギャラリーの作成

ウェブデザインにおいてレスポンシブデザインは欠かせない要素です。

画像ギャラリーを作成する際、object-fit属性を利用することで、様々なデバイスや画面サイズに対応するレスポンシブなデザインを実現できます。

下記のコードは、レスポンシブな画像ギャラリーを作成する一例です。

.gallery-item {
  width: 100%;
  height: 200px;
  object-fit: cover;
}

このCSSでは、クラス名「gallery-item」を持つ各画像が、指定した高さ(ここでは200px)に適合するように調整されます。

object-fitの’cover’値により、画像はコンテナの高さに合わせてトリミングされ、重要な部分が保持されます。

これにより、様々な画面サイズに対応しながらも、画像の重要な部分を失わずに表示することが可能になります。

○サンプルコード5:object-fitを活用したアートディレクション

ウェブサイトのビジュアル面において、アートディレクションは大きな役割を果たします。

object-fit属性を活用することで、クリエイティブなビジュアル表現が可能になります。

例えば、特定の画像を画面全体にフィットさせることで、強いインパクトを与えるデザインが実現できます。

ここでは、object-fitを使ったアートディレクションの例を紹介します。

.fullscreen-image {
  width: 100vw;
  height: 100vh;
  object-fit: cover;
}

このCSSでは、クラス名「fullscreen-image」を持つ画像が、ビューポートの全幅と全高にフィットするように設定されています。

object-fitの’cover’値を使うことで、画像は画面に合わせて調整され、余白なしでフルスクリーン表示されます。

このような大胆なビジュアルは、訪問者の注意を引きつけ、ウェブサイトの印象を強く残す効果があります。

●よくあるエラーと対処法

CSSのobject-fit属性を使う際、いくつかの一般的なエラーに遭遇することがあります。

ここでは、それらのエラーとその対処法を詳細に説明します。

これにより、object-fitをより効果的に使用するためのヒントを得ることができます。

○エラー事例1:画像がコンテナからはみ出す

object-fit属性を使用する際に、画像が意図しない方法でコンテナからはみ出してしまうことがあります。

これは主に、コンテナや画像自体のサイズ設定が適切でない場合に発生します。

対処法としては、コンテナのサイズと画像のサイズを正確に設定することが重要です。

.container {
  width: 100%;
  height: auto;
  overflow: hidden;
}

.image {
  width: 100%;
  height: auto;
  object-fit: cover;
}

このコードでは、コンテナの幅を100%に設定し、高さを自動調整にしています。

また、’overflow: hidden;’を使って、はみ出た画像の部分を隠します。

画像自体には’object-fit: cover;’を適用し、コンテナに合わせて画像が調整されるようにしています。

○エラー事例2:画像がぼやける

object-fitを使用すると、画像がぼやけてしまうことがあります。

これは、画像の解像度が低い、またはコンテナに対して不釣り合いに大きい場合に起こります。

対処法としては、高解像度の画像を使用する、または画像とコンテナのサイズを適切に調整することが効果的です。

画像を縮小表示する場合は、下記のようなコードが有効です。

.image {
  width: 100%;
  height: auto;
  object-fit: contain;
}

このコードでは、’object-fit: contain;’を使用しています。

これにより、画像はコンテナに収まるように調整され、アスペクト比が維持されます。

これにより、画像のぼやけを防ぐことができます。

○エラー事例3:古いブラウザでobject-fitが効かない

object-fitは比較的新しいCSSプロパティであり、一部の古いブラウザではサポートされていないことがあります。

この問題に対処するためには、フォールバックスタイルを提供するか、ポリフィルを使用することが推奨されます。

例えば、下記のようにフォールバックスタイルを設定できます。

.image {
  width: 100%;
  height: auto;
}

@supports (object-fit: cover) {
  .image {
    object-fit: cover;
  }
}

このコードでは、まず基本的なスタイルを設定し、次に’@supports’ルールを使用してobject-fitがサポートされているブラウザにのみ特定のスタイルを適用しています。

これにより、古いブラウザでは基本的なスタイルが適用され、新しいブラウザではobject-fitが機能します。

●エンジニアなら知っておくべき豆知識

CSSのobject-fit属性を効果的に使用するためには、いくつかの重要な豆知識を知っておく必要があります。

これらの知識は、より効率的なウェブデザインを実現する上で役立ちます。

○豆知識1:object-fitとアクセシビリティ

ウェブアクセシビリティは、すべてのユーザーがウェブコンテンツに平等にアクセスできるようにするために重要です。

object-fit属性を使用する際は、アクセシビリティも考慮することが大切です。

特に、画像のサイズ調整を行う際には、視覚障害のあるユーザーが利用するスクリーンリーダーが画像を適切に認識できるよう、alt属性を適切に設定することが重要です。

例えば、下記のようにalt属性を用いて、画像の内容を説明することができます。

<img src="example.jpg" alt="説明文" style="object-fit: cover;">

この例では、alt属性に「説明文」というテキストを設定しています。

これにより、スクリーンリーダーは画像の内容を利用者に伝えることができます。

○豆知識2:パフォーマンスへの影響

object-fit属性の使用は、ウェブページのパフォーマンスにも影響を与える可能性があります。

特に、大きな画像を多用する場合、ページの読み込み時間が長くなることがあります。

パフォーマンスを最適化するためには、画像のサイズを適切に管理し、必要に応じて画像の圧縮を行うことが推奨されます。

また、適切なキャッシング戦略を用いることで、パフォーマンスをさらに向上させることができます。

例えば、下記のように画像を圧縮し、サーバーでキャッシュ設定を行うことが有効です。

<img src="compressed-image.jpg" alt="画像説明" style="object-fit: cover;">

このコードでは、「compressed-image.jpg」という圧縮された画像ファイルを使用しています。

これにより、画像の読み込み時間が短縮され、ページのパフォーマンスが向上します。

まとめ

この記事では、CSSのobject-fit属性の使い方、応用例、一般的なエラーとその対処法、そしてエンジニアが知っておくべき豆知識について詳しく解説しました。

object-fitは、レスポンシブなウェブデザインやアートディレクションにおいて強力なツールであり、適切な使用によりウェブページのビジュアルを効果的に強化できます。

アクセシビリティとパフォーマンスへの影響も考慮しながら、object-fit属性を活用して、より魅力的で機能的なウェブサイトを構築しましょう。